来年は久々にカレンダーを出します。2019年版だから今年末くらい。

ほんとうは毎年出したい気持ちもあるのですが、決まり事になるとどんどん麻痺して「また来年もあるしこれでいっかー」って流れ作業になるのが、将来的な目線で考えるととても恐ろしいので、エネルギーが溜まった時に、超必殺技のように出すことにしています。

そこで、収録する絵や、デザインはもちろん、例えば日付の部分にもミシン目を入れて、使い終わったら綺麗にポスターとして使える仕様や(そうなると好きな絵で1年を過ごすことも可)、裏面をぬりえにするなど、何かひと工夫して、手に取って下さった方の1年がもっと楽しめるようにできないかと、出版社や印刷所に色々とアイデアを提案するのですが、やはりそこで問題になってくるのはコスト(費用)。ミシン目を1つ増やすと、また塗り絵用の裏写りしない紙にすると、お金がかかって値段が高くなっていちゃうんですよね。画集ではないので、1200円(税込)くらいなら「こんなもんだよね」と思えるけど、じゃあ上記のアイデアも入れて、金箔も貼って、化粧箱に入れて「2000円!!(税別)」と言われると、カレンダーとしてはちょっと高いなぁって、消費者の僕は思ってしまう。

それを回避する方法が1つあって、生産数を増やすこと。1個作るより、同じものを100個作る方が安くなるのは、スーパーで大きいお肉を買ったことある人なら知ってる通り。ただ、イラストレーターのカレンダーだと、「初版100万部刷りました!」なんてのは非現実的で、半年後、書店からの返品により出版社の倉庫がパンパンになってしまいます。

だからその方法を取るためには、僕のイラストや、イラストレーターとしての知名度をもっとアップする必要があり、今日明日にすぐ出来るのは、悪い意味で炎上する時くらいでしょう。で、そのためには、毎回毎回絵を描くごとに慣れに甘えず、気を抜かないこと。これは最初の話にもつながりますね。

とどのつまり、「いい作品を継続していく」という単純な答えに行き着くのですが、そう考えると、あらためてマクドナルドってすごいなって思います。

もう見慣れた風景なので、一見、マクドナルドは値段が安いから、全世界にたくさんの店舗が増えたと錯覚してしまうけど、よく考えたら、すごく単純な話、その逆で、おいしいから、「オレにも食わせろー!」とみんなが求め、店舗が増えて、結果的に安くできた。僕が子供の頃(80年代)は、ハンバーガー1つ230円でしたので、高級店とまではいかないまでも、ファーストフードというよりレストランに近い存在感で、だからこそよくマクドナルドで子供が誕生日会を開いてもらっていました。特別だったのですね。それでもみんなが求め続け、店舗と生産数を増やし、結果的に安くできた。それくらいおいしかったし、オリジナリティがあった。

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しばしば「初デートでマクドナルドや吉野家は考えられない」という声を聞くことがありますが、そういうときはこんなイフも考えてみてほしい。もし今、マクドナルドを体験したことのない世界だったとして、あのてりやきマックとポテトとシェイクを出してくれるお店を、自分の暮らす住宅街の片隅にたまたま発見しました。もちろん食べたことはありません。そしてまだ大量生産できないので、セットで値段はじゃあ750円としましょう。近所にはないアメリカンな内装。そして口にすると「こんなおいしいものが世の中に存在するのか!?」と、少なくとも僕は驚いて、もしたくさん貯金があったら、「ぜったい流行るよ!」と店長を口説いてチェーン展開を持ちかけるでしょう。吉野家も同じです。僕は値段の2倍以上、美味しし、価値のあるものだと思います。

逆に、高級食材=美味しいと錯覚している、ウニやうなぎやマツタケやキャビアやフォアグラが、余るくらい大量に収穫され、もやしくらいの価格でいつでも食べれるようになれば、今と同じようにありがたく、また美味しく感じるでしょうか。

個人の価値観や美意識って、そんな風に実は絶対的なものではなく、相対的にコロコロと変容してしまうんですよね。かくいう僕も、あんまり欲しくなかったものでも、「限定!」や「残り1点」と言われたら、急にそれが輝いて見えてしまう時があるので、よくわかります。

結局、久しぶりにブログを書いてまで、何の話をしたかったのかと言うと、カレンダーの仕様がどうなるかはまだわからないけど、一寸の希望を持って夜通し使うかわからない塗り絵の線画を作っていた中、朝が来て、お腹が空いてきて、とにかく今はマクドナルドが食べたいってことです。でもうちの近所だとちょっとだけ遠いから、億劫になってお腹を鳴らしてPCの前から動けない。今以上にマクドナルドが人気になって、もっと僕ん家の近くに来てくれたらなぁ。。。カレンダーのことも含め、どちらもすぐには実現できないけど、引き続きがんばっていくしかないですね。