劇団☆新感線42周年興行・春公演
いのうえ歌舞伎 「神州無頼街」 大阪公演。
3/17初日から3/29千穐楽まで、
ひとまず、
お 疲 れ 様 で し た ーーーーー っ っ ! !
1つ目の山を越えられて良かった! めでたい!
大千穐楽までを考えるとまだ序盤ではありますが、座組の皆さんがとにかく元気に、ここからさらに盛り上がって走り続けることを願うのみであります!
大阪を経て私は既に、富士の裾野のアイツらの生き様にクソデカ感情を持て余し気味です。
が、今回ここで吐き出す感想や雄叫びは、とりあえずまだネタバレ無しでと思っております。
もしこれが誰かの目に止まるならば、これから観る予定の方がその日をより楽しみにしたり、追いチケする方が増えたり、そんな風になったら嬉しいばかりです。
(本当の理由は、ネタバレ有りにするともっと長くなって収拾つかなくなるから←)
初日の感想をその場で言葉にしていなかったのでそこは振り返りになってしまうんだけど。
・本当にお祭り騒ぎ!
・新感線さんの相変わらずのサービス精神!
・当て書き万歳!
・推し大活躍ありがとうございます!
という感じでしょうか。
でも正直、初日の時点では思ったほどに刺さらなかったんですよ。
というのも、2年越しの想いを自分でも持て余して舞い上がり過ぎていたし(笑)、舞台からの情報量がとにかく多くて受け取りきれなかった感じもあったり。
あとは、笑いもシリアスも、やりとりの流れやスピード感にはまだまだいけそうなものを感じたというか、そこは初日らしさと言えたのかもしれません。
(偉そうな言い方すみません汗)
それでも充分に面白かったし、そもそもお祭り騒ぎを観ているだけで楽しい舞台です。
衣装もすっごく華やかでカラフルだから目にも楽しい。
色んな楽しさがあるだけに、これに一体感がもっと足されていけばどこまで面白くなるのか、そこがまた楽しみになった初日でした。
そして初日から数回、気付くといつのまにか無頼の街に心囚われてしまった自分がいた、という訳です。
2~4公演目でもメキメキ面白くなっていったし、皆さんの感想等を見るにその後もどんどん盛り上がっていったようですね。
千穐楽にはそりゃもう、大千穐楽かってくらいの盛り上がりと満足感がありました。
その凝縮感といい、伝わる熱といい、エンタメ的楽しさといい…全部!とにかく!凄かった!!
体感時間が短過ぎ!正にあっという間!
当初、大阪千穐楽は行く予定じゃなかったんですけども。
日々、皆さんの感想やらカテコレポやら覗いてしまうと行きたい欲が膨らんで。
当日朝に当日引換券がまだ買える事を確認してしまうと、そりゃもうね(?)
旦那に「ちょっと今日…友達と会ってくるから夕飯置いとくね…」(説明不十分だが全くの嘘ではない)と言うと。
「あ、そう」と特に気にしてない様子。
すかさず新感線と新幹線を予約。
いそいそと出かけた次第です。
最終新幹線の時間の関係でエア煎餅撒き以降のおかわりカテコは観れなかったけど(後で色々知ってある意味一番見たかったとこでもある、残念無念)。
出口で具現化したお煎餅を手にして必死で走りながら、心はもうホクホクの多幸感でいっぱいでした。
無理して行って良かったよぅ…
さて、個性に溢れた登場人物と出演者様へのざっくりとした感想を。
身堂蛇蝎&麗波夫妻。
その正体と存在感故に絶対適わねぇなと思わせる敵キャラコンビ。
クライマックスシーンは圧巻。
高嶋さんの期待通りの変態っぷりと、松雪さんの想像を超える変態っぷりが見事で圧倒されます。
歌も役のままの迫力と華やかさ。
お2人とも実に楽しそうに演じていらっしゃいます。
身堂凶介。
愛すべき狂犬キャラ。
おバカっぽくも見えるけど、その心境を思うと胸が痛んだり。
木村さんの新感線作品でのテンションの高さには、今はもう安心感さえ覚えます。
草臥と対峙する場面、回を経る毎に益々熱い!そしてしんどい…
身堂揚羽。
悪役ながら可愛らしく、面倒見の良いしっかり者という感じ。街の人たちにも慕われてる。
気が強くコケティッシュな揚羽を魅力的に演じる清水さん、めちゃくちゃ可愛くて推したくなります。
その可愛さ、観ればわかる!
千之介&百千代。
蛇蝎一家の子分。
この2人と揚羽の関係、良いんですよね~。
ずっと揚羽の後を追いかけ回して世話を焼いてて欲しい。
粟根さんも右近さんももっと出番あってほしいんだけどなぁ。ただそうすると多分4時間作品になってしまう(笑)
清水次郎長。
いや〜川原さん、さすがかっこ良すぎっす。
親分らしい喋り方も、着物の裾のさりげなく粋な捲り方も、出入り支度で着物をたくし上げる仕草も、もちろん殺陣も!
あれこそ"板についてる"って言うんですかね。
仁義を切る時の口上にはマジで痺れました。
他にも新感線作品ではお馴染みの方々が面白い役で無頼の街を盛り上げます。
はらぼてお梅さん一家。
バトルの多い仁侠物のお話の中にあって、何度もクスッとさせてくれるしホッとさせてくれる。
お梅、カナコさんの歌すてき。今回沢山歌ってくれるから嬉しい。
卯之吉、河野さん。小ネタ楽しみなので隙あらばどんどん遊んでいただきたい。
息子たち、あまりに強者揃いなので…これはとにかく観ろとしか(笑)
棺桶屋のお銑さん。
ブレなすぎてある意味最強。ヤクザな街でプライド持って棺桶作る女、強すぎる。
よし子さんも歌いまくります。
推しとのデュエットありがたや。 最 高 で す ! !
