月別アーカイブ / 2018年10月

ラブコメ大好き

大好き大好き大好き。
ラブひなが特に好きだ。あの極限のハーレム状態にして、絶妙にエロくなり過ぎない感じが最高だ。しかし、米粒を半分に切ったくらいのパンチラ描写でも、俺を釘付けにする。生まれ変わったら俺は浦島景太郎になる。男は、女の子のパンチラを見たときは、スケベー!と言われながら殴られて、バイキンマンみたいに山の向こう側に飛んでいかなければならない。

Pixivでちょっとした青春ほろ苦い学園ラブコメ漫画なんか読んだりすると、なんで俺は高校時代、恋の一つや出来なかったのかと死ぬほど苦しくなる。
おれの故郷は小樽…!小樽だぞ、小樽は時々帰省するとそのロマンチックな風景が見え隠れする街なんだ。住んでるウチはそんな事に気がつかない。ナウロマンチック不成立だ。しかし、時々あの山の上にある母校までの坂を、ヒィヒィ言いながら登ってた頃を愛おしく思う。あの頃、恋がしたくて堪らなかった。おそらく思春期の性欲も手伝って、それは堪らなく強い思いだった。しかし、みのる恋は一つもなかった。

特に、学園ものラブコメなどで胸がキュンキュン言ってる時は、例のごとくあの坂の上の母校までの長い坂を思い出す。坂を登っていた記憶は何故だろう?あの疲労感が、記憶との関連づけを強くするのだろうか。
おれはキョンだったんじゃないか、と思い込むほどだ。しかし、おれは授業中、涼宮ハルヒの憂鬱を読んでいた記憶がある。オタクの友達からセットで1000円で買ったやつだ。よって俺はキョンではない。坂を登って、ハルヒや長門や朝比奈さんがいる学校に行くキョンに、同じように坂を登って学校に行く自分を投影しつづけているのか…。

しかし、そんな俺にでも、よく思い出す甘酸っぱい風景がある。

雪の降る冬はとても寒い。しかし、男子はコートを忌み嫌う。学ランの中に、カーディガンを一枚羽織るだけだ。あの意地はなんだったんだ。みんな、防寒よりヒエラルキーを守るため、闇のドレスコードに従った。おれもそうだ。ヤンキー天下の下で、コートを羽織ろうものなら、おれの死守してきた、中の中の平凡なる地位が崩れてしまうような恐怖感があった。
一方、女子は氷点下のもと生足を死守する。女子がKAWAIIのために、耐え難きを耐える姿は素敵だ。いまでも、階段を上るオネイサンの足に出来たばかりの靴づれを発見すると、愛おしい気持ちになる。話は飛躍するが、第一次チェチェン紛争の時、戦闘が終わった翌日には、オシャレをした東欧ガールが彼に会うために、瓦礫の上を真っ赤なヒールを履いていたという話が大好きだ。

話は本題に戻って、そんな長い寒い冬の、とある日の帰りの道。雪の降る坂道の思い出。
横に歩く、隣のクラスの中田ちゃんが両手を合わせ、早く春が来る事をお祈りするかのように、手の平を摩擦して寒そうにしていた。手袋をしてない中田ちゃんに、おれは貸そうか?と、自分の手袋を片方だけ差し出した。
中田ちゃんは、それを左手に着け、二人でふわふわの雪をかき分け、坂を下る。でも、途中で中田ちゃんは何かを待ってるような顔をしておれをジーっと見ていた。なに?と聞くと「おそろいみたいでヤダよ」と、恥ずかしそうに手袋を俺に返してきた。同時に、おれも自分の鈍感さに恥ずかしくなって、なんとなくお互い無口でそのまま帰った。

