月別アーカイブ / 2010年06月

僕がどれだけ小説を読まないかは、文庫版『親指の恋人(石田衣良著)』
のあとがきでも述べたとおりですが、その理由が最近わかってきたような気がします。

もちろん、表紙などの仕事でかかわった作品はすべて
責任を持って穴があくほど読み砕き、理解して、それを絵にしたものだし、
コラムやエッセイ、詩集、インタビュー記事などはプライベートでもたくさん読みます。
さらには、このブログや連載エッセイもいつも楽しんで書いているので、
別に文字が嫌いと言う訳ではないようです。
しかしそれ以外で読んだ小説は、大学時代に下宿で風呂が空くのを待っている間に、
待ち合い場に誰かが置いていったのをたまたま手に取った
原田宗典著『時々、風と話す』、実に人生でこの1冊のみ。
実際にこのバイクを題材にした短編集の評価は高く、
だからこそ小説を読んだこともなく、バイクにも興味のない僕でさえ、
風呂が空いても気付かないくらい夢中になったのですが、
それ以上に、僕はこの作品をまるでビーナスのように
唯一の絶対的な美として崇拝しており、
彼女の身体の最下部に位置し、最も卑しいと認識されている部位である
その足にさえも触れることを許さないような神々しい光を
あれから10年以上たった今でも浴び続けているのです。
それは前述したとおり、僕がプライベートでそれ以外の本を読んで来なかったという、
一種盲目的な幻覚、いえただの世間知らずかもしれないのですが、
小説『春琴抄』で女性の美しさを永遠のものにしようと、
自らの目を針で突いて視力を失った主人公のように、
さらにはその後も1冊も読んでいないせいも多分にあるでしょう。

さて、様子がおかしくなってきましたね。
そう、本をよく読まれる方や勘の良い方はもうお気づきかもしれませんが、
只今取り掛かっている仕事が谷崎潤一郎作品の表紙、
もちろんこれも僕にとっては「は、はじめまして!…で、どなたでしょう?」の文豪なのですが、
谷崎先生、かなりのマゾヒストとして知られているようですね。
江戸川乱歩著『D坂の殺人事件』の表紙を描かせてもらった際には、
「開眼した!」と自分はサディストだとばかり信じて疑いませんでしたが、
どうやら僕は実のところ乱歩先生に苛められていた女性側に
マゾヒストとして感情移入していただけなのかもしれません。

こんな具合で、その都度いろんな作家に取りつかれ、
気持ちがグラグラ右往左往するのがあまり好きではないので、
それが僕が頑なに本を読まない理由だと気付いたのは良いのものの、
きっちりと仕事はする性質なので、来月くらいまでは
マゾヒスト中村佐助として皆さんと接すると思われます。
よって、7月3日京都サイン会でも「どうやったら絵が上手くなるのですか?」
という質問はご法度で、「このヘタクソ!」などの最高の賛美の言葉を告げて下さるよう
宜しくお願い申し上げます。

そしてこの↓のコメント記入欄も"放置プレイ"として、
いつまでも"Comments(0)"とカウントされていること、
心おりお祈りしておりま…この仕事描き終わり次第、拗ね出すけどネ!
イカンイカン、まだマゾヒスティックになりきれていないので、
引き続きもう少し読み込もうと思います。

そんなモーモールルギャバンを輩出した町・京都では、
引き続き大垣書店・京都駅前店にて展覧会が行われています。



昨日も京都在住のイラストレーター・

そうそう、会場は撮影可能ですので、どんどん撮っちゃってくださ…?

あぁ、うんうん…まぁグッズも凄く良い出来なので、どれも写真栄えしま…!?

またテメーか!!

果たして真理藻ちゃん一家の(悪)ノリが良過ぎたのか、
はたまた「マジックディスク」6面ならぬ6mジャケットをも
この6センチにも満たない飛鳥新社・沼田課長の絵の破壊力が凌いだのかはわかりませんが、
中村佑介作品は撮影可能、沼田洋介作品は生意気にもしっかりと(C)が入ってるので、
見つかり次第、後日もれなく請求書が送られてきますのでお気を付け下さい。
「で、何円?」と聞いたら、沼田さんは手をパーに開いていました。
五万円でご満悦…お後がよろしいようで、じゃねーよ!高けーよ!!

