月別アーカイブ / 2016年02月

大学の必要性とそのQ&Aの次は、それでは志望"しない"ではなく、"できない"もしくは"わからない"人用にもっと選択肢があっても良いと思い、学費870円(税込)で美大をかじれる本として『みんなのイラスト教室』を出版した訳ですが(詳しくはコチラから)、Twitterというバーチャル空間ではなく、実は大阪で、ほんとうの教室も開いております。参加は500円(ドリンク代)。まずは詳細をお読みください。

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第2期 『中村佑介のイラスト教室』 生徒募集のお知らせ

専門的なイラストをまだ学べない学生、かつて学べなかった大人向けに、中村佑介が作品に直接、アドバイスをし、課題を出題する完全予約制、学費500円の教室です。
 
日時 : 2016 3月19日(土) 17:00 ~ 20:00
教室 : 大阪・なんばartyard studio地図
556-0016 大阪府大阪市浪速区元町1丁目2-25 A.I.R.1963ビル 4F-A
費用:500円(ドリンクがもらえます)
応募資格:イラストレーター志望者(年齢、職業不問)
応募方法:記入事項と作品をメールにて応募。約20名を選出
応募締め切り日 :
締切りました。3月5日(土)必着

授業内容計2日間を予定
■1日目(3/19):合評・出題
…中村佑介による作品のアドバイスと、それぞれに合った課題を出題
■2日目(未定):課題提出
…オリジナル作品の修正と1日目の課題を提出

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授業前と授業後の第1期生徒作品の比較


生徒参加方法
当教室は完全予約制です。参加希望者される方は、reserve@artyard.jp まで下記の必要記入事項を明記の上、作品画像(JPEG/3枚)を添付し、上記締切日までにメールでご応募下さい。画像はデジカメ、携帯電話等で撮影した写真でも構いませんが、それぞれ1MB以内でお願いします。選考の上、参加決定者にのみ詳細をご連絡させて頂きます。教室と時間の都合上、生徒数に制限を設けております。ご了承ください。

メール記入事項 
件名 : 参加希望『中村佑介のイラスト教室』
氏名:(本名)
年齢:
性別:
身分:(例:「中学3年生」「アルバイト」「社会人」等)
住所:
電話番号:
参加目的:(「イラストレーターになりたいから」「絵がうまくなりたいから」等など文字数自由)
※ 最後に添付画像の確認をお願いします

注意事項
選考は学費面で専門的なイラスト・デザインをまだ学べない学生、かつて学べなかった大人を優先します。その旨を【参加目的】にご記入ください。
授業は日を空けた2日間にまたがる為、教室の方針上、交通費・宿泊費を要さない関西圏の方を優先します。
未成年者の方が参加される場合は、保護者同伴でも構いません。
イラストレーターの育成を目的としている為、漫画家、キャラクターデザイナー、アニメーターなど 他業種を目指している方はご遠慮ください。
サインや記念撮影は行いませんのでご了承ください。
当日の授業風景の撮影・録音・録画は自由です。

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概要は以上です。昨年行った第一期では、10代~40代まで様々な生徒たちが参加して下さいました。また、大阪でしか開けない理由は、出来るだけ学費をなくす為に、僕が暮らしている土地である事と、理解ある会場がアートヤードしかなかったからです。「イラストがもっと上手くなりたい!」という関西圏にお住まいの方は、今ある自信作と熱意の丈のをご応募ください。合格した生徒以外でも、見学は自由(要予約:先着30名まで)ですので、次期以降の参考にしたい人もぜひ以下からメールにてお申込みください。見学募集も定員に達しました。

見学希望者メール記入事項 
送り先:reserve@artyard.jp
件名 : 見学希望『中村佑介のイラスト教室』
氏名:(本名)
年齢:
電話番号:
参加目的:(「イラストレーターになりたいから」「絵がうまくなりたいから」等など文字数自由)※生徒と同様に、入場料(ドリンク代にあてられます)500円のみ必要です。
応募数が30名に達し次第、募集を締切らせていただきます。
生徒数分しか椅子がありませんので、申し訳ございませんが、見学者はすべて立ち見になることをご了承ください。その為、座布団を持ってきて頂き地面に座ることも、途中の入退場もOKです。


