情報があってもリテラシーや判断力、見識が重要なんだなあって都知事選投票を促すツイートをみて改めて感じますね。イデオロギーの違いとか価値観の違いは仕方がないわけですが、事実を見抜く力、今のところ確定していることとそうでないことを弁別し、それらに基づく推測と憶測を見分ける力、陰謀論に汲みさないことなどいろいろ思うわけです。


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黒澤明『羅生門』

 このコロナ禍でワイドショーやよく分からない評論家の無意味さ(ずっと昔からそうなんですが)が確認された訳ですが、とはいえこれがずっと繰り返されていることに現実の厳しさを感じているアメリカ独立記念日です。

 

 

 今日は6月30日、京都ではこの日だけ食べる水無月が売られている日ですね(実際には6月入ると多くの店で売られてますが)。


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テオ•アンゲロプロス『ユリシーズの瞳』

 さてこの半年、ある意味歴史に残る半年だったのではないでしょうか。新型コロナウィルスは年末ぐらいから話題になってたようにおもいますが、1月半ばから大きく取り上げられるようになって、トップニュースを占めるようになりました。

 2月はライブ会場でもマスク着用が言われるようになり、半ばには一度目の自粛要請でしたか、それで多くのライブがなくなりました。一度3月になってライブが再開されたものの特典会などではマスクの着用がほぼ義務化されたような気がします。

 その後みなさん(誰が読んでるのか知りませんが)ご存じの通り、3月下旬のオリンピック延期や百合子の会見以降、モードが変わり自粛が本格化、4月に入って緊急事態宣言がされて一気に日本国中が擬似的なロックダウン状態になりましたよね。

 5月末から徐々にそれが解除されていって今に至るわけですが、このコロナ禍を乗り切ったとき、この日々はどのように総括されるのか、また個人の中でどのような記憶として残るのか。いま小・中学生の子どもたちの半数弱は22世紀を(長くはなくとも)生きるわけですが、その時孫やひ孫たちにどうこのことを話すのか、あるいはあと80年のうちもっと大変なことが生じ、このことは軽い出来事として扱われているのか・・・その時を経験できない僕としては少し気になる所です。

 最後に今日はなんか夢や希望を語るといい日だそうなんで、僕も一つ。宝くじで高額当選お願いします()


 これは先代の米團治が弟子入りを希望する米朝に対して言った言葉です。いい言葉なので全文引用してみたいと思います。

「芸人は、米一粒、釘一本もよう作らんくせに、酒が良えの悪いのと言うて、好きな芸をやって一生を送るもんやさかいに、むさぼってはいかん。値打ちは世間がきめてくれる。ただ一生懸命に芸をみがく以外に、世間へのお返しの途はない。また、芸人になった以上、末路哀れは覚悟の前やで」(桂米朝『落語と私』)

 東京ダイナマイトのハチミツ二郎さんが芸人とサラリーマンの二足のわらじを履いているという記事を今日見ました(「芸人一本の時代は終わった」会社員になったハチミツ二郎が見る未来  https://gendai.ismedia.jp/articles/-/73578 )。そのなかで現代社会における芸人の位置付けについていろいろ話していたんですが、彼自身はこの米團治の世界に生きようとしていたし生きていくつもりだったんだろうと思います。ただもうそういう時代ー芸人が常識外の世界で生きることが許されていた時代ーではないという意識もあって、「芸人一本」でない兼業の道を選んだのでしょう。これにコロナ禍が重なりますます芸人一本でやっていくことの難しさ、逆にそうでないことがあり得る世界になったといえると思います。

 昔から芸能というのは社会の常識外、あるいはそのギリギリの所に存在していました。だから一般に認められない、道徳や倫理をはみ出したことをしてもーその代償として差別されていましたがー許されていたわけです。アウトロー(outlaw)とはよくいったもので、アウトローのもつ魅力と言うんでしょうか、そういう人たちだからこそ出せる魅力、芸を市中の庶民は自分たちにはできないけど憧れるという感じで消費してました。

 コンプライアンスやポリティカル・コレクトネス、SNSによる相互監視など、今の時代の表すキーワードとアウトローというのは全く相容れません。法律を守ることだけが生きがいのような連中が跋扈している世の中になってしまっています。もちろん常識に逆らうだけが芸人の生きる道ではないし、時代の制限の中でいかに対応していくのかも重要なわけです。しかしあまりにも法外なものを排除していくのが、単に芸能だけでなく普通の庶民にとってもいいことなのだろうか自問しています。自問してもなんの得にもなりませんが。


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成瀬巳喜男『鶴八鶴次郎』


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