月別アーカイブ / 2014年07月

前回の日記はあまりにもパリの街が刺激的すぎて、本題である『JAPAN EXPO 2014』参加に辿りつくことができませんでした(笑) まだまだお話したいことはたくさんあるのですが、それはまたの機会に置いておいて、という訳で今回はジャパンエキスポ当日からのレポートにします。

会場へは、こんなフランス国旗の色をした電車で、滞在していたホテル前の『パリ東駅(Gare de l'Est)』から空港方面に2、30分ほど。ちなみにパリは思ったよりコンパクトな街で、歩こうと想えばモンマルトルの丘からエッフェル塔、凱旋門、シャンデリゼ通り、ルーブル美術館など、すべて徒歩で回れます。少し疲れますので、日本より割安なタクシーもおすすめです。電車はというと、日本のバスのようなシステムで、区間により値段が一律に決められているので、近いと損、遠いと得になる訳ですね。

さて、電車に乗り込むと、早速ジャパンエキスポに参加すると思しき集団を発見。海外でも任天堂は大人気。そしてマリオにピカチューという派手目の色を多用したキャラクターも、フランスのカラフルな車内ではぜんぜん浮いてないのも凄いですよね。

そしてしばらくすると、どこからかアコーディオンの音色が…いた!!

10分くらい演奏した後、乗客から紙コップにチップをもらい、隣の車両へ移っていきました。アコーディオンの音って実際は思ったよりすごく大きいのですが、誰も迷惑そうな顔ひとつせず、それはそれは素敵な光景でした。別の日にはヴァイオリン弾きのおじいちゃんも。そして会場前駅へ到着。

すると前方にやたら大きなバッグをかついだ人物が…

「まさか…!?」と思い前に周ってみると、ポーズを決め!聖闘士星矢でした。

この大きな箱の中にあの"聖衣(クロス)"と呼ばれる鎧が入っている設定なのですが、変身前の姿のコスプレを見たのははじめてでした。マニアックですね。それもそのはず、日本ではすっかり懐かしアニメとなり、今は「~Ω(オメガ)」というシリーズ続編が放送されている「聖闘士星矢」ですが、今フランスでブームの真っ最中なのです。詳しいことはわかりませんが、たぶん神話という設定や、放送時期の関係だと思います。

ほかにもNARUTOの「暁」の衣装を着た方や、その向こうにも何かしらのアニメのキャラクター。

また、お尻…じゃなくって、以前季刊エスで対談させて頂いた鈴木央さん『七つの大罪』バッグまで!!

そして会場に着くと中はこんな感じで日本文化ファンのフランスの人々で溢れています。

1週間ほどの会期中に25万人以上の来場者があったようです。右上にはこれまた懐かしい藤原カムイさんの漫画『ドラゴンクエスト列伝~ロトの紋章』の看板が。僕も子供のころ読んでいました。

僕の展示ブースはこんな感じです。2.5×9メートルの巨大パネル展。自分の描いた最近のイラストの中から、日本の文化を伝えるのに特に適したものを択びました。

「マジックディスク」の6面ジャケットも展示。製品版では細かすぎて印刷で潰れてしまう箇所も再現。

フランス語のプロフィールと作品説明も作成。自分でも何が書かれているのかわかりません(笑)

このパネル展示ははじめて見る現地の方達からも、想いも寄らぬほどの好評を頂きましたが、時に広い会場でのパリジェンヌたちの待ち合わせスポットとなったり、

彼女達の後ろにある舞妓さんの絵はASIAN KUNG-FU GENERATIONのアルバム「ランドマーク」のCDジャケット。"ランドマーク"とは"目印"という意味なので、待ち合わせ場所にピッタリですね 笑

時に記念撮影の背景となったり(トトロってこんなだったっけ?笑)と、色々と役立てたようで何よりでした。



そしてサイン会がはじまりました。いつもの書店でのサイン会とは違い、今回は特設ステージ上で行われましたので、次のステージの時間の都合上、人数制限があったものの、フランスでは無名のイラストレーターなので、3人くらい集まれば御の字かなぁ。。。と思っていたところ、

蓋を空けてみれば何とSOLD OUT!2日間を通し、実にたくさんの方々が参加して下さいました。

「どうやって僕のイラストを知ったのですか?」と隣の通訳さん(偶然、中村さんというお名前でした)を通して聞くと、最近ヨーロッパツアーも行ったASIAN KUNG-FU GETNERATIONのCDジャケットや、最近日本でもブルーレイBOXが発売されたアニメ四畳半神話大系がきっかけの方が多かったです。台湾でサイン会をした時は、向こうは日本から輸入されたCDやDVDの値段が高いので、あまり浸透しておらず、その代わり「夜は短し歩けよ乙女」「謎解きはディナーのあとで」など書籍の表紙がきっかけの方が多くいらっしゃいました。同じ絵でも、国によって伝わり方も違うものですね。また自発的に「日本のイラストに興味があり、ネットサーフィンをして見つけました」という方も。うれしいですね。

その後は、現地テレビ局の取材を受けたり、

隣の初音ミクブースの寄せ書きコーナーに、リクエストにお応えして…

人生初の"初音ミクver."のサインを描かせて頂いたり(東京でも近日展示されるようです)、

そんな36才にして「はじめて」をたくさん体験させて頂いたパリ滞在でした。フランスの皆さま、本当にどうもありがとうございました。また必ずお会い出来るよう、日本でもっとがんばろうと思った次第です。
Le français tout de toi, vraiment merci beaucoup. De plus, je pensais être capable de rencontrer encore tout de toi pour faire son mieux plus au Japon.


