月別アーカイブ / 2019年12月

 先日、東京藝術大学の戸澤遥さんが、出される食材にマヨネーズが勝手にかけられていて、これはハラスメントであるという公論を打ち立て政党化したという画期的なニュースが流れてきました。

そのマヨネーズ、必要? 「ストップ・マヨハラ党」芸大生が旗揚げ - withnews(ウィズニュース) https://withnews.jp/article/f0191229000qq000000000000000W09j10101qq000020176A

 さらに、その党首・戸澤さんの兄を名乗る人物もYoutubeで主張を繰り広げておりました。お前ら兄妹で何してんだよと思わないでもありませんが、その主張を耳にするとき、確かに一理あるなと感じます。

ストップ・マヨハラ党の戸澤遥党首の兄貴です!妹の応援をするためと社会の偏見を救う為の動画です https://youtu.be/2QpjW4hM4CA 

 言われてみれば、私もしょっぱい食材があまり好きではなく、ピザに塩漬けのアンチョビが乗って出てくると「うっ」と思いながらそのまま食べるわけですが、やはり許せないのは出されたサラダに於いて無断でドレッシングがかけられているケースです。

 これ、もう逃げようがないじゃないですか。

 若い頃はまだ気力が充実していたので、ドレッシングが掛かっていない部分を丁寧に選り分けて残ったドレッシング部分を葉っぱから振り落として食べるという手間暇もかけれていたのですが、昨今では千切りキャベツや粒コーンまでドレッシングがかかってしまっているのを見ると、精神を統一して無心で速やかに食べ切るという大人の解決を図るようになりました。

 マヨハラ党はマヨネーズの氾濫に対して警鐘を鳴らしていますが、つまるところ、これは消費者における選択肢をどれだけ増やし、自己決定権を保障する社会にしていきたいという公民運動であると私は思います。マヨネーズもドレッシングも拒否をしたい人たちに対する押し付けから解放されるべき食材であり、好きな人は好きなだけかけて食べ、太れば良いのです。

 一方で、完全に一体化している食材については、これはそういう食べ物なのだと許容する社会だって欲しいとも思います。バーガーキングのハンバーガーや、ホットドッグに入っているケチャップまでは食べ物としてのアイデンティティが成立しているのでこれは国民として受け入れなければならない事象です。

 しかしながら、たまに猛烈に酸っぱい地雷のようなピクルスが挟まっていたり、行楽地で作ってくれるバイト君が断りもせずに黄色い一本線で味付けしてしまうマスタードが味覚に困難を呼び覚ましたり、カネを払っている側がなぜ無邪気なハラスメントを受ける前提で世の中が平然と成立してしまっているのか、改めて問われなければなりません。

 やはり、本来であれば期待した味、望まれる食材であるべきだと思うので、塩コショウ類からマヨネーズタバスコマスタードドレッシング類といった調味料についても、極力選択肢を国民に提示し、その自己決定権を容易に行使できる法律の施行が望まれているのは間違いありません。

 それは、妊婦さんがわざわざ自分から「妊婦です」と言わなくても周辺の人が身に着けた「おなかに赤ちゃんがいます」マークで自然と配慮をしたり、前で運転している車のトランク付近に「ヤクザが乗っています」というステッカーを見たら煽り運転を控えるといった、世の中がストレスなく潤滑に回る仕組みを増やしていくことで、マヨネーズやドレッシングから私たちは開放され、より良い社会を構築し、次世代に引き継いでいくことができるのではないかと思うのです。

 問題は、世に蔓延るマヨラーなど、特定の属性を前面に押し出して、それが個性だと思い込んでいる人種への対処です。もちろん、マヨネーズが好きだ、ドレッシングはかけられるだけかけたいという人がいるのであれば、それは自由です。ただし、それはあくまで本人がそうであるというだけであって、マヨラーの周辺100メートルの人が全員マヨネーズ好きとは限らないにもかかわらず、食事処でマヨネーズがあればここぞとなかりに「私、マヨラーなんです」と公言し、訊いてもいないのに自分がいかにマヨネーズが好きかを力説する馬鹿が後を絶ちません。もはや環境汚染と言っても過言ではないぐらい、お前がマヨネーズ好きだという事実で他人の人生の一分一秒を占領しようとするのはやめてほしいのです。

