月別アーカイブ / 2013年05月

現在発売中の大特集を組んで頂いた「イラストノート No.26」ですが、
おかげさまで

雑誌に特集を組んで頂く際にも、画集と同様、出し惜しむことなく、
作品や自分というもの、そして見て下さる方々への気持ちを
この上なく詰め込んで、責任を持って送り出しておりますので、
もし迷っている方がいましたら、なくなる前にお早めに受け取って頂けたら幸いです。
そして、購入して下さった皆さま。雑誌としては決して安い値段じゃありませんが、
その1冊1冊が将来のイラスト誌をもっとお求めやすい価格で提供出来る
確実な一歩となります。本当にありがとうございます。

さて、イラストノートにもたくさんのイラストが載せておりますが、
それ以降もたくさん描いており、まずは進研アドが
全国の高校で配っている進路本「学べる大学探せる辞典」の表紙。

今回は高校2年生用が対象で6月配本予定となっております。
「大学どうしよっかなぁ…」と迷っている子はもちろん、
「大学には行かないけど、応募者プレゼントのクオカードが欲しい!」という子も、
もし学校で見かけたらぜひ持って帰ってやって下さいませ。


そして毎月20日に発売されている小学館の文芸誌『

今回は6月号ということで、"ジューンブライド"をモチーフに描きました。
そして友人のウェルカムボードに続いて、日記タイトルにもなっている結婚3部作の2作目。
僕の時も6月で晴天の下の式になりましたが、同時に日本では梅雨の時期でもあるので、
やはりあいにくの雨の式となることもあるのだろうなぁ。。。と思って描きました。
でもそんな時でも、こんな風に色や目線など角度を変えて梅雨ごと楽しめたら、
それこそ幸せな結婚といえるのかもしれませんね。
尚、「きらら」は書店にて無料配本しておりますので、こちらも見かけた際にはぜひ。
表紙がツルっとした特殊コート使用なので、雨が降っていても大丈夫です。


「きらら」といえば約1年前、そこで文学賞を取った瀧上耕さんの小説


滋賀県の高校生たちが受験の時期に、楽器初心者ばかりでロックバンドを組み…
という青春小説なのですが、そのバンドのレパートリーになるのが何と…さだまさしさん!

これを描いた時は「単純でわかりやすく」というイラストのセオリーもあるのですが、
僕自身がさださんの事を深く知らなかった為、いま見ると実にヒドイ似顔絵であります。
「もしどこかでさださんに会ったら怒られるだろうなぁ…」と思い、
当時ビクビクしながら提出した想い出があります。

それから数日して妻の実家に訪れた際、義父がテレビを見ていたので、
何気なく隣に座って一緒に見ると、そこで放送されていたのは、
NHK『今夜も生でさだまさし』という番組でした。義父は大のさださんファンで、
テレビを見ながら丁寧に、ひとつひとつの曲の解説をしてくれました。
"フォーク歌手"という僕が勝手に抱いていた単純なイメージよりもずっと
深い音楽をギター1本で奏でるさださんの姿がそこにはありました。
そしてお話しが本当に上手、さらに長い!!
歌番組ではないので当たり前ですが、ほとんど歌わずに喋っていて、
かと思っていたら、いつの間にか曲に入っている。魔法のような業。
僕は一夜にしてさださんの大ファンになり、売っているCDを全部集め、
仕事の時もサイン会の時も、そればかり聴くようになりました。

しかし、聴けば聴くほど好きになり、好きになればなるほど、
あの時の似顔絵を悔やむと日々が続き、それからしばらく経った今年2月、
マネージャーの沼田さんから「さださんのレコード会社から連絡があって…」
という電話がありました。僕はとっさに「ついに来た!似顔絵のクレームだ!!」と
震えあがりましたが、何とそれはCDジャケットのオファーだったのです。
まさに"夢かと思ってほっぺつねったら痛かった♪(「雨やどり」より)"状態。
さらに続けて"こんな日に素敵な彼が現れないかと思ったところへあなたが雨やどり♪"
と言わんばかりに、なんとすぐに打ち合わせも兼ね、さださんにお会いすることになりました。