また、同日(3/19)のお昼には、こちらも大阪で久々の講演会も開催します。詳細は以下。

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※定員に達しましたので現在、一般枠は締め切っております(90名)
※市内に在住・在学の学生枠はまだ受付中です
(20名)


という訳で、どちらか合いそうな方に、もちろんどちらもハシゴでも。たくさんのご来場、心よりお待ちしております。

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『みんなのイラスト教室』、皆さまのご理解により、おかげさまで3万5000部に到達しました。Amazonのレビュー数が画集を上回っているのは多少複雑なところではありますが、絵の問いより、文字のそれに対する、文字の返答の方がしやすいのだろうということで、一方でやっかむ心を落ち着けて、ありがたく次巻への参考とさせて頂きます(笑)

で、ここで通常なら「第2弾出せます!」というご報告も兼ねたいところではありますが、僕の印税と出版社の制作費、広告費を削って実現した806円(税抜)という価格設定のため、おそらく5万部以上いかなければ、それは実現できそうにもありません。専門書の部類に入りますので、必要のない人に「買って下さい」とは申しませんので、見の周りの必要ありそうな方々へ「こんな本あるよ」と伝達のご協力、引き続きよろしくお願い致します。

さて、そんな中、スカパーのスターチャンネルで『学歴の値段 ~集金マシーン化した米大学の真実~』というたいへん興味深いドキュメント映画を観ました。



要約すると、"不況により国の負担分が減ってゆき、大学の学費、すなわち生徒が払うお金が高くなっている。大学を維持する為には、生徒が減らぬよう、例えばホテルのようなプール付きの寮など、一見勉学には不必要だと思える遊ぶ施設を作る必要があり、それにより全体の成績は落ちてゆき、結局大学を卒業しても就職が見込めない。という本末転倒なシステムを問題提議"、そんな内容の映画でした。もちろん2時間にはそれ以外のなるほどもたくさん詰まっていたので、興味のある方は再放送やGoogle Playなどでぜひ観てみて下さい。

僕自身も『みんなのイラスト教室』は、学費の面で美大に行けない(行けなかった)方々に向けて出版した経緯もございますので、とても共感を覚える部分もありつつも、果たして「大学は必要か?」ということを改めて考えさせられた1本でした。

当ブログ読者の中にも、ちょうど今そこが気になっている方がいらっしゃるでしょうし、講演会でもよく「美大に行った方が良いですか?」と高校生やそのご家族から質問が出ます。この質問が出た時ばかりは、僕はいつも困ってしまいます。

現在38才の僕が子供の頃には、社会的に「大学は出といた方がいい」という風潮がありました。当時のこの言葉に全てが集約されており、「入った方がいい」ではないのですね。つまり4年間の勉学が本文ではなく、4年後の就職に有利な「大学卒業」というチケットを手に入れることが大きな目的になっていたことになります。でもそれも昔話。今はそんな傾向はさほど見なくなりましたし、美術関係の仕事ならなおさら、学歴より、その人の技能だけが求められる世界なので、より関係ないと言えるでしょう。

とは言っても、大卒だと、会社面接での短い時間の中で、プロフィール説明を「(あ、○コース卒業か)」と省くことができるので、そこはメリット。だから卒業生と同じ年齢で、入社希望する方は、きちんと「何をしていたか」を伝える術を考えておくことをおススメします。僕なら「モノ」を用意します。デザイン会社なら、絵だけではなく、自分で作った広告などのことです。

さて、僕自身は大阪芸術大学デザイン学科の、現在はもうありませんがインフォメーションデザイン(視覚情報)コースに入学、そして卒業しました。

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大阪芸術大学キャンパス
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入学当時(18才)の中村佑介

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大学時代の課題作品(左:風景デッサン/右:企業広告)

