月別アーカイブ / 2021年10月

フェミニストが立憲民主党のホープ・小川淳也さん(香川1区)の背中に全弾命中させているツイートがあるというので見物に行きました。こちらです。






 こんなの出馬した小川さんが夫なのだから、応援している肉親関係の表現として「妻です」「娘です」ってのは何も問題ないと思いますし、奥さんが出馬したら小川淳也さんが「夫です」とタスキをかけるだけの話でしょうから、フェミはどこに誤爆してんだと思うわけですよ。

 そんなわけで、今回も「みんなの介護」と「WiLL」で、2021衆院選における社会保障とエネルギー政策の論点について論じました。基礎年金切り下げの論戦がスタートしている話も、冬に向けてエネルギー調達をどうするのかという話も重要な内容なのですが、残念なことにいまの各党政策論争においてむしろテーマの真ん中に「分配」が来てしまい、国民が重視する政策の論点からするとややズレているのは残念なことです。

来るべき日が来た!!次期年金制度改正の議論で私たちの受給額はどうなる!?|やまもといちろうゼミ|みんなの介護
https://www.minnanokaigo.com/news/yamamoto/lesson51/
立民・共産党のエネルギー政策は亡国へと至る道【山本一郎】
https://web-willmagazine.com/energy-environment/NrWT3

 とりわけ、分配論の中で岸田文雄政権が総裁選で「金融課税をします」といって、公約を作る政調会長の高市早苗さんも同調の構えを見せながらも批判殺到でしめやかに取り下げたり、同じく総裁選で「所得倍増だ」と景気よく言ったのに後から「所得倍増とは所得が2倍になるわけではない」というトンチのような問答で有耶無耶になったりしていました。出したり引っ込めたりするのは公約ではないし、みんなが喜びそうなことを安易に言った後でひっそり取り下げるのは不信感を増すだけだからやめたほうがいいと思うんですよ。

山際大臣「所得倍増は所得が2倍になる意味でない」
https://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000231964.html

 その点では、野党サイドも無責任にバラマキ政策を主張すると必ず「財源は?」というツッコミを貰うわけですけれども相変わらず大企業や富豪への課税強化だという話を持ってきます。




 もちろん1億円を超えたところで個人の所得税の税率がむしろ逓減してしまうという「1億円の壁」はあるけれども、他方で2000年代以降格差の状態を示すジニ係数は微減に転じ、大企業も富裕層も日本国内で再投資をし雇用を増やしている結果、とりあえず我が国は実質的な失業率がとても低く抑えられているという点は無視してはならないと思うわけですよ。最低賃金の問題にしても、これ単体で取り扱わずに日本の労働行政・労働法制全体の問題として各政党が具体的な政策論に踏み込んで議論して欲しいと思わないでもありません。

 さらには、政治学者を名乗る猫bot氏が、まさに教科書に載せてもいいような基本的な保守主義(保守ではない)とリベラルの論争の題材を投げかけていました。




 国(社会)に頼らず自力で頑張ろうというのは1859年発行のサミュエル・スマイルズ著『自助論』でもあるようなセルフヘルプと社会的に自立する個人という、ある種のファンタジーなんだけど社会や経済の活力の源泉でありイノベーションの根幹の話で、私も含め保守主義者的には「まあそうだよね」と感じるものです。

 他方、猫bot氏が言うような「これこそ弱者切り捨て論だ」というリベラルど真ん中の主張も賛成はしないものの理解はできるわけで、おそらくはこの辺が保守主義かリベラルかの分かれ目なんだろうと思います。実際、人間生きていると病気や失業などで本当にどうにもならないイベントが発生することは事実であるし、老齢に達して新しい何かに取り組みようもない境遇の人たちやまだ自力で立つことのできない赤ちゃんや子どもや若者をどう遇するのか、失業者は、身障者や傷病者は、などなど、同じ日本社会で暮らす日本人としてどこまで辛い境遇の人たちを支え、どこから自立を促し社会に富を生み出せる能力を発揮してもらうかはバランスの問題です。

 おそらくは、そういう「お前らしっかりしろ。働け。税金を払え」という活力のある社会と、「貧しいね。働きたくても働けないね。家族がいなければ社会が面倒を看て上げないとね」という暖かみのある社会とが、我々の暮らしやすいように、希望が見えるように、頑張れるようにどうバランスよく混ざっているべきかという議論じゃないかって感じるわけですよ。

 ここで「全員が奮い立て! 弱者は甘えるな! 頑張りが足りない!」とだけ言ってしまえば社会は断ち行かないし、他方「大変だね。寝ていて大丈夫だよ。無理しないでね」と言い続けるだけでは社会は競争力を失って貧しくなるのですから、どっちをバランス的にやや優先するかという論考が必要なんですよね。

