6巻が発行されました。
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 男装のファラオとなったシェプストの治世が始まりました。戦争により領土を広げて国を繁栄させるのではなく、彼女の望みは平和な世。そして、交易による国の繁栄です。しかし、自分の知っている世の中は少なく、本物とはなにかということもわかりません。より広い世界を見渡すには、自分の目だけでは足りないのです。そこでシェプストは、腹心のハプスネブに、「この国でもっとも美しさを知る者」を探すよう命じます。
 こうしてやってきたのが、バネヘンという若い商人です。交易で諸国を巡り、ホンモノを見る目を養ってきたと言います。
 彼は歓迎の宴を不愉快と中座し、では何を望むかとシェプストの問われ、王に伝わる首飾りを所望します。場は「冗談じゃない」「ふざけるな!」という空気になるのですが、豪胆にもシェプストはこれに応じます。王の首飾りは王家の宝物ですが、有能な者の活きる新しい時代は、宝物なんかよりももっと代えがたい宝なのだとシェプストは言うのです。

 バネヘンはその才能を遺憾なく発揮し、王宮内の地位を築き、外交官として交易に活躍します。それを面白く思わない人たちもいます。それは、王宮で従来その役についていた役人たちです。

 役人たちは、ハプスネブに何とかしてくれと訴えたりもします。この不協和音をシェプストの耳に入れたのはしかし、ハプスネブではなく、バネヘン本人でした。
 揉め事はごめんだ、仕事に集中したい、従って、古い役人達を切るか、自分を放逐するか、ふたつにひとつである。そうバネヘンはシェプストに迫ります。
 しかしシェプストはどちらも選びません。バネヘンに、役人達へ知識と経験を分け与えろと言います。また、役人達を尊重し、バネヘンもまた彼らから学べと付け加えるのです。
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 さて、シェプスト率いるエジプトは、新たにプントという国との交易を開きたいと考えていました。500年前に交易をしていた頃は、首都メンフィスから数10マイル程度砂漠を隊商が横断していました。しかし、現在の首都はテーベで、プントへむかうための港までの距離は150マイルにもなり、隊商が陸路を進むのは現実的ではありません。そこで、紅海とナイル川を結ぶ運河を開削することを思い付きます。
 戦争のない平和な世の中。交易による繁栄。そのための運河開削という大事業。大いなる夢に想いを馳せて目を輝かせるシェプストに、バネヘンは至上の美を見いだします。ここまで明瞭に作品には表現されていませんが、王の首飾りをバネヘンはシェプストに返却したことから、このことが窺われます。

 一方、センムトも建築士として各地で辣腕を振るっていました。神殿の新築、増築、補修などで名声を高めています。そして、かれの手掛けた神殿には、女ファラオの像が建てられました。シェプストの想いを象徴するためのもので悪意はないのですが、バネヘンは異を唱えます。王は人間ではない。最高神アメン=ラーの息子である。今のあなたはただの人間の女である、この像はそれを現している、と。

 バネヘンの言葉が、エジプトとファラオを思っての素直で真摯な意見なのか、シェプストとセンムトを引き離すために弄したものなのかは、まだわかりません。わかりませんが、これがきっかけとなって、シェプストはセンムトとの男女の関係に終止符を打ちます。そして、以後のファラオ像を男性の姿で造るのなら、放逐は思いとどまってやると宣言します。

 やがて運河が完成。プントとの交易を始めるべく、シェプストはプントを訪問し、交渉に臨みます。
 交易に力を入れ始めたエジプトには様々な異民族が訪れ、治安が乱れ始めました。国境付近の村では異民族に襲撃されるなどということも起こっています。
 そんな時、シェプストの息子、トトメス3世は元服(12歳)をむかえました。トトメス3世は、母と離れ、メンフィスで教育を受けていたのですが、12歳になると軍隊に入ることができるので、入隊を志願します。
「余は軍人となり戦に出て強きエジプトを取り戻す」と宣言します。
 この宣言に国王軍は士気高く盛り上がるのですが、「このままでは国がふたつにわかれてしまう」と感じた者が、シェプストに知らせようと走ります。
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 矢野先生の短編集です。
4sprits+2に掲載された作品を中心に構成しているようです。その場合は1作品が50ページほどになるので、短編とはいえ、読みごたえがあります。
