月別アーカイブ / 2014年12月

 年末なかなか慌しい日々でありますが、そろそろメディア方面も少しは沈静化して穏やかな年の瀬を迎えるかと思いきや、共同通信がなかなかのカロリーな感じの記事をぶっ込んできました。



【STAP問題】厳しい目、寛容さを失う社会を象徴か  騒動の背後に

http://www.47news.jp/47topics/e/260651.php



 凄いなあ、これは。雨宮処凛はともかく山崎行太郎にコメントが求められていて、その結論としてあの事件が「一連の騒動が、寛容さを失っていく社会の風潮を象徴しているように見えてならないと振り返」られちゃうんですか。



 こういう記事が共同通信の社名で載っかっちゃうのも凄いし、この期に及んで何を守ろうとしているのかさえまったく不明なところが強烈です。


 それを回転レシーブで拾っているめいろま女史もおられます。



感情を事実を分けられない人間を有識者と呼ぶ記事が一流マスコミに載ってしまう日本の未来は暗い

http://wirelesswire.jp/london_wave/201412290242.html



 …長い。途中で大規模な貰い事故をしていたのは高知で消滅危惧種のイケダハ師です。彼についてはどうでもいいんですが、原発事故関連といい小保方関連といい、いろんな意見自体はあってもいいんだと思うんですよ。ただ、認定された事実にちゃんと基づいて判断していく中での意見の振れは容認されるとしても、この共同の記事みたいに「捏造も寛容の対象とされるべき」という議論はびっくりです。「不倫は文化」までは人間関係や価値観の問題としても、到底うっかりミスとはいえない捏造をした本人やそれを許した組織的な土壌を見てなお容認するというのはちょっと考えられないんですよね。



 せめて、やらかした本人が真摯に反省して、いちからやり直したいと再チャレンジの意向を示すのであれば、それを妨げるものではないというレベルであって、むしろこの共同の記事が配信できちゃう組織のほうが気になってしまいます。



 あるいは、今回の調査報告書に近いレベルのものが3月ぐらいに出ていれば、笹井芳樹さんが自らその命を絶つことはなかったんじゃないのかなあ、とぼんやり思ったり。今年一年を象徴するような事件だったなあ、とは思いますね、はい。


 かねてから面白いと思っていたジュールヴェルヌ研究会が今年も『EXCELSIOR!』を出したというので、用事ついでに中野ブロードウェイで入手し全編舐め回すように完読するわけであります。途中で倅1号が本に落書きをするという苦難もありましたが、そのようなことは問題とせず、実に楽しい内容でありました。



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「Excelsior!」第9号

http://julesverne.jpn.org/excelsior-vol9.html



 今回は『理想の都市』の翻訳なんですが、内容が素晴らしいだけでなく、何がいいって重厚な紙質に写し込まれる挿絵のような写真が素敵で、非常にロマンティックな内容に仕上がっております。全体として、ジュールヴェルヌ作品に対する熱情が詰まっている感じがひしひしと伝わってくるんですよね。この(たぶん)丁寧な訳は以前「コペンハーゲンは一日で回れる」を書かれていた櫛木千尋さんで、この記事の記憶があって仕事で北欧に行ったときコペンハーゲンに本当に足を向けてしまったことがありまして。


 ジュール・ヴェルヌは有志によって優れた翻訳や解釈がたくさん出ているのが魅力で、私も数年ぼつぼつと読み進めているんですけれども、趣味で読む分には終わりのないレベルで奥行きが凄いんです。『文明の帝国』と『ジュールヴェルヌの世紀』は時代背景も含めて面白く読めました。進歩的知識人で弁護士を父に持つジュールヴェルヌが、いまでいうネトウヨ大統領のナポレオン批判をやらかしているような対比(まあ正確じゃないけど)もできようものです。



http://julesverne.jpn.org/livre/nyumon.html



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 巻末のソランジュと六助はもっと真面目にやれという気持ちになって終わるところも含めて、一冊丸ごとご馳走様でした。










