なんで私がフォローしてるのかは定かではない。たぶん、徹夜作業で頭がイカレていて、優先順位が一時的に狂っているのだろう。私がまたボトルネックになって待ちぼうけになってる各氏にはまずはお詫びを。

元ネタ:専門学校ゲーム科新入生が誰も堀井雄二の名を知らなかった
http://togetter.com/li/15900

 伊藤さん、何してんだ。働け。それに対する反論。

堀井雄二さんの名前より大切なこと
http://gungurion.jp/blog/2010/04/23/14/50/25


 どちらも一理あるし、どちらが正しいという性質のものでもありません。これは、「その道を目指そうとする者が、本来備えているべき知識や資質」の問題であって、その道を教導する人が「知っていて欲しい」と思ったり、その道にある者が喜んだり嘆いたりするのもまた真であります。
● 結論

 私個人としては、「堀井雄二氏の名前や足跡は知っているべき」と思います。

● 「ドラクエ」の価値とか

 「ドラクエ」といえば堀井雄二、堀井雄二といえば「オホーツクに消ゆ」でありますが、たしかに海外に向けて売れた日本製ゲームの中では知名度、実績共に劣るのは間違いありません。

 一方で、海外のクリエイターが俗に言うウルティマクローン、フィールド探検とダンジョンを組み合わせた広大な世界観で遊ばせるゲームの発展例として、日本のゲームシーンに大きな影響を与えた作品であることも言うまでもありません。

 業界でいうところのユーザーエクスペリエンス(UE)を体現させ、日本のゲーム業界にひとつの時代を作り上げた作品という意味では古典であり、この古典をプレイした人間が、事後海外で売れた各種ゲームのクリエイターとして業界を支えたのもまた事実であります。

 したがって、いまのクリエイションを実現した人が何に影響を受け、何を作ろうとしたのか知ることは、日本的なUEを積み上げる上では悪い話ではない(ベストとは言わないが)とは思います。

● 専門学校で学ぶべきこと

 とはいえ、専門学校はコンテンツ史を学ぶところではなく、制作の最前線を担う人材を育成する施設であり、いま流行していたり、ユーザーを虜にするゲームをたっぷり浴びることが大事とも言えます。であるならば、世界で売れている"Call of Duty"や"assasin's creed"なんぞの表現技法やレベルデザインをまるまる真似ることもまた良いのかもしれません。

 一方で、それは従来の欧米産の洋ゲーが欧米人の文脈に沿ったゲームを作るうえで必要な技法なのであって、私たち日本人が欧米人の文脈を「完全に」理解することはありえません。同時に、欧米人が日本のゲーム会社が持つテイストを模倣することもまた困難であるわけで、日本人が日本で制作している限りは、日本人が固有で持つオリジナリティが欧米人との差異となって価値を持つ(こともある)とも言えます。

 日本人が、日本の専門学校へ逝って、卒業後何らか職を経てEAやABやUBIの傘下のスタジオに入る、という可能性はゼロとは言いません。でも、海外のスタジオにとって日本人を採用するというのは、欧米人では実現できない日本人ならではのテイストを作品に取り込もうという動機もあるだろうと思います(あくまで経験則)。

● ドラクエ以外のブランドが育った

 「ドラクエ」が、メインとする客層と共に年を取って逝った、という意味でもありますが、いわゆる「若者のドラクエ離れ」とは違う文脈で、作品の技法や概観、世界観の構築など、ドラクエを参考としたクリエイターによって制作されたものも多くあります。

 昔は、山口百恵をみんな好きだったけど、文化が多様化し、市場が細分化された結果、ベリーズ工房は好きだがAKBは嫌いといった、細々としたクラスターに別れて客がついている状態は是認せざるを得ません。単にブランドのライフサイクル論として商品寿命が終わりに近づいたという意味合いで「ドラクエ」を捉えがちではありますけど、実際には「ドラクエも咀嚼しつつ、より細分化された表現系が市場に定着してブランド化している」ということではないでしょうか。

● 「いまの人は堀井雄二を知らないのかあ」

 まあ、プログラマ35歳限界説とかいう単語もありましたけど(笑)、そんな言葉自体が失笑されるぐらい業界もおっさんがひしめいております。なんか大手企業では年功序列みたいな感じで、単なる広報担当にもプロデューサーとか名前がついてる場合があったりで、若い人たちの能力を軽視し、企画を通さなかったり邪魔をしたりする人は増えています。

 そういう状況になるたび、業界最低限の知識は持っていて欲しいと節に思います… 良い悪いは別として。

● でもまあ、知らなくてもしょうがないんですけどね

 ミュージシャンなどと違って、ゲーム業界はプロデューサーやクリエイターがどこからどこまで手がけたんだか分からん世界でもありますし、映画とも違って監督が作品すべての指揮を執ったり執らなかったりついでに広報までやってたり様々なので、よう分からん、というのもありますけどね。

 でも、何を伝えたくてそういう作品になったのか、も含めて、ゲームの専門学校に逝くくらいならその辺の知識は知って入って欲しいというのは教育する側の希望でもあると思います。「お前の好きなゲームの作者って誰なの」とか「メーカーどこよ」以上の情報は持ってて欲しい、頼むから、という感じじゃないでしょうかね。

 というわけで、お粗末さまでした。

(追記 11:58)

 徹夜状態で精神的にゆらゆらしてるところで書いたので、何とも厨房臭い意見となってしまい… いろんなメールも頂戴しましたが、ゲーム専門学校は入学してもかなり辞めてしまう質の微妙な生徒さんが多いとか、PGとして採用して使えたためしがないとか、さまざま別の問題があるようで…。

 まああれだ。みんながんばれ。