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 未夏は極端な方向音痴です。クラスメイトの弥生が迎えに来ないと、学校へもまともに辿り着けません。昔はこんなに酷くなかったのですが、幼馴染みの葉クンがある日ふと消えてから、方向音痴の症状が激しくなったようです。
 さて、その未夏、いつものように道に迷っているうちに葉に良く似た人を見つけてしまいます。何度かそんなことがあるうち、「良く似た」ではなく、本人だと確信するようになります。
 そしてついに未夏は、葉と言葉を交わすことができました。葉によると、葉が居るのはこの世のどことも繋がっている歪んだ空間。未夏はそれを関知して、道に迷ったり、葉の姿を見かけたりしたのだそう。そして葉は、長くその空間に居すぎたので元に戻れない。もともと自分はここが居場所。未夏はその歪んだ空間を関知する能力がもう消えかかっている。
 葉の家を訪ねた未夏は、葉の母から、この家系は昔から神隠しにあうことが多かったのだとききます。家族も諦めていたようです。
 その日を境に、未夏の方向音痴はなりをひそめます。
 これが「日常SF」をテーマにした「夕暮れの向こうに」です。4SPIRTS+2は、漫画家4人による競作集で、毎回テーマが設定されてるのです。
 「スポーツ」をテーマにした回では、悩みに悩んだ挙げ句、「モータースポーツ」ということで、カーレースが取り上げられます。たった50ページなのですが、色んな要素が詰まっていて、これが面白いのです。
 主人公はアレックという青年。外国人が主人公というのは、矢野先生の作品の中では珍しいように思います。
 事故を起こしてドライバーをクビになったアレックに、別のチームからF1をやらないかという話が来ます。そして、テストを受けるのですが、与えられた車はまともに走りません。フラフラと不安定なのです。しかし、安定性が悪いということは、それだけ曲がるということ。この特性にすぐ気づいたアレックは、車を自在に走らせ始めます。アレックのための調整がなされていたのです。
 その他、どんでん返しで「ウワッ!」と言わされるSFファンタジーや、丁度ホーキング博士の本がベストセラーになって宇宙論ブームだったとかで(知らなかった)、宇宙創生のも収録されてます。
 クエーサーとかブラックホールとかだけでなく、宇宙の曲率とか「ひも」とかも出てきますから、ちょっと知識がいるかも。知識といっても、素人向けの宇宙とかの本でまかなえる範囲ですが、知らないとまさしく「何のことやら?」です。だからといって、ストーリーは十分楽しめますけどね。お伽噺的な感じです。
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 2巻には、初出が4SPIRITS+2以外の作品が中心の収録です。
 この中では、恋愛テイストの「ベッドタウンストーリー」が特にいいですね。初体験をもくろむカップルが、なかなかそこへ辿り着けないエピソードです。
 家族が外泊するから今夜は俺一人と言って誘ったはずが、突然妹が帰宅します。
「法事じゃなかったのか?」
「あたしもお兄ちゃんと一緒で明日学校なんだから、泊まってこれるわけないでしょ」
 おお! 見事な設定です。

 さっきまで誰かがシテた所で初体験なんかイヤという彼女のために、シティーホテルのスイートルームを奮発しようとした彼氏、しかし所持金が足りなくて無理でした。ならばとバイトしてお金をためて、さあいよいよ、というところで、スリに合います。
 バイトでためたお金も、今夜こそという意気込みも全て消え去り、落ち込む彼氏。そこへ彼女が救いの手を差し出します。
「ここでいいよ」と、ラブホテルに彼女から誘うのです。彼氏の頑張りを認めてくれたんですね。
SmartSelect_20190416-020103_Gallery.jpg さらに、収録作品には、デビュー作でもある「強化戦士アームピット」というのがあります。マッドサイエンティスト父を持つ高校生のひろしが、父の作った強化服を着せられて正義の戦士になるというギャグSFです。デビュー作から矢野ワールド全開してると私は思います。そして、希にふわっと漂う永井豪テイスト、、、とか書くと、失礼に値してしまいますかね。だとしたら、申し訳ありません。あくまで個人の感想です。
 そして、その事実上の続編となる「フライング暁姫」も、始めて単行本に収録とのことです。これがまたよく練られた作品で、暁姫(陸上部所属)のフライング癖が、アームピットの世界観とガッチリ絡み合う妙。「ライナーノート」さえ読まなければ、ですけどね。どうも実際は練られてなかったようです。
 ところで、暁姫には、「強化外骨格」という用語が登場します。「覚悟のススメ」のオリジナル用語かと思ってたんですが、どうもそうではなく、そこかしこで使われてるフレーズのようです。
 それはそれとして、ロケットパンチは明らかにマジンガーZからですよね?