 でもなぜか、党派性がキツくなりすぎるとどうしても一方が一方を批判し続けることになり、歩み寄れば全体の利益が大きくなると分かっていても党派性ゆえに相手を受け入れられないという問題を起こしてしまいます。

 そして、政策が無責任になるのは、往々にして福祉は大事だ、社会は貧しい人をどうにかしろというのは「大きな政府」であり高福祉を実現するためには消費税でも所得税でも法人税でも税制をしっかりデザインして引き上げられるものは引き上げて高負担を実現しろと言わなければなりません。

 ところが、消費税は上げたくない、大企業がカネもってるだろうからそっちから取れ、政府はカネを隠しているのだから国債を発行してどんどん札束を刷れというのは、結果的に一番貧しい人の財布からおカネを抜き取る行為になってしまいます。大企業はいま以上に海外に行くし、有力な研究者も日本を出てしまう怖れが強くなり、日本に残るのは口をあけて給付を待っている稼げない弱者ばかりになる可能性があります。

 それでも、貧しい人の中から立派で高潔な人物が出て、指導してくれるという救世主思想が出たりすることがあり、もうちょっとどうにかならんのかなと思います。

 与党は与党で述べた通り総裁選で「おっ、岸田文雄さんまあまあ良いこと言ってるじゃないか」という話があっても、今回の解散総選挙で岸田さんが主張した公約は文字通りひとつも採用されず、高市早苗さんが編み込んだ政策が公約になって自民党は戦っています。高市早苗さんが悪いというわけではありませんが、たかが一か月前にあれだけ議論していた政策や実現すると言っていた公約は何だったのかという点で自民党も大変に無責任です。

 野党共闘で一本化されたことで苦戦している小選挙区が多いという話も、これら自民党に対する政権批判票の受け皿がまとまれば、国民・有権者支持の概ね40%が支持する自民党でも勝てない地域は続出するのだという当たり前の現象が起きているにすぎません。将来を嘱望された2回生、3回生も、王国を築いてきた重鎮も比例復活できないほどの敗北を喫してしまう怖れが出ても当然と言えます。

 どれもこれも、選挙の前だけ、公示後の選挙戦の間だけ政策議論するものではなく、常日頃から、我が国の社会保障や安全保障、経済政策といったテーマで議論の積み上げをしておく必要があるのであって、そこが抜け落ちているとどうにもならないのだと改めて感じさせる選挙戦だなあと思うわけであります。

 皆さん、どうかご安全に。






 何度も申し上げていることですが、私は山本一郎であって、山本太郎さんじゃないんですよね。

 その山本太郎さんが立憲民主党との調整が済んだということで東京8区から来たる衆議院選挙に立候補をするということで波紋を呼んでおります。何でも、かねて地元で活動していた立憲民主党候補予定者の吉田はるみさんというラジオパーソナリティではないほうの人とバッティングしたとのこと。

 野党共闘においては、公党同士で候補者調整をするのは当然ではあるので、最初山本太郎さんが東京8区から出るということならば、とっくにこの辺の調整は終わっているものだと思っていました。

 なにぶん、今回の衆議院選挙は任期満了も10月21日に迫っているので、どっち転んでも11月までには選挙があることは分かっておりましたので、野党連合に参画する立憲民主党と共産党、社民党、れいわ新選組は手持ちの現職や元職、新人予定者は織り込んでかなり事前から調整することができていたはずだからです。

 そこへ、自民党の落日石原帝国の当主、石原伸晃さんが議席を確保している東京8区は杉並区が中心の選挙区で、皆さんご存じ極左の皆さんも牙城にされている地域ですので、必然的に山本太郎さんが選挙活動をしやすい地の利がある場所だということで「ここで出たい」と言ってもおかしくはないのです。

 ただ、そこはなにぶん山本太郎さんなので、菅義偉さんのお膝元の神奈川で出るぞと言ってみたり、国民民主党のプリンス前原誠司さんの京都も選択肢と騒いだり、ある意味で話題作りも兼ねた小党なりの「振り回し」がありました。さんざんいろんなところで出るぞと観測を流した結果、最終的にホームグラウンドである東京8区を選ぼうとしたのは、彼らなりに勝ちにいったのだと私は思います。

 もちろん、たまらないのは地元で地道な活動をしていたとされる立憲・吉田はるみ陣営で、党利党略の末に候補者調整のタマにされて公認候補として降ろされる危機に直面しておりますので、そりゃ騒ぎにもなるでしょう。ただ、定点観測的な事前調査では知名度にかけ活動も選挙区内に浸透していない吉田はるみさんの苦戦は必至で、早く滅亡して欲しい石原帝国の主・石原伸晃さんにはダブルスコアに近い得票で負けかねない危機にありました。

