でも、綺麗に写らへん。
結構デカく見えてるのにカメラでは写らない。
田舎に行って星空が満天で携帯カメラで記念に、
っと思っても写らない。
オーロラなんて、撮影出来るカメラなんて数台しかないらしい。
それらを踏まえたら、
「うわっ!!すげぇ!!!!」
ってモノを見つけたら、
じーっと見て、眼に焼き付けて、
そして、それをその時のテンションで、人に話す方が絶対良いのに。
何でみんな何でもかんでも携帯カメラで撮りたがるんやろ。
たくさん撮って、たくさん保存しても、
結果、全部ブレてた。
ってなったら、やっぱり直で見とけば良かった、
ってなるのに。
それを踏まえて本題。
小4の頃初めて飛行機に乗って、初めて熊本県八代のおばちゃん所に行く伊丹空港で、
「晋哉!東京行きん所にカトちゃん居るで!!!」
っと母に言われ、
「え〜!!カトちゃん居んの!すげぇ!さすが空港や!!」
1982年当時は、そろそろ大人びた子らは“オレたちひょうきん族”に移って行く時期やったけど、僕はずっと“8時だよ全員集合”を見てた子供やったので、
“カトちゃん”に会えるってのに凄く気持ちが高ぶってた。
やはり、カトちゃんを一目見ようと、何人かは集まりだしてた。
あの中に、
「ちょっとだけよ。あんたも好きねぇ。」
って言う、カトちゃんが居る。
ステテコ腹巻きハゲちゃびんのカトちゃんが居る。
「晋哉!あそこ、カトちゃん!」
やじ馬の中心には、
デッカい刺繍の入ったセーターにスラックス、真っ黒のデカいサングラスで、
何人かの大人達と談笑しながら、タバコを吸う“加藤茶”サンが居てた。
僕は大声で言った。
「こんなんカトちゃん違う〜〜〜〜〜!!!」
この後僕は、しゃっくりが出て止まらへん位泣いてた。
写真には残ってないけど、鮮明に覚えてる記憶や。
この記憶は、百年プリントより鮮明に残り続けるやろう。