そして無事東京に着く。
目的地は目黒なので、降りたのは品川だけど、
空気の匂いがもう違う関東のあの感じだ、
そうだそうだこんな感じだった。

また目黒駅まで電車に乗って、会場のクラスカまでは歩いて到着。
今回僕はイラストレーターとしてライブペインティング係として呼ばれたんだけど、
以前の名古屋講演会の際にお世話になった
abcdefgレコードの女番長ことミエットワン橋本さんがピンチということで、
急遽、ラジオと弾き語りを一緒にすることになっていたので、
ライブペイントの打ち合わせを済ました後、
ドタバタと設営している会場の隅で、ウクレレとピアニカで3曲練習する。
大好きだったAV女優の愛里ひなちゃんがモチーフになった
「おしりのふとん」という大事な曲をやっている時、橋本さんが「自信ない…」と呟いたので、
僕もずっと憧れだった堂島孝平さんや徳永憲さんやカジヒデキさんの前で、
堂々と歌える自信なんてないよ、と言おうとしたところ、
「いやぁ、お尻は自信がないなぁ…」だって。そっちか。
「大丈夫、おしり全然大きいよ」と慰めようと思ったが、
女性にとって何がいいお尻かなんてわからず、失礼にあたるかもしれないし、
まぁ今回のイベントの趣旨とは関係ないところなので、無言でそのまま練習を続けた。

そんなことをしているうちに、開場の時間になる。
たくさんの人が集まって、とても楽しい空気の中、DJやライブが進行して行く。
寝不足で頭痛がひどかったので、静岡から来てくれた友達にバファリンをもらう。
薬の際の飲み物がなかったので、水をもらおうとドリンクコーナーに行くと、
「500円です」と言われたので、勿体無く思い「じゃあオレンジジュースで」と言う。
飲んで2秒で治ったので、いつものセデスから久々のバファリン攻撃が良かったのか、
オレンジとの組み合わせが良かったのか、いや単純に気分の問題だったのだろう。
ラジオと弾き語りの本番を迎え、ひとつ前の日記に書いた出来事を話し、
橋本さんのピアニカやコーラスやパーカッションで衣替えした
「雨にぬれても」「おしりのふとん」「絵筆は役に立たず」を歌って無事終了。

舞台を降りた足でそのまま今度はライブペインティングに移る。
いつもは家で計画を立ててこつこつチマチマと描いているので、
こんなことをするのははじめてだったけど、
他のお三方、お客さん、出演アーティストの皆さんも参加し、
とても大きな渦のようなものがすくすくと空に枝を伸ばすさまは、
まんまその時の開場の空気をすくい上げたようなもので、
絵でもまだまだ色んなことが出来そうなこと、教えてもらった。

一段楽したので楽屋へ戻ると、ちょうど堂島孝平さんと二人きりになった。
挨拶以降何も話せずドキドキしていると、ネクタイを直しながら堂島さんが口を開いた。
「中村さん、AV好きらしいですね?」
愛は、いや愛里ひなちゃんは世界を救う。

(つづく)