 そんな弱い候補は降ろしちゃえと公党本部が考えるのは当然のことで、とはいえ山本太郎さんが出たら勝てるのかと言われるとそれもまた良く分かりません。山本太郎さんにとって東京8区は「活動しやすい」というレベルであって、出たら善戦できる保証はなにひとつないのです。いわば「単に山本太郎が東京8区で出たいと言ってるだけ」です。

 とはいえ、石原伸晃さんもオールド自民党員に刺さっているだけで、何となくの与党票を固めることはできても杉並区にそれなりに多い野党支持者や無党派層の票を切り崩せるかというとなかなか無理そうなので、山本太郎さんほどの知名度と実績のある人が出れば何とかなるかなぐらいの話のなのかと思います。

 それでも地元で吉田はるみさんを応援していた人たちからすれば、立憲民主党本部から直々に梯子を外されたことになりますのでたまりません。親族の入院見舞いがてら某駅前に足を向けたら吉田はるみさん個人を支持している人が30人ぐらい集まってなんかデモってました。話題作りになるのは良いことですが、私たちにデモられても何もして差し上げることはできませんので、埼玉5区の枝野幸男さんのご自宅に催涙弾を投げ込むなどの伝統的な手法で不当な決定に対する是正を迫り、何とか良い調整ができればと願う次第です。

 逆に言えば、それだけ野党連合の事前の仕込みが上手くいっていないことの証左でもあるのですが、困ったことに山本太郎さんが立憲民主党支持者だけでなく共産党員からも反発を喰らったようです。そこに来て事態を観た彼らが山本太郎さんの所属するれいわ新選組や山本太郎事務所ではなく、何を間違えたか私・山本一郎の所属先に抗議電話をしたり、TwitterのDMやメールなどで罵倒を投げて来られます。週末から今日にかけて、延べ50件ほどの抗議を頂戴しておりますが、全件例外なく批判、抗議、罵倒、中傷です。

 それも、単に「東京8区から降りろ」というだけでなく「裏切者」「能無し」「クソ不倫野郎」などの中傷も多数寄せられるなか、私も仕方なく朝からテンプレを作って所属先職員さんと一緒にせっせと「私は山本一郎であって、山本太郎ではありません」と折り返して、正しい情報の伝達と理解の促進を図らざるを得ません。

 どうしようもないのは、山本太郎さんと私は明らかに別人なのは間違いないのに同一人物と信じ込み、違いますよと折り返しても信じてもらえないことです。それどころか、山本一郎派言い逃れをしているとか、メールのタイトルに「山本太郎に抗議します」と書いてあるのに本文中では山本一郎になっているなど、知性という点から課題を抱えている皆さんが怒りに任せて感情をぶつけてきておられるのは間違いありません。フィルターバブルとかいうレベルではありません。完全に常軌を逸しています。

 また、書いたご本人も勘違いだと思いますが、次に選挙区で見かけたら襲撃するかのような犯罪予告めいた内容もありました。山本太郎さんが活動している場所を襲ってもそこに私はいません。これは千の風になっている状態でしょうか。一方で問題のある予告であることは間違いありませんので、念のため、警察に相談したりはしました。

 逆に申し上げれば、それだけ東京8区で山本太郎さんが立候補されるというのは影響の大きい事案だったということでしょうし、日本の多様な民主主義制度を維持していくためにもチャレンジできる世の中は大事だとも思っております。

 ただ、私は山本太郎ではございません。だんだん冗談が通じなくなってきているので心配でなりませんが、本当に滅茶苦茶な連絡が次々とやってきて困っておりますので、もし読者の皆様の周りに勘違いをしておられる方がいらっしゃいましたら「それは人違いですよ」とお伝えいただければ幸いです。

 なお、最近ごく稀にですが、群馬県知事の山本一太さんのコロナ対策の不備に関するクレームが複数寄せられるようになりました。どういうわけか、実在する自治体職員の方からじきじきに抗議電話が入り、さすがにネタだろうと思って半笑いで折り返してみると電話口で怒鳴られるという得がたい体験もしました。

 さすがに心が痛いので、恐れ入りますがどうか理解促進のためにご協力を賜れればと存じます。
 よろしくお願い申し上げます。

山本太郎さん、都知事選出馬強行のお陰で罵声メールが今回もやってくる|山本一郎(やまもといちろう) #note https://note.com/kirik/n/ndd2617b74d52
山本太郎砂漠(追記あり) - やまもといちろう 公式ブログ https://lineblog.me/yamamotoichiro/archives/2999401.html
最近の誤爆 - やまもといちろう 公式ブログ https://lineblog.me/yamamotoichiro/archives/13228629.html




↑このページのトップへ