時節柄、大変不適切な組み合わせでのイベントが敢行されることになってしまいました。

 関係者の皆さま、誠に申し訳ございません。

 辻元清美議員×山本一郎さん トークイベント
『デマとデモクラシー』(イースト・プレス)刊行記念
http://www.yaesu-book.co.jp/events/talk/9813/

辻元清美女史とリベラルの復権その他で対談をしたんですが、話が噛み合いませんでした
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yamamotoichiro/20141201-00041143/ 

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 元はといえば、辻元女史と共通の友人がおりまして、その方のお取り計らいで前回の衆院選直前に対談をセットしてみたところ、空前のPV数となったわけであります。それだけ、「辻元清美」という人間に対する深い興味、そしてリベラルの復権というお題目について関心が高かったのかもしれません。おまけに大阪10区の事前調査で自民維新の各候補に僅差で次ぐ3位めで落選濃厚だったのが、この記事をきっかけにしたのか突然大逆転したため、ほうぼうから裏切り者呼ばわりされたのもいい思い出です。

 辻元女史はさまざま毀誉褒貶はありますし、秘書給与流用事件もあり、何度も「この人終わりだな」というところを乗り切ってきた方で、また北朝鮮籍だなどのデマにも悩まされてきた御仁でもあります。一方で、テレビでもおなじみの、興に乗ったときの発言の切れ味は素晴らしく、地元でも人の機微、情に訴えかける絶妙な掛け合いと間合いを有権者と繰り広げていました。 

 保守主義者である私は、辻元女史とは政策的な方向性には隔たりが大きく、必ずしもすべての彼女の主張に同意するものではありませんが、現実を見たときにどうしようか、話し合いをして着地点を探すにはどうしたらよいのかというところでは、「保守主義的にはこう思う」「リベラルとしてはここは譲られへんのや」「じゃあこういう落としどころですかね」という話のできる人です。おそらく、喧嘩腰モードというか、感情が逆立ったときに、テレビで見られるような「疑惑の総合商社」みたいな切っ先の鋭いフレーズが出る一方、「辻元先生、ここでこう困ってるんすよ」となると、途端に「じゃあどうしましょう」となる点で、この人は真の意味で「鏡」(鑑でなく、鏡)だなと思うわけです。「このやろう」と息巻くと辻元女史も湯気立てて論争するし、「ちょっとお互いちゃんと話し合おう」となるとお茶を挟んで一時間みっちり喋る、みたいな。

デマとデモクラシー [ 辻元清美 ]
価格:979円(税込、送料無料)




 本書『デマとデモクラシー』は、「政治家」というより「人間」辻元清美の泥臭さが前に出た本です。左翼だ売国だと言われ、逮捕という挫折も味わって、それでも政治の世界で生き、世に問いたい問題があって、私生活をほぼ投げ打って、もがきながら前に進んできた女性の率直な心の述懐が詰まっている内容です。はっきりいって、政治的な主張については「それはさすがに世の中を美しく見すぎだろ」とか「辻元せんせ、夢のようなことを言わないで」などと突っ込みたい人も多いと思うんですが、まあ私も読んでて「お、おう」というところもあるわけなんですが、興味深い指摘はいくつも詰まっています。

 こういうお人柄だから、数々の挫折やデマや逆風を受けても一歩一歩歩いて、理解ある人たちの請託を受けて議員としてやってきたのだなあと理解できるわけであります。誠実でめげない人が、悩みながらも前に出て行く決意の言葉を綴ってきただなあと思います。

 蛇足かもしれませんが、私は政治家の方とお付き合いするとき、もちろんご本人のお考えや資質も見ながら「立派な人だなあ」とか「賛同できそうだな」などと感じながらお話するわけですけど、それ以上に、秘書の方や、支援者の人を見て判断することも多いです。いくら政治家ご本人が立派でも、側近や支援者がだらしなければ「この人に任せても、だらしない扱いされるんじゃないだろうか」「下に投げっぱなしで、モノをいうだけの人なんじゃないか」と思ったりするわけです。

 その点、辻元事務所に始めて出入りしたとき、クソ汚い雑居ビルのマッサージ屋の二階でちょうどお引越しをされている最中にお邪魔したんですが、皆さん親切で行き届いた、アットホームな感じで穏やかな笑いの絶えない空間でした。これは確かに、本人が挫折したり悩んだりしても、周りがちゃんとまとまっているなあというあたり、間違いなく「生き残るには理由がある」と思った瞬間でありました。

 私は別に民進党支持者ではありませんが(重要)、辻元清美女史の人間性のファンとして、僭越ながら対談をさせていただきたいと思っております。ご関心のある方は、興味本位で構いませんのでぜひ足をお運びください。