そもそも"絵"と"笑い"というのは両立が難しいと思っていました。

と言うのも、絵は主に、「素敵」「上手い」「なるほど」といった理解や感心を勧めるのに対し、笑いは逆方向の、「ドジ」「下手」「ないない」といった不理解や卑下から産まれることが多いからです。漫画だと台詞や展開で、似顔絵なんかだと、元になった人物のディフォルメ具合で笑えたりするのですが、こと1枚の絵となると難しい。そんな中でも特に、自分のイラストレーションに描かれた無表情な少女と笑いは、接点がないように思います。笑っている絵はありますが、笑わせる絵を描くのはなかなか難儀だということです。

ま、これが作風といえば、それまでですが、僕自身がお笑い(芸人や漫画)が大好きなので、何とかしてその要素を自分の作品上でも昇華できないか、とずっと考えていたある日、きっかけはやはり単体のイラストではなくアニメーションでした。2010年に放映された『四畳半神話大系』


原作となった森見登美彦さんの同名小説が、まるで「うる星やつら」のようなハチャメチャな世界観だったので、髪型や輪郭、服装など、いつも自分のイラスト作品に描かれる日常的な登場人物よりも、少し非現実的で大げさなディフォルメのキャラクターをデザインをした。

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左から2番目の樋口師匠は、目つき、輪郭、髪型、ファッション、呼び名の相互作用で産まれるギャップで、観る人も思わず微笑んでしまうような造形に出来たと思います。そしてこの登場人物達の中でも、特に人気の「小津」というキャラクターは、主人公から「悪魔」と形容されるように、イジワルな性格で、見かけも妖怪のような設定だったので、その分、ファッションだけはチャーミングにして、愛されるキャラクターにすべくバランスを取ろうと思いました。その時にモデルにさせて頂いたのが、お笑い芸人の佐久間一行さん。

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こうして並べてみると、髪型、短パン、スカーフなど、アクセントカラーの黄色など、共通要素がおわかり頂けると思います。元々、僕が一方的にファンだったのですが、その後も偶然、アニメ作品『果汁グミ~メグミとタイヨウ』で、佐久間さんは主人公・タイヨウ役の声優を担当して下さいました。そんな風に一方的な想いや、間接的な関係を越えて、この度、芸歴20周年を迎えられる佐久間一行さんと、ついに直接、念願のコラボレーションをさせて頂ける事となりました。
 
ポストカード

これはコラボグッズの1つであるポストカードです。佐久間さんご自身と、佐久間さんの考えたオリジナルキャラクターたちや、大好きなザリガニと川魚が一緒に大行進しています。そして後ろには代表ネタの"井戸"も。僕が長年使わせて頂いている長野県のオノウエ印刷により、超高画質で上質な紙のポストカードになります。

また、絵との両立が難しいのがファッションです。正しくは「具体的に描き込まれた絵や、色の多い絵は衣服のデザインとして落とし込みにくい」です。例えばいくら好きな名画でも、それがプリントされたTシャツは着るのに躊躇します。主張がありすぎて、特に協調性を大切にする日本人には得意ではありません。つまり日常生活では、衣服の絵柄は、シルエットか単色が着やすいということですね。

そこで、もう1つのコラボグッズであるトートバッグは、1からシンプルな色で塗り直しました。
トートバッグ

佐久間さんの決め台詞「くるっと平和解決!」のイメージから、平和を感じる黄色を使用。サイズはSUZURIのトートバッグと同じ、縦37cm×横36cm×底マチ11cmとA4サイズもスッポリ入る、どんな用途にも使いやすい余裕のある大きさで、厚めの綿100%と、丈夫な素材です。なお、これらの商品は現在通信販売のみのご予約受付中で、9月下旬発送予定ですので、さっくんファンの方も、小津ファンの方も、以下のページからお取り寄せ頂き、ぜひご愛用下さい。

佐久間一行・芸歴20周年コラボグッズ
(ヴィレッジヴァンガード・オンラインストア)

あらためて、佐久間一行さん、芸歴20周年おめでとうございます。長年、ファンだった佐久間さんとお仕事をご一緒できたこと、そしてようやく、このような形で、自分の絵と笑いとの関係が持てたことが、この上なく嬉しかったです。そう、思わず笑っちゃうくらい。

後編へつづく

 

佐久間一行単独ライブDVD~15周年全国ツアー くるっと平和解決~
佐久間一行
よしもとアール・アンド・シー
2011-11-16



四畳半神話大系 Blu-ray BOX
浅沼晋太郎
東宝
2014-06-18