月別アーカイブ / 2013年05月

 取引先とのメールで話題爆発(というか面白がり)していた。移動中なので、軽く触れる。先月の記事なんだね。箇条書きにするお。



靴屋とデータマイニングと季節外れの冬物衣料

http://d.hatena.ne.jp/AntiBayesian/20130423



前提: 内容をすべて否定するものではない。そういう見解も成立するし、ためにする議論ではない。



その1: 「データマイニングに必要なのは意外性だ!」



 そもそも意外とか仮説の段階で言っているとしたら、それは使えないデータ担当者だ。クビにするべき。


その2: これを利用して小売店や流通業界はデータマイニングをした。どんな意外性のある結果が出てきたと思う?例えばこんなものだった。「冬は鍋の検索回数が多い」 なんたる自明!



 小売や流通は常に売り場面積や仕入れ対販売という係数に支配されていて、いつまで鍋が検索されて需要があるかというようなロングテール的な解析がなされたとしても春先には夏物を売り、秋には冬物を売る。



 ネット屋出身のデータマンが使い物にならないのは、在庫と売り場の関係を忘れて「相関があり、需要がある」という観点でしかモノを見ないからだ。はっきりいって、薄い需要ならいつでもいくらでもある。それを手がけないのは理由があって、薄い需要に対応して他に売れるものを陳列しないとか、季節はずれの仕入れは在庫コストが高く利幅が薄いといった、当たり前のことに配慮しないから。



その3: しかし、データは語りかける。「1月を過ぎても鍋物の検索数は落ちない。つまり、需要は少なくない」と。彼らはその結果を見て、自分たちが今まで大切な商機を失ったことに気づいたんだ。



 季節が外れても需要があることぐらい、小売りの人たちは良く知ってるんだよね。大切な商機として見られるのはネット販売で、それほど大きくないロットのビジネスをしている人たちのスコープであって、分野や地域ごとにバイヤーを抱えているような大口小売りだと「その程度の商機は捨ててでも利幅と数量の取れる季節物を扱う」ってことであってる。



その4: 「夏」や「冬」が具体的に何月何日を指しているのか、それは果たして自明だろうか? まだ寒い日が続くなぁと思って冬物衣料を買いに行ったら、店内にはもう完全に春物ばかり、いやそれどころか既に夏物が顔をのぞかせていた、そんな経験が君にもないかい?



 それはもはやビッグデータの問題じゃないなあ。在庫と陳列のオペレーションの問題でしょう。



その5: 先ほど「データマイニングに必要なのは意外性だ」と言ったけど、ねぇ、それって本当? 意外なことを言うのがデータマイニングの本質なのかい? 考えてみよう、データマイニングの本質とは何なのか。僕はデータから顧客満足度を高めることや売上に貢献する可能性を見出すことだと思うね。



 コストはどこにいっちゃったの? 顧客満足度だけ考えたらどんな業態だって24時間営業ですよ。在庫リスクや仕入れ圧縮を考えずに夏物冬物語るのは良くないと思うんだよなあ、データマイニングの世界にいる人が。実際にモノを売ってない人が必ず言うんだよ、「たべみるや靴屋の例で出てきた”必要な時に欲しいモノが手に入る”という素晴らしさのインパクト」ってのを。いつでもネットでモノが買えたとしても、それはカネ積みまして戸別配送するんだよ。



 それが付加価値だ、その付加価値にかかる費用を支払ってでも「必要な時に欲しいモノが手に入る」サービスを受けたいっていう人がたくさんいるんだ、っていうのなら、それは小売りの世界とはまったく違う文脈の話かなあ。一応、外商っていうシステムもあるけど。



その6: 小話をすると、セブンアンドアイホールディングスのコンビニであるセブンイレブンは、配送ルートに一筆書きの概念を利用している。一筆書きの主な性質とは「1.指定された点を通る、2.二度と同じ経路は通らない」の2点だ。

これはつまり、各配送すべきコンビニ店舗を通りつつ、同じ道を何度も行き来するという無駄を省いた経路、ということだ。




 言っておくが… 物流や兵站で一筆書きというのは「ひとつの配送ユニットで荷物を捌き切る前提」でしか効率が上がらない、極めて初歩的な配送手段のことだぞ。これはさすがにいかんだろ。実際、究極の一筆書きはハブアンドスポークだ。行って帰るだけ。物流システムってのはそんな単純なもんじゃねえと思うよ。っていうか、セブンアンドアイが物流で一筆書きやってますとか書いたら、彼らが可哀想だから撤回したほうがいいと思う。褒めてるつもりなんだろうけど。



 某社はネットワーク配送とか、可変でノードを作るとか、集中配送の効率を損ねないようにしながら他品目を扱う試行錯誤をやってる。それでも配送効率は… でさ、究極の集配効率、集荷って小口や戸別の割合を減らすことだって知ってた? それは、なるだけ季節はずれの冬物とか扱わないで配送品目を減らすことが効率を考える上で究極なんだよねえ…。