その後はそのまま飛行機で仙台に行き、仙台コミュニケーションアート専門学校(SCA)で講演会。こちらもイラストレーターや漫画家志望の、10代後半~20代前半の学生さんたちがたくさん集まって下さいましたが、その中で絵を見せてくれた方はたったの6名。このくらいの年齢の時は、たぶん自分の絵を見せるのが恥ずかしかったり、恐かったりするのだと思います。僕もそうでした。

でも、フランスに行ってわかったことは、自分が思っているより、誰もあなたの成功や失敗は気にしていないこと。そしてその時点の失敗なんて、10年後の人生に何の影響もない、という事です。だって僕なんて日本で10年以上がんばってるのに、フランスではほとんど知られておらず、まっさらの気持ちで作品を見られるのですから。それよりも世界のみんなは、「日本人のあなたの作品をもっと見たい!」と思っています。だからどんどん作品を人に見せて、ピカピカに磨い行って、もっともっと日本の良いところを一緒に発信してゆきましょう。


という訳で、フランスの皆さまも、日本の皆さまも、次に会える機会を心より楽しみにしております。以上、『JAPAN EXPO 2014』のレポートでした。長文お読み頂き、ありがとうございました。

日本でもたびたびニュースになっていた『JAPAN EXPO 2014』というイベントに、展覧会とサイン会で参加する為に、人生ではじめてフランスへ行って参りました。

ジャパンエキスポは約25万人を動員するという、世界的に見ても一番大規模な日本文化を紹介するイベントで、今年で15年目になります。

日本のコミケを想像してもらうと近いかもしれませんが、こういう巨大な建物を3つ4つ使って、アニメ、ゲーム、漫画、イラスト、アイドル、おもちゃ、ファション、食べ物、伝統など、数多くの日本文化を紹介・販売するブースが出展されています。そして中には人、人、人。

先程も言いましたが、この25万人が主にフランスの人なんだから、日本は愛されているなぁと実感しました。だって日本でも各地で"フランス展"や"タイフェス"など国ごとのイベントは時折みかけますが、ここまで大規模なものはないし、こんなに多くの人は集まりません。そしてそんな中に参加できて、とても光栄で、うれしい限りでした。

さて、ジャパンエキスポ以前にフランスという国に関しては、母がファッションデザイナー時代に毎年ファッションショーのため出張していたので、子供の頃より非常に興味があり、その後、兄も料理の勉強の為に半年留学、父も旅行に行っていました。そんな話を家族から聞いたり、大好きだったフリッパーズギターやファッションの影響で、フランスは特別な国だと認識していました。「おフランス」や「パリジェンヌ」なんて言葉があるくらいなので("おアメリカ"や"NYジェンヌ"はない)、皆さまも何かしら特別な想いは共通認識としてあるのかもしれませんね。

フリッパーズギター『恋とマシンガン』PV(フランス・パリ撮影)

そんな想いを抱えて飛行機で11時間、到着したパリは、聞いていた話や、憧れのお洒落なイメージとは良い意味で違った、"自由"という言葉がピッタリな印象の国でした。義務教育の社会の時間に、「アメリカに自由の女神を送ったのはフランス」という話を聞いていましたが、納得しました。

これは『自由の炎』といって、1989年に自由の女神像のお礼としてアメリカからフランスに送られたものだそうです。自由の女神のたいまつ部分で、いまはダイアナ妃の慰霊碑にもなっています。写真奥には、あのエッフェル塔も見えていますね。

どんなところに"自由"を感じたかというと、街ゆく人。フランスは移民大国であり、その中でもパリは世界で一番観光客の来る都市でもあるので、様々な人種の人々が、様々なファッションでフツーに街を歩いていました。なにも「ベレー帽とボーダーシャツの白人ばかり」とまでは思っておりませんでしたが、ここまで多種多様な上、誰も自分以外の文化圏の人を白い目で見ないような、だからファッションなんかではなく、そんな態度こそがお洒落なんだなぁと強く感じました。

また、街並み自体にも、日本と違うところはたくさん見受けられました。建造物自体はこんな感じで、古い建物をそのまま利用するスタイル。

一緒に行ったマネージャーの沼田さんと。僕がヘンな顔してるのは、いまフランスは"サマータイム"と呼ばれる蛭が極端に長い季節なので、この明るさでなんと夜9時だから単純に眠かったのです(笑)

それは以前行ったチェコや、日本でも京都に見られることなので、驚きはなかったのですが、例えばポストが黄色だったり、

薬局が緑だったり、そんな日常的なところに文化の違いを感じました。

特に薬局というか、十字マークは日本では赤ですよね。「」というと危険を現わす色なので、日本の場合は「危険な人は寄っといで~」という、薬を使わなければならない"現状"を現わしています。それに対し「」は安静を現わす色なので、フランスの場合は「治りたい人は寄っといで~」という、薬を使った"結果"を現わしている訳です。おもしろいですよね、今と後。絵を描いているので、色ばかりに注目してしまいますが、こんな些細なところからもフランスの方達の生活上での価値観が見て取れるようでした。

そんなことに感動しながらしばらく歩いていると、パリにもあの「ジュンク堂」があったので入店。すると…

なんと僕の本が店頭に並んでいるじゃありませんか!しかも新刊の「

そして店長の九喜さんと、オーナーのリシャルドさんと記念撮影。

パリ在住の方や、ご旅行に行かれる方は、店員さんは全員日本人なので、日本語でも大丈夫なジュンク堂・パリ店、ぜひ行ってみてはいかがでしょうか。特にオーナーのリシャルドさんはこう見えて、大学までずっと青森在住でしたので、津軽弁もOKです(笑) ただしお支払いは円ではなくユーロですのでお間違いなく。ルーブル美術館の近くです。
https://www.junku.fr/

ポストや薬局の色は違いましたが、やはりジュンク堂は日本と同じ"青緑"でした。(つづく)


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