 パワーアップキットが出て、駄作から良作を目指して進化途上といった感じですけど、細い道で大軍が渋滞したりする以外はまあまあAIも賢くなって、遊べるところまではきたかなあという雰囲気を漂わせています。



 洋ゲーのシミュレーションに慣れてしまうと詰めの甘い感じの理不尽なところは大量にあるけど、まあそこは「信長の野望」ですから…。



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 そのうち、4GamerにでもAARでも書こうかと思いますが、相変わらず姉小路家はゲーム開始5ヶ月ぐらいで畠山家に攻め込まれます。七尾城の兵が多いからなんですが、途中で神保家も敵の援軍に回るのでジリ貧になります。上手く捌いても、ダメージが大きいと武田家が木曾家を滅ぼしてすぐに攻め込んでくるという敗北仕様になっていて姉小路家の滅亡力は凄いものがあります。国土もうんこですし。







 合戦はだいぶ仕様が変わりましたが面白さは人によって受け取り方が違うので、これはつまらんと思ったらやらなくてもいいです。合戦しなければ、基本的にすべての戦争は道路を使った挟み将棋とただ淡々と囲んで落ちる城の取り合いになっています。






 今回も、私の好きな計略はせいぜい引き抜きぐらいしかありません。内政は青天井、人口はなんか建物と道の太さで決まっててどっかから湧いて出るし、兵隊は死ぬごとにいちいち補充ですし、朝廷は空気ですし、放っておくといつもの北条織田毛利島津が伸びてくる感じですかねえ。



 そういう決まりきった平行世界に、姉小路としては爪跡を残したい。生きた証を立てたい。そのように思うわけであります。







 上級だと、ある程度勢力を大きくしても、より大きくなった敵勢力と正面からの殴り合いをひたすら続けていくゲームになっているので、ほんと修羅ですわ。ただ、根気さえ続けばたいていの小大名でもどうにかなるんじゃないでしょうか。



 それでも、現行のガチなシミュレーションゲームで戦国時代を扱ってるのは本作品ぐらいですので、ちょっとずつ遊んでいきたいと思います。


 出てくる出演者がいちいち残念な感じの役回りで、どうしてこうなったと思いながら展開を眺めておりました。もちろん、残念なのは役回りなのであって、彼ら本人ではありません。



 そもそもがこちら。



■Rettyの武田社長からLinkedIn経由でスカウトされたので行ってみたら・・

http://anond.hatelabo.jp/20141220102208



 まあ、確かにLinkedInに限らず社長から直接スカウトのメールが来たら、社長がやってきて面談するものと誤解しておかしくないですね。大企業ならともかく、ベンチャー企業ですし。で、関係者には完全に身バレするだろうけど、不快に思ったのは事実なので増田に書き込んだ気持ちも分かる。非常に残念な役回りで、しかもなぜかRettyを擁護している人たちに「こんな人取らない方が会社のためになって結果良かったと思うけど」とか揶揄されたりして、とっても可哀想であります。



 そもそも増田というのはロバの耳したくなるネット民のオアシス的使い方を目指しているはずで、実際にそのように機能しているのであって、この「社長名義のスカウトメールに釣られた人」に罪はない、すべてははてなが負ったのだ、ということで、やはりはてなは倒産するべきという結論になるわけであります。



 次。



Rettyへの批判記事に対するお詫びと説明

http://kazuya-takeda.blogspot.jp/2014/12/retty.html



 増田発の告発書き込みで騒ぎが大きくなって、すぐに「これはまずい」と気づいてお詫びと釈明のブログをアップしたRettyの武田和也社長。残念な役回りで可哀想です。


 たぶん、「採用するに当たってチームが武田社長の名前でスカウトメールを打ったのだろう」とか、好意的な憶測は幾つか立ち上がれど、記事中はどう見ても「武田社長が採用したい人を探していたところ良さそうな御仁を見つけたので自力でスカウトメールを送った」としか読めません。そら怒られても仕方ありませんな。