いまプロとして仕事が出来ているのは、その大学時の授業で学んだことがほとんどです。それなら即答で、「はい!大学はゼッタイ必要!!」と答えれば済むものの、それは結局、校風や大学というシステムが「僕の勉強方法に合っていた」という話なんですよね。ひたすらの暗記や、少ない評価軸の義務教育では体験できない、それぞれのきちんとした理解を、レポートや作品という、ある程度自由度のある答えで打ち返し評価されることは、「もっと知りたい!もっと活かしたい!!」という、とても充実した楽しい学びの時間となりました。

例えば1軒のラーメン屋としても、「あの店は味噌ラーメンが格別だね」「わたしはしょうゆの方が好きだよ」という風に、大学ごと、学科ごと、コースごと、そして学生ごとに【向き・不向き】があり、またそれは将来にどんな影響を及ぼすかは、数年経った卒業生以外、誰にもわかりません。だから僕の答えは「行っても、行かなくてもいいけど、僕はすごく為になりましたよ。あなたはどうしますか?」という雲のようなフワフワな答えしか思い浮かばず、いつも考え込んでしまいうという話でした。でもそれだと、何百円というラーメンではなく、何百万というケタの違う学費を支払う大学は、相当な博打のようになってしまう。映画の中で問題視されている「学費」。そもそも高いのでしょうか?安いのでしょうか?

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アニメ『四畳半神話大系』より猫ラーメンのシーン

大学のメリット①~"自由さ"

これも学校やコースによっての差、そして人それぞれの価値観にも寄りますが、僕の場合は私大4年間の学費・約300万円は、入る前は単純にそんな額のお金を見たことがないので、「高いなぁ」と思いましたが、今は相応、つまり十分元を取ったと感じています。詳しくはコチラのインタビューと併せてお読み頂きたいのですが、バイキング、あれと同じ要領です。普通ならトントン。そして食欲が多く、かつ胃袋が大きい人は得できるけど、小食の人はかなり無理しないと元が取れないかもしれない。そんな感じ。あ、例え話で、学食のことではなく、学問への好奇心の胃袋のことです(笑) 別にデザイン学科に入ろうが、4年間も時間があるので、能動的にきちんと申請さえすれば、他学科の施設を使って、彫刻をしても、版画をしても、演劇をしても、映画を撮っても、ピアノを弾いても、何を作っても良い。例えばこれだけのスタジオやアトリエを4年間毎日借りっぱなしにしたら、レンタル料500万は超えるでしょう。これが僕が考える、大学独自のメリットの1つ。同時に「何もしなくてもよい(怒られない)」ので、裏を返せば落とし穴にもなりますね。


大学のメリット②~"不自由さ"

もう1つの最大のメリットは、逆に不自由さ。一見聞こえは悪いですが、今の時代、特にここが重要なのではないかと考えています。

また自分事になりますが、僕は子供の頃から大学入学前、そして大学3年生になるまでは、TVゲームメーカーへキャラクターデザイナーとしての就職を志望していました。同じ絵を描く職業ではありますが、野球とケン玉くらいは、今、僕がやっているイラストレーター(自営業)とは仕事内容も雇用形態もまったく違う職種です。だからコンピュータの勉強が出来るコースに入学。当時は今の様に、インターネットもない、そして高額という理由から、一般家庭にはコンピュータが普及しておりませんでした。お父さん、お母さんは活字を打ちたい時は電卓にプリンターがついたような"ワープロ"という機械で、書類や家計簿を作成していたんですよ。詳しくは親御さんに聞いて下さい。

だから、実はイラストの勉強というより、パソコンの技術を学ぶ為に、最初は大学へ入ったのですね。だから入学当初は実技、一般教養も含め、コンピュータとは関係ない大学での多種多様な授業に「なんでこんな関係なさそうなことまで勉強しなきゃならないの?」と疑問に思っていましたが、それでも落第せぬよう出席している内に、「あれ、ゲームやコンピュータだけじゃなく、美術やイラストもおもしろいかも?」「あれれ、もしかしてこっちの方が自分にも向いてるかも?」という風に、やがて卒業を控えた4年生時には、すっかりイラストレーターを目指すようになっていました。そして今に至ります。