 それから、「エスパーでもないくせに紙切りギザギザ頭」というのは、超人ロックでしょう。
 こういうのが散りばめられてるときって他にも色々あるはずなんですよね。僕が知らないだけで。
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 2巻が発行された時点では、3巻に続くようなあとがきでしたが、残念ながらこれで打ち止め。4SPRITSも全て持ってるわけではありませんし、3巻が発行されて、全部収録されたりしたら、良かったんですけどね。

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 明石薫、野上葵、三宮紫穂の3人(いずれも10歳)は、超度7のエスパーです。エスパーのレベルは1~7に区分されており、最強の7は日本ではこの3人しか確認されていません。
 超度は、古いタイプの震度に対応していて、1なら「静止している人や、特に超能力に敏感な人が感じる程度」、7なら「あらゆるものが破壊され、物が飛ぶ」となっています。古いタイプなので、5と6に「弱」とか「強」はありません。
 彼女たちは「内務省特務機関超能力支援研究局(通称バベル)」に所属し、日々、災害救助や犯罪対応に活躍するのですが、さすがに50巻を越えるとは椎名先生も考えてなかったと思うものの、それなりに長期連載は想定されてたようで、初期の頃からしっかりと様々な設定が出てきます。
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「21世紀、エスパーは増え続けていた。彼らは軍事・外交・経済とあらゆる場で活躍し、国際競争のカギを握っていた。ESPを制する国が世界を制する」とあります。
 しかも(それなりに役に立つ)極度4以上の者は全体の3パーセント以下とのこと。
 薫、葵、紫穂の3人は、「ザ・チルドレン」というチームになっていて、バベル職員の皆本という20歳の男性が現場指揮官となって任務にあたります。
 災害救助や犯罪解決のためにも彼女たちは出動しますが、バベルには予知能力者のチームがあって、その予知確率に基づいて、「事前に予防する」ためにも出動します。首尾よく予防に成功すれば、予知確率が0パーセントになり、解決となるのです。
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 航空機がビルに衝突する事故を予知した時、周辺を「飛行禁止」にしましたが、それでも予知確率が下がらず、ザ・チルドレンが出動したことがあります。この時、皆本は「この付近を飛行しているのは自分達だけ。すなわち事故に遭うのは自分達だ」と、気づいたりします。
 出動が無い時は訓練や検査です。だから彼女達は学校へ行ってません。それだけでなく、非物理的に他者を攻撃できたり、人の心を読めたりする超能力者は一般人から気味悪がられて、排斥の対象でもあったのです。
 政府は超能力者の有用性からも人権の観点からも、超能力者を保護し管理下に置いてます。そのための組織が、桐壺蒂三を局長とするバベルです。しかし、政府内も一枚岩ではありません。時としてお笑い役として酷い目にあったり、チルドレン可愛らしさのあまり過保護で甘やかしたりする桐壺と、そのために無理難題を押し付けられる皆本の間に立ち、様々な調整役となっているのが、局長秘書の柏木朧です。女性であり、年齢容姿ともに絵に描いたような秘書です。
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 一般人にも反超能力主義者はいて、そのテロ集団が「普通の人々」です。武力行使を伴う超能力者排斥活動も行い、「普通の人々はどこにでもいる」と彼らが言うように、様々な組織内に構成員が潜り込んでいます。
 また、初期設定の段階から、近い未来に「一般人と超能力者集団による全面戦争」が示唆されます。超能力集団を率いるリーダーが大人になった薫で、彼女に対峙し引き金を引くのが皆本である、という将来予測のイメージシーンが、超能力イルカである伊009号から皆本に示されます。超能力イルカは第二次対戦で開発されたのですが、その後、動物愛護により超能力動物の利用は禁じられ、従って伊009号が表に出て活躍することはなくなったのですが、バベルとの連絡は取り合いながら、余生を過ごしています。
 そのイメージシーンに出てくる薫は、せいぜい大学生か新社会人程度の容姿、皆本の姿も現在とほとんど変わりなく、そんなに遠い未来ではなさそうです。
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 超能力者と一般人の全面戦争を避けるため、将来超能力者集団のリーダーになるであろう薫を、しっかりと理性と理念を兼ね備えた大人に育てることも皆本の使命です。