そして会場である大垣書店のカバーも描かせて頂きました。

京都の書店らしく、本と電車と京都の景色。
こちらは本を買ったらかけてくれるあの紙のカバーで、大垣書店全店で展開されるようですので、
詳細が解り次第またお知らせしますね。
アドバイスをくれたあっこちゃんと和中くん、どうもありがとう。
ということなので専務、話にオチのない和中くんですが、どうぞごひいきに。
あっこちゃんのポストカードもみなさんどうぞごひいきに。

それでは引き続き、京都展覧会をお楽しみください。
写真を撮った際、手をパーにした短髪の男が背後に立っていた場合は、
そのままチョキを出してお逃げ下さい。

フ…また逃げられちまったゼ。

■大垣書店京都駅前店オープン記念『沼田洋介の世界展中村佑介の世界展』■
日時: 6月4日(金)~7月5日(月)最終日は12:00まで)
会場:大垣書店・京都駅前店
〒601-8417 京都市南区八条通西洞院下ル


アクセス:京都駅八条口より徒歩5分(新都ホテルとなり)
Tel / 075-692-3331・FAX / 075-692-3370
営業時間:10:00 ~ 21:00(年中無休)



さて大阪は↑のイラストとは真逆の、水曜日らしく梅雨らしい雨模様ですが、
本日はそんなASIAN KUNG-FU GENERATIONの6枚目のアルバム『マジックディスク』と、
モーモールルギャバンのメジャーデビューミニアルバム『クロなら結構です』の発売日です。

モーモールルギャバンとの出会いは確か3年前、
ぱぱぼっくすという昔から付き合いのあるバンドのライブを観に行った時、
そこで対バンをしていたのが彼ら。
物販には、なぜか紅一点のユコちゃん、ではなく、
ボーカルでドラムの矢嶋くんの日常生活(主にバイト)を
ひたすら切り取った写真集だけは売られていましたが、
まだインディーズ盤どころか、CD-Rも出していない状況。
しかし演奏が始まるとすぐに、その強烈な個性と人懐っこさに胸を打たれ、
絵が描きたくなり、終演後に話しかけました。
彼らも僕の絵のことを知ってくれていたようで、
「じゃあいつかCDを出した時に」と約束して月日は流れます。

そこからまたライブを観に行ったり、
セイルズとしても対バンさせてもらったりとしてるうちに、
モーモーはインディーズデビューを果たします。
しかし、ASIAN KUNG-FU GENERATIONのジャケットの仕事が重なり、
スケジュール上、どうにもこうにも身動きが取れなかったので、
苦渋の決断でジャケットは今まで描いたものを使ってもらうことになりました。

またそこから1年、コンスタントにライブと人気を重ね、
モーモールルギャバンはついにビクターからメジャーデビューすることになりました。
あれからずっと、ジャケットを描く約束を果たせなかったことを気にしていて、
どんなに仕事が重なろうと、絶対に借りは返すと決めていたので、
今回は「描かせてほしい!」とこちらからお願いしました。
ところがまたしてもASIAN KUNG-FU GENERATIONのアルバムとスケジュールが重なり、
しかも6面ジャケットという全く先の読めない状況で、
モーモーのメンバー、レコード会社、そして何より所属事務所の理解あって、
時間の許す限りスケジュールを調整してもらい、
納得のいくものを完成させることが出来ました。

裏面にはそんな出会った当初の彼らの姿を描いておりますので、
そちらはぜひレコードショップでご確認ください。

このように、僕がジャケットを担当している以外は
活動も音楽性も関連ないと思われていたASIAN KUNG-FU GENERATIONと
モーモールルギャバンというこの2バンド、
今度のNANO-MUGENサーキット横浜で対バンするようで、
ROCKを掻きならすもポップに響かせることが出来るアジカンと、
Jポップを掲げながらもロックに着地してしまうモーモールルギャバン、
どんな化学反応が起こるのかとても楽しみです。

おめでとう。羽ばたけ!!


19日、みんなのおかげで無事京都展示を終え、
大阪へ戻り心斎橋でセイルズのレコーディングリハーサル。
元クリームチーズオブサンのドラマー仲井信太郎くんのおかげで、
こちらも順調に進んでおります。
仲井くんは現在ドラマー以外にも、ギターボーカルのノスタル人としても活動しているので、
中期ビートルズ、ビーチボーイズ、たま、キセル、キマタツトムさんなどが好きな方は
是非彼のライブでトリップしてみて下さい。

そして終電でまた京都に戻り、ホテル前のコンビニで無事パンツを購入し、ホテルで就寝。
翌日20日は個展会場である大垣書店でトークショー・サイン会でした。

司会は初の沼田さん、僕も32歳として随分貫禄が出てきま…スミマセン、間違えました。
こちらはリハーサル中の沼田課長と大垣書店専務の模様。
2人は昨夜遅くまで呑み屋さんで自主的トークショーを行い二日酔いとのことで、
やはりいつも通り、