これは映画館の不自由さから来るメリットにも似ています。例えばテレビで映画が放送されている。「パっと見が好みじゃないし、退屈そうな作品だなぁ~」と消して、自分の部屋に戻る。そして終わった頃にTwitterを覗いてみると、みんな口を揃えて、その映画に対し「まさか前半の全てが、後半の怒涛の様な展開の前フリだったなんて!これは隠れた超名作!!」と感想を言っている。少なくともあなたはちょっぴり後悔するでしょう。ということが上映時間内は基本見続けなければいけない映画館ではありません。

大学も同様です。あれから出てきた"インターネット"だって、一見、大学のように専門分野を広く、深く、どこでも、誰でも学べる夢のような環境と思いきや、これがそうもいかないんですね。「いつか読もう」と勉強になりそうな記事にブックマークをつけたまま、何年も経ってしまっていたこと、僕にもあります。読んだだけで勉強した気になって、実践はまだしていないこと、誰にもあると思います。それが大学だとないんですね。欠席すると落第し、落第すると学費が無駄に。そして出席すると課題が出される。そんな半強制的な繰り返しの中から、僕もイラストレーターという自分に向いている職業を、21才くらいの時にようやく見つけられました。それまでもイラストレーションは意識的にたくさん見ていたし、職業名は知っていたはずなのに。つまり可能性とは、「いつか」という自由の中より、「いま」という不自由な中の方が広がりやすい。そんな風に思うのです。


以上のようなことが、今現在の僕の大学への考えです。「その職業につく為の必須条件」でないことは、美術教育を受けることなく、長年、第一線で活躍されている漫画家・イラストレーターのわたせせいぞうさんが証明しているので、言うまでもありませんが、選択肢のひとつとしては、とても可能性のある時間が体験できる他にはない場所だと思います。今回はとりわけ美大についての話ですが、これが「専門学校」「会社」「友達グループ」、色々な事に置き換えてお読み頂ければ幸いです。

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わたせせいぞうさん作「春ぴあ 2016年版」表紙

では最後に、どういう人が大学に向いているのか。少なくともこんな長文を最後まで読め進められた知的好奇心旺盛な人は、学費以上の得を、4年間で摘み取れることでしょう。今、受験勉強をしている方、在学中の皆さま、がんばって下さい。
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中村佑介作 漫画「いつもの」第3話"猫とセーラー服"より (大学漫画 vol.8 掲載) 

そして、家庭や環境の事情で、そもそも【大学へ行く・行かない】という選択肢を持てない方向けに、そこまでの学費がかからないシステムももっと開かれて良いと思うので、「みんなのイラスト教室」を出版したのでした。次の記事ではそのあたりをもう少し深く掘ります。



こんにちは。イラストレーターの中村佑介です。2月から3月にかけて、ひばりくんフィオナとケイクキティちゃんゆきりんアジカンと手掛けたコラボ作品が5つ発表されます。それではひとつずつ詳細をご紹介してゆきますので、どうぞ最後までお付き合いください。

①『ユリイカ』 江口寿史特集 トリビュートイラスト掲載

まず1つ目は現在発売中の「ユリイカ 2016年2月号増刊~総特集/江口寿史」にトリビュートイラストが掲載されております。江口先生とは以前、イラストレーション 2014年6月号でも対談させて頂きました。

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ただし、その時はどちらかというと雑誌の特性上、"イラストレーターとして"の側面が強かったですが、代表作『すすめ!!パイレーツ』、『ストップ!!ひばりくん!』、『エイジ』、『エリカの星』などなど、江口先生の本当の顔は漫画家です。子供の頃にいくつもの作品をドキドキしながら読んでいた僕にとっても、たとえ江口先生の現在の活動の中心がイラストであっても、やはり"漫画家"というイメージがあります。今回のユリイカは、そんな漫画家としての江口先生を深く深く掘り下げた内容。NHK「BSマンガ夜話」が好きだった方は、もちろん評論家のメンツ的にも、すごく興味深い一冊となっていることでしょう。

