幾つか問い合わせがありましたので、いちいち回答するのが面倒くさくここに書いてしまいますが。



笑ってはいけない都知事選24時(追記あり)

http://kirik.tea-nifty.com/diary/2014/01/24-4efc.html



 今回都知事選になる前から、原子力行政に対する国民の態度はRDDとネットパネルの併用で調査を行ってきておりまして、原子力学会その他のコラム提供とは別に粛々とモニタリングしています。



【告知】日本原子力学会の学会誌『ATOMOΣ』12月号に寄稿しました

http://kirik.tea-nifty.com/diary/2013/11/atomo12-eed8.html



 今回、都知事選に立候補した細川護熙さんと、それを担いだ小泉純一郎さんが「脱原発、即時ゼロ」を争点に選挙活動をするということでメディア工作を繰り広げましたが、議題設定にそれほどの効果を持たなかっただけでなく、都知事選が実質開始される1月10日以降「即時ゼロ」を支持する都民は12%から15%の間をうろうろしています。


 つまり、原子力発電に対する都民の態度というのは都知事選の有無に関わらずすでに決していて、都民の85%以上の有権者は原子力発電に対する見解を固めているということです。



 ただし、「即時ゼロ」支持層は女性のほうがやや多く、全年齢ほぼ似たような比率であり、投票行動は「近い将来ゼロ」「原発万歳」よりも8%近く高い有意な差になっていて、政治参加のモチベーションが高いノイジーマイノリティの形質を持っていると思われます。



 一方、原発推進派は事故直後からのデータでは事故後一年近くは一桁%に下がっておりましたが、現在ではやや復権し、最盛期の半分ぐらいの19%程度を中央に一定の支持者がいます。支持属性は主に所得の比較的高い男性と、学歴が高い科学的態度を取る人物か、学歴のない文盲層に二つ山がある状態のようです。こちらも政治への参加意欲は比較的高いと思われますが、「即時ゼロ」派よりは低いと予想されます。



 今回、試金石だったのは小泉純一郎さんが政治的勘で、脱原発はムーブメントを起こせると確信したことが、統計上は必ずしも支持層の拡大に繋がらず、むしろ合理的に原発を段階的に減らしていくべきという考える大多数の中間層の離反を呼び、一時期は当確もあり得た細川陣営にとってはむしろ風を止ませる効果しか得なかった、というのが実態ではないかと思います。



 本命争いであった細川さんが政策評価で有権者の支持を失い、これから投票態度を決めていく無党派層からの得票予想でも舛添要一さんを下回る現状がある以上、たとえ舛添さんが金にだらしなかろうと、女にだらしなかろうと、ハゲ散らかしていようと、堅い公明党支持を覆すほどの動きは取れないと思われます。



 ただ、舛添さんにおかれましては下半身の治水工事を行わない限り東京が別の意味で水浸しになって議会大空転のリスクはありますので、そのあたりがトップ目のくせに女性票がさっぱり集まらないという意味で「再選選挙を意図した選挙戦術」をいまから行っておかないと長期政権にはならないだろう(次の選挙で目玉候補をぶつけられたら支持層が壊滅する)という状況であることは間違いありません。



 なので、上記「即時ゼロ」は細川・宇都宮間の一本化が失敗に終わった時点で公明党を超えるゲタを履くはずが割れてしまったので、文字通り共倒れだという解説になります。



 これから用事があるのでこの辺で。



(追記 17:12)



 論点追記。



・ 中間層は「近い将来(5年から15年)ゼロにするべき」で、60%から65%で、ここ一年ぐらい安定しています。



・ 「脱原発の争点化に失敗した」と表記したのは、主要な候補者がメディアを使って脱原発をスローガンに選挙戦を戦うと喧伝したにもかかわらず、4割台の有権者しか「争点だ」と回答しなかった点です。



 ごく単純に、メディアを使った選挙戦術に失敗した、という見解でよいと思います。