月別アーカイブ / 2018年12月

年末といえば、いろいろバタバタと忙しいですが、カレンダー択びがたいへんな時期でもありますよね。どれを選んで良いのかわからなくなるくらい、好きなものがたくさん出てるなんて、それこそ贅沢な悩みでもありますが、無情にも刻一刻と来年は差し迫ってきては、気ばかりが焦ります。

カレンダーは大きく分けると2つのジャンルがあります。ひとつは"装飾性"重視のもの。芸能人、アニメ、動物、絵画、風景、格言など絵柄がついているものですね。目立つ大き目のサイズや枚数が楽しめる日めくりなんかもこちらが多く、どちらかというと家庭用として使われます。もうひとつはほぼ数字と文字のみで構成されており、書き込みスペースの広さや、大きさも卓上等のコンパクトを追求した"機能性"重視のもの。こちらは学校やオフィス用として使われることが多いでしょう。

自分も2011、2012、2014、2016年と過去4作のカレンダーを作ってきましたが、イラストレーターとしてはどうしても前者(装飾的)に寄ってしまいつつも、消費者としては後者(機能的)を好んで使っている。だったら「その2つを併せ持つことが出来ないのか…!?」と毎度に頭を悩ませ、ついにはどうして良いのかわからなくなってしまい、リクエストを頂きながらもそれ以降カレンダーは出しておりませんでした。
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そしてようやく答えが見つかり、3年ぶりに2019年度カレンダーを発売することとなりましたので、ここで詳しくご紹介させて頂こうと思います。

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【中村佑介2019カレンダー
http://amzn.asia/d/02rrxZl
A3サイズ/12カ月+ぬりえ5枚/1300円(税込)

カレンダーを出していない間、昨年~今年に大阪、東京、名古屋で初の大型展覧会『中村佑介展』を開催してみて、そこでたくさんのグッズを作らせて頂いた中、とりわけポスターが作者の思いのほかご好評の声を頂き、たいへん驚きました。

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また、使い終わったカレンダーをポスターのようにずっと部屋に貼って下さっているファンの方々の写真も見ることがあったので、それなら今回はポスターをつけちゃおう!それも12枚!!と思い付きました。

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そう、今回のカレンダーは上の絵柄と下の日付部分のデザインを別々にして、使い終えても下をハサミや定規とカッターで切り取れば、12カ月すべてがポスターとして使用できるようにしました。

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また同じくカレンダーを出していない間の2016年にぬりえ本「COLOR ME」を出してみて、それも画集やカレンダーとはまた違った楽しみ方をしてもらえるんだ!と驚き、だったらぬりえもつけちゃおう!と。

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カレンダーの最後のページ、つまり来年の12月の次の頁からぬりえ5枚、付録としてつけました。こちらも切り離しができ、「COLOR ME」ではどうしてもサイズの都合上、塗りにくかった部分もありましたが、今回はA3サイズと倍以上大きいので、塗りやすいと思います。またカレンダーはポスターになることも考え、ツルっとした軽い紙。ぬりえは別の、画材を択ばないザラッとした分厚い紙にしましたので、アクリルガッシュも使用できます。

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そしていつも通り、最新作までの中から季節に合わせた12枚を選び、コメントもありますので、ぬりえの絵柄も合わせ、そちらはお手元に届いてから、毎月楽しんで頂けたらと思います。

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もうすぐ新しい年がやってきて、平成もおわりますが、こちらはつかいおわっても、いつまでもご一緒できたらこれ幸いです。

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追伸/帰省の際にはぜひコチラも。

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いやー、長かった。今回はとにかくすっごい長かった。。。

って書くと、タイミング的に今年1年の印象みたいに聞こえますが、いいえ、先日リリースされたASIAN KUNG-FU GENERATIONのニューアルバムホームタウンのお話。