 ただ、悪意がないのはこの武田社長の釈明を読めば充分伝わるので、「怒ったで」「すまんな」「ええことよ」ですむべき性質のものだったのかも知れません。そう考えると、騒ぎが無駄に大きくなった増田とかいうサービスを展開しているはてなという会社は実に罪深く、業火に叩き落されるべきだという見解しか浮かんできません。



 次。



【炎上】Rettyが悪質なスカウト採用を行っているとして被害者が怒りの告発

http://netgeek.biz/archives/26973



 みんな大好きNetgeek。今回も見事に残念な役回りを熱演しています。「被害者は他にも多数いるものと思われる」とか「法に反しなければ何でもありの精神でけっこうな黒いことをやっているではないか」とか「詳しく調べて叩けば真っ黒な埃がもっと出てきやしないだろうか」など、現状では根拠が見事にまったくないなかで常に最悪のシチュエーションを見極めて適切なワードでゲスい勘繰りを天下に向けてバーストしているあたりはさすがバイラルメディアの新星netgeekであります。



 すでに多くの人から「発端の増田野郎やRettyの顔長社長よりもNetgeekのほうが残念」とか「武田さんの名誉のためにもこういう記事を書くメディアは叩き潰したい」などと誘蛾灯の如く酷評を集めまくっていますが、Netgeekはただネット社会という腐海の謎を解きたいと願っているだけだよ。その腐海の原因は増田という瘴気溢れる場所に由来するのであって、やはりはてな死すべしという率直な願いを抱くわけであります。



 次。



netgeekのRetty社叩きが下衆の極みなので黙っていられなかった件

http://gothedistance.hatenadiary.jp/entry/2014/12/21/173920



 そんなゲスいNetgeekが垂らした釣り針に真正面から喰らい付き全力で釣られにいくgothedistance(ござ先輩)さん。嫌いじゃありません、そういう猫まっしぐらな行動原理。Netgeekもたいしたこと書いてないわけですけどそれを読んで血圧を上げたござ先輩もたいした内容を書いていません。読んでいて、これほど「落ち着け」と言いたくなるエントリーも珍しい。分かるのは、血圧が上がっているという状況のみです。読めば読むほどに額にブーメランが刺さっている印象が広がり、とても甘酸っぱい気分になれるんですよね。実に残念な役回りを演じきっているように見えます。



 しかも、どういう理由か余談において語る必要もないネットイナゴ論から論旨安定のまなめはうすの紹介まで、増田の話はどこにいっちゃったのという結論へ向かって猛ダッシュしているあたりもポイントです。こういう流れるような文章を書き綴ることのできるはてなという場所は立ち入り禁止区域として永遠にネット内の出島状態にするべきですし、運営するはてなも組織内の主導権争いの果てに壊滅に追い込まれて欲しいと切に願う次第であります。



 ところで、Retty武田さんと言えば現在某方面で話題沸騰の我らが梅木雄平さんの絡みがありまして、まだ元気だったころのマモノニュース(GMOにお勤めの世永玲生さん)に突っ込まれて残念な感じになっていました。



梅木雄平氏についてRetty武田社長が歯切れの悪い(?)回答をする本当の理由

http://matome.naver.jp/odai/2137744857400944701



 なぜこんな残念な展開ばかりがRettyの周りには多いのでしょう。私は使っていませんが、アプリの評判も良く、ビジネスは決して悪くない状態のように見えるのに。



 どうも武田社長はネットの中でもとびきり残念な方面に迷い込んで綺麗に地雷を踏み抜いて爆発し上空高く舞い上がる系のパッシブスキルをお持ちのようです。ネットの中の残念を無意識に召喚する力があったとしても、発動するごとに残念なことに巻き込まれてばかりなので、一刻も早く闇属性からの脱却を目指すほうがいいと思います。