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そしてトリビュートイラストは、編集部から「何か1作品をテーマに」と言われたので、一応、「ストップ!!ひばりくん!」を中心に置いたものの、「エイジ」も「パイレーツ」も江口先生ご自身の過去と現在までもを、クレープのようにグルッと包んだような1枚に仕上げました。ぜひ元作品と一緒にご賞味頂ければ幸いです。


②『アドベンチャー・タイム』ファンブックにトリビュートイラスト&コメント掲載

2つ目は、こちらも現在発売中のアニメ『アドベンチャー・タイム』の初のファンブックに、1ファンとしてイラストとコメントを寄稿させて頂きました。

「アドベンチャー・タイム」開始当初は、かわいらしい多種多様なキャラクターや設定から、パッと見は「アンパンマン」の海外版風なのかなと傍から予想していたのですが、実際に見てみると、その真逆と言っても良いほど、毒っ気、シニカルさ、シビアさ、そして美学が詰め込まれた大人向けの内容でもあり、すっかりハマってDVDを集めてしまいました。さくらももこさんの「コジコジ」が好きな方なんかは、ドンズバで好きだと思います。

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また、他のアニメでは見られないような繊細な色使いで、その点もとても勉強になります。そして何より、日本のアニメや漫画、ゲーム文化への愛が、すごく詰まっているんですよね。その辺りは誌面上でもご紹介させて頂いております。そしてイラストの方も、その中でも、元ネタは言うまでもないほど、世代の方はニンマリが止まらないこの回の主人公である、フィオナとケイクというキャラクターを選んで描きました。
 
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おまけのジェイクトートバッグもすごく可愛いので、ファンの方もこれからの方も、書店へとこの冒険の書を探しに行ってみて下さい。


③2/29 スピリッツ『柏木由紀×中村佑介 グラビアート第4弾』掲載
3つ目は、来週月曜日(2/29)発売の週刊「スピリッツ」第14号の表紙&巻頭カラーで、柏木由紀さんとの4度目のグラビアートが掲載されます。

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※この告知画像に掲載されているのは表紙ではありません。

"グラビアート"というのはグラビア+アートの造語で、端的に言うと、絵を写真で再現するという試み。これまでスピリッツ連載中の漫画家さん達も手掛けてきた企画です。僕の場合、これまでは1度目が"かわいさ"、2度目が"不思議さ"、3度目が"セクシーさ"、そんな様々な柏木さんの側面を、より引き出せるよう心掛けてきました。

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そして4度目の今作は"かっこよさ"を。そして柏木さんは最近、AKB48とNGT48を兼任されているので、そこにプラス"新潟"をテーマに表紙は描き下ろし、それをこれまたいつも素晴らしいバランス感覚で魅せて下さる写真家の四方あゆみさんに再現して頂きました。

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そして中には文字のかかっていない全貌や他の作品もたくさん。偶然、大学のクラスメイトである漫画家・石黒正数氏の名前も。同窓会状態ですね。

さらに同日には、これまでのグラビアートシリーズをまとめたムックも発売。 
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僕と柏木さんのは、今回の表紙の別カットと、これまでの全3回作品が10ページ20作品に渡り掲載されています。「これまでの知らなかった~」という方はこちらもぜひチェックしてみて下さい。


④3/3 MOE4月号 山口裕子×中村佑介 対談+キティちゃんトリビュート作品掲載

そして4つ目は、あのキティちゃんのデザイナー・山口裕子さんとの対談が、3/3(木)発売の月刊「MOE」4月号に掲載されます。
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対談のテーマは、今や世界で通用する言葉でもある日本文化「カワイイ」について。やはりそこにサンリオ、そして代表キャラクターのキティちゃんは外せませんよね。

僕はずっと気になっていたのは、「"キティ"はどうやって"キティちゃん"になり得たのか?」ということ。

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どんな流行でも、一過性のものなら、なんら不思議はないのですが、これだけ長く続く人気には、必ず秘訣というものがあると思っていました。しかも絵として見れば、キティちゃんを構成する線は太く、極限までシンプルに減らされています。そしてサンリオの中でもとりわけいつも無表情。いわば標識マークのように、「無機質」になりかねない存在です。それなのに、みんなこれが「かわいい」と思う。つまり「綺麗な絵(線)」ではなく、「かわいい生き物」だと感じています。だから「キティの絵」ではなく「キティちゃん」と愛称で呼ぶ。信号やトイレのマークを見ても、誰も「かわいい人」とは思わないことからも、これってよく考えたら、とても不思議なことなんですよね。

