月別アーカイブ / 2011年10月

 何してくれちゃってるの?

サムスン電子が日本と豪でiPhone4S販売差し止めを申し立てへ
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920013&sid=aVJVt5KljyEo

 これってiPhoneを主体的に買いたいという人たちを完全に敵に回す行為だし、アップル対サムソンでは持ってる知財の重要度では結構な開きがあって、明らかに劣勢が明らかになり、アップルに「サムソンを徹底的に叩き潰すための口実」どころか、とっても有利な「他のすべてのスマホに類似点があったら確実に差し止ってしまう」前例を作ることになるんだが。
 それ以上に、万が一販売が差し止まっても首が絞まるのはアップルではなくソフトバンクモバイルなんだよなあ。そんなにサムソンはホークスの日本一を阻止したいの? ソフトバンクの中の人曰く「何ともいたたまれない気持ち」だそうだけど。

 かつて、ソーテックがiMacのデザインを模倣したとして、不正競争防止法で容赦なく訴えられた件なんかを思い出すに、ある意味アップルってこの手のパクリをとても嫌う(当たり前だが)し、対策も徹底していて(当たり前だが)、結果として韓国の会社とはとても相性が悪いんだろうね。

日本の裁判所がiMac模倣パソコンの販売差し止め
http://wired.jp/wv/archives/1999/09/21/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E8%A3%81%E5%88%A4%E6%89%80%E3%81%8Cimac%E6%A8%A1%E5%80%A3%E3%83%91%E3%82%BD%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%81%AE%E8%B2%A9%E5%A3%B2%E5%B7%AE%E3%81%97%E6%AD%A2%E3%82%81/

 日本もアップルの知財での姿勢を見習うべきだと思いますね。
 いや、本当に。

 私事で恐縮ですが、現在泥酔しておりまして、文字が4つに見える状態を頑張って克服しながらTwitterを読んでおりましたところ、烏賀陽弘道さんがパンクのミュージシャンでガチとの呼び声が高い方に真正面から馬鹿呼ばわりしたことで騒動がキックオフしまして酔いが少し飛びました。

 残念なことに、その元発言が消えてしまっておりまして、不覚を取り魚拓を確保することを忘れるという不始末をやらかしてしまいました。後日、どなたかがTogetterなりまとめなりをしていただけるのではという淡い期待を込めて推移を見守っているところなのですが。
 そしたら、烏賀陽さんの豪快なスピンを傍観しつつ融和的に解決へ導こうとした吉田豪さんのところへ何故か烏賀陽さんの矛先がシフトして飛び火。何とも豪快な引っ込みのつかなさとなっております。まさに、Twitter界のもんじゅとでも申しましょうか、相手のリーチに全ツッパリの姿勢を崩さない烏賀陽さんに、ある意味以上での日垣せんせと同じ属性の戦士ぶりを感じずにはいられません。

 この手のガイキチビリティというのは実に重要で、権威に切り込んで闇を暴くには前後の事を考えて穏便に進めるタイプは向いておらず、むしろフルスロットルで闘争心をかきたて、事実関係はどうでもいいので取り急ぎ相手を挑発し不愉快に思われることを連続してたくさんしていくなかで問題突破の糸口を掴んでいくという現場主義というか現場放火主義というかそういうアプローチをおおいにジャーナリズム活動に活かしてこられたのかと思う次第です。

 ということでお休みなさいませ。皆さま、良い週末を。

 渡邊会長は本当に凄いなあと思うんですが、横浜ベイスターズの身売り問題に絡んで、その売却先に浮上しているとされるDeNAにまつわる談話が最高に面白いと感じるわけです。

 もともとは「DeNA? 何それ?」という感じだったんですが。

巨人・渡辺会長、DeNA知らなかった「松下とか一流企業が一番」
http://sankei.jp.msn.com/sports/news/111001/bbl11100112440002-n1.htm
 その後、やはり本格的に横浜サイドより「売却候補先として検討」という話が申し入れられ、渡邊会長も興味を持ったのでしょう。DeNAとは何であるかをお庭番記者などを通じて調査した結果、どうやら「出会い系みたいなもの」という報告が上がったようであります。その結果がこちら。

渡辺会長、由伸絶賛「将来の監督候補じゃねえか」
http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2011/10/13/kiji/K20111013001810250.html

 話のカシラは高橋由伸君のサヨナラホームランですけど、業界的には俄然後半のパラグラフに関心が広がるところであります。

[引用]また、横浜の球団売却問題については「例えば、あるネット企業があって、出会い系サイトをやっているのは問題。教育的効果が悪いのは僕は反対する」と話し、新たに球界参入する企業の条件として「球団保有企業は品の良さを最低限持ってもらわないと」との意向を示した。

 それをいったらヤフー縁結びや楽天オーネットはどうなってしまうのかと思わないわけではありませんが、結婚紹介サービスはセーフで「喰える」モバゲータウンはアウトという明確な線引きが渡邊会長の中にあることがはっきりして、かなり得心がいったわけであります。

DeNA社とTBS、交渉の事実否定せず…横浜身売り問題
http://hochi.yomiuri.co.jp/baseball/npb/news/20111001-OHT1T00064.htm