見て下さい、この夢じゃないかと疑いつつ、嬉しいんだけど、悪びれてるんだけど、
やっぱり嬉しさを隠せないアンニュイな僕の表情。

そして打ち合わせを進め驚いたのは、ジャケットを描かせて頂くのが、
さださんの活動40周年と、4000回目のコンサートを記念したベストアルバムだという事。
正直、そんな大役を僕がして良いものかという戸惑いもありましたが、
さださんへの感謝と似顔絵懺悔の気持ちを表現するのは言葉よりも
これしかないと思い、その場ですぐにお引き受けしました。
40年と言う長い月日を1枚にする訳ですから、それから構想1ヶ月、制作1カ月という、
僕の仕事ではこれまでにない長い時間をかけ、ようやくジャケットが完成しました。

イラストの解説は、また発売された時に改めて話そうと思いますが、
この"天晴(あっぱれ)"という言葉は、完成したイラストを見て、
さださんが感じた印象をそのままこのベストアルバムのタイトルにして下さいました。
本来僕は見る人の想像を狭めたくないので、絵にタイトルはつけない主義なのですが、
次の画集に掲載する時もこればかりは"天晴"と記載したいと思います。
なぜならこれは、さださんと僕の間に産まれた子供ですので、
亭主が命名したのなら、妻である僕に拒む理由はありません。
などと言いつつ、相変わらずこんなこともやっちゃっていますが、

中にはかっこいいさださんの似顔絵もしっかり描いておりますので、
これはぜひ手に入れて、確認して頂けたら幸いです。

他にも、今回はジャケット以外にもたくさんの絵を描いており、
デザインは画集『Blue』やポストカードブック『RED』、カレンダーなどでもお馴染みの
前川景介氏による美しく、可愛く、上品なデザインになっておりますので、
中にどっさり(3枚組)入っている音楽はもちろんのこと、
飾って、手に取って楽しめる作品となっております。

収録曲については昨日オフィシャルサイトにて発表されましたが、
上記の「雨やどり」や、僕の好きな「パンプキン・パイとシナモン・ティー」も入っております。
発売まで楽しみにしている方は、ジャケットを見ていろいろ予想して頂ければと思います。



そうそう、はじめに紹介した「イラストノート」でも、
質問コーナーでたくさんのお葉書を頂きましたが、
僕も産まれてはじめて、番組にお葉書を出してみました。
宛先はやはり今夜も生でさだまさし
明日土曜日の深夜0:05~1:35にNHK総合にて放送されます。
こんな気持ちだったんですね。ドキドキしますね。

元はといえば、あの時義父に薦められこの番組を見ていなかったら、
さらにたどれば、妻と結婚していなかったら、
さださんに、そしてさださんの音楽にお会いできる事はありませんでしたし、
深い理解の元で作品は完成しませんでした。
自分一人ではなかなか知れなかった文化を自然と知る。
結婚って良いものだなぁとつくづく思った次第です。
これにて結婚3部作完結。感謝の気持ちを水引で結んで。天晴。

先日、悠一くんという友人の結婚式の為にウェルカムボードを描きました。
いつも彩色はパソコンを使っているのですが、久々の絵の具での作品です。

彼とは数年前に大阪のARTHOUSEで行った似顔絵展『PORTRATION』で出会い、
その後も僕がやっているバンド・セイルズのライブに遊びに来てくれたり、
また逆に彼の大学時代に講演会を企画してくれたりしているうちに仲を深め、
今ではプライベートの大切な友人のひとりです。

彼が生粋の長男気質なのか、ただ単に僕が甘えん坊なだけなのかは定かではありませんが、
10歳年下なのにも関わらずお兄ちゃんのように僕の面倒を見てくれて、
次第に彼の本当の弟さんにも、妹さんにも、お母さんにも、お父さんにも挨拶を済ませ、
「これで名実ともに正式の悠一の弟面できるゼ!」などと考えていたので、
結婚すると聞いた時は、「ぐぬぬ…ライバル登場!」などと自分のポジションを危うく感じました。
しかし結婚相手の萌子ちゃんもこれまた3人姉弟の長女で、保育園の先生という、
甘えるには打ってつけの人材だったのでひと安心
とてもしっかりした女性だったので、結婚の先輩としては納得しました。
そして、絵からわかる通り、彼は中学校の先生をしていて、
今年ようやく自分の担任するクラスを受け持つことになりました。

