月別アーカイブ / 2008年07月

コンビニのコピー機の性能が良くなってるのか悪くなってるのかわからない。
と言うのも、イラストはケント紙に書いてから、ペンの擦れや濃淡をなくす為、
一度コピー機にかけてるのだけれど、いくらコントラストを上げても、
擦れや濃淡はそのままで、確実に複製の度合いは上がっているものの…
このまま行くと、ケント紙地の薄い黄色まで再現するのではないだろうか。
わかりやすく言うと、ブラウン管テレビでファミコンをしてたら気にならなかったものが、
画質が良くなってきて、かくかくのドットまでくっきり見えてしまうような、
デジタルハイビジョンになって女優さんのしわや毛穴や、
不倫写真まで、あ、こりゃ関係ないか、写ってしまうようになったという、
いいのか悪いのか。どちらにせよ僕にとっては困ったものだ。
何かを得ると何かを手放さないといけないということか。

近所ではない何処かへ、まだ少し古めのコピー機を当たることにして、
こう書くと「ここではない何処かへ 陽の当たる場所へ」というベタな歌詞みたいだけど、
S▲ILSの練習の為、アメリカ村へ向かう途中のコンビニでそれはあったのでほっとする。
店員さんが不振がってた。いまや何処にでもあるコピー機を見つけて
あんなに嬉しそうな顔してBダッシュで店に入ってきたのに
20円しか使わなかったんだから仕方ない。

スタジオに着き練習していると、ジョシーが遅れてやってきた。
演奏しながら見ていると、ピアニカもタンバリンも持っていない。
「ミーはピアニストなの!グランドおピアノ以外弾かないザンス!!」というストだろうか。
いつも立てている譜面台も今日は用意しない。
「もう見なくてもアタイ…ぜんぶ身体で憶えちゃったわ。」頼もしい。
椅子に座って何もしない。無の境地に達したのだろうか。
どうりで何やらブツブツとお経のようなものを唱えている。
耳を澄まして聞いてみると、「禅・撫・輪・数・霊・汰…」と言っている。
ゼンブワスレタ…ん、全部忘れたって!?
一体、何処から何処まで忘れたのだろうか。
とりあえず、「名前は?」と聞いてみたが返事が返ってこないので、
「君は玉袋筋太郎じゃないか」と教えようと思ったが、
将来、我ら"浅草キッド"がNHKポップジャムに出演することを考慮し、
知恵袋賢太郎と迷った挙句、「早く用意しろよ。玉ちゃん。」と言っておいた。
何かを得て何かを失った男と、何かを失くしてナニか手に入れた女の話。

2008年8月3日(日)「僕のものになれ」発売記念~ぱぱぼっくすワンマン ゲスト/S▲ILS
会場/大阪梅田ハードレイン 開場18:30/開演19:30
チケット/前売2300円 当日2800円 (ぴあPコード:297-888)
お問い合わせ/HARD RAIN 大阪市北区兎我野町3-19-B1
tel 06-6363-5557 (HARDRAIN) 


今日の大阪は大粒の雷雨なのに、遠く空は晴れて夕焼けという、
オレンジと水色の不思議な、それは不思議な天気でした。
子供たちも空がゴロゴロと鳴るごとに悲鳴を上げてのセッション、
恐いというより楽しそうで、おへそも隠していなかったことでしょう。

「雨に唄えば」をはじめとした雨がテーマの名曲はいくつもありますが、
その中でもとりわけバート・バカラック作曲の
Raindrops Keep Falling On My Head」(邦題「雨にぬれても」)が好きです。
みなさんも一度は耳にしたことがあるだろう有名な曲なので、
勿論、インスト・歌もの関わらず数多くのカバーが存在します。
その中でも特に良かったのが、メンボーズとヨンジン。

メンボーズは90年代に大阪で活動していた女の子2人ユニットで、
たまをもうちょっと日常化させたような独特なその歌の世界に、
当時、スピッツやあのBECKも絶賛していました。
カセットをいくつかとCDアルバム2枚、
そしてこの「雨にぬれても」のカバーシングル(残念ながら廃盤)を発表し、
歌詞は自分たちでオリジナルのものを乗っけていました。
基本ギター2本の弾き語りでシンプルな演奏ですが、
可愛らしい声と歌詞と美しいメロディがまた別の雨を降らせます。
こぼれ話として、ぱぱぼっくすやゲントウキとはレーベルメイトで、
名曲「南半球」は元々このメンボーズの為に田中さんが書いたのですが、
「コードが難しくて押さえられへん」と言って結局ゲントウキに返されたそうです。
彼女ららしいエピソードです。その為、歌詞も彼女との共作なのです。