 したがって、年末年始は極力暖かく過ごし、みかんをたくさん食べ、体力を温存してから最寄のきちんとした神社で厄除けするか、聖堂に赴かれて懺悔し解呪(Disenchant)をお願いされたほうが良いのではないかと感じました。このままでは、はてなの呪縛から逃れることはできません。放置するとmixiに買収されるなどの人生最悪の結果を招く可能性が残念ながら高そうですので、武田社長に於かれましては御身大切、五体大満足で年の瀬を乗り切っていただきたいと願う次第でございます。



 以上、残念の水先案内人のわたくしがお伝えしました。


 忘年会ラッシュの中日に微妙な記事を短時間にたくさん仕上げるという修羅の日々がありました。



百田尚樹とかいう2015年ビッグバン期待のオールドルーキー――山本一郎【香ばしい人々returns】

http://hbol.jp/17055

猪瀬直樹、あるいは傲慢な物体

http://ironna.jp/article/740



 作家が作家で終わっていれば皆が幸せだったのに、なぜ十字砲火を喰らいに政治の世界へ入ってきてしまうのだろうという適例が2つ立て続けに出てきてました。似たようなレトリックになってしまうのは申し訳ないんですけれども、百田尚樹さんの本も猪瀬さんの本も個人的には好きです。とりわけ、猪瀬さんの道路関連への取り組みは某経済誌の連載もくまなく読むほどのファンだったものですから、「なぜ、作家以外の、明らかに向いてない世界に足を踏み入れるのだろう」というのは非常に興味深いというか、名誉欲や権力欲というのはどういう方向に発露するか分からないものだなあと思うわけであります。


 去年、まさに猪瀬さんのスキャンダルが出る最中に東京五輪の成功を自ら祝った本が出てきて、それまた名もなき協力者には余りスポットが当てられておらず、「これはなあ」と思った本であります。リンクは置くけど買う必要はないよ、駄本だから。でもそれまでは、『昭和16年の敗戦』を筆頭に、面白い本はいっぱい書いていたのが猪瀬直樹です。それが、一歩政治の世界に入った結果、とても名誉の回復が難しいような無能を晒してしまうのは勿体無かったと思うわけです。



http://www.amazon.co.jp/dp/4569816932/



 一方、百田尚樹というのは一見上り坂だけどこれから社会の断頭台に向かう列にあり、そのはげ頭が輝くのを見晴るかしながらいろんなことを思います。すべてが進行形で、劇場型ベルトコンベアーみたいになってて、座ってるだけで回転寿司のようにいろんなネタが流れてきて百田さん面白いです。だんだん話が過激な方向へ、そしてシャレにならない内容へと変化していくあたりがまた素敵です。



 そりゃあ当然、利権争いや主導権争いの類ですから、一度入り込んだ以上、頑張って最後まで生き残らなければ何も為せないのもまた理解できます。ただ、その「百田尚樹が売れる作家だ」と判断しているものだから、本来であれば嬉々としてぶっ叩くはずの週刊誌も利権に預かれる預かれないで紅組と白組に分かれて球の投げあいをしているので程度も分かろうというものです。もうこれは遠くから見ているしか方法がないのではないでしょうか。どうでもいい話ですし。



 ハーバービジネスの百田さん原稿には、岩崎夏海さんの件は触れませんでした。







 岩崎さんの近著が「『もしドラ』はなぜ売れたのか?」という、おそらく文芸を読みたい人にもネットネタを追いたい人にも全然刺さらないただのハゲ好き専用アイテムになっています。っていうか、なんで雨傘差してんだよ。陰鬱すぎんだろ。人間として終わりすぎていて、百田さんの議論にかこつけてちょっと正面からいじるには格落ち感がどうしてもあって困ります。もうダメなんでしょうか、彼は。頭を磨き直して復活して欲しいと切に願っています。



 つまらないけど一応アフィリンク置いておきますね。







 こちらからは以上です。


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