お盆もおわり、朝と晩はかなり涼しくなってきました。仕事柄、ほとんど外に出ない生活を送っていた僕も、愛犬・ぽん太と暮らし始めてからは、毎日その時間に散歩に出かけるので、こんな風に季節の機微に気付くようになりました。大きく雨が降った後はもう秋。

さて、本日はそんな芸術の秋にぴったりなCDのジャケットを2枚手掛けましたので、そのお知らせです。まず1枚目は9/21(水)リリースのゲントウキ誕生日
 
ゲントウキ
ゲントウキ『誕生日』/ジャケットイラスト

そう、あのゲントウキが約10年ぶりにニューアルバムを発表するのです。ゲントウキとの出会いはさらにさかのぼること15年くらい前。まだインディーズだった彼らのライブに衝撃を受け、一美大生だった僕は、その場で「何か描かせて!」とお願いしたのです。そして出来あがったのが、後に考えると、イラストレーターとしてはじめての
仕事となったコチラ▼のライブチラシ。

gentouki
ゲントウキ2001年のライブチラシ。共演には懐かしい名前もチラホラ。
 
その後、同じ大阪同士ということで友人としても親交を深め、メジャーデビューシングル『鈍色の季節』からシングル3枚、アルバム2枚のジャケットを描かせて頂きました。そしてベストアルバムを最後に、ゲントウキとしての活動はライブ以外はお休み、そしてボーカルの田中潤氏は、SMAPやMAY J.、土岐麻子さんなど、名立たるメジャーアーティスト達の楽曲を手掛ける作曲家として、幅広く活躍するようになります。元々大阪時代によく「僕は表に立つのも好きやけど、バート・バカラックのような作曲家になりたいんや」と言っていたので、いち友人としては自然な流れだと見つつも、やはりゲントウキのいちファンとしては、少なからず寂しさも感じていましたし、いちイラストレーターとしても、「またあのジャケットが描きたいなぁ」と思い続けていました。

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ゲントウキのこれまでのアートワーク群


そんな中、シティポップ、AOR、ソフトロック、ジャズ、ボサノバなど、"キリンジの好敵手"とまで評された当時の深い音楽性に加え、メジャー作曲家としての経験で、ひと回り大きくなって、ゲントウキは戻ってきてくれたのです。というより、ジャケットを描く為に、一足先に聴かせて頂きましたが、「パワーアップ」というより「新しく生まれ変わった」って感じ。だからタイトルも誕生日なのでしょう。ですから、これまでのファンの方も、はじめての方も、ぜひこの機会に、「はじめまして、お誕生日おめでとう」を共有できれば幸いです。アートワーク的にも特色や歌詞カードなど、面白い仕掛けをたくさんほどこしておきましたので、そちらも楽しみにしていて下さいませ。

ゲントウキ誕生日特設サイト



続いては、9/14(水)リリース、さだまさしさんのベストならぬワーストアルバム御乱心

御乱心

「あれ、この絵、前に見たことあるぞ!?」と気付いた方はスルドい。そう、以前リリースされた同じくさださんのベストアルバム天晴の左右対称のパロディになっているのです。

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 というのも、今回の『御乱心』は"ワースト"と銘打たれていますが、さだまさしさんのユーモア面にスポットを当てた裏ベストアルバム。礼儀正しくしていた女の子も姿勢を崩し、服をはだけ、部屋も遊びに乱れたい放題。こんな内容です。

もちろんベストに収録された数々の名曲も大好きですが、僕としましては、さだまさしさんは物心ついた時にはすでに、楽曲を知る前に、"おもしろい方"としてテレビやラジオでご活躍されていたのを拝見していましたで、実は今回のアルバムに収録されている肩肘張っていない楽曲群の方がイメージにはしっくり来てしまいました(笑) 

特にライブでは度々披露され、伝説となっている「シラミ騒動」が、ようやく第3楽章まで完全音源化されたのは、ファンとしてもほんとうに嬉しい限りです。この楽曲は、真面目と不真面目、MCと音楽、詩とメロディー、それぞれの隙間がなく、完全に一体化している、もっともさださんの魅力がぎゅっと詰まった芸術作品だと感じます。「そんな大げさな」という方は、騙されたと思って、どうぞ6分間だけお付き合い下さい▼。


 スゴイですよね(笑) 音楽のおもしろさが長い論文にせずとも、こんなにもコンパクトにまとまるなんて、1日も早く音楽の教科書に載せて欲しいです。また、2160円と、アルバムとしてはかなりお求めやすいので、肩の力を抜いて、ぜひ楽曲もジャケットもユーモアを存分に楽しんで頂ければ幸いです。

さだまさし御乱心~オールタイム・ワースト特設サイト

それでは、絵の中からも要求されているようなので、僕はまたぽん太の散歩に行ってきます。皆さまも引き続き、良い芸術の秋をお楽しみください。その時のおともになれますように。

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誕生日
ゲントウキ
ビクターエンタテインメント
2016-09-21