そんな公私ともに、一見とんとん拍子に人生の階段を駆け上がっているように見える彼も、
現在までずっと長い間、自分の生き方について、こと仕事において、戸惑っているように見えました。
大学在学中にバイトをしていたカフェの仕事も楽しいし、
美術や音楽などサブカルチャーに関する出版社にも興味があるし、
だけど自分は先生を目指して親元を離れ、教育大学に入ったんだし。。。
そんな迷いは非常勤→副担任と先生の道を進むにつれても、あったように思います。

そして生徒たちと触れ合って行く中で、
「この仕事イイ!俺は先生になるんだ!!」と選択肢の迷いが消え、
そこに現在の奥さまである萌子ちゃんが現れ、結婚を決めた。
これは偶然でも何でもないなぁと自分の場合を照らし合わせてみても思いました。

僕も子供の頃の夢は、いいえ、30歳まで描いていた夢は漫画家になることでした。
そう、その時僕はすでにイラストレーションの仕事を数多く手掛けていたにも関わらずです。
だから「イラストレーターの~」名乗る時はいつも抵抗を感じており、
活動して10年も経っていたのに、画集を出さなかった理由はそこにありました。
「画集を出したら、本当のイラストレーターになってしまう!
漫画家の夢をあきらめたことになってしまう!!」そんな風に考えていたのです。

しかし色々な経験を通し、「自分がなりたいもの」と「自分が向いているもの」って違うのだなと思い、
また、悠一も含め、応援して下さっている人たちと実際に会って話してみて、
段々自分でもそれが認められるようになってきて、そして理想と現実が仲直りした時に、
画集を出すことに決め、その後、すぐに結婚することも決めました。

「こんなはずじゃなかった」と後ろばかり振り向いてた自分が
「こんな人生もいいかも」と立ち止まり、「これこそが素晴らしい!」と前を向く。
きっかけは色々あると思いますし、言葉に置き換える程に、
その心の動きの様子は遠ざかる気もしますが、
それは自分(仕事)に対しても、他人(パートナー)に対しても同じことなんだと、
悠一の結婚までの道のりを思い出しながら、
「良かったねぇ、良かったねぇ」と筆を進めておりました。
ASIAN KUNG-FU GENERATIONの「今を生きて」という最新シングルジャケットで、
花嫁衣装を描いたのも、同じ理由です。そして同じ黄色ですね。

もしかしたら、結婚式でみんなが花嫁・花婿にかける「おめでとう!」という言葉は、
「(今日の自分と仲直りできて)おめでとう!」の省略なのかもしれませんね。
ウェルカムボードを描き上げ、少なくとも僕はそういう意味で「おめでとう!」と言って、
無事渡すことが出来ました。会ってはじめて年上らしい事を出来た気がします。
いいえ、いつも一枚上手の彼ですから、それをさせてくれたのかもしれませんね(笑)


なお、ウエディングボードにつきましては、たくさんのご要望を頂き、
僕もお祝いしたい気持ちで一杯なものの、このように長~いこと付き合って考えない事には、
やはりお会いしたことのない方の人生の1枚は責任が持てないという理由から、
誠に勝手ながら、仕事としては受け付けておりませんので、ご理解頂ければ幸いです。

必ず、二人には二人にふさわしいウェルカムボードを描く方が側にいらっしゃいます。
どんな腕の良い写真家よりも、家族が撮った写真の方が素晴らしいように。
これから結婚される方が、幸せな式を挙げられること、心から願っております。



2013年5月25日(土)名古屋NCAにて、
翌日5月26日(日)大阪OCAにて講演会があります。

名古屋は生物学者の松原くん、大阪はイラストレーターの真理藻ちゃんを迎え、
それぞれいつもとは違った角度からの楽しい講演会になる予定です。

両日とも高校生限定で、座席数の都合上、予約が必要ですが
入場無料ですので、各HPから詳細をご確認の上、 ぜひご参加下さい。

また、ご家族やご親戚、知り合いに興味がありそうな子がいれば、
お伝え頂けると嬉しいです。

【名古屋NCA詳細】http://www.nca.ac.jp/creative/event/trial_sp.html#cre_14

【大阪OCA詳細】 http://www.oca.ac.jp/creative/event/special/201304/04.html


たくさんのご来場、心よりお待ちしております。

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