 これはまさにヴィーガン一歩手前の価値観の押しつけの実態であって、ハラスメントの本質でもあります。お前はマヨネーズをかけてサラダを喰う、私は何もつけずに食べる。お互いに、サラダに何をかけるべきかには干渉しない。そして、これらは飲酒や喫煙といった、嗜好品すべてに関わる問題です。

どうやら「健康警察」の次のターゲットは「アルコールは少量でも身体に悪い」らしい
酒飲みにとって、アゲンストの風が吹き始めている #山本一郎 #文春オンライン https://bunshun.jp/articles/-/22067

 つまり、「あなたの体に悪いから」。太っている人にマヨネーズを断念させ、血圧が心配な人にドレッシングを諦めさせ、具合が悪そうな人に飲酒は「身体に悪い」と諭し、妻帯者に禁煙を薦める。おまえのためを思って、他人の自己決定に土足で踏み込んでくる悪しき風潮がいまここにあります。違法でなければ、健康をそこまで害さないのであれば、他人に迷惑を大きくかけるものではなければ、多少はこういうのを嗜むことだって許されるべきではないのか。

 ただ、マヨネーズやドレッシングが異なるのは、「すでにそれらがかけられて出てくること」に他なりません。唐揚げ頼んで勝手にマヨネーズがかかって出てくるとか言語道断だと思うんですよね。隣の席でタバコ吸う人がいれば「すいませんタバコ苦手なんで」と最初は丁重に、やがて「タバコやめろって言ってんだろ」とマウントを取りに行けば概ね災害は去るのに比べて、マヨネーズは取り返しがつかないんですよ。もはや「その店には行かない」以外の選択肢は、ないのです。

 さらに、店の人は別に悪くないのに、同席者に無断で唐揚げにレモンをかける人物がいると事態はさらに悪化します。ふざけるな。酸っぱいの好きじゃないんだよ。しかしここで「レモンはやめろ」と声を荒げると、場が冷めるので黙って大人の解決をしてしまう私たちの側にも、ハラスメントに対して声を上げることをためらう悪しき風潮を助長しています。盗難や性犯罪では被害を被ったと申し出ること自体が気持ち的に憚られるので黙っているという暗数が発生しますが、おそらく世には大量のレモンによるハラスメントの暗数が存在して、日本中の居酒屋やファミレスで同様の悩みを抱える人たちがいるはずなんですよね。

 望まれる「とりマヨの意識改革」においては、もっぱらマヨネーズに対するハラスメントの実態からの解決策が列挙されていますが、広く「当たり前が押し付けられているというハラスメントの現状」を詳らかにし、真に自由で開かれた民主的な日本社会の実現に向けて努力していってほしいと心から願っております。


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 筋論からすれば「残念でもないし当然」と言われるかもしれませんが、留寿都についてはかねてからオーストラリア人が現地リゾートをかなり見放し→落ち穂拾いの中国人や中華系ファンドが買い漁り→客層劣化で日本人減少というスパイラルになりそうなところを、地場で頑張っていた不動産業者にブローカーが食い込んで大変なことになっておりました。

https://web.archive.org/web/20191216114324/http://konnomasahiko.com/

 私も一昨年からちょぼちょぼ買っていたのですが、去年ぐらいから謎の中国人旅行者が長期滞在してるのに未払いとか事案が発生し、オーストラリア人ともども見事に貰い事故を喰らっていたんですけれども、ややこしさに拍車がかかっていました。どう考えても筋の悪い「北海道で世界的なカジノ」とか真顔で言ってる人たちがいたのは事実で、それが自民党系の衆議院議員複数にカネを包んでいたという話はおおっぴらに語られていたのです。

 本当に適当なことをやるよなあ、って。

 仲介していたブローカーさんの人は、ブログで北海道での投資や、中国系のファンドが云々というお話を盛んにしておりましたが、彼の行状が適法かどうかはともかく、食い込み方が尋常ではなかったのでおカネに関心のある議員さんが乗っかってしまうのは必然と言えましょう。とにかく、まだ何も計画が進んでいない状態なのにおカネの回り方が良く、別のブローカーさんも芸能事務所や出版業の代表と組んで日本人芸能人を集めて中国人投資家に「接待」をさせたりしていたぐらいなので、たぶん、そういう方面の話なんだろうなあとは思っていました。

