あまりにも分量が多いので、報道されているもの以上は目を通すまいと思っていたwikileaksの件なんですが、どうにも生々しすぎて面白いため気づくとついつい読み耽ってしまうわけです。

 何と言うか、クラスで騒がしくて粗暴で、バスで遠足とかだと一番後ろの長椅子に取り巻きと座るような男の子が、実は繊細な日記帳をつけてて本音を赤裸々に書いていたことがクラス会で暴露された的な。違うか。

WikiLeaks Diplomatic Cables
http://www.spiegel.de/international/world/0,1518,731794,00.html
 各国媒体がこぞって本件を取り上げるのは、面白いだけではなく本音のアメリカ外交が文書から垣間見えるからで、読み進めるほどに一喜一憂し、ユニラテラルなUSとの関係を確認しながらアラブや東欧との外交経緯と評価とが一覧できる資料はそうそうないよねえ、ということでありまして。

 逆に言うならば、アメリカの外交というものはテーゼとしての欧州関係の重視、その逆説としてのアラブ圏の手なずけ(Taming the Arabian power)というアプローチをごく自然に行っており、一体不可分のものであったということが再認識されたというお話ではないかと思うわけです。

 そのうえで、アジア外交というものは当たり前のことだが単独では存在せず、ある意味で対アラブ外交とエネルギー的にも意思決定の総量的にもトレードオフであって、イランやアフガニスタンが忙しければアジアは「暴発しなければ良い」ということで信頼できる人探しが始まるという文字通りの分割して統治せよ(Divine and Rule)の思考が貫徹されている。

 良いとか悪いとかではなく、もっとも優秀な人間が政権の中枢に入るアメリカにとって、政権運営は外交に限らず全般として最高に効率的であるべきで、アメリカの覇権、国益に直接関係を持たない事案についてはいかに省力するかということを行動原則として持ち続けているということが特質であろうということが、今回のリークで良く分かるわけです。馬鹿だけど無害であれば問題を起こさない限り積極的には足を引っ張らないという判断であるとか、情報の扱い方ひとつをとっても強弱をしっかり取っており、”ホワイトハウスに充分な意思決定能力があれば”という担保つきでとても合理的だなあと感じるところです。

 また、意外に外交情報が「間違っていそう」なのもポイントです。この辺はもう少し読み進めてからにでも。日本についてはそぞろ出始めたところではありますが、面白いですねえ今回のリークは。とても。