はじめて絵に興味を持ったのはアニメがきっかけで、
初恋の相手は何を隠そう『ドロロンえん魔くん』の雪子姫という妖怪だ。
ちなみに小学校高学年でやっと人間である斉藤由貴、
おっ、7月だと言うのに"雪"の話題で持ち切りじゃないか。
まぁ、そのくらいだったから当時はどのアニメにしろ原作があることすら知らず、
漫画はアニメの真似をして、乱雑な白黒の線で書き直しているだけのものだと思っていたくらいだ。
逆でした。失礼しました、永井豪先生。

とは言え、僕の中のアニメブームは中学3年生まで続き、
小学校の時から描き溜めたオリジナルキャラクター帳は50冊を超えた。
自由帳にひとつのアニメを設定して、30体くらいのキャラクターを描いたものだ。
もっとわかりやすく言えば、オリジナル魔神英雄伝ワタルや、
オリジナル魔動王グランゾートや、オリジナル超幕末少年世紀タカマルがその内訳。
そう、僕は芦田豊雄さんの絵や世界観が大好きだった。
名前を聞いたことない人の為に説明すると、
もっと有名な作品に「魔法のプリンセスミンキーモモ」があり、
当時センセーショナルだった独特なカクカク髪の描き方は、
後期・ドラゴンボールに大きな影響を与えた。

そして高校生になる頃にはアニメからTVゲームへと、
大学生になり音楽やイラストレーションへと関心は移り、
だんだんと非現実的な夢のような世界からより現実的ものに興味を抱き、
自然と僕の絵柄も変わっていった。
そしてこの度、画集を出させてもらうこととなり思い出すのは、
生まれてはじめて買った画集もやはり芦田豊雄さんの本だったことで、
「大人になったら嫌でも自分で気付くから、子供には出来るだけ楽しい嘘をつきたい」
というあとがきが、ずっとずしりと心に残っていた。

時々、中学生や高校生の男の子から「中村さんの描く女の子と付き合いたい」
というファンレターをもらい、僕も彼らの雪子姫を作りだすことが出来たのかと、
すごい嬉しくなる。付き合えるなら僕が先だ!だから無理だけどガンバレ!と思う。
だけど、僕が絵に興味を持ち始めた頃くらいの子供に対しては、
まだ何の影響力もない。がっくし。これが本当のBlue。なんて思ってたら、
何とアニメーションの仕事に携わることになりました。

これ以上詳しくは言えないんだけど、とにかくそういうことで、
さっきようやくキャラクターのラフイメージを描き終えた。
十数年ぶりの51冊目のオリジナルキャラクター帳。
楽しい嘘を少しだけ入れてみた。これは嘘じゃない。