 このあたりの話はメルマガやyoutubeでやろうかと思いますけれども、私がこの世界を見聞きし始めたころに古賀誠さんや故・鳩山邦夫さんの周辺で良くあった手口です。もちろん、そういう大物議員は自分たちの秘書や支援者がそういうことを自分の名前を使ってやっているとは、はっきりとは知らないと思うんですよ。

やまもといちろう人間迷路
http://yakan-hiko.com/kirik.html
山本一郎(やまもといちろう) YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=Qzy7sGQdMcw
秋元司せんせ無事タイホでカジノ絡みのネタが大混乱に|山本一郎(やまもといちろう) #note  https://note.com/kirik/n/n43065c7cf2de

 なんでも、旅行業界の守護神である二階俊博さんの了解を得ていると豪語して、カジノ(IR)議連の座長(当時)の岩屋毅さんとの関係の深さを強調し、日中友好人士の集まりがバックにいてこの火事の投資で冷却化した日本と中国との関係を親密なものにするのだ、というので「そうですか」と思う程度の話だったんですよね。そこに群がっていた政治家と言えば、秋元司さんだけではなかったと思います。

 そして、話として今回の入り口が外為法違反という微妙なものだったので、きっと奥行きが深いのだろうなあと思うわけですよ。猫組長とかこの界隈はよく知ってるんじゃないかと思いますが、マカオやフィリピン、マレーシア、シンガポールでいちいち会社を設立したり潰したりしながら、架空の日本国内カジノ投資話をでっち上げては、政治家や引退した高級官僚を抱き込んで上手くやっている人たちです。表向きは、民間外交推進協会のような手堅い団体に出入りし、明らかに怪しい風体なのに視察団に混ざってうろうろし、内々では「無い投資話」を政治家の名前を使って振り撒いて、落選議員から定年退職した各省庁事務次官級を抱き込んで箔付けしてゴロ行為をやっているような人たちです。

 この手の話は古き良き自民党政治では良く伝え聞いていた内容なので、まだこんな化石のような投資話で旨い飯を喰おうとする連中がいるのかと驚くほどです。それに乗せられてしまう人がいる限り、名刺一枚で食い込んで上手いことをやる手法は生き延びるのかもしれません。

 んで、さっき白須賀貴樹せんせのとこと、勝沼さんとこもガサ入った報道が出ていました。

自民・白須賀衆院議員事務所を捜索
https://www.iwate-np.co.jp/article/kyodo/2019/12/25/401662
勝沼栄明前衆院議員の事務所を家宅捜索
https://this.kiji.is/582515730081334369

 ゾロゾロ出てくるわけなんですが、この辺、先に述べたブローカー氏のFacebookに「一緒に中国に訪問してきました!!!」みたいな書き込みが以前からあります。さすがにいまは削除されているか掲載中止になっているようですけれども、某日中友好人士の会ではいまだに普通に素晴らしいご交遊関係が掲載されています。

 実際に起訴されて有罪になるのかは分かりませんが、一応は何らかの利益供与を行った事実ぐらいまでは認定されるとなると、ぶっちゃけIR推進については相応の冷や水はかかるんじゃないかと思いますし、差し戻しになる議論もたくさん出てくることでしょう。

 気になる話はたくさんありまして、特捜部がどのシナリオで、誰を本丸として目指しているのかがまだ分からない以上、延焼先はどうなるかってところでしょうか。だからさっさと解散総選挙しておけばよかったのに、と思うと、安倍晋三さんの歴史的使命もここまでなのかなとぼんやり感じたりも致します。


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 最近、試運転でvlogを始めて見まして、そっちで概要だけは喋ったのですが、賠償問題に発展しそうだという話が主に海外で出回っていて、騒ぎが拡大しています。

<謝罪金を払わされる?!>ディズニーとステマと電通本社の素敵な話/「アナと雪の女王2」ステマ騒動の次なる展開は? https://youtu.be/HfgAlNHUeC4

 youtube観ておられる人は、ぜひチャンネル登録をお願いします。

 で、ハリウッド系のビズグループでは、どうもディズニー本社が電通に対し二桁ミリオンドル(10億円単位)の賠償を要求している(すでにした)という話が話題になっています。内容としては35億円とも40億円とも言われているようですが、はっきりしたことはこれから出てくるようです。