 まあいいか。


 個人的には、新たに講じられる表現規制について反対です。



 児童ポルノ禁止というのは世界の潮流であるので、ある程度日本がこれに対応しなければならないというのは仕方ないとして、なんぞ絵やマンガ、アニメまで表現規制の対象となり単純所持の処罰対象になるのだという話も流れてきて、どれが本丸の議論なんだか良く分かりません。



漫画・アニメ・ゲーム・映画の表現規制問題まとめ:ブログ版

http://d.hatena.ne.jp/mxixtxbx/

【 #表現規制 の歴史】国立メディア芸術総合センター構想頓挫と、漫画やアニメ規制法は無関係なのが事実、という話。

http://togetter.com/li/507827



 警察は警察で、人によって仰ることが微妙に違います。


 ところが、議員立法のこちら、この流れだと普通に通っちゃう代物なんですよね。



自公が児童ポルノ禁止法改正案 わいせつ画像「所持」禁止

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130521/plc13052123040018-n1.htm



 あくまで、実在する小児等の裸体など具体的で実存の人格に対するもののみが児童ポルノの対象となり、想像上のものは別枠として考えて欲しいというのはあるわけなんですが…。コアマガジンが狙い打たれた話とか伺うにつけ、まあみんないろんなこと考えているんだなあとは思う一方、その延長線上にはエロ商業誌全滅で普通の愛好家がみんなネットに潜る、それを追いかける当局、みたいなどこぞで見た風景になってしまいかねません。



 確かに日本に対するイメージで、とりわけ海賊版文化の盛んなところほど「AV」や「エロ本」が上位にきてしまうクールジャパンでございますので、そろそろ線引きを、と言いたい気持ちも分からないでもないんですけどね。まあ、「オタク」が市民権を得た結果として、本来ならば被差別の日陰者である変態紳士の皆様の密やかな趣味が堂々とテレビやネットで観られる時代になってしまったのがいけないのかもしれません。闇の眷族は夜の世界に帰るべきで、ヲタ向けクソアニメはただの風俗として公安管理の下に置かれるべきなのだ、と強硬に主張されると言い返せない気がします。まあ別に誰かに言い張られたわけでもねえけど。



 日本としても、確かにロシアと並んで児童ポルノ大国と名指しで言われたり、東欧諸国や東南アジアと人身売買の元締め的な言われ方をするのは中傷的だし嫌だなとは思うんですけどね、この「かわいいものを愛でる」文化そのものを否定されると辛いですな。クールジャパンどころじゃないですよねえ。



日本のアニメは児童ポルノ

http://togetter.com/li/511135



 EUの人たちと話してると、日本の本屋で児童ポルノ絵の本が売られてるというので、何だろう、そんなわけねえだろと思ってたらライトノベルのちょっとえっちい表紙絵なんですよね。あれでアウトなの? と毒される私は鯨肉を喰って何の疑問も覚えない側の人間なんでしょうね。ええ。



 そういうわけなので、表現規制は反対です。反対して反対しすぎるものじゃない。こりゃもう文化闘争でござるよ。


 E3前で泣くほどドタバタしている中で、ネット選挙対策はあるわビッグデータ関連は案件増えるわで泣きそうです。

 そのうち、前代未聞の「有料メルマガで人材募集」をやるかもしれません…。



『人間迷路』

夜間飛行: http://yakan-hiko.com/kirik.html

BLOGOS: http://magazine.livedoor.com/magazine/50



■前口上で「アベノミクス相場はどこまで続くか?」など



 正直、希望的観測としては1万8,000円超えて、円安も110円ぐらいまでいってってのが理想なんでしょうけれども、ちょっとそういう雲行きではもはやなくなってきました。随所で早くも資産バブル的な状態に陥り気味で、それでも過去の民主党時代の経済政策よりははるかにメッセージ性が強くて好感されてきたところでもありますので、あくまで投資家目線としては「良い意味で平行線」でしばらくいくのではないかと勝手に思っております。


 ただし、そういう巡航速度でそのままいくかというときにいきなり剥落してしまうのも相場でありますので、打てる保険はある程度しっかり打っておいたほうがいい、という立場でおります。過剰な期待感で加熱しそうなときは、まず自らを冷ますのが良いのではないかと。



■遺伝子とビッグデータ



 ちょっと具体例を出すのもマズい事案ではあるんですが、そぞろ遺伝子関連サービス業者が取り扱い始めた特定遺伝子に関する検査ビジネス、大半はまともなところだと思うんですけど微妙なところが名簿を出しているのではという噂が出始めるなど混沌としてきております。



 近い将来、生活習慣と遺伝子情報が相関、そこからさらにギャンブル依存や多重債務と生活習慣という項目が充実し始めると、一気にアングラ的なビッグデータ革命や! ということもなきにしもあらず。



 あと、知らんほうがいい遺伝子情報というのもあるかもしれず、いろんな意味で「適切な態度で知るというのは大変なことだ」ということを感じるのでありました。



■リバティリザーブ摘発&差し押さえで阿鼻叫喚



 これまたアングラ系というかマネロン方面の話ですが、日本でもマカオや香港でやらかしていた人も愛用していたリバティリザーブが摘発の憂き目に遭って、サイトごと晒し首になっております。あいつは派手にやりすぎたんや。しかし、匿名で口座開設可能なサービスはまだ幾つか残っていますし、送金だけならモグリでいけるサービスもまだ営業中ということで、世界規模のいたちごっこが始まる前夜なのではないかと戦々恐々です。



