前回のLOFT Aイベントで、切込隊長引退式というのをやったんですけど、いまだに「あれ、結局なに?」と言われることがとても多くてですね。いや、ネタではなくガチです。切込隊長というハンドルは、もう中年子持ちの私には重い。ということで、ネット上での表記は「山本一郎」の実名にすることとしたわけです。

【告知】9月7日、阿佐ヶ谷LOFT Aでイベントやります
http://kirik.tea-nifty.com/diary/2011/08/97loft-a-75a1.html
【告知】7月5日、ロフトAでイベントをやります!
http://kirik.tea-nifty.com/diary/2011/06/75a-cae4.html
 パソ通のころからの自分の回線人生を振り返りまして、時折、馬鹿だの嘘つきだの二重人格だのと煽られることもまた多かったわけですけれども。良くも悪くもキーボードと、その先に繋がった回線のお陰で、自分の能力以上に多くの人と交わることができ、また枯れて消え去ることもなく、20年近くにわたってサイバー空間を第二の棲家として暮らしてきました。仕事という意味ではないライフワークが私のネットライフであり、あんまりアフィリエイトも貼らず、別段ウェブそのもので儲けるということもせず、ただウェブで言いたいことを言う感じでした。

 20代から30代にかけては、やはり本業とウェブをしっかり分けて、事業では地道で手堅い山本さんと、ウェブでは煽って騒がしい切込隊長との切り分けをしてきました。投資事業は別に人付き合いや営業が生死を分けるわけではなく、自分の投資勘の冴えと、種銭を合理的に転がす地味な調整作業さえ揃っていれば、ウェブで炎上しようが嫌われようが、自分ひとり喰うに困ることはなく、また私自身が精神的に太いこともあって気にならないんですね。だから、守秘義務に反しない程度のことであれば、言いたいことは包まずウェブで書いたりしていたし、裁判沙汰になってもそれ自体はたいした金ではないからそれはそれで経験として楽しくやらせていただいていました。

 ただ、やはり30代も終盤になり、結婚もし、子供もできて、家庭が幸せになればなるほど、また、投資事業だけではなく人を雇って組織を率い、多くの取引先に恵まれてそれ相応の体系たった仕事が増えてくると、いろいろ紹介されるにあたって誰かから「切込隊長で有名な」とか枕詞がついて、それはそれでしんどい気分になってくるわけです。

 だからずっと、人としての着地をするにあたって、このウェブ上での人格や名前と、現実のギャップをどのように埋めて解決していくのが望ましいかをずっと思案していました。また、どうしても海外に出る機会が増え、ウェブ社会と現実社会の融合が戻れないぐらいに進んだいま、ハンドルネームだけが一人歩きする状態というのはよくないよね、と強く思うようになった次第。

 辞める機会を窺っているうちに、まさかイベントで主役が裏番組出演のバッティングで来ないとかいう危機的状況に陥ったのを好機に、話のよすがとして切込隊長引退の話をLOFT Aの場所を少し借りてさせていただいた、という次第であります。もちろん、やまもといちろう名義になっただけですから、何も変わらないじゃないか、という話もあるわけですけれども、そりゃあ変わりませんよ私は頑固ですんで。

 もっとも、固体識別において山本一郎のあからさまな偽名臭さは変わらないので、そういう根本的なアイデンティティの喪失状態を避けるためにも、引き続きブログを含めウェブ上での発言は時間の許す限り積極的に行っていきたいと思っています。間違っても、金髪にしようとか言いませんのでご安心を。