Disney and Dentsu are in talks over how to apportion responsibility for the ’Frozen 2’ Twitter flap in Japan
https://www.wsj.com/articles/disney-puts-some-frozen-2-promotions-on-ice-after-twitter-flap-11576574378

 なにぶん、今回の事案は電通本体の某営業局が直接手掛ける営直案件だったということもあり、デジタル広告企画の審査が雑で、電通の中でも「何してんだよ」的なハレーションが起きているとかいう話も仄聞していますが、事実であれば、ディズニーだけでなくいろんなPR事案が蒸し返されてしまうんじゃないか、と言われております。

 特に、いまディズニー系の「Star Wars The Rise Of Skywalker(スターウォーズ スカイウォーカーの夜明け)」のウェブプロモーションがかなりの部分止まっていて、また、ネットでも蒸し返されているように過去数作品に渡ってディズニー作品でステルスマーケティングが行われていた疑惑が確証をもって囁かれている状況にあります。

 一方、ハリウッド系のビズグループでは、ディズニー側の話として「電通から数年前より『日本ではステルスマーケティングが行われていて問題ない』として広告企画の提案があったという説明を当局にしている(した)」という話が出ていて、みんな真偽の確認に走り回っているようです。伝え聞く内容だけで言えばさもありなんと思いますし、むしろデジタル広告を専門にやっている電通デジタルや旧CCIの人たちならばそんな企画は提案しないだろうなあとも感じます。なんだろう、このやっちまった感。

 ディズニーという超ビッグネームがステマやってましたという話なので、アメリカのショービズがらみのグループでは朝昼夜関係なくこの問題で騒ぎになっているのですが、一方で日本ではあまり議論にもなっていません。実に残念なことです。これ、アメリカのFTCとかなら喜んで即日立ち入りじゃないかと思うんですけどね。

 以前にも記事に書きましたが、電通はJIAA(日本インタラクティブ広告協会)の代表理事を出していて、ステルスマーケティングについてはガイドラインを加盟各社に示して遵守を求めている立場のはずで、これほんとどうすんのよ、というのは消費者庁あたりにゆるゆるとでも動いてほしい、という気はします。電通もなんかすごい悪気があって踏み込んでやらかしたというわけでもなさそうですが、問題はネットでの広告に対するユーザーからの信頼そのものが揺らぐことですので、なんらかけじめをつけてほしいなあということで。

電通グループ、「アナと雪の女王2」のステマ騒ぎで緘口令でも敷かれる騒ぎに? - やまもといちろう 公式ブログ https://lineblog.me/yamamotoichiro/archives/13242031.html


 余談ながら、某所筋複数から「WSJ望月とねとらぼと山本一郎にネタ漁られるとか悪夢以外の何物でもない」というボヤキを頂戴していたようです。また、山本一郎戦犯説を流されたのですが、私は潔白ですので、皆さんぜひ私を信じていただければ幸いです。


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 さっき出てきました。お忙しいところ恐縮です。

デジタル・プラットフォーム事業者と個人情報等を提供する消費者との取引 における優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方 
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2019/dec/191217_dpfgl.html

 喫緊のところはパブコメ対応にもある通り細やかに対処されていて高評価なのですが、詳細はメルマガ『人間迷路』のほうで書くとして、概要で言えばやはり個人の情報に関する経済的価値への言及のところは気になります。個人に関する情報は経済的価値ではありません、という大原則に則って以下一万字略といったところですが、対価が発生すればどのように扱われても良いのかと邪推されかねない部分もまたあるわけで。

 ところが、質疑見てますと結構公取委が踏み込んだコメントで「えっ」というものもあります。

https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2019/dec/191217_dpfgl_12.pdf

 ここのNo.48、いったいどこの個人で団体で弁護士なのか良く分かりませんが、公取委はこう打ち返しをしてきています。多くの説明を重ねているので、ここでは代表的にNo.50を示します。

[引用]

本考え方では,消費者がサービスを利用する際に個人情報等を提供する場合を個人情報等を「対価」とした取引と整理しています。個人情報等の経済的価値がその量及び使い方に左右されることは否定しないものの,個人情報等は経済的価値を有するものと考えています。

--ここまで--


 まあ独占禁止法という商業上の規制だから、個人に関する情報を提供した場合の、プラットフォーム事業者からの「対価」を対価性ある前提で判断したということなんでしょうかねえ。個人的には「対価」のような経済的価値を想像させる言い方ではない単語をうまく開発してほしかったなあという気もしないでもありません。