この話の欠点。中田ちゃんは男だ。
このエピソードを思い出すとき、目の裏に映るのは必ず、ふわふわの雪の坂道を下る風景で、手袋を返される所までは良いんだけど、顔をあげると男の中田ちゃんがいる。
おれはただ、自分の「手あったかい」を、友達に半分こしてあげようとしただけなのに、それは中田ちゃんからすると、男女間によって行われるイチャイチャ行為の一つと認識されたため拒絶された。なんか、その時「このやりとり、幼馴染の女の子とやりたかった…」とかなんとか思ったのか、ずっとそのモヤモヤが、風景と相まって半端な記憶として残ってる。

強くてニューゲームしたら、モテてたのか?とか頻繁に思う。しかし、今の俺もモテてないので不可だ。強くなってない…。仮に、メチャモテても、田舎の高校生カップルはデートスポットや、金もないので親の目盗んでセックスばっかしてる(俺調査)と相場が決まっている。大変それもまた夢のある話だが、俺は浦島景太郎的、あるいはキョン的な、恋愛感を学園ものにおける理想形としてるので、ラブコメ不成立である。

よって、何度おれは俺に生まれ変わっても、青春ラブコメ不成立である。完
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日記 10/26
朝起きて、いつものように、いつものレコードを再生したら随分ピッチが低く、テンポも遅くなっていた。
いつも聴きなれてる、というか基本的にchet baker singがターンテーブルの上に置いてあるんだけど、これはもう、とりあえず色々レコードを聴き終わった後、まるでターンテーブルの付属品のように、必ず最後はコイツがターンテーブルの上に座っている。何年もそうだ。洗濯機の音より、我が家ではこのレコードが再生されているので、これが変な音で再生されるとなると、大変居心地が悪いのである。
要は簡単な話で、我が家のレコードプレイヤーはベルトドライブ式というもので、中のゴムの輪が伸びてしまったのだろう。消耗品であるからに、変えれば良いだけの話なのだが…

しかし、こんなに何年も頑張ってきたのに、急に伸びたりするものか?と思い考えてみると、今は季節の変わり目である。
四季の移り変わりを目で見るより、使い慣れてるものがよく変化する。一番影響が出やすいのが楽器だ。湿度の変化で随分調子が変わる。
木で出来ているものであるからに、湿度や温度の影響をモロにうける。毎日なんなく弾いていたのに、気がつけばちゃんと発音されないフレットが出てきたりする。いつもの楽器屋さんに持っていくと、フレットが浮いているとの診断。ハンマーでトントンとフレットを叩いて治してもらう。それだけ繊細でヤワな生き物なのだ。

かの有名なモータウンのベーシスト、ジェームスジェマーソンのベースはメチャメチャな弦高であったという。彼が元ウッドベースプレイヤーだった事は大きく関係してるとは思うが、調整もせず、ただ恐ろしく順反りしまくっていたのだろう。
しかし、彼のベースへのこだわりを表す、有名な逸話に、ある日息子がジェームスジェマーソンのベースを勝手に拭いてあげようとしてるのを発見して怒ったという。発言の内容はしっかり覚えてないが「その汚れもグルーヴの一部なんだ!」とかなんとか言ったという。
またある時、細野晴臣のベースの弦があまりにボロかったため、スタッフが弦を変えようとしてるのをみて怒った、という話もある。後年、誰だか70年代くらいの細野晴臣のベースを弾かせて貰ったら、随分ネックが反っていて弾きにくかったという話もある。
いずれも、楽器調整の歴史がまだ浅かったであろう頃の話ではあるが…自分の中で印象に残っている話だ。何度も引用するが、マクルーハン曰くメディアは身体の延長であるからに、自分の大事なところは勝手に触って欲しくないものである。
変化によってベターになるかもしれないが、その変化で勝手が変わる事が、ベターでない結果を生み出す事はよくある事だ。

一方、私アベマコトは、ネックの反りには随分神経質だ。行きつけのミリメーターズミュージックで最適にセッティングされたベースは、弾きやすい上に、そのベースの鳴りの良さが出るようにされている。僕にとって、行きつけの病院のような場所である。前述したような、ベースの神々のベースに対する扱いとは違うが、ある意味、なるべく常時最適な状態である事は、同じように、自分の手先が変化するのを恐れているからかもしれない。
自分の考えだと、楽器は弾けば弾くほど、所謂鳴ってくる、良くなっていく感じがして、季節の変わりによる悪影響も、楽器が変化している事だと感じて少し嬉しい。

