かねてから面白いと思っていたジュールヴェルヌ研究会が今年も『EXCELSIOR!』を出したというので、用事ついでに中野ブロードウェイで入手し全編舐め回すように完読するわけであります。途中で倅1号が本に落書きをするという苦難もありましたが、そのようなことは問題とせず、実に楽しい内容でありました。



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「Excelsior!」第9号

http://julesverne.jpn.org/excelsior-vol9.html



 今回は『理想の都市』の翻訳なんですが、内容が素晴らしいだけでなく、何がいいって重厚な紙質に写し込まれる挿絵のような写真が素敵で、非常にロマンティックな内容に仕上がっております。全体として、ジュールヴェルヌ作品に対する熱情が詰まっている感じがひしひしと伝わってくるんですよね。この(たぶん)丁寧な訳は以前「コペンハーゲンは一日で回れる」を書かれていた櫛木千尋さんで、この記事の記憶があって仕事で北欧に行ったときコペンハーゲンに本当に足を向けてしまったことがありまして。


 ジュール・ヴェルヌは有志によって優れた翻訳や解釈がたくさん出ているのが魅力で、私も数年ぼつぼつと読み進めているんですけれども、趣味で読む分には終わりのないレベルで奥行きが凄いんです。『文明の帝国』と『ジュールヴェルヌの世紀』は時代背景も含めて面白く読めました。進歩的知識人で弁護士を父に持つジュールヴェルヌが、いまでいうネトウヨ大統領のナポレオン批判をやらかしているような対比(まあ正確じゃないけど)もできようものです。



http://julesverne.jpn.org/livre/nyumon.html



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 巻末のソランジュと六助はもっと真面目にやれという気持ちになって終わるところも含めて、一冊丸ごとご馳走様でした。