さすがの柏木くんの司会により、今までで一番真面目で不真面目なトークショーが出来ました。
そして僕が着ているのが、季刊エス編集部のやよいちゃんがデザインしてくれた
新作の"ムーンライダースTシャツ"。やよいちゃんイイ仕事します。

もうひとつ"髪切虫Tシャツ"も素晴らしい出来です。展覧会会場にて先行販売中。

また、書店のスペース上、立ち見になってしまった皆さまも長時間、お疲れさまでした。
そして撮影班をしてくれたあっこもどうもありがとう。
そんな問題が出ないよう、柏木くんはなんば白鯨でのイベントだけでなく、
水面下であるプロジェクトを進めてくれております。本当に民放でラジオが出来るかもよ。
柏木くん、どうもありがとう。

そして、トークショーも無事終了し、次に待ち構えるは、
久々の160人という大人数のサイン会。
(※こちらはおかげさまで7月3日分も定員に達しておりますので、当日券はございません。)
参加して下さった皆さまには本当に感謝の気持ちでいっぱいなのですが、
同時に、昨年9月に行った新宿以来の人数だったので、体力と精神力が持つか心配でした。
すると、またしても真理藻ちゃんと寿一という心強い友達の助けによって、
無事、笑顔で乗り切ることが出来ました。どうもありがとー



その後、まだ時間が余っていたので、書店で作業をしていると、
Sucretteのサポートドラマーであるあさ子ちゃんと、
彼女がまた京都で別にやっているバンド"くらげ"の、
ギターボーカルの和中くんが遊びに来てくれました。
談笑している中、ふと和中くんを見ると、ひとりソワソワしています。
そう実は和中くん、別の店舗ですが、この大垣書店で働いており、
同僚たちにはバンドをやっていることを隠しているのです。
そしてトークショーからまた通常の展覧会へ、
会場の配置を戻す作業をしている上司たちに気を使っていたのでした。
休日なのに手伝ったらいいのか、談笑してていいのか、もの凄く気をすり減らしている和中くんと、
それを知ってニヤニヤしながら見ているあさ子ちゃんの真性SMバンド・くらげ。
ギターの鈴木さんはM-1(こちらのMはマゾヒスティックではなく漫才のM)にも出ているくらげ。
ライブは未定のようですが、京都で見かけた際には是非とも宜しくお願い致しますね。

その後は寿一と真理藻ちゃんとあさ子ちゃんと和中くんと晩御飯を食べ、
ようやく家に戻ってきて、寝て、起きて本日、作業再開。がんばるぞ。


■大垣書店京都駅前店オープン記念『中村佑介の世界展』■
日時: 6月4日(金)~7月5日(月)
会場:大垣書店・京都駅前店

〒601-8417 京都市南区八条通西洞院下ル


アクセス:京都駅八条口より徒歩5分(新都ホテルとなり)
Tel / 075-692-3331・FAX / 075-692-3370
営業時間:10:00 ~ 21:00(年中無休)

現在、大垣書店・京都駅前店で開催中の展覧会『中村佑介の世界展』は
7月5日までの1ヶ月間と、期間を非常に長く頂いているため、
ちょうど折り返し地点である19日に作品追加やお色直しをしてきました。

Tシャツなどのグッズも追加されたし、
23日にはジャケットを手掛けたアジカンとモーモールルギャバンのCDも同時発売されるので、
一度来てくれた方もまたぜひ遊びに来て下さい。
これまでの展覧会で一番良いカタチになっております。

その大仕事を手伝ってくれたのは、京都の友人である悠一くんとユカチ、
以前も紹介した作家の

そして奈良から学校帰りに見に来てくれた高校生のおしり、いや、しおりちゃんを半強制的に。

まずは配置や作業分担を相談して…

4枚のパネルを合体させて…何が出来るかな~♪

前にあるものを移動させて…(さすが美大出身者の手際の良さ!)