そこで注目したのがキティちゃんのトレードマークである大きなリボン。
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このリボンは、耳にそって斜めについているので、意識的にならないとなかなか気付かないのですが、ここだけ切り取って、水平にしてみると…
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わかりますでしょうか。これ、左右対称ではなかったのですね。左より右の方が小さく、シワの形も微妙に違っています。つまり方眼を置いてみると、こんな感じの遠近感で描かれていたのです。

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ここからわかるのは、キティは絵という記号ではなく、立体物や生き物に近いということ。その証拠に、リボンだけでなく輪郭、両目の大きさ、鼻の形、ひげや耳の位置に至るまで、すべて左右で微妙に違っていました。実験として、キティちゃんのそれらの要素を全て、左右対称に直すとこんな感じ<図:A>。

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これだけシンプルなラインであるにも関わらず、正円がそうであるように、左右対称にした<A>は、図としては整ってはいるものの"記号感"が強く、元の左右非対称の<B>の方が、思わずなでたくなるような、かわいらしい"キャラクター感”がまさっているように感じられます。こうして山口さんが、キティちゃんを「もの」ではなく「生き物」として描かれているからこそ、みんなに愛され続けているのだと感じました。

だとするとなぜ口がないのか? 不思議ですよね。そこも含め、かたちや色に関する多くの秘密や歴史、新しいコラボにおける線引き、これからの展望、山口さんご自身のご趣味など、フルカラー7ページに渡り、絵を描いている方は必読の内容になっいると思います。そして、そこで学んだことを活かして描いた、同時掲載されている僕のキティちゃん・トリビュート作品をほんの少しだけ。

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これ以上は読んでからの「ヒ・ミ・ツ」ということで、3/3の発売を楽しみにお待ち下さい。


⑤3/16 ASIAN KUNG-FU GENERATION ニューシングル『Re:Re:』 発売

3/16(水)に発売されるASIAN KUNG-FU GENERATIONのニューシングル『Re:Re:』のCDジャケットが公開されました。

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「あれ、なんか聞いたことある曲名だぞ!?」と思った方は、もう長らく彼らを応援し続けて下さっていることでしょう。そう、これは今から12年前に発売された『ソルファ』というアルバムの人気収録曲が、この度、アニメ「僕だけがいない街」の主題歌になったため、新しいアレンジで再録音し、シングルカットしたものです。12年間に、何度も何度もライブで演奏されるたび、まるで生き物のようにアレンジが変化し続けていることからも、アジカン自身にとっても、特に思い入れの強い1曲なんだと思います。

そして「あれ、なんか見たことあるような絵だぞ!?」と思った方も、鋭い。この曲のメッセージは「戻れない時間を振り返る」というもの。そして、上記のような理由から、「もしあの時、シングルとして出ていたら?」という想定の元に、過去(右)を振り返り、アルバム「ソルファ」の女の子、それまでの一連のシングルである「サイレン」の電車、「ループ&ループ」のダルマインコ、「リライト」のホワイトタイガー、「君の街まで」のトキと、全てをドッキングさせたようなジャケットに仕上げました。
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こんな風に時系列順に並べると、より綺麗に見えるような構図、色遣い、そしてデザインに仕上がっておりますので、「最近、CDから遠ざかっていたなぁ。。。」という方も、ぜひ揃えて、ぜひお部屋の春を彩って下さい。

こればっかりは聴いてもらってからでないと、わからない要素も多々ありますので、今回はこれくらいにして、詳しいジャケットの説明やメイキングに関しては、また3/16の発売前後に、改めてここでじっくりお話させて頂きますね。そして『Re:Re:』に続き、全て新レコーディング『ソルファ』のリリースもアナウンスされておりますので、そちらも併せて楽しみにしていてください。

