僕は目にはほぼ色しか入ってこない。
だからよく女の子同士で「襟のデザインが可愛いの」なんて言っているけど、
残念ながらそんなものは見えていないよ、少なくとも僕には。
極端な話、ボーダーでもストライプでもチェックでも色が同じであれば同じ服だ。
そんな色狂いの僕なので、遠くにあるものやぼんやりしてるものでも、
光の薄い夜じゃなれりゃ、大体何かわかる。
一昨日、天王寺ステーションプラザの画材屋でケント紙を買って出てくると、
目の端に白・赤・紺が入ってくる。「ピピピ…あれはセーラー服だ!!」
ミニスカートでルーズソックスは流行ってないし好きじゃないけど、
ご飯なら、炒飯でもピラフでも炊き込みご飯でもおかゆでもおこげでも好きなので、
後ろ姿からプロファイリング開始!ここでようやく目を向けてみる。
やけに背が大きい。茶髪だし留学生の方なのかな?
今度は目を凝らしてみる。ストンと落ちた足とお尻の割合…ジーッ
僕の視線に気付いたのか、振り向いた彼女はやはり男性だった。
けれど想定外のおじいちゃん。
みんなのうたの「コンピューターおばぁちゃん♪」は可愛いのに、
可愛くなりたいはずの「セーラー服おじいちゃん♪」は何て可愛くないんだ。
それが世の常というものか、あぁ無常。
「色だけ見てるならワ(タ)シも描いてよ!」と聞こえた気がしたので、
「で、で、で、デザインも大切ですよね」と心の中で呟いた。
ピンクでなく紺色のマークのトイレへと入るストイックな彼女を見つめながら。


BGM:ANATAKIKOU『リリー』