 ただ、概ねにおいて公取委のプラットフォーム事業者に対する独禁法上の考え方はかなり整理されて伝わってきたので、ざっと見た限りではGood Jobよなという感じがいたします。お疲れ様です。ビッグな見落としがあるかもしれないけど。

 一方、与党・自民党が進めている取引透明化法案の中身が概ねの方針として報じられたものの、取引条件の明示と、条件変更があったときは支配的地位にある事業者は届け出をせえというトラック輸送規制みたいな中身になっていて昭和かと思います。もうちょっとやりようがあるんじゃないのかなあと思いつつ、不利益変更のない契約変更も含めてお国に届け出て、それがあかんかったら独禁法違反の課徴金と処分を喰らうのやと言われても「ほなら、大将ふつうに独禁法だけ厳格運用すればよろしいやん」とえせ関西弁も飛び出してしまうぐらい良く分からない内容になっています。

取引透明化法案とは プラットフォーマーに開示求める:日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXKZO51645770R31C19A0EA2000/

 さすがにこれには楽天の三木谷浩史さんもブチ切れで、さっそくニュースになっていました。

https://twitter.com/hmikitani/status/1206015419821092865

 私は楽天ともAmazonとも取引があるのでこの規制に影響を受ける側ではありますが、取引透明化法がこのまま成立したのだとしても、Amazonはグローバルの利用規約変更に正面から日本の規制に応じるとはちょっと考えづらいですし、結局は公正取引委員会が同法付託のなかで再度吟味して処分を決める必要が出ます。確実にそうするとは言えませんが、かなりの割合で無視したり、適当に報告をしたりするのかなという感じがします。

 一方で、楽天やYahoo! JAPANはコンプライアンス担当や渉外さんがせっせと霞が関に日参して対応することになるわけで、これはこれで規制とコストの面で国内事業者が不利になるよねという理屈はまあ正しいと思うんですよ。

 楽天については、楽天なりのやり方では誠実にやっているけれどももっと店子を大事にして契約内容の対応をしっかりやればいいんじゃないかとも思いますが、あまりの内容であればそれこそ下請法や独禁法の既存法で事足りるわけですから、他の国内事業者も海外GAFA+Mとアリババテンセントら中華勢についてはイコールフッティングにしてほしいところです。

 そもそも、サイト内検索でアクセスの多いトップページでの表示を巡って、プラットフォーム事業者が問題になるケースが多かったことから、グルメサイトから通販、ニュースアプリにいたるまで掲載基準の明確化を進めて欲しいという議論は当然出ます。実際、その辺が主眼だったはずなんですよね。

巨大IT規制へ新法 検索表示順の基準明確に:日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51638300R31C19A0MM8000/

 しかし、例えば私がヤフーニュース個人でニュースを書いてヤフートップページやトピックスに掲載されなかった理由は何故なのかと問い詰めることのできる立場にはないし、それは当ブログがBLOGOSに掲載されたりされなかったりするときもそうです。それは、ヤフーニュース編集部やBLOGOS編集部が私との契約に基づいて編集権を行使しているのだという整理で行くならば、その編集権はヤフーニュースやBLOGOSの方針に基づいて利益の最大化なのか、ユーザーのエクスペリエンス向上なのか、多くのジャンルを満遍なくなのか、考え方も含めて透明化しろという話になります。

 同じことは、トラベルサイトが「そろそろ欧州旅行特集やるか」といったときに、その企画や編集方針から漏れて不利益を被る田舎の温泉旅館の扱いと同様であって、仮に基準が明示されたところで冒頭の公取委が言う「対価」が消費者にどう明示されるのかと併せて議論されるべきところだったはずです。

 ただ、今回の公取委の新旧表をしげしげと見ていると、かなり発展的にその辺の議論も目線に入れて問題に対応していきますよという雰囲気までは感じられるので、いろいろ過渡期なんだろうなと思いました。何日かかけて、ゆっくり読み込んでいきます。

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先日のステルスマーケティング騒ぎで、ディズニージャパンがステマを事実上認めて謝罪する騒ぎがありました。

「アナと雪の女王2」でディズニーがTwitterを使い盛大なステマで大失態の件(山本一郎) - Y!ニュース https://news.yahoo.co.jp/byline/yamamotoichiro/20191206-00153907/

