AxSxEさんという人がいる。
それはもう奇跡みたいなギターを弾く人で、聴いたものの心に火を点ける感情剥き出しのサウンドは平成のジミ・ヘンドリックスだ!と、僕は勝手に思っている。

そんなAxSxEさんがギターを弾き、歌うバンド「BOaT」を初めて聴いたのは僕がまだ上京する前、オムツにクソを漏らしているブリブリの高校三年生の頃。当時僕がボーカルをやっていたバンドのギタリストがFRUITS☆Leeというアルバムを貸してくれた。印象的なオレンジ色に変な青と白の曲線(当時はロゴと分からず)、よくみたら左下に何か絵が描いてある。
1曲目の「プールジャック」から「ウォティパティ」への流れを初めて聴いた時の感想は「どこの国のバンドだろう?」といったもの。聴き進むにつれて次第に日本のバンドだと気が付く。「なんか変なリフだけどキャッチーでよく分かんないけど変なバンドだな!」初めて聴いた時はその程度の認識だった。

そこから上京して一年も経たない頃、その頃まだバンドメンバーではなかった僕が下川宅に泊りにいった時に「狂言メッセージ」を聴いて僕はブッとんだ。カッコいい!とかそういう感覚よりも、なにか脳にキたのだ。僕の中にある理を超えた直感みたいなものが悲鳴を上げて喜んだ。
そこからRORO→LISTENING SUICIDAL→Soul,Thrash,Trainから
STRANGE CIRCUS - HEADACHE SOUNDS SAMPLER CDのPILLS TO KILL MA AUGUSTまで、何故かリリースとは逆順に耳に穴が空くほど聴き込んだ。ROROなんかはレコ屋にも全然置いてなく、あっても何千円もするのを見ては泣く泣く諦めていたのをしもやんが持っていたときは「神〜〜」と思ったものだ。ふたりでたくさん聴いたね。

「もう四日もしてない」なんかはレコーディングの時に「こういう音にしたい!」と西さんにCircle Soundを聴いてもらってあーだこーだしたし、当時の僕がストラトでピックアップはフロント、歪みはジャージーガールのプラスドライバーを使っていたのは、本当にAxSxEさんになりたかったからなのだ。(今思えばいいのか悪いのか分からないけれど、とにかくあの頃はAxSxEさんを聴いた時の衝撃に音像として近付きたかった。)

すごい好きだった子にフラれた時や、目の前のものを上手くできなかったり息が詰まるほど打ちひしがれた時には「Thank You & Good-Bye」がいつも僕のそばにいてくれて、AxSxEさんのギターは僕の真っ黒い憂鬱をそっと引き裂いてくれた。

僕のギタリスト人生=夏目創太の挫・人間歴には、いつもAxSxEさんという方がいる。いつも心の中にAxSxEさんがいるのだ。



そんなAxSxEさんに急遽1曲録ってもらえるという天地がひっくり返るような一報が僕らの元に入ったのは、もょもとのレコーディングも中盤戦に差し掛かった頃のことだった。(続く)