そして日本のギターポップバンドadvantage Lucyのカバーバンドとして結成された、
韓国のLinus' Blanketの紅一点ボーカル・ヨンジンソロアルバムが、
全編バート・バカラックのカバーで構成されていて、
勿論、この「雨にぬれても」も入っているのですが、
元々シャッフルリズムでお馴染みの曲調を、
大胆にも、さわやかなギターポップ8ビートに変身させて、
彼女の澄んだボーカルとともにハッとします、

そして忘れてならないのが、カバーはしてないものの、
"いつもかけたバカラック♪(CHEEKY)"と歌詞にまで愛情を見せる
我らがスパイラル・ライフですが、
サニーデイサービス再結成の波に乗って帰ってきてくれないかなぁ…。
車ちゃんは太陽降り注ぐオーストラリアで、
本当に波に乗るマッチョマンになっちゃったので、
雨にぬれても、ぬれんでも無理かしら。

『ライラの冒険~黄金の羅針盤』のDVDが発売されていたので、
「そういえば、同じくらいの時期に公開されていた似たようなのがあったような…」と、
『パンズ・ラビリンス』も同時購入しました。

どちらも少女が冒険するファンタジーものなのですが、
まず『パンズ・ラビリンス』から観ると、これが思ったよりずっと大人向けで、
スペイン内戦後の辛い現実の中、せめてもの空想の旅をする
内気で読書好きな女の子のおはなし。もしくは緑色の不思議の国のアリス。
出てくるのも妖精も昆虫をモチーフにしていたり、
爬虫類も深い森も子供が見たら泣きそうな世界。
それでもオフェリアは、パン(牧神)の用意したシレンの迷宮を突き進みます。
グロテスクな残酷描写も、背景が背景だけに、
胸に突き刺さることを真っ直ぐに受け止めようと思わせるほど、
監督の真意が伝わってきます。
悲しいほどに美しいという表現があるけど、
それなら美しさなんてもういらないと思わせるほど悲しい悲しい物語、いや現実。
好き・嫌いや面白い・面白くないでなく凄く大事にしたい映画です。

知らぬ間に僕も予定なきラビリンスに迷い込み、
本来の目的だった『ライラの冒険~黄金の羅針盤』は結局まだ見れてませんが、
旅はそんなことでいいのかもしれません。

前の日は横浜へ戻り、和風ビジネスホテルに泊まる。
まだお金入れないとつかないテレビと蚊取り線香、
以上に浅い温泉風お風呂と電話をかけないと使えないシャワー、
そんなアナログ感に反するようなガンガンに冷える最新式クーラーで、
逆・AKIRAのような世界観にグッスリ。
朝10時に小友克洋旅館を後にし、仕事の打ち合わせが15時だったので、
どう時間を潰して良いのかわからず、とりあえず東京へ移動し、
モスバーガーを食べたり、本屋さんで平田薫ちゃんの写真集を探したり、
フリッパーズギターを聴きながら無闇に渋谷を歩き回ったりしてもまだ13時。
仕方がないので待ち合わせ場所の下の喫茶店で時間を潰すことにしたら、
さっきから冷たいものを飲みすぎて、お腹を下してしまったところで約束の時間。
ピーピー言うのは時計じゃなく、僕の空腹を知らせない方の腹時計でした。

レコード会社に移動し、ある女性アーティストの方と逢う。
スタッフが10名ほど居て、いつもメールや電話で仕事を進めているもんだから、
緊張するやら嬉しいやらで、「わぁ、大人だー!わぁ、会議だー!!」と
椅子をギコギコしていました。
その後、ある女性アーティストの方と僕は喫茶店に移動。
もう面倒臭いので「A(ある)J(女性)A(アーティスト)」のアジャにしよう。
そう、アジャさんと個人的なことを色々話す。
こんな風に匿名性を守っても、いつかはレコードとしてみんなわかってしまうことなので、
「何を話したかは内緒なのさ~♪」なんだけど、
音楽や写真のイメージと違い、サバサバとした人で、
いつの間にかまた愛里ひなちゃんのお尻の話になってしまったけど、
逢って良かったなぁと思いました。
サメだと第7感まで使って獲物を捕らえるのですが、
人間も男も女も同じだと思います。
「モデルに触れないと描けない」というクリムトみたいなこと言いませんが、
いい絵が描けそうです。