 ステマがなぜいけないのかは、清水陽平さんっていう弁護士の人が解説記事を書いていたので、ご一読ください。

相次ぐ「ステマ」、違法ではなくても「よいステマ」は存在せず https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/skillup/00009/00081/

 また、武士の情けというか受託側の悲哀もありますので引用しませんが、ステマを現場で加担した漫画家の皆さんもTwitterなどで個別に謝罪と釈明に追われており、ちょっと可哀想だなと思います。もちろんステマを手掛けることはよろしくないわけですけれども、クライアントから指示があったのであれば、それはまあ仕事欲しさも含めてやらない選択肢はないかもしれません。

 さらに、本件では元請けが電通グループの電通子会社のどこかが関与していたのではないか、という話が出てきました。本当かどうかは分かりませんが。

 そうだとすると、この話は次のような流れで発注があったとされています。


disney_1.png
 発注元である「ディズニージャパン」が謝罪し、委託を請けて漫画家を集めた「漫画家アサイン企業」が炎上し、実際にステマ漫画をTwitter上で掲載した「漫画家」も釈明しているのに、なぜかこれらの発注を束ねたとされるその電通グループ企業(電通PR社?)が静かなうえに、名前も出ないというのは何なんだろうと思っておったわけです。

 そしたら、ウォールストリートジャーナルにいる、世界で最も空気を読まないジャーナリスト望月崇さんがディズニーステマ騒動で素敵な記事を執筆されていました。

Disney Accused of Snow Job Over ‘Frozen 2’ Tweet Apology Japanese artists contradict company’s initial explanation that it intended to show tweets were part of ad campaign
https://www.wsj.com/articles/disney-accused-of-snow-job-over-frozen-2-tweet-apology-11576127949

[Quote] The cartoonist known as Kosame Daizu didn’t identify the agency that told him to hide the promotional nature of his work. Disney hired multiple agencies to help it promote “Frozen 2” including a unit of Dentsu Inc., Japan’s largest advertising and public relations group, Dentsu employees said.

Representatives of Dentsu, Disney’s Japan unit and Disney headquarters in California didn’t respond to requests for comment.

--end of line--


 マジかよ。知らなかったわ。

 で、さらにツイートが。

https://twitter.com/mochi_wsj/status/1204996179110445056

[引用]Takashi Mochizuki ‏  @mochi_wsjをフォローします その他 アナ雪ツイート騒動、続報です。複数の電通社員は自社の関与を認めました。参加した漫画家は「PR表記をつけないよう依頼」とステルスだったことを告白。WSJは電通、ディズニージャパン及びディズニー本社に「誰の発案だったのか」問い合わせていますが、一切反応がありません。

--ここまで--


 クライアントが謝罪に追い込まれ、現場もお詫びして、取りまとめた漫画家アサイン企業がダサい炎上をしているのに、肝心のPR会社が名前も出なくて事実関係の説明もしないでバックレているというのはおかしいわけで、我らが徳力基彦大先生も口からビームを放つほどマジ切れする事態になるのではないかと思います。

 で、ステルスマーケティングは駄目だよってJIAA(日本インタラクティブ広告協会)が音頭取ってステマ対策のためのガイドラインまで発表しているのですけれども、理事長って電通の代表取締役・髙田佳夫さんなんですよね。

日本インタラクティブ広告協会
https://www.jiaa.org/jiaa/gaiyo/

 大丈夫なんでしょうか。正直、責任問題なんじゃないかと思いますし、ステルスマーケティングはそもそもアメリカではFTC法第5条の「欺瞞的な行為又は慣行」に当たり、違法になってしまうことになります。

公正取引委員会
https://www.jftc.go.jp/kokusai/worldcom/kakkoku/abc/allabc/u/america.html

 いや、ほんとやめておけよとしか言いようがないんですが、これってウェブで炎上とかいう話とは別の次元の、ネット広告規制やステマ違法化の議論に容易に直結してしまう事項なので、ほんと勘弁してほしいと思うような案件です。

 さらに、望月さんも続報を出しているようですが、一方でPR業界からは「あれで駄目なら他の案件でも駄目なプロモーションは多い」とか言ってて、もうみんな駄目なんじゃないかと思ったりもします。

 今後の流れには注目してまいりたいと思います。

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