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日本でApple Payが開始された当初、Visaのロゴがなく、なぜだろうかと疑問に思った人も多いと思う。この手の話というのは、概ね手数料が折り合わないかそもそも技術的に無理、という話に収束する。この問題は日本固有のものとなっており、要因は後者に当たる。
また、この件に関しては曖昧な記事が多く、とは言え、なぜ非対応かを国内イシュアが公表している訳でもない。例によって(?)、『CardWave』の2017年3-4月号にHCEおよびEmbedded SE型のトランザクションフローについて分かりやすい記事があり、一目瞭然であったためメモしておく。詳しくは『CardWave』を参照されたい(非ステマ)。
Alt PANからVTSへの移行
日本固有の問題として、オーソリの際、トランザクションはほぼNTTデータのCAFISかJCNのCARDNETへ流れるため、国際ブランド網を通らない。そのため、国際ブランド管理下でのトークン発行ではなく(VisaならVTS:Visa Token Service)、イシュア側でトークン発行して運用がなされる(国内では主にイシュアの基幹システムにIBMがTSPとしてリンクして運用されている)。この時に流れていくのがAlternate PAN(以下、Alt PAN)である。下図はHCEのAlt PANによる簡略的なフローを示す。
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Visaでは既に、HCEクラウドベースの決済においてはAlt PANを認めておらず、セキュリティーポリシー違反となる。VTSでなければサポートせず、Alt PAN脱却を明確にしてきた。ただし、今後の仕様書の更新によっては、イシュア側やサードパーティのTSP(Token Service Provider)での運用方法も検討されているらしいが、何れにせよ日本の環境ではほぼ無理と言える。
一方、Mastercardは現状Alt PANも認めているため、日本イシュアでのApple Payにも対応しているが、こちらもVisa同様にMDES(Mastercard Digital Enablement Service)へ移行しており、また、Alt PANのサポート終了時期も設定しているようである。これに関しては、直近の話という訳でもないので、日本でのApple Pay開始時から対応していることを考えれば、何らかの算段はついての事だろう…と思われる。
今後の日本版Apple Pay
身も蓋もないことを言えば、国内においては、対面取引ではiDかQUICPay(FeliCa)、Web/In-App対応加盟店は数が少ないという環境のため、ほぼ気にしなくてよい、と言うか気にしても仕方がない。仮にMastercardでも同様に非対応になったとしても、FeliCaで使えていれば、大概の人は気付かないかもしれないし(過言)。
そもそも、iPhone・Apple Watchの旧世代を使っている人がまだまだ多い中で、Apple Payの利便性を訴えても何も響かないし、ガラケー時代からFeliCaが搭載されていたにも関わらずあまり使われてこなかった経緯もある。
以前書いたように、PSPによってはJCBも使えないため、むしろPANは自主的にAltしていくくらいの気合いが信者には必要かもしれない(謎)。