彼と“リュックサック”。(加筆)。 2011/10/27 11:32 東京に通ってる頃から、 古くは高校時代から、 ずーっと“リュックサック”を背負ってた。 そこそこ収入も増え、一人前になりだした頃、 みんなが車だ、広い部屋に引っ越しだ と言ってた頃、 “リュックサック”を買い換えるようになった。 僕の知ってる限り、年4回。 肩のベルトの所に、小さいポケットが付いてて 「携帯ココ入るんすよ。便利でしょ。」 スタイリストは言う。 「良いですね。」 「ココに携帯入れれるんですわ。」 40代のプロデューサーは言う。 「良いですね。」 嘘だ。40代はアタッシュケースだ。 気付いてくれ! 「良いですね。」 と言ってる人は、みんな社交辞令だ。 現に誰一人その“リュックサック”をマネしていない。 大阪への一泊仕事も“リュックサック”の彼が “キャリーバッグ”でやって来た。 おお!やっと何かに気付いたのかと思ったのもつかの間。 現場に着いて、“キャリーバッグ”のチャックを開けて 中からいつもの“リュックサック”を出した。 何て無意味な、、、。 チョコエッグのノリなのか。 ある日、聞いてみた。 「何でずーっとリュックサックなん?」 彼は自信なげに言った。 「不安やねん。東京こわいねん。」 それから、わたしは彼のリュックサックには触れないようにした。 そして、30代。 ある日、小さいマジソンバックでやってきた彼。 本当に小さかった。 チワワ一匹分。 チクワ八本分 入ればせいぜいだった。 本番中に僕は、 「何やあの小さな鞄は?集金に、行くのか?」 翌週、彼はその一回り大きな色も形も全く同じのマジソンバックで仕事場にやって来た。 嗚呼、傷ついたのだな。 悪い事をした。 ある日、ライヴで大阪へ。 色々な用意の為か買いたてのミッキーマウスの“キャリーバッグ”で大阪へやって来た。 劇場に入って、ビックリ。 中から“リュックサック”が。 帰って来たチョコエッグか。 もうすぐ40代。 彼は“トートバック”、“皮のトートバック”“ショルダーバック”色んな鞄を使い分けるようになった。 そして、 とうとう、小さなポシェットで仕事場に来るようになった。 彼は東京が怖くなくなったのだ。 こんなに嬉しい事はない。 曰わく、 「東京への恐怖心、、、とったど〜〜〜!!」 だな。