 メルマガ発射した直後に「被害者」がちらほら出てきたりしてましたが、まあ気のせいでしょう。

 報道では、マネロンの総額は60億ドル(6,100億円)規模とのことでしたが、最終的にはその数割増のようです。大丈夫なのでしょうか。



 今週も暗~い感じの情報が満載になってて申し訳ないんですが、次はもう少し面白い話もできるといいなあと。ええ。


 お呼ばれして東京ドームのスイーツルームやエキサイティングシートで野球初観戦の兄弟。迫力ありすぎて泣くかと思いきや、兄は「あの太ったお兄さんなに?」と目の前のサード村田を指差し、弟はレンタルのオペラグラス片手に「ゴミのようだ」と巨人ファンに埋まったスタンドを見物しておりました。



 本題は、野球ギョウカイのお話を伺うとかそういうものでもなく、ごく純粋に野球を観戦させていただいて、最後は平野がこんがり炎上してお通夜のようなオリックスファンの背中を見送るシュールな一日だったわけですが。



Simon_130525








 この試合では1番に深江が入っていて何かするかと思いきや何もしないまま見事な4凡で最後はロッティーノが代打で出てきたり、ロペスがナイス犠打であったり、胸を去来する「ああ、金子千尋がかわいそうだな」という試合でありました。毎年結構頑張って補強しているはずのオリックス、どうしてこう毎シーズン微妙な感じに仕上がってしまうのでしょう。森脇監督は森脇なだけで普通に采配も森脇ですし、別にこれといって大きなミスもないはずなのになぜこんなBクラスな感じなのでしょう。まるで塩谷がスタメンでいるかのような暗黒ぶりです。



Aaron_130525



 外人はうまくいってるんですけどねえ。李大浩にディクソンにバルディリス。ちょっとマエストリはイマイチですかね。比嘉はともかく松本と小松は何しに出てきているんでしょう。ヌルデータ置き場さん見てると松本とか調かっこいい数字が残ってます。WHIP2.10で被BABIP.500はまずいやろ。



61 松本幸大

http://lcom.sakura.ne.jp/NulData/Pacific/Bs/p/61_stat.htm



 ところが、今年は園川賞左腕の中山慎也も不調なんですよね。第二の下柳のように先発も中継ぎも敗戦処理もロングリリーフもすべてこなす鉄腕便利屋のはずが、単なる炎上要員になってしまいました。もはや「岸田と平野以外は投げてはならない」という憲法でも制定したほうがいいなじゃないでしょうか。まあ、この前は目の前でその平野が燃えたわけですが。こうなると、出戻りの平井か、松葉ぐらいしか期待できないぞって話になってしまいかねません。



 T-岡田も冷凍状態ですし、どうしたもんですかねえ、オリックス。そういう愛情を持って観戦しておりました。



 いや、別に巨人も応援してないわけじゃないんですが、私がいなくてもみんな応援してるから…。


 橋下徹さんが東京の外国特派員協会で微妙な問答を繰り広げている間に報じられた内容が衝撃なんですが。



「子どもに食事させたかった」 3歳児と母餓死か 大阪のマンション

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013052702000224.html



 さまざま経緯があったのだろうとは思いますが、痛ましすぎて言葉もありません。お悔やみ申し上げます。橋下さんは本来の職掌とは直接関係のない慰安婦問題に言及する暇があったらセーフティネットから零れ落ちる家族についてもう少し考えたらいいんじゃないのかなあと思います。


 話のついでですが、大阪府でもついに日本維新の会に投票すると回答した人の割合が20%を割るという調査結果の速報が出始め、選挙区によっては民主党にすら負ける状態に陥り始め、全国政党としての成立すら危うい情勢になってきました。各議員でいうならば、旧たちあがれ日本の勢力だけが磐石な状態で、昨年暮れの衆院選で勝ち取った議席はほぼすべて次に選挙があると失う公算になります。これを立て直すのは実に困難なことです。



 このあたりの事情は以前メルマガにも書きましたので「まあ頑張れよ」としか言いようもないんですが、支持率の上昇を前提に組織形成をしてきた割には、橋下徹さんの事実上の独裁体制になっているもんで、支持率を組織力に転換するために必要な中間管理職や思想統制が行き届かなかったんでしょうね。これでは瓦解するのも必然です。



 お金集めがうまくいかず、集めたブレーンが離散してしまったという話はどこぞで出ていましたが、個人人気を恃みに全国政党を作っても長くは続かないということは日本新党でもよく理解するところだったはずなんですけどねえ。何が間違いだったんでしょうかねえ。



 結論から言えば、橋下徹さんを面白おかしく担いだメディアがいかんということで、このあとは責任もって叩き潰して灰燼に帰しておいていただければと願うところであります。


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