そして新幹線に乗って大阪へ戻る。
家に帰ってくると藤野リーダーが遊びに来て、
実家からマンドリンを持ってきてくれた。
よく女性に例えられる弦楽器。
ひとつのエレキギターをエフェクターで工夫して使い続けてるリーダーと、
アコースティックギターとエレキギターとウクレレと、これでマンドリンの僕は、
絵柄でなく、寧ろこっちの方が恋多き竹久夢二のようだ。
そうでなくとも丸みを帯びたお尻が特徴の、
マンドリンという名前の楽器はそれだけでもう淫靡で淫靡で仕方なく、
穴の空いた局部を高速にチロチロと弾く姿は、加藤鷹を連想させる。
そんなことを考えていたら、半ば強制的に「愛里ひなちゃんの画像送りますよ」
とアジャさんに言ったことを思い出し、すぐさまメールに添付して送ったけど、
まだ返信が来ないのは、きっとレコーディングで忙しいからだろうなぁ。
うん、そうに違いない。

今回の旅を終えて思ったことは、
ザリガニの水槽みたいな匂いをするところも含め、
ちょうどいい湯加減の阿倍野という街を実に愛してるということで、
そんなとこは一途なんだけど、まだ旅は終らないといったところか。
(それでもおわり)

22日は鎌倉から江ノ電に乗って湘南へ。
東京に住んでいるお友達がちょうど会社が休みという事より、
心細さから同行してもらうことになりました。
彼女も水族館が好きとのことで、江ノ島目指しいざ。

鎌倉の大仏さんをはじめて見ました。
実際立体で捉えてみると、顔が真っ直ぐ前じゃなく、少しうつむいていたので、
ぐるっと背中に回ってみると、案の定もっと哀愁が漂っていて、
友達が近所のコンビニで背中を丸めてお弁当を選ぶ姿のような、
「見てらんない!」と抱きしめたくなったけれど、
「思ったより大きいですね」とよく言われる僕の173cmを持ってしても、
大仏会では「前にならえ!」で腰に手を当てるポジションなので、
流石に諦めて鎌倉を後にしました。
最近買ったアンガールズのDVDに修学旅行のコントが入っていて、
奈良の大仏の鼻の穴と同じ大きさの穴に入ろうとした田中さんに、
山根さんが「鼻くそついてんじゃねーの?」と茶化していたら、
穴から抜けなくなって、「呪われた!呪われた!」と騒ぎたてる。
やっと穴から抜け出した田中さんが一言、
「鼻くそくらいで呪う大仏さんは、大仏さんやめた方がいいよ」。
だから大仏さん、まさかとは思うけど、もう背中には周らないので許してね。

そして江ノ電に乗って色々な町を見てまわります。
電車は町と町の間というより、家と家の隙間を猫のようにのんびりと駆けてゆき、
左へカーブを曲がると、本当に光る海が見えてきて、
これほど太陽が似合う場所があったんだぁと感動しました。
浜辺でジャンプフェスがやっていて、悟空と両さんと桜木花道とルフィの像が立っており、
僕なら、死神くんと闇狩人と瞳ダイアリーも入れるのになぁと思ったけど、
あっそうか、あれは月刊ジャンプだから入ってないのかぁ、そっかそっか。

その後、夕方になったので海沿いのレストランで食事。
海を展望できるテラスがあってね、幸いにもよく晴れていたので、
暑くて暑くて、『太陽は僕の敵』がデビューシングルの文科系な僕らは、
迷わず店内で食べることにしたんだけど、
松崎しげる並に日焼けしたカップルはテラスで食べていて、
さすがに地元の人にとっては涼しいくらいなのかなと思った矢先、
2人ともやたら風景の写メールを撮っていて、
どうやらただの日焼けした旅行客だったようですが、
その場合、暑さに負けた僕らの立場がなくなってくるので、
事実は美味しい料理とともに喉に流し込むことにしました。
さすがに地元の人はねー、そうだよねー。

結局、決して呪いではなく、時間がなくて新江ノ島水族館には行けなかったけど、
「花火禁止!」の立て看板の横でガンガンに花火をしている若者を背に、
夜の浜辺でフィッシュマンズを弾いて帰ってきました。



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