月別アーカイブ / 2011年12月

 年末のお得意様大ブランドマッピング大会に臨むにあたって、何となくの整理など。終わったら4Gamerに記事を書く。書かないかもしれないけど。

■ リメイク批判を怖れない

 原作モノ同様、前作でたくさんプレイ時間を費やした作品のリメイクはユーザーの反応が厳しい。続編より厳しい。しかし、ウェブでの批判や酷評をよそに数字が出るので、気を良くしてリメイクをたくさん企画すると、一層のリメイクバッシングを受ける。

 リメイクを作るのは何故か。売れるからだ。売れるから作るのであって、売れないものを作ってバッシングされるより売れるものを作って叩かれたい。
■ リメイクは独創性がなくなるのか

 リメイクで必要なのは何か。優れた原作と、その原作が出た当時よりも進んだ表現技法、そしてたくさん投入できる予算だ。システムはある程度同じで、シナリオは一度売れたものをリファインし、さらにグラフィックは前作より格段に良くなる。

 前の作品のトレースだから、独創性がなくなるよという批判を受ける。でもね。制作ラインのすべてに独創性のある人がいるわけじゃないんだよ。あるいは、独創性のあることが、組織の中で権力を持ち続けること、心が折れないこと、品質を維持できることを保障してくれるわけじゃない。独創性がなくても、トレースならできる。そういう人の適材適所がリメイクや原作キャラモノ、システム面のシリーズモノであるということ。

 独創性が欲しいなら、名倉を批判するなと言いたい。

■ 作品は読者やファンと一緒に年をとる

 私は黒澤明監督作品が面白いと思ったことがない。いくら名作だと力説されても、つまらんと思うものはつまらん。ジャンプも読まないし、アニメもほとんど観ない。ガンダムAGEがクソだと言われても、観てないから知らん。

 だけど、数字でどういう顔つきをしたお客さんがその作品についているのかは良く知ってる。だいたい、作品のリニューアルをしていないシリーズは、シリーズのファンと一緒に年をとり、色褪せていく。クラシックとかならそれでいいけど、商業作品でファンと一緒に年を取るのは死を意味する。だから、仮面ライダーもガンダムも若年層というターゲットを目指してオールドファンから巻き上げたカネをぶち込んで作品を作り続ける。

 リメイクもまた、新しい表現技法で若いファンを捕まえていくためのプロセスに過ぎない。

■ リメイクラインで制作技法を試す

 リメイクの一番作りやすいところは、工数が読みやすいところ。想定していた工数の三倍になったという話はあまり聞かない。逆に言えば、シンプルシリーズしか作ったことのないような外注でもマイルストーン納品をこぼすことは少ない。それでもこぼしてるけど。死ね。

 技術が変遷していく中で、自社で培いたいアジャイル開発的なのとか、アンリアルエンジンのラインを試すとか、描画方法、UI、AIといったもんを投入してみる半製品プロトタイプとしてはとてももってこいだ。だってシステムはあるんだもの。

 さもなければ、なんか2億円もかけてお姉チャンバラのパチモンみたいな作品をクリエイターに作らせるという惨事を起こすことになる。ほんとどうするんだろう。

■ 海外市場にシリーズを売る橋頭堡を作る

 私が一番力説したいのはこのポイント。アジアに売ろうよ。シリーズを。テレビの前に座ってゲームをする習慣のない人たちに、美麗な世界の中で沸き起こるストーリーを楽しんでもらおうよ。

 日本人からするとクソシナリオで酷評に値する残念厨二展開で主人公が脚本家の考えた自己中のクズガキだったとしても、まだそういう分別のつかない人たちにはそれが新しいんだ。いま、アジアでは昭和40年代か50年代に流行ったような、日本人から見るとチープなシリーズモノがすんごくウケてる。中国人が村上春樹作品にハマるようなもんだろ。

 ただし、そのまま持ち込んだらグラフィックが寒すぎて負ける。だからしっかり最新映像をブチ込んだリメイクを作るべき。

■ 素材の海外調達を増やせ

 もう国内のスタジオ使わなくてもいいだろ。高いし。いちいちJRPGとか言ってる業者も潰れそうだし、やはり伝統芸能としてのJRPGを新規で国内にて制作する必要もないんじゃないかと。

 下手したら、宣伝以外のプロデューサーも日本でやらなくていいじゃんと思うわけでね。もちろん、一番の障害はそういう経営判断する人本人の英語力。というか、外人とコミュニケーションを取る力の不足。頑張ろう。

■ リスクを減らせ!