ASIAN KUNG-FU GENERATION『マジックディスク』の6メートルにもなる巨大ジャケットでした~
このサイズで6面を全体を一望出来る機会はそうないと思いますので、
印刷で潰れてしまう細かい部分もぜひじっくりと見て頂けると幸いです。
他にもたくさんの新しい絵が追加展示されています。
それは来てくれる方の楽しみの為に取っておきましょう。

さて、ここにいるみんなは実は2年前のに大阪堀江ARTHOUSEで開催した
似顔絵展『PORTRATION』に参加してくれて、そこからの付き合いになります。
カフェバイト大学生だった悠一くんは、今では立派な中学校の先生になり、
晶子ちゃんは大学を卒業し、勉強と作品制作を、
高校1年生でまだ夢がおぼろげだったしおりちゃんも、
3年生になり、芸大合格を目指し日々デッサンを頑張っているようです。

そんなみなの成長した姿に感動しながら、
では、僕はこの2年間に何が大きく変っただろうと、考えていました。
そうだ、画集『Blue』の47都道府県ツアーを周ったのだ。
そして、心理的に成長したこと、変わったことは数多くあれど、
物理的にパンツの枚数が多くなったのだ!
それは単純に家に帰れなかったので、旅先でパンツを買って、
たまに帰った僕ん家のタンスからはパンツが溢れかえり、
一人バブル状態、パンツの原料が石油だったら、
70年代以来の第3次オイルショック(通称:第一次パンツショック)が起こり、
住民が僕の家へ押し寄せてくる勢いでした。

あぁ、これだけ「パンツ、パンツ」と連呼しているので、
Googleでドキドキしながら「パンツ」と検索をかけたインターネットしたての中学生が、
間違えてこの記事にたどり着いてしまい、絶望する可能性が危惧されますが、
ご安心ください。23日に発売されるモーモールルギャバンのミニアルバム
クロなら結構です』には女性物のパンツ(通称:パンティ)をしっかり描いておりますので、
君はそちらをご購入したまえ。いつだってあなたの味方です。

そして旅を終え、最近は家でずっと仕事をしていたのですが、
家事をする暇がないほど忙しいことに加え、雨続きの天候で洗濯がまったく出来ず、
ついにあれだけあったパンツも底を尽きてしまいました。
残るパンツはタンスの奥に残るこの1枚。
それはゴムがもう収縮性0でビロンビロンに伸び、
お尻の部分も何故かポッカリ穴が空いていて、
(たぶん度重なるオナラが突き破ったか、サイン会で座り過ぎた為)
ものを捨てるのはあまり好きではないので、
「引越しの時の雑巾としてでも使おう」と取っていたもの。
そしてまた雨降りで洗濯が出来ないまま、
京都展覧会の模様替え当日を迎えてしまいました。

女性のパンツ(通称:パンティ)には装飾性という目的もあるけど、
男性のパンツは、"潔癖で文化的な現代人として、
おしっこやうんこの汚れからズボンを守る"というシンプルな本来の目的のみ。
いわばグラディウスやツインビーのバリアのようなもの。
その点でこの1枚残ったパンツはその機能を全く果たさない。
う~ん…これを履くべきか、今履いているパンツを3日目に突入させるべきか、
そのどちらをも選択せずにノーパンで行くべきか…自分会議が急遽開かれた。
「今日は神聖な搬入日であるぞ!」
「そうだそうだ!しかも搬入を手伝ってくれるのは友達だけじゃなく、
女性や書店員さんたちも含まれているじゃないか!」
ここで今履いているのをそのまま"3日目突入作戦"は却下されました。

残るは2枚、ひとつはノーパン作戦なので正確には1枚、もっと言えば0.5枚。
「しかしお言葉ですが、その1枚の特におしりの部分は穴が空いて、
皮膚とズボンが接着している為、ウンコなどすれば
その時点で即GAMEOVERなのであります!大佐!!」
「フフフ…この人生という強制スクロールのシューティングゲームに、
コンテニューなどは存在しない。
だからこのパンツを履くことは、もはや布でもなく単なる見栄でしかないが、
同時に、今の僕に残された獣(ノーパン)ではなく人間である唯一の証明、
いやヒトとしての誇りなのだ!」
そう意を決して、僕は見せかけだけのバリアをまとって、
京都へと旅立ったのでした。
「とくと目に焼き付けよ、俺の生きざまを!あの世で会おーぜ!バイバイ!!(←悟空)」
「大佐ーーっ!!」


そして京都に到着した訳ですが、
「大阪から京都までタクシーと新幹線なんて、やっぱり大先生は違いますね!」
とあっこに言われ、「ま、まぁね!」と答えながらも、
こんなことで内心ヒヤヒヤしていたとは
そこにいる誰も知る由はなく、テキパキと作業は進んで行きました。
パンツに穴が開いていても、大切なものだけはしっかりと落さずに、
今後とも歩いていきたい所存です。

YOU-1、あっこ、ユカチ、しおりちゃん、本当にどうもありがとう。

ヒヤヒヤ…

↑このページのトップへ