今年は暑過ぎる夏が終わったと思ったら、急に寒くなって、心も体も季節の変わり目はダメージを受けるものだけど、同じように楽しんでいけたら良いなと思う。ターンテーブルのゴムが伸びたのは…ただの悪い知らせだけど。

それでは、そんな僕がベースを弾かずに、バリバリ打ち込みしまくった曲をどうぞ。おやすみなさい。11/7『OSジャンクション』発売ヨロシク。

AxSxEさん
「俺はどういう感じで行ったらいいん?仕事って感じで録音に専念する感じ?それとももっと中に入ってバンドと一緒に作ってく感じ?」
社長
「バンドと一緒に作ってく感じでお願いします!」
AxSxEさん
「OK!分かった!そんならドラムセット持ってきて〜!」

と言う最高すぎる会話があったらしく打ち込み曲でドラマー不在であるにも関わらず機材車にドラムを積み込む挫・人間一同は下北沢のはずれにあるナサンドラスタジオへ向かった。

スタジオへ到着すると、先に着いていたAxSxEさんがあれこれセッティングをしている。

「今日はよろしくお願いします!」
「おう!最高の曲作ろうや〜!」

と、犯罪的なスマイルで返してくれる。
話をする度に、とてもあの歌声で「イェエエエイ!ギブミアカァラァレェィシャン
!」と叫んでいた人とは思えないな、と思いながら声を聴いていた。

程なくして打ち込みのデータをパソコンに落とし込み終わり、「まずはベースからやな」と言われたアベくんがベースの録音ブースに向かう。
マイクから拾った音がモニタリングの部屋の大きなスピーカーから鳴り部屋と僕らの鼓膜を震わせる、それを聴き部屋の機械をあちこち弄り回したり直接ブースに足を運んだりするAxSxEさん。しばらくしてから僕に、
「夏目くん!ロー感ってこんなもん?」
と、一言。
初めて名前を呼ばれ(ヤダァっ…)とドギマギしつつも「もう少しあってもいいですね!」と返すと「オッゲェ〜イ」と小声で叫ぶ、その瞬間の声が完全にCDの中で聴いた声で(ほ、ほんものだ…)と思った矢先、AxSxEがスタジオの人を呼び、コンプレッサーを変え始め、あちこち弄りだした。

この瞬間のことを僕は一生忘れないと思う。
モニターから返ってくるアベくんのベースの音にどんどん魔法がかかっていくのだ。
レコーディングをしたことがある人なら分かると思うんだけど、マイクの録れ音のドライの状態ってなんというか割と味気なかったりする。
勿論録音に至るまでにコンプレッサー等はかまされているんだけど、こう、なんか生で鳴ってる迫力とか味感ってそこには意外と無いこともあって、ミックスする段階のイコライズでそこを強調したりして、デジタルで近付けることが多いと思うんだけど、AxSxEさんは録る段階でどんどん音を生で鳴っている、というか聴感的にそう聴こえている印象に近づけていき、みるみるうちに音が変わっていき、あっという間にとんでもなくカッコいい音に仕上げてしまったのだ。
魔法は弾き手だけがかけるものじゃないんだ、と体感した瞬間だった。

「よし、そんなら準備良かったら軽く録ってみてブースでどんな感じの音か聴いてみようか!」

と言い、いざ録音は始まった。
ベース録りはスムーズに進み、あっという間に終わった。流石アベくんである。
いよいよ僕の出番になりあれこれとセッティングを始める。
アンプを出し、エフェクターボードを広げると、僕の足元を見たAxSxEさんが「おぉ〜!なんか見慣れたエフェクターが沢山おるな〜!」と言い、そりゃそうです、だって僕ギタリストになって一番感動して一番影響受けたのAxSxEさんですから!とは、なかなか言えず「AxSxEさんの音が好きで今日はAxSxEさんみたいな音が出したくて色々調べまして…(恥)」と控えめに呟くと、ガハハ!と笑うAxSxEさん。あー、この人、完璧だな…と思った。