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というのも、前作"ワンダーフューチャー"から3年半あったものの、その間もベスト盤や新ソルファ、シングル、映像作品集、またvo.ゴッチのソロ等、リリースはコンスタントにあったので、ファンの方にとってはそんな印象はそんなにないと思うのですが、ニューアルバムの予定は、実は1年半くらい前から既にあり(通常は半年くらいでリリース)、その当初は"愛と希望のプレイリスト"という違ったタイトルで、内容も楽曲提供を受けた曲を中心に構成されたコラボ要素の強い、例えるならカバーソング集的な企画盤といった趣きでした。

それもそれで、バラエティに富んでおもしろい内容だったのですが、アルバム全体としての統一感に欠ける場合、数曲を1枚の絵にまとめないといけないジャケットとしては描きにくいなぁ。。。さて…どうしたものかと考えあぐねていると、ゴッチもそのように感じたのか、オリジナル曲をもっと追加すると、制作を延長&リリースを延期し、タイトルは短く"プレイリスト"に変更。そして更に熟成させ、次に現れた時には、『ホームタウン』として、1年半前の企画盤的印象はない、シングル曲もコラボ曲も馴染む、実にまとまりのよい正真正銘9枚目のオリジナルアルバムという見事なかたちに仕上がっていたのでした。


おおらかでどっしりとしていて、でも新しい軽やかな感じも混ざってる、例えるなら「お正月に久々に故郷に帰ると、懐かしい景色の中にも新しいお店もチラホラ出来てた」みたいな、まさに"ホームタウン"な感じ。だからジャケットも同じようにしようと、まずはラフスケッチ

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線が粗いだけで色も完成品とイメージはほぼ同じですが、まだ水面に映っているのが白鳥の雛ではなく猫になってたり、ロゴも角ばった感じですね。ま、こんな風に、アルバムとしてのコンセプトがしっかりした分、そこからのイメージもすんなり浮かんだものの、制作期間は彼らと同様にこれまたいつもの倍以上に時間がかかりました。というのも、今回はとにかく「町」を背景ではなく主人公として丹念に描かなくてはいけないと思い、より細かく描けるよう原画をいつもの倍以上のサイズにして挑んだからでした。

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製作途中の原画…ジャケット部分だけでトレース台からはみ出しています(笑)

そして、今のこの楽チンなデジタル配信や聞き放題サービス全盛時代(だから当初のタイトルは"プレイリスト"だったのでしょう)、わざわざお店に足を運んで、手に取り、封を開け、プレイヤーにセットする…etcという一連の「モノを所有する」という行為ってどんなに特別なことなのだろうと改めて考え、「作品」とは別に「商品」としての面で、手に取って下さった方にしか伝わらない部分も、プレゼントとして練り込もうと思いました。予算のかさばる特殊仕様だと、本末転倒に値段が上がってしまうで、箔押しや透明印刷等ではない何か。

そうか。いっぱい描けばいいのか!と、配信では表示されることのない、裏までグルっと続くジャケットや、初回限定盤のそれぞれの装丁や歌詞カードの無数のイラスト、

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また今回の絵は、デジタル画面上では縮小されるので、いつも通りのまっすぐでくっきりの線に見えますが、印刷では線の"かすれ"や、あえて定規を使わなかった"ゆらぎ"が見えるようにしました。すると、実際に手に取って見た人にだけ脳への情報量が増えるので、「なんか深みのある」感じで、一枚の絵をより長時間楽しめるからです。MP3とアナログレコードの音の違いみたいなものですね。以下、町の一部分を見ればその部分、何とな~く掴んで頂けると思います。

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こうしてじっくりコトコト出来上がった『ホームタウン』。これ以上お話しするのは無粋になりますね。他にもいろいろと絵の要素として楽しめる部分もいつも通り隠しておきましたので、年末のゆっくりとした時間の中で、ぜひ絵も音も、初回限定盤で、そのすべてを味わって頂ければ幸いです。


そして年が明けたなら、同様に手に取る楽しみを詰め込んだコチラを、ぜひお使いくださいませ。次回はそのお話。それでは。

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中村佑介『2019カレンダー





(どちらも再版がないものですので、どうぞお早めに)

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