 文字通り。でも、各社がリスクを最小化させ続けた結果、全体のパイが減少しているのは偶然ではあるまい。CG業界もゲーム業界もIT業界に比べて二割以上人件費がディスカウントされているんだよ。IT業界に人が流出するのは仕方がない。

 それでもいいからリスクは減らすしかない。ラインナップを削り、社内の制作環境をテンプレ化し、海外調達を増やし、新規IPとシリーズ・リメイクの比率を見直し、直販・DLCの比重を増やして軽量級のタイトルを安価にリリースして客を増やすんだ。

 商売のスコープを見間違うと大変なことになる。いまさらソーシャル凄いとか言い出す羽目になる。

■ マネーゲームしろ

 もう「優秀な制作チーム」って概念の比重が低下した。クリエイターっていう存在も絶対ではなくなった。カネを生むシリーズタイトルを抱えた会社を買って、規模を大きくしないと売上がもたない。充分マネーゲームの世の中だ、というけど、調達の側からするとまだまだ全然足りない。年に二本か三本の大型タイトルが出ている状態でないと、世界市場でも国内市場でも存在感を示せなくなっているんだよ。知名度が低いから売れない。いい人も来ない。利益も出ない。縮小均衡でござるよ。

 世界的な競争にはとっくに日本勢は負けているのだから、世界に打って出られるAAAタイトルの制作を目指すTier1と、国内のオタ・腐女子向けに小予算で迎合しっぱなしのTier2に分けて頑張っていくほかない。どっちも頑張ろうなんて無理よ無理。黙って使えない30代をリストラするべき。っていうか、数年後のラインアップ数だけ目処を立てておいて、必要な人数だけ残していく形になるんじゃないの。

 こりゃまた随分と派手に下がっておりますね。

内閣支持率、不支持が逆転~NNN世論調査
http://www.ytv.co.jp/press/mainnews/196174.html

 消費税増税話と、TPP議論まではまあ分かるんですが、防衛相のシビリアン一川さんや、消費者相のマルチ山岡さんという芸人二人の問責決議がうっかり通っちゃったりして、政権にダメージが行き渡っておるようです。

一川・山岡両大臣 問責決議可決
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111209/t10014524291000.html

 しかも、両者とも辞めないらしい。微妙なところですねえ、どちらも職務を全うできるだけの能力が備わっていないというところで問題視されているわけですから。力はあるけど発言がなあ、という感じじゃないですし。

 自分自身がリーダーとしてイマイチであることを自戒しながら、本を書いてみました。



 元ネタは、勝海舟のこの発言。

「アメリカは日本と逆様でございます。偉い人に賢うございます」

 どうして、賢い人、決断力に優れた人が、日本では組織のトップに来ることが少ないのか。また、リーダーシップに優れた人が組織を作り上げ成功に導いても、たいていそれはその人が権勢を奮っている間だけで、途中で失脚したり、代替わりをするとたちまち勢いが失われてしまうことを憂えておりました。
 いわゆる「あなたもリーダーになりませんか」本ではなく、自己啓発からは程遠いところにありますので、ノウハウ集を期待して読まれると大変物悲しい状態になることは請け合いなのですが、リーダーシップとは目的を明確にし、集団を率いてそこにいたる困難を乗り越え、成果を出し、目的を達成する一連の技法であります。

 どちらかというと、そういうリーダーを間近で見ながら仕事をしたり、彼らのために調達をする、あるいは制作の支援をする、問題が起きたときにシュートするという専門性を私自身が磨いてきたということもあり、裏切りにあったり、裏切ったりw、悪者役を押し付けられたり、意に沿わない不満分子を斬ったりというそういうものを思い返しながら執筆しました。

 人を使うとはどういうことか、目的を設定するために必要なことは何かというベーシックなところからスタートしておりますので、読まれる方にとってはそんなの分かっているよというのも多かろうかと思います。苦境の原因を探り、それを解決していく過程で、無理なく人の力を借りながら、適切な成果を挙げ続けていく。業界や界隈の流れ自体を作る能力はないが、流れを見極め、波に飲まれず沈まないように適宜方針を変更しながら着実に生き残っていく。そういう後ろ向きだけど精神論ではない最低限以上のリーダーシップを発揮できる日本人が増えてくれることを期待しています。

 突発的なデスマーチの発生につき、諸事、連絡が滞っておりますが、性能や品質に問題はなく、ただちに健康に影響するものではありません。正常運転への回復は12月13日午前ごろを予定しております。

 よろしくお願い申し上げます。

 某社がそれなりの規模の制作の相見積もりを取ってきたんだが、普通に見積もったら負けた。どうも競合した相手は相当な安値で見積もりを入れたらしい。担当さんがすいませんねえと言うけど、それはビジネスなんだから仕方がない。ふーんと思って忘れたまま数ヶ月経ったら、もう一度見積もりが欲しいと某社が言う。炎上したようだ。

 その炎上した会社のシャチョー、なぜかベンチャーイベントで登壇して喋ってるそうで。確かにネットワーキングは大事だし、ベンチャー界隈でのブランドイメージを作りたいのは分かるんだけど、さすがに仕事が杜撰過ぎないか。お前らのせいで、こっちはプロジェクト組み直し作業をやってるんですけど。まあ、受注作業は楽しいんですけどね。

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