CDジャケットを描いている仕事柄、「絵を描くときはどんな音楽を聴いてますか?」という質問をよく頂きます。もちろん音楽は大好きだし、CDジャケットを描くときは、その中に収録されている音楽だけを繰り返し聴きながら描いていますが、それ以外はだいたいAMラジオを聴いていることが多いです。

というのも、絵は目と手と集中力を使うので、テレビを見ながら、また友達と遊びながら描くことはできず、それでも耳の寂しさを癒すため、子供の頃から自然と長時間誰かが喋ってくれているAMラジオが友達になりました。僕以外にもそんな出会いをした方は多いのではないでしょうか。当時聴いていたのは、MBS『ヤングタウン』とABC『サイキック青年団』(どちらも関西ローカル)、そして今も聴いているオールナイトニッポンです。

そんな長年聴いてきた「オールナイトニッポン」ですから、イラストの依頼があった時は、夢巳心地で舞い上がりました。それなのに、制作があんなに難航するなんて…

イラストの仕事とは、1枚の絵で見せる読書感想文のようなものなので、先ほども言ったように、CDジャケットならその音楽を、本の表紙ならその文章を、テスト勉強のようにくまなく調べ、そこから、そのテーマや内容がきちんと伝わりやすくなるモチーフを抽出し、整理し、線や色で構成してゆきます。つまりラジオの場合は、当然のようにまずはラジオを聴かなければいけない。しかし、AMラジオの魅力とは2時間なら2時間、その放送時間だけでなく、先週、先々週…脈々と続く流れが産む長い親友関係のような密閉感なのです。つまり「オールナイトニッポン」の今まで聴いてなかった曜日も含め、月~土まで、これからしばらくぜんぶ聴き逃してはいけない。そこでまずは通常の仕事以上に時間を頂きました。

とは言え、元々ラジオ好きなので、「へー、あの人はこんなことに興味があるのかー」とか「アハハ、あの番組の裏ではそんな事情が!?」とか、「ふむふむ、今日初めてリスナーになった人のことを考えながら喋ってる。。。だから売れたんだな!」など色々な発見をしながら、ふと我に返りました。「ハッ!?…ただ遊んでいるみたいじゃないか!」と。真面目に仕事をしているつもりが、傍から見れば、ただただラジオを聴いてゲラゲラ笑っている人です。急に罪悪感が膨らんできた僕は、ラジオを聴きながらできる別の仕事に取り掛かることにしました。それが年始に発表したTVゲームロックマン30周年記念イラストの仕事です(全貌はコチラから)。またまた子供の頃から大好きだったもの。

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こちらも長くたくさんの機種で続いているシリーズなので、まずは今集められるものを揃え、一通りプレイしてゆきます。「へー、このキャラはシリーズごとに設定が少し違うんだな」とか「アハハ、難しいけどやっぱおもしろいなー」とか「ふむふむ、当時の限られたドット絵だからこそ、ボスキャラは毎回色とデザインで差別化してるんだな」など色々な発見をしながら、ふと我に返りました。「ハッ!?…余計遊んでいるみたいになったじゃないか!」と。真面目に仕事をしているつもりが、傍から見れば、ただただラジオを聴きながらゲームをしてる人です。夏休みの子供です。

そんな度重なる罪悪感を乗り越え、聴き続け、下書きをし、
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更に重なる罪悪感を乗り越え、聴き続け、ラフに進み、
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そしてついに出来上がった「オールナイトニッポン」のイラストがコチラ!

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左上から菅田将暉さん、星野源さん、横山由依さん、岡村隆史さん、山下健二郎さん、オードリーの若林さんと春日さん(※担当曜日順)。他のメディアとは少し違った、ラジオの中の一面を描かせて頂きました。現在配布中のニッポン放送さんのタイムテーブル(2月号)に6パターンの表紙として使って頂いておりますので、どうぞお好きな絵でお楽しみください。関東圏以外の方はぜひ郵送をご活用ください。詳しくはコチラから。


そして僕自身のラジオ番組一期一絵(毎週金曜日23:00~23:20/ラジオ関西)は、今週末にいよいよ2回目の公開収録。

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と言っても、いつもの講演会で、母校・大阪芸術大学の卒制展&オープンキャンパス中なので学生さん以外でも、どなたでもご参加可能です。入場無料、先着順。終了後、いつも通り絵の講評も行いますので、希望される方は作品も持ってきてくださいね。

一期一絵・公開収録(中村佑介講演会)@大阪
日時:2019年2月10日(日) 14:00~
会場:大阪芸術大学|9号館101教室
入場無料(※受付は当日13:30~先着280名まで)


胸の中で、夢は漫画家だった子供時代の自分が、いつも別の職種であるイラストレーターになった僕を睨み続けていました。でもこれらの仕事を通し、ようやくあの頃の自分と、今の僕が、ガッチリと握手できたような気がしました。たいへんでしたが、楽しかったです。変わらず、引き続き、よきラジオライフを。