帰ったらドアの隙間に不在票が入ってた。
アマゾン頼んでたの忘れてた。

配達人に申し訳ないなと思いながら不在票を見ると
nJeFwCZQOk.jpg
アユブソだった。

何度も書くうちに簡略化され「アユブソ」になったのだろうか。
おそらく、宅配業者は「アマゾン」という字を頻繁に書くことにおいては国内でも有数の人たちである。

ということは「齋藤」が「斉藤」になるみたいに、「アマゾン」もいずれ「アユブソ」に収斂していくのかもしれない。

未来ではアユブソ定期便を受け取り、アユブソプライムやアユブソミュージックを楽しむようになるかもしれない。

未来のことは適当に言っても良いから良い。

2017-07-12_19h57_50.jpg




怪しい情報商材やマルチ商法まがいの勧誘ページを見るのが好きで、よく見ている。

怪しげなものを売る彼らはやはり怪しいのだが、しっかりとそれを自覚している。

セールストークの冒頭には必ず

「そんなにうまい話があるわけがないと、私のことを疑っているのでしょう? でも違うんです。私はすでに十分な金額を稼ぎ出したので、あなたたちにもお裾分けをしたいのです……」


というような予防線が貼ってある。


 これは不思議な予防線だ。なんの説明にもなっていない。

「こいつは嘘つきかもしれない」と疑っている相手が「嘘つきじゃありません。なぜなら、わたしは正直者だからです」と言っても、信じる理由は何も増えないはずである。だって、嘘つきかもしれないのだから。もし信じさせたいのであれば、エビデンスが必要だろう。第三者の意見や、ごまかせない数字が。

しかし、実際、こういった何の説明にもなっていない説明を信じてしまう人は多い。

「疑い」に対してなんらかの「対応」があらかじめ用意してあるだけで、信じやすくなるのだろう。


打ち合わせしてて、ミスとか懸念点をツッコまれたときに僕は「あー、"それ"ですよねー」って言うんだけど、手口が同じだな。



短編小説集『名称未設定ファイル』、好評発売中。

_var_mobile_Media_DCIM_115APPLE_IMG_5160.JPG
たまに個室トイレの「流す」ボタンが「便器洗浄」になっていることがある。

そのとき、「大」の字を探していた僕は「このボタンでいいんだっけ」と、いつも一瞬迷う。

僕はあのボタンを「便器を洗浄するボタン」と捉えていないのだと思う。
あれは自分にとっては「うんこ流しボタン」である。

「うんこ流し」と「便器洗浄」は表裏一体の関係にあり、僕自身は親として「うんこ流し」の地平に立っている自覚がある。
しかし、TOTOは違う。あくまで便器の側に立つ。便器視点でものを見ている。見ている世界は同じだとしても、中心にあるものが違う。

些細なところに、うんこの作り手と便器の作り手の意識の差が表れているのだ。



短編小説集『名称未設定ファイル』、好評発売中。

DDF5wEhU0AAUve8.jpg


いまさらの告知ですが。
6/30に、品田遊としての新作小説『名称未設定ファイル』の単行本がキノブックスより発売となります。

 


予約受付中です。よければ買ってね。
表紙イラストをたかくらかずきさん、デザインを佐々木俊さんにやっていただきました。最高の仕上がりです。パソコンがぶっこわれた日を思い出す青!

テクノロジーをテーマにした短編が17編はいっています。3つの書き下ろし作品や加筆修正もあります。
最後に袋とじになった短編が入っています。本を買うのも買わないのも読者次第、破るも破らないも読者次第。
電子版は物体書籍版が発売されてしばらくしてから出るそうですよ。


--------------


紀伊國屋書店に行って、本がたくさんあるな、と思った。

小説の棚だけで夥しい数がある。なにもこんなにたくさん本を書くことないじゃないか、と思う。
しかもよく見てみると、太宰治やら、谷崎潤一郎やら、とっくに死んでいる作家の本が平積みになっている。なんでそんな昔の本を置くんだ。新しい本を置くスペースが減るだろ。

情報は腐らない。いま本を開いたらメロスがミイラになっていたりはしない。2100年に本を開いてもメロスは元気に爆走している。スーパーのさしみなら1日たてば廃棄処分だが、本は何百年も残り続けてしまう。

新鮮であること、できたてホヤホヤであることにあまり価値がない。むしろ読者は古い名作を読みたがっているフシさえある。
新しい時代の作家のほうが不利なのだ。過去の全ての作家がライバルになるからだ。
新刊『名称未設定ファイル』は未来の6/30発売なので、いま最も不利な本ということになる。
こんなことなら500年くらい前に書いておけばよかったと思うが、もう後の祭りだ。

逆に、できたてホヤホヤであることに価値が出るようにできないだろうか。後世に残すとか残さないとか、そういうレースから意図的に外れるのだ。
さしみに文字を印刷すればいいのか。


『騎士団長殺し』を読んでいる。

あんまり村上春樹作品を読んだことはなくて、これを買ったのも

村上春樹『騎士団長殺し』発売! あらすじを予想してみた


この記事を書くためというのが大きい。読む前にあらすじを予想するために買ったのだ。不届きな客。
積読にしておくのも惜しいので読み始めたんだけれども、おもしろい。
ただ、主人公の行動様式が全く自分と違うので戸惑う。当然のように人妻とセックスしているし、山で一人オペラのレコードを聴いたりしている。

聞いたところによると「村上春樹が書く男は居酒屋に行かない」のだそうだ。「この流れなら土間土間だろう」というところでイタリアンの個室に行ってしまったりするらしく、そこをイヤミっぽく感じる人も多いという。

かといって完全に浮世離れしているというわけではなくて、GoogleやFacebook、スタバなどは作中にも出てくる。もし村上春樹の中で「出すモチーフ」と「出さないモチーフ」が明確に決まっているとしたら、そのリストを見てみたい。

たとえば「サイゼリヤ」
村上春樹作品の中に、サイゼリヤはあるだろうか。村上春樹の中でもミラノ風ドリアは280円なのか。

ギリギリある気がする。根拠はないが、サイゼリヤは村上春樹マップの片隅にぽつんと建っているような気がするのだ。
逆にラ・パウザは絶対にない。価格帯はサイゼリヤより上だが、だからこそ、ない。


「村上春樹ワールドにあるかないかクイズ」というのも面白いかもしれない。
勝手な自分の感覚で判断してみたい。

「うまい棒」は、ない。
「ネピア」は、ある。
「クイックルワイパー」は、ない。
「がっちりマンデー」は、ない。
「東京スカイツリー」は、ある。
「水素水」は、ない。
「ごつ盛りソース焼きそば」は、ない。
「ポケモンゴー」は、ある。

作品全部読んだわけじゃないので、もしどれか作中に出てたらすみません。


「ふりかけ」は、村上春樹ワールドと外の境界線のギリギリに存在していると思う。
あるとないのちょうど中間。半透明かもしれない。村上春樹ワールドのふりかけは透き通っている。

これが固有名詞「のりたま」だと、完全にない。
存在しない。

↑このページのトップへ