見事に使い切った“オロナイン”やん。


僕は、モノを買う時、大概“お徳用”を買ってしまう。

無かったら、一番デカいモノを買う。

そして、こんな風に無くなるまで、きちんと使う。

「セコいわぁ!」

っと言われたりするけど、ヘッチャラや。


僕がこの手の“お徳用のモノ”を買うようになったのは、中学時代に、

同級生の“塩見”の“消しゴム”を見てからになる。



 塩見の家は、地元では皆が知ってて、週末とかの家族の食事にはそこに行く位の、

飲食店を経営してる家で育ってるので、団地住まいの僕より裕福やった筈や。

(これは、子供時代に思ってたことやから、確認のとりようがないからね。)

その“塩見”が使ってた“消しゴム”、ある日気づいたのが、

今僕が使ってる消しゴム(写5左)より、小さくて、まん丸い。


中学時代と言えば、いかに最新文房具をもってるか、

どれだけ、甘い匂いの“消しゴム”を持ってるか、

こういうのを持って、クラスの皆が、休み時間に群がってこさせるか、

女子の注意を引くか、やのに、

“塩見”の使ってる“消しゴム”は、学校前の文具店“川崎”で買った“消しゴム”で、

匂いも色も普通の“消しゴム”やった。

皆が行ってた、駅前の雑貨屋“ロイヤル”では到底売ってないような、ただの白い“消しゴム”。

ファンシーさのカケラもない。

「何で、そんな“消しゴム”使ってんのん?」

と、“塩見”に一回聞いた事があった。


「ん?まだ、使えるやん。」


僕が出した質問の答えでは、なかったけど、


それ以上の答えやった。“塩見”の単純な答えに、


そうか、まだ使えるもんな。


と、簡単な返事も言われへんかった。


ただの消しゴムに、イチゴミルクの匂いがあるから、どうや。

カレーの匂いあるから、どうや。

キン肉マンの形やから、どうや。


むしろ、消えにくいやん。

そんな“塩見”の“消しゴム”は、授業中に落として、

コロコロコロコロー

っと、転がりまくって、拾った心ないクラスメートに、

少し前のヤツを呼ぶ為に、ちぎっては投げされて、あっと言う間になくなった。


こんな事があって、僕は高校に上がって、

トイレットペーパーの芯くらいの、デカさの鉛筆大の消しゴムを買って、

見事三年かけて残り二センチくらいまで使った所で、テスト中に落として、


コロコロコロコロコロー

っと、転がりまくって、カンニング目的のクラスメートに、

答案用紙を催促する為の、通信手段として、無くなった。


学生が最後まで、“モノ”を使い切るのは無理なんやろか。

というので、僕は今も、“モノ”を買う時は一番デカいモノを買う。


  この精神は、決して“セコい行為”ではない。



こんな精神を持ち合わせてるから、

独身時代、女性の家に行くのが苦手やった。



  だって、女の家のお風呂って、



   使い切ってない“シャンプー”いっぱいあるやん。




        アレで、その娘が一気に嫌いになるねん。