2017.3.17.中日新聞の記事〜抜粋✍

ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で愛知県蒲郡市出身の千賀滉大(こうだい)投手(24)が大活躍している。15日のイスラエル戦では、5回無失点の快投で日本を2次リーグ突破へ導いた。古里には、息子の雄姿を見守る父直伸さん(56)と母和江さん(47)の姿がある。

 十五日夜、蒲郡駅構内の蒲郡市観光交流センターで行われたパブリックビューイング(PV)。一投一打に盛り上がる市民らとともに、両親は祈るようにテレビを見つめていた。

 「打たれたらどうしようと思っていたが、きょうはスライダーが決まっていた」と直伸さん。千賀投手が降板すると、会場に万雷の拍手が鳴り響いた。

 開幕前、息子から短いメールを受け取った。「『頑張るわ』と。こんなことは初めて」と和江さんは明かす。並々ならぬ決意を知っていたから、大舞台での快投がうれしかった。

 甲子園で名をはせた野球エリートではない。直伸さんは「至って普通の子。ぜんそく持ちで高校一年までは入院を繰り返していた。高校ではバスケットやテニス部も考えていたようだ」と話す。県立蒲郡高校から育成契約でソフトバンク入りした際は、ほとんど無名の存在だった。

 育成選手は三年以内に支配下登録されなければ、自由契約となるルールがある。両親そろって東京ドームで観戦した一次リーグのオーストラリア戦後、千賀投手は食事の席で「三年以上、持ったなあ」としみじみ話したという。

 直伸さんは息子の地道な努力を知っていた。「オフもほとんど休まずに体を動かしている。高校時代は変化球が苦手だったのに、試行錯誤してフォークをものにした。とにかく必死なんです」

 いよいよ準決勝、そして決勝へ。二人は仕事の都合もあり、米国での観戦は見送る。「思い切りやってほしい」とひたすら願っている。