 皆本は超能力を持たない一般人ですが、IQ200を越える天才で、周囲から気味悪がられて排斥され孤独化した過去を持ち、アメリカで飛び級してMITを卒業という経歴を持つために、彼女達の気持ちがわかるだろうとスカウトされて指揮官(作品内では現場運用主任と表現されています)に就任しています。
 これまでの指揮官は、やはり超能力への偏見があったり、サイコメトラーの紫穂と手を繋ぐことを拒否するようになったり、超能力者ゆえの孤独を癒すための我が儘に手をやいたり、結局彼女達の心の澱を理解することなく辞めていくということが続いていました。
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 皆本にたいしても彼女達は何度も失望し、しかしその度に見せる彼女達を守らねばならないという想いや、一般人と超能力者の共存のための努力、時に厳しい叱責、そして思いやりなどから、少しずつ理解と信頼を深めていくのです。
 この作品の名台詞である「どこにだって行ける。なんにだってなれる」は、1巻から登場します。
 このフレーズが後にCMで使われたとき、この作品からのパクリなのか、もともとあった著名なフレーズがこの作品でもCMでも使われたのかが判断できず、出典があるのかなと調べたものの未だにわかりません。ネットから出てくるのは、なんらかの歌詞だったり、「現在使われてるもの」ばかりで、出典らしきものが見当たらないのです。
 絶チルのワンフレーズが素晴らしいものとして一人歩きをしてあちこちで使われるようになったのなら嬉しいことですが、意図してパクって使ってる奴がいるなら、腹立たしいことです。
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 ザ・チルドレンの3人も希望していましたし、皆本たちも3人を一般人の中で暮らさせて普通の感覚を身に付けさせたいと考えていたこともあって、薫、葵、紫穂は学校に通い始めます。学校では超能力を使わないという約束です。もともと彼女たちには、超能力を制御する装置の埋め込まれたアクセサリー(ESPリミッター)が持たされており、皆本がリモコン(ガラケー)で装置をオフにしないと、彼女達は力を弱められています。
 同級生にそのアクセサリーをリミッターと見破った子がいます。同じくリミッターを持つ超度2のサイコメトラー花井ちさとです。そこに東野将という男子が絡んできて一騒動おきかけますが、まあそこは小学生同士、すぐに打ち解けます。

 超能力を抑える機器としては、リミッターの他に超能力対抗装置「ECM」があります。デジタル念派を発生させて、一定半径内の超能力を無力化します。これを入手した「普通の人々」によって、ザ・チルドレンは危機に陥りかけますが、超能力対抗対抗装置「ECCM」を皆本が発動し、ザ・チルドレンは無事超能力を発揮して普通の人々を取り押さえることができました。
 こういった装置の存在も初期設定のひとつです。
 そしていよいよ、作品全体に関わってくる重要人物が登場します。兵部少佐です。学生服を着て高校生か大学生のように見えますが実際は老齢で、超能力で老化を抑えています。超能力犯罪者を収容する刑務所の中でも地下深くに作られた彼専用の独房に収容されています。しかし、彼の超能力は計り知れず、実際には自由に出入りしています。
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 超能力犯罪者収容所から脱獄が発生し、ザ・チルドレンが出動しますが、超能力者同士の戦闘に慣れておらず、またそういう訓練も受けていない薫は、ピンチに陥ります。
 兵部は薫を、「近い将来、超能力集団を率いて戦う女王になる」と予知しており、独房を抜け出して薫に超能力を使った戦闘をアドバイスします。
 それを止めさせようとする皆本、超能力戦闘の教育をしていないバベルを責める兵部。しかしまだ10歳の薫にはそういう戦闘は無理で、あっという間にオーバーヒートしてしまい、制御の効かなくなった自身の超能力が暴走、周囲を破壊し尽くそうとしてしまいます。これを収めたのもまた兵部でした。
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 兵部の思想は、バベルや日本政府とは相容れないもので、そういう意味では敵役です。少なくとも超能力者排斥運動を行う「普通の人々」は完全に敵。超能力者達が生き残るために一般人との戦いは避けられないし、勝つために超能力者の組織化を進めています。バベルは良く言えば超能力者との「共存」が理想、悪く言えば超能力者を国家のために「利用」しようとする国家機関の一部ですから、「排斥」が目的ではなく、関係は微妙ですが、国に「利用されたい」などと思っている超能力者はいません。薫たちにしても、バベルの職員にしても、国の「役に立つ」ことでアイデンティティーを保っています。