僕の録音も比較的スピーディに終わり、しもやんの歌入れも滞りなく進んだ。
一通りこちらが用意した材料は録り終え、その旨が伝わると「よっしゃ!そしたらここからが本番やで〜!今からみんなには1人1回ずつドラム叩いてもらって一番最高のドラム叩いた子のやつ使うで!ドラムバトルや!」とヤバすぎる提案がなされ、僕らはドラム録音ブースに向かう。

1人ずつ指定された箇所でドラムを叩く。まるで電気グルーヴの狂人ドラム大会である。全員のっぴきならぬほど下手くそで、全身複雑骨折してるのかと言うほど酷いドラムが高ーい機材を通って録音されて行く。そしてまたそれを聴き嬉しそうにドラムを叩かせるAxSxEさん。
そして「よっしゃ!そしたら今度はみんなでドラム叩こうや!アベくんはハイハット、夏目くんはスネア、下川くんはキックや!」と言い今度は全員一丸となり狂人ドラム大会を行う。そしていいテイクが出る度にAxSxEさんは「オッゲェ〜イ!!!」と言う。レコーディング中盤からみんなこの「オッゲェ〜イ!!!」が聴きたくて頑張っていたと言っても過言ではない。それ程最高の「オッゲェ〜イ!!!」なのだ。

狂人ドラム大会が終わると今度は全員でガヤを入れようと言う令が下る。
僕らは「ウアアアアア!!!」やら「エー!エス!イー!」やら色んな何がしを叫ぶ。すると「ここはもっと心込めて!」など色々な指令が下り、その度にそれをクリアして行く挫・人間一同。

そして一通りの録音全てが終わり、最後のアウトロがなんか寂しいな、なんかもう一味欲しいなぁ、という話題になる。
ここは当初からAxSxEさんにギターを弾いてもらうという企みでいた為、AxSxEさんの「一服してくるからその間に考えといてやー!」といい席を外した間に作戦会議。

一服から戻ってきたAxSxEが、
「どう?なんか思いついた?」
という一言を皮切りに

「あのですね、実はお願いがありまして、」

「なになに〜?」

「これ歌詞がですね、
最先端スノッブな感性リフで逆転する現象
そのサーガ!
にはまだ……
足りないな……?
パないな……!
」ってあるじゃないですか。」

「ほうほう、あるなぁ。」

「この、足りないな?辺りからですね、AxSxEさんにギターを入れて欲しいんですよ。」

「えええ!!!笑」

「そしてAxSxEさんのヤバすぎるギターソロを聴いたメンバーが「パないな」といい、最後にみんなで「これだ!!!」というストーリーになっているんですよね。なので弾いていただかないと曲が成立しないと言いますか…。」

と言うとAxSxEさんはガハハと笑い悩むこと数秒、

「……分かった!弾くわ!でもちょっと時間ちょうだい!ミックスまでには入れとくから!」

と快諾!それを聴き、うぉおおー!ありがとうございます!とWBC優勝ばりに喜ぶメンバー一同。しなかっただけで心の中ではみんなでAxSxEさんを胴上げしていた。
そうしてレコーディングは無事終了。

AxSxEさんをcircle soundへと送る機材車の中で、僕らは満を持して積もり積もったBOaTやNATSUMENの話をあれやこれやとした。
「なんや!そんな好きやったんなら先に言うてよ〜!…そしたらさ、知ってると思うけど⚪︎⚪︎の××んとこ、あの曲とこの曲は〜」と氷結を飲みながら後部座席で楽しそうに話してくれるAxSxEさんと走った環七沿いを僕は一生忘れることは無いと思う。

画して、僕らは憧れの、あの、あのAxSxEさんに、自分たちの曲の中でギターを弾いてもらうことになったのだった。(続)

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