月別アーカイブ / 2012年02月

 誰よりも男を愛する男、北尾吉孝さんが何か言ってます。

『「AIJ問題」について』
http://www.sbi-com.jp/kitao_diary/archives/201202284908.html

 読みようによっては単なる結果論であり、初めから分かっていたなら早々に問題提起しとけという批判も出るかもしれませんが、北尾さんの出身でもある野村證券での逸話も踏まえて問題を短い文章で網羅的に論評する力はただただ凄いの一言であります。
 ついでに「ジャフコはゴミ」ともとれる発言も続いており、相変わらず戦闘力の高い読み応えのある作品に仕上がっているあたりに無上の感動を覚える部分でありますが、SBIの投資部門と比較するといろいろな思いが去来するのもまた事実でありまして、余計なことを言うとまた日経ビジネスやFACTAのようなクソ雑誌に論評記事を書かれかねないのもまた悩ましいところですね。

 北尾さんの日記は結構更新頻度も高く、彼独自の視点から面白い記事がたくさん書かれているという点で非常に興味深いところで、日本経済の継続性の問題でも鋭い論評がなされており、読んでいて楽しいです。

『日本経済のサステナビリティ問題について』
http://www.sbi-com.jp/kitao_diary/archives/201202214883.html

 さすがは日本を代表するホワイトナイトとして、騒動が起こるたびに何かしようとして帰っていく北尾さんの姿を散見するのが風物詩となっており、より実行力の伴った素晴らしい卓見をウェブで書籍で雑誌で講演会でもっともっと披露していただけると嬉しいのであります。

 いろいろ大変だと思いますが、頑張ってください。

 確かにフィリピンの料理はおいしくない。といってもマニラしか逝ったことないけど。

世界を見るレッスン・・・ALCOM WORLDから・・・
http://d.hatena.ne.jp/key-chi/20120225/1330167982

 最初この記事を読んだときは、はてなだし、釣りかなと思ったんですけれども、どうやらガチで山形さんの文章に腹を立てた純粋な人らしいということが分かって興味深く再読しまして。なるほど記事の読み手というのはこういう感じに捉えるのかと面白く感じました。
 まず、山形さんを何者であるかを知らない。まあ、これはいいんです。知名度というのは往々にしてそういうものですから。はてな村にいる自覚のない村民がいてもおかしくないし、いくら岩崎夏海さんがはてな経営陣をDISっても知らない村民は知らないのです。一般サービスというのはそういうものなのでしょう。

 で、山形さんを理解するために、まずは肩書きを見る。やっぱりそういうものなのかなあ。当たり前の行動かどうかはアレですが、「かなりくだけた文体で、著者の世界観をユーモラスに展開する内容ですが、今号ばかりはシャレになりません」という問題提起がなされます。その結果、出てきたテーマが”フィリピン料理は旨いからDISるな”という内容に総括されるという点で、しかも否定する根拠が”一度フィリピン料理を喰ったけど別に不味くなかった”という話で、でも確かにアジアを旅していると「強い国には旨い飯が集まる」という類の話を山ほど聴かされるのが通例ですから、そういう話を披露した山形さんに文句を言っても始まらないんじゃないのとも思うわけです。

 書いているうちに、ますます血圧が上がって腹が立ってきたのか、山形さんが寄稿したアルクの「月刊アルコムワールド」とかいう会員誌に対して抗議するまでに到るわけですね。

http://www.alc.co.jp/m-alc/index.html

 その肝心の山形さんの記事を読んでいないので、いったいどういう読み方をすると腹が立つのか私には分からないので何とも申せませんが、アルクの教材の優秀さに感動し、ご自身も写真入りのインタビューを掲載されて感謝を表明しているにも関わらず、山形さんのものの書き方が気に入らないのでアルク全体の有り様をDISるという、典型的な部分による全体否定の論理になっており大変好感が持てます。

 で、ほかの記事いろいろ読んでみると、どうも沸点の低い御仁のようで、あっちでポッポー、こっちでポッポーと湯気を出しておられ、ますますファンになります。物事のちょっとしたところをつまんでは、否定せずにはいられないという、恵まれた才能を持っておられ、実は隠れた逸材なのかもしれません。チラシの出来の悪さを槍玉に挙げてたり、別にそれは触れんでもいいだろうという一言も出るのが素敵です。もう少し文章にテンポの良い攻撃力が備わると充分池田信夫さんを煽れるレベルです。

 今後の成長に期待したいと思います。

 3年越しでヲチしてきたセラーテム&チャイナボーチーのクソ株案件ですが、昨日なぜかNHKから強制捜査の一報が出まして、諸事困難は続いたものの順調に導火線は短くなっていっていることが視認されよしよしといったところでございます。