 兵部は強化された独房からも自由に抜け出し、書き置きを残したあげく、海難事故の救助で要救助者は救ったものの自分達の生存が危うくなった薫と皆本を助けるなどの行動をします。これも、自らが組織する超能力者集団に薫ご必要だからです。
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 バベルに所属する特務エスパーは他にもいます。宿木明(15)と犬神初音(14)は、動物変身能力を持ち、幼馴染みで、「ザ・ハウンド」というチームを作っています。本当に変身するわけではなく、超能力でそのように見せているとのことですが、その際は能力もそれにみあうものとなるため、ここでは変身として扱います。ザ・チルドレンと合同訓練なども行います。
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 これまで独房でおとなしくしていた兵部ですが、色々と活動をはじめています。
 バベルの特務エスパーだったはずの九具津が兵部側のスパイとなっており、それをあぶりだすために、皆本とその同期でエスパーで医師の賢木が、受付エスパーチームの「ザ・ダブルフェイス」の常磐奈津子(20)・野分ほたる(20)らと合コンを企画します。
 ところが、九具津にまんまと嵌められ、賢木は拳銃で撃たれて屋上で瀕死状態、賢木になりすました九具津の操る傀儡人形に、追い詰められる皆本たち。異常を察知したチルドレン達に救われますが、兵部は手を緩めません。
 バベルを辞めた超能力者黒巻節子(19)を使って、皆本を夢の世界へ引きずり込み、イルカ伊009号が見せた未来予測、皆本と薫が戦闘で対峙するシーンを何度も何度も見せつけます。夢の中に飛び込む薫、外部から夢の中にアクセスして救出しようとする紫穂。
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 夢の中の薫は、10歳分成長した大人の姿で、10歳の時より10倍皆本が好きだと告白します。夢から覚めることの出来ない皆本は、葵と紫穂がなんとかしてくれると思っていたのですが、夢の中にいる皆本と薫自身でなんとかしないといけないと気付き、薫の告白にある言葉で応えることで、夢から覚めることに成功します。その頃、葵と紫穂によって、野上は超能力犯罪者として捉えることに成功していました。
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 米(コメリカ)からのエスパー脱走兵を捕まえるための日米合同作戦や、クラスメートからデートに誘われた葵と紫穂の一日に続き、兵部率いる超能力集団「パンドラ」を名乗る一味に、皆本が誘拐されるという事件が起こります。
 目的は皆本ではなく薫だったのですが、チルドレンの3人は実家に帰っており、「皆本を返して欲しければ来い」という趣旨の手紙と地図が残されています。澪という超能力少女がどうやら薫にサシで勝負を挑もうとしています。澪は、兵部が薫をパンドラの未来の指導者にしようとしていることに納得がいかないからのようです。
 薫は帰宅した実家が留守のため皆本の元に戻り置き手紙を発見、皆本奪還のために指定された場所に向かいます。しかし、地図がいい加減でなかなかたどり着けないでいます。
 皆本は、澪と、澪に付き従っている大男コレミツに、廃校になった小学校に捉えられていました。コレミツから、2種のカップ麺を突き出され「どっちだ?」と訊かれて、気付きます。この連中は、廃校で寝起きし、ロクな食事も生活もしていない、と。
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 皆本は野菜タップリの食事を作って摂らせ、ドラム缶風呂を用意して入らせ、洗濯までします。
 賢木とチルドレンが現場に着けば、当然戦闘となります。澪は3体に分身して各チルドレンと超能力勝負になります。コレミツは賢木と皆本に対峙します。そして、何度目かの説得をします。「仲間になる気はないか?」と。さらに皆本には「特にお前、珍しく澪が気に入ってるようだ。殺したくない」と付け加えますが、賢木は容赦ありません。「皆本は小さい女の子に見境ないだけだ」と、身も蓋もないことを言って戦いに挑みます。詳述していませんが、この手のお笑いは作品内のあちこちに散りばめられています。
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 澪有利で始まった戦闘も徐々に形勢逆転、分身の原理を皆本が「素粒子レベルで身体を構成する物質を間引いて3つに分けた」と見破ります。脳とて同じで、本体が分身をコントロールしているのではなく、それぞれ独自に動いている、ということなのでしょう。