犬吠3兄弟…
全然笑えない状況で笑えない運命なのに、笑うしかない!
最高にズルいしあれはインディさんでしか成立しません。
〇〇っぷりで右に出る者なし…(笑)
箒衆、皆かわいい。
彼女らがどういう人達なのかは観てからのお楽しみですが。
さとみさんとエマさん、やっぱり面白い。
特にさとみさん演じるつまぎと草臥の絡みにはご注目。
そして、永流と草臥。
「当て書き」ってすごいなぁ。
2人について生まれた感情はそれこそ色々で大いに語り明かしたいところですが、物語の核心に迫ることなので、もう少し経ってからまた改めて語りたいのですよね。
なので今は、2人の見所の宣伝をするつもりで、永流の殺陣の美しさと、草臥の歌やパフォーマンスの部分での見事な使い倒され具合(?)について語っておきたい。
永流。蒼汰くん。
長物の殺陣、めっちゃ良い!!
事前にいのうえさんが「蒼汰には三手くらい先の、もしかしたら太一に近いことを要求するかも」みたいなこと仰ってましたが、本当にその通り。
カッコいい…
そしてご本人の持つビジュアルや衣装の雰囲気もあるからなのかな、高貴というか王子のような品があるのよ。動きがとても綺麗。
殺陣ってエンタメだなぁと改めて思いました。
剣舞とかに近いような感じってすごく好きなので、このタイプの殺陣は個人的にも大好物です。
蒼汰くん、やる度どんどんキレも出てくるだろうし更にカッコよくなりそう。
永流という人物については、「医者である」という事が彼自身にとってはとても深い意味があるのですね。
物語の進行と共に、少しずつ彼の事情も明らかになっていきます。
物事を曖昧に出来ない永流の真っ直ぐさが、蒼汰くんの個性にとても似合っています。
そして草臥。宮野さん。
めちゃくちゃ歌ってくれます。
沢山歌うとは聞いていましたが、歌いまくりです。
歌う曲が多いのは勿論嬉しいのですが、何よりも、
「あらゆるジャンルあらゆる歌唱法あらゆるネタをとことんやらせて貰えた」
というのが美味し過ぎる!
新感線らしいロック調からアレやらコレやら…(アレコレの内容言いたい…めちゃくちゃ言いたいw)
勿論、美しい歌声をしっかり聴かせてくれるような曲もあります。
宮野さんには、どんなジャンルの曲にもそれぞれに違和感無く馴染む歌い方が出来るという強味があると思うんですが、それが本当にこれでもかってくらい活かされていました。
ステージパフォーマンスにおいても、"舞台役者さんが頑張ってやってみた"という風にならない。
本職ですから。
「これはもうマモライw」という人もそりゃいる訳ですね。
そして新感線だけに、曲自体がネタだったりするものもあるんですが、「オモシロ」は宮野さんのライフワーク(←)ですからね、面白くないはずがないw
歌も芝居も両方出来る役者さんやアーティストさんは沢山いますが、この華やかさと面白さはちょっと他の人にはなかなか出せない魅力なんじゃないかと思うんです。
そういう意味では、役としての当て書き以上に、特技を"使い倒して"くださった感がすごくて、嬉しいやらありがたいやら…
草臥という人物も、宮野さんにぴったりでした。
口出し屋というのは、脚本の中島さんが宮野さんの役に当てて作った架空の職業なのですよね。
口が立って人が好きで、率先して厄介事と関わっては人の事情に賑やかに反応する表情豊かな人。
ちょっと煩くてお調子者にも見えるけど、ここぞという時に見せる優しさや大胆さには大きな包容力が感じられるところも。
声優でも俳優でもあり、声色でも表情でもエモーショナルな表現が得意な宮野さんには本当に良く似合うのです。
宮野さんそのままという意味じゃなく、表現や個性に合っていて"演じる役"としてしっくりくる。
草臥は、宮野さんの華やかさと、演技の繊細さと、両方を際立たせてくれる役だなぁと。
大阪で既にもうすっかり役に馴染んで見えましたが、宮野さんのことですから、きっとまだまだいくのでしょうね。
静岡〜東京と、またどのように変化していくのか楽しみです!
待ちに待って2年越しでやっと会えた、"当て書き"の役で大暴れする宮野さん。
やっぱり期待以上の姿で現れてくれたのが嬉しい…!
後で振り返ると、「神州無頼街」という物語は "自分が何者であるかを自分で決める" というのが一つのテーマになっているように感じました。
出自や環境と関係なく自分でなりたいものになろうと藻掻く者たちと、自ら選んだ生き方の為に道を開いた者たちの、パワーに溢れた物語。
だから元気をもらえます。
また何度でもこのお祭り騒ぎに参加したくなる。
今度はこの物語の舞台である、富士の裾野へ……!
う〜ん。
まだ大阪公演だけの感想なのに出てくる出てくる。
これでも削ったんですよ(うそだろ)
ネタバレ部分まで話題にしたら語りたいこと果てしなくなってしまうので。
はぁ~、2年前宮野さんが当て書きを貰えると聞いてワクワクが止まらなかったあの感情を思い出すなぁ。
一度は心折れたけど、今こうして劇場に通えることが奇跡のようです。
そして、余韻に浸ったり物語の背景を考察したり出来ることがこんなにも幸せで、感謝しかない。
あとは静岡と東京、毎公演の幕が無事に上がり、幸せと大盛況の中で大千穐楽を迎えることを心から願っております。
素敵な舞台を、本当にありがとうございます!!
(2022年4月3日)