以上、「春のコラボ祭り」でした。なお、5つ集めても、ミッフィーのお皿はもらえませんので、ご了承ください。


追伸/僕の方も同時期に、MPホットロディマス、MPウルトラマグナス(再販)、コンボイグランドプライム、アドベンチャー・サンダーフーフと、「トランスフォーマー」の玩具が怒涛のように押し寄せてきてたいへんです。山口さんとの対談でもちょこっと溢れだしております(笑)

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昨日は久々に両親と食事。ベトナム料理店にて少し遅めのお誕生日祝いをしてもらった。本読みの父は最近、溢れる本棚のスペースに困っているらしく、「それならいっそ、場所を取らない電子書籍を活用すれば?」と聞くと、「それは違う」と答えた。

「単純に【内容を知る】だけが目的ならそれで良いだろうが、【本屋に行く】、【歩き回って択ぶ】、【レジで支払う】、【持って帰る】、【ページをめくる】、【しおりをはさむ】、【人に貸す】などの行為を含めて『読書』の楽しみなので、やはりモノで欲しい。例えば同じ栄養が取れるからって、毎日の食事を栄養ゼリーで済ます訳にもいかないだろう?」と、手の込んだ生春巻きを口に運んだ。なるほど。(余談ではあるが、本の表紙を描く仕事をしている身としては、やはり画像よりも解像度が圧倒的に高い印刷物で、絵を隅々まで見てもらう方がうれしい。)

それで思い出したのが「トランスフォーマー」。ハリウッド映画化もされている乗り物がロボットに変形する玩具で、僕が子供の頃(30年前)からあったものの、集め始めたのはここ2年くらい。映画第4作目『ロストエイジ』が公開され、ドリフトというキャラクターが気に入って、最初はそのフィギュアのつもりで買ってみた。
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「うん、劇中とソックリで大満足」とかっこいいポーズを取らせ、棚に飾ろうと思ったところで、「そういえばトランスフォーマーって変形できるんだっけ?」とようやく気付いた。子供の頃にも何体か所有していたが、変形と言っても、ほぼ手と脚を縮めるだけで、あとは裏返し、ロボットの時に亀の甲羅のように背負っていた車のボディで見立てるという、まるでトランプをめくるような、とても単純なものだった。

そう高を括って、いざドリフトの変形をはじめてみると、どこをどういじっても、元々露出している車輪以外はなにひとつ車らしい形すら出てこない。そこで説明書通りに、ルービックキューブを回すようにカチャカチャとやってみると、まるで手品のように元の鎧甲冑は姿を消し、これまた劇中通りの車が目の前に現れた。 (詳しい変形はコチラから)
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ガーン!この30年間の発想と技術の進歩を目の当たりにした瞬間だった。そして別のキャラクターや車というより、別の変形を試したくなった。最初は可動フィギュアのつもりで買ったのに、変形玩具の虜になってしまったのだ。

さて、当たり前だが、上の2つの画像を見る事と、実際自分の手で変形させてみる事は全く別の体験だ。トランスフォーマーほどAmazonの画像と、手にした感覚の差が出るものは体験したことがない。父が言ったのもつまりはこういうことだろう。電子書籍にしろ、MP3にしろ、JPGにしろ、「読めたらいい」「聴けたらいい」「見れたらいい」という目的まで最短ルートでショートカットする為に生まれたものだが、目的と同等か、いや、それ以上に実は工程も楽しいものなのではないかということ。もっと言えば、「面倒」と言うと回避したくなるが、「手間暇」と言い換えるなら、むしろそれをかける事に楽しみを見出している人は案外多いんじゃないかということだ。僕もその一人だろう。なぜなら、それからコツコツ、カチャカチャ、コツコツと。いまや僕の部屋は、「ここは雛人形問屋か!?」と見間違うほどに、棚という棚にところ狭しと、100体以上の手間暇のかかるロボット達が並んでいる。
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これで一部なんだから、血は譲れない。棚に困っているのは、なにも父だけじゃなかったのである。でもそれはとても楽しい。便利という名のもとに、それを奪われないように。

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