セラーテムテクノロジーの提携先とされる中国法人の営業実態が確認できない件
http://kirik.tea-nifty.com/diary/2010/08/post-a23d.html
セラーテム・チャイナボーチーを中心とした面白銘柄について
http://kirik.tea-nifty.com/diary/2010/09/post-69ee.html
セラーテムやチャイナボーチーの面白エピソードがFACTAに掲載さる
http://kirik.tea-nifty.com/diary/2010/08/facta-1f13.html

 NHKの砲撃はこちら。

中国企業買収で虚偽発表か 摘発へ
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120226/t10013299241000.html

 「摘発へ」という微妙な書き方が事態の侘び寂びを感じさせるところではありますが、実態がいまいち分かりにくい事件であることは間違いないので、投資家保護だけはしっかり進めてから諸事着手というのが望ましいんじゃないかと思います。
 なお、報道を受けて当のセラーテムが面白IRを掲載しております。

当社に対する強制調査に関する報道について
http://www.celartem.com/common/IR_DOC/PDF/20120227_000.pdf

 そもそも突撃喰らった日付を開示する馬鹿がどこにおるのかという疑問と共に、差し押さえを受けて調査が行われ、関係者や問題となった取引先の裏づけ調査を進めている間は沙汰待ちをするのは当然のことであって、「捜索・差し押さえは終わっているけど関係者へのヒヤリングは継続的に行われてきている」事実関係の否定ではなく、またそれはできないだろうということで、作文としてはギリギリの合格点といったところでしょうか。

http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=4330.q

 それにしても、ここ三年の最高値から見て3分の1になったとはいえ、ストップ安でもこんな会社が100億円の時価総額を維持しているというのは実にアレであります。充分、警鐘は鳴らしてきたつもりではありますがねえ…。

 このところ移動が多かったのと、ちょっと前に友人が立て続けに独立したりするなどしてちょっとした起業ブームとなったので改めて福澤先生の本を読もうかと手に取りまして。

<追記 amazonの在庫が蒸発しました… 版元comでどうぞ。 http://www.hanmoto.com/bd/isbn978-4-947767-11-0.html

独立のすすめ―名著「学問のすすめ」より現代に生かせる知恵を再編集

http://www.rosetta.jp/books/book012.html

 正直言うと、慶応義塾の塾員として本書を読むまでは「なんか第三者が編集をしているというのはどうなんだろう」と思ったんですけれども、確かに時代の背景からして難解で、福澤勉強会とかに足を向けないと理解が及ばない部分などはしっかりと落としてあったりして丁寧な作りの本で良かったです。
 この本のいう「独立」とは単純に「業としての独立」ではなく、社会からの自立であったり、己の有為を世間に役立てるためのものの考え方であったり、現在ネットで騒がしいノマド論争とはやや隔絶したところにあります。世の中に偽者が溢れ、本物を見抜くための知恵や、己の内面と向き合う心構えといったところがしっかりと書かれていて好感が持てます。

 いわゆる「気づき」や、ニューソートの世界とはまた違った哲学という意味でもあって、期間をおいて何度でも読み直したい感じの仕上がりなんですよねえ。つーか、ご本人前にしたら、滅茶苦茶怒られるんだろうな、みたいな。

 結構重要な情報がスルーされていて、でもネットでは指摘する人がいたというのは貴重だなあと思ったんですが、金融庁のチェックが甘かったというよりは、そもそも事件師がどっぷり入り込んでいる案件だったということなんでしょうね。

2100億円消失のAIJ投資顧問 清水国明の会社に出資
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2012/02/24/kiji/K20120224002698941.html
AIJ投資顧問 清水国明の会社に出資
http://nagatsuki07.iza.ne.jp/blog/entry/2609069/
 いまさら解説するまでもなく、04年以降の小杉産業から例の野村證券総会屋問題で代表訴訟に発展した一例から名前が出っぱなしですから、もうちょっとやりようがあったんだろうなあと思う次第。で、08年09年ごろから「おかしい」という通報があった、ということでもあるので、そのあたりは怠慢の指摘を免れえぬところでありましょうか。

 ある種の泥縄的に投資顧問業で年金系を預かる会社には種別を問わずお問い合わせやラブレターが来ているようですが、真面目に運用している大多数の会社からしますといい迷惑でありましょう。名簿を付き合わせるだけであれば、090金融をやってきた人たちや出会い系サイトで儲かった会社の別働隊といったところは出てくるはずで、なにも地引網式に総ざらいでチェックしないでも、と思うわけですけれども。

 たぶん、もうお金は返ってこないので、救済すんのかどうすんのかといったところは今後の課題なんでしょうね。私にはちょっと分かりませんが。

(追記 01:50)

 ご連絡があり、厭債害債さんのところで良い記事があるというのでご参考まで。

AIJ投資顧問の事件
http://ensaigaisai.at.webry.info/201202/article_2.html

 ただ、しっかりデューデリを、といってもまあこれがまたなかなか、というところでもあり、まあ難しい話でございますね、ええ。

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