 3つ目の分身を2つ目の分身が吸収して、分身なのに本体よりも多い2/3となったところで、それが暴走します。薫がボコボコにしてダメージを喰らったところで、本体に吸収されますが、本体もボコボコのダメージをそのまま受け継ぎ、チルドレン達の勝ち。
 澪は兵部から、パンドラで一緒に暮らさないか? 教育だって望むなら受けさせてあげると、優しい言葉で誘います。澪はこれまで、小学校の廃校で暮らすなど、辛い暮らしをしていたようです。これも彼女が超能力者ゆえに排斥されていたためなのでしょうか? 兵部が目指すのは超能力者が安心して暮らせる世界。しかし、そのためには一般人との戦いを辞さず。
 平和に共存をしようなどと考えないのは、過去、日本のために戦ってきたのに、軍にいいように使われたから、というのことが徐々に示されてきますが、超能力者を利用しようとする一般人、排斥しようとする一般人など、兵部の敵は少なくありません。望まなくても、戦いはし烈な方向へ向かうのだと予期させられます。
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 バベルでは、長い眠りから覚めた管理官、蕾不二子がレギュラーメンバーに加わります。兵部と不二子は、第2次対戦で超能力舞台として一緒に戦った仲です。二人とも外見は若く保たれていますが。
 米国(コメリカ)からやってきた犯罪者エスパーの確保に、葵と皆本が協力する間に、賢木の元で薫と紫穂が行動するとか、チルドレンが登場しない兵部の暗躍譚があったりしますが、いよいよパンドラが大きく始動し始めます。超能力者にパンドラ加入を訴えるテレビCMを打ったのです。さらに電波をジャックして、超能力者の悪いイメージを植え付けようとします。普通人と超能力者の対立を煽り、超能力者が集まって一般人に対抗するよう仕向けているのです。
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 某山中で発見された旧日本軍の超能力研究施設で、生き残っていた研究動物(超能力を身に付けたモモンガ)をパンドラが引き取ったりもします。
 澪とマッスル大鎌が銀行の金庫破りに入った時は、事前に予知していたバベルにより、チルドレン達が待ち構えていましたが、反超能力組織「普通の人々」により、全員が地下金庫内に閉じ込められてしまいます。超能力犯罪に対抗するセキュリティー万全の金庫で、かつ火災対策のために設置された金庫内を真空にする装置を作動させらせ、全員が窒息死寸前に追い込まれます。
 この時は、バベルとパンドラが一時休戦して、金庫からの脱出のために力を合わせます。
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 他国の要請に応じた海外出張や、小学校で行われる超能力身体測定で新たに力が発現した少年の監視など、パンドラと無関係なチルドレンたちの任務も描かれますが、主軸がパンドラとの対決へと移ってゆきます。
 薫、葵、紫穂が5年生に進級したときなど、兵部はお祝いにやってきます。兵部は未来のパンドラをこの3人が背負って立つと予測しており、攻撃する意図はありません。
 遊園地で遊んだあと、どこかで食事をということになりますが、皆本が夕食を用意してから先に寝たと知ってる葵がその事を言うと、薫の提案で、兵部を招いて皆本の家(チルドレンの3人も下宿しています)で食事ということになります。
 そこで兵部は、戦時中の話をします。元々この話をする機会を伺ってたのか、いつかはしようと思っていたが今日でなくても構わなかったのかはわかりません。
 当時はまだ超能力者は少なく、敗戦濃厚となった日本にはもうなす術がありませんでした。これまで「お国のために」と信じて戦ってきた兵部でしたが、敗戦を受け入れる段になって、軍に裏切られます。
 伊9号が隠していた未来予知、それは、敗戦、復興からの次の破滅が、超能力者と一般人との戦いによるものでした。その芽を摘むために、兵部は上官から銃を向けられます。
 脳天を撃ち抜かれますが、兵部は死ぬことなく、逆にさらなる超能力に目覚めたと本人は語ります。
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 バベルも旧日本軍と同じように超能力者を裏切り、超能力者を脅威として戦うようになり、皆本が薫に銃を向ける予知シーンは、皆本も何度となくみています。その回避がこの物語の大きな流れですが、今のところその予知はまだ覆っていません。
 薫は、旧日本軍と皆本は違うと言い、兵部は「彼も一般人。仕事として君たちと関わってるだけ。いざとなったらどっちにつく?」と、問いかけます。
 この議論は、家主の皆本が目を覚まし、兵部が逃げなくてはいけなくなったので、ここで終わるのですが。

 絶対可憐チルドレン、この物語はまだまだ続きます。

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