 もちろん、名指しでDeNAのことを語ったとは書いてないのですが、横浜の身売り先筆頭がDeNAであるというのはつとに知られていることでもありますので、DeNAには時事通信でも買収していただいて汐留を挟んだ両側で睨み合った挙句、通りかかったmixiも巻き込まれて共倒れしていただきたいと願うところです。

 もっとも、このご時勢で一部上場企業でありプロ野球団を運営できるだけの体力のある会社というのはそうそうないのも事実なわけで、プロ野球を含めた興行を軸とするプロスポーツはいろいろと再編の時期なんだろうなあと思います。

 この辺が、産みの苦しみってやつでございますかねえ。

「日本ではエヴァが流行ってたじゃない? あれってやっぱり当時の日本人の鬱屈した社会観や、停滞している人間関係を投影したものなんでしょ?」
「ごめん、エヴァ観てないんだ」
「どうして? コンテンツ投資が君の本業でしょ? 何で観ていないの。観るべきだ。日本人なら皆エヴァに関心があって、影響を受けているものだと思ってた」
「それならイギリス人は皆ビートルズを聴いて育ったとでも言うのか?」
「でも日本のポップカルチャーの中心はビッグヒットのアニメであるべきだよ。日本人の政府関係者がクールビジネス(おそらくクールジャパンのこと)を成長の根幹に据えると言ってる」
「コンテンツ会計でいうと、ここんとこ日本のアニメ輸出はずっと伸び悩んでて、停滞しっぱなしなんだけど」
「どうして。それは日本人がコンテンツを生み出して外に売っていく意欲を失ったからなのか?」
「単純に電通出身のジェネオン社員がこぞってワーナーに移籍したからかもしれんが、海外でこれだけ売りますから投資集めましょうとか言うアニメ業界人は凄く少ないぜ」
「海外に売れるコンテンツを作るための投資はしないの? どうして日本人クリエイターは内に篭って外国へ売りに逝こうとしないの?」
「国内の”萌え”市場がマンネリ化してるけど、皆が作りたい作品はそういう方面のアニメが多くて、たまに海外でも売れそうな企画は出るけどお金はつかないな」
「攻殻機動隊とか凄かったじゃない」
「あの勢いが続いてたら押井せんせはもっといろいろやってるんじゃないかな。観てないから知らんが」
「ガンダムAGEは? 日本でトップクリエイターが手がけるって話なんだろ?」
「それは日本がどうというより、バンダイのビジネスだから私たちにとってはあんまり関係がないな。ガンダムの名前がついてりゃどんなのだってそこそこ売れるだろう」
「アニメはクールビジネスじゃないのかい?」
「役所はそういってるけど、役所に後押ししてもらう程度の会社やコンテンツはそもそも売れないし、売れるコンテンツを作ってるところは自力で売るよ。成長セクターに関わりたいだけだ、役所は」
「でも国内では利益が出ているんだろ?」
「利益を出せる作品に先行投資をしているのはパチンコ業界や広告代理店やテレビ局だよ。DVD、BDも全体のパイは伸びないから、出口戦略はゲーミングマシン(パチンコ・パチスロ)へって仕掛けが多くなった」
「日本のアニメファンはそういうことで満足しているの?」
「アニメファンに聞いてくれよ。私は別にアニメ好きじゃないよ」
「日本人は皆アニメに興味を持つべきだ! ましてや、君のビジネスの領域だろ。君は何を見て育ったんだ。アニメじゃないのか」
「中学時代はD&Dやって高校時代はマイトアンドマジックやって大学時代はボードゲームのディプロマシーやって社会に出てからウルティマオンラインやってた。アニメ関連は数字しか見てない」
「まど☆マギとか観ないの?」
「観てないな」
「マジで?」
「うん」

 クールジャパンって、むしろ日本人を誤解させる要因になっているようにしか思わないんだが。

 ジョブスさんが亡くなったので、彼の名言が取り上げられる機会がとても増えたのであるが、異端を評価し革命の原動力にする姿勢を礼賛する声がとても高い。

 でもさあ、同僚なり部下なり、マジキチが一人でもいてごらんよ。そいつのお守りで、仕事にならんと感じる社員は多いだろ。自分のこだわりで商品企画立ててきたり、協調性のない振る舞いで自分の担当しているプロジェクトが滅茶苦茶になったり、担当の基地外のお陰で出入り業者や傭兵が追加費用なしに右に左に振り回されたりするんだぜ。アップル本社と付き合うっていうのはそういう感じだ。それでも実になるし面白いから許されている部分はあるけど、最大のところはアップルと付き合うと成功する(ように思える)ところなんでしょうけどね。
 それも、成功者のイメージ戦略なんだろうし、またジョブズさんの本音でもあったのは間違いないと思う。でもだなー、残念ながら彼の言うことは一般化できないんだよ。彼のキャラクターでなければ、あのスタイルは貫徹できない。また、彼のポジションでなければ、あるいは、彼が出してきた実績に対する、一定の熱烈な支持者がいなければ、あんな経営は本来できないんだよ。

 似たようなスタイルを追求しようとすればできたかもしれないのがソニー。っていうか、出井さん。結論で言えば、結果が出なくて無理だった。成功に導けるだけのプロダクトとそれを支える人垣に恵まれなかった。でも、アップルはそれができた。復活した。確かに偉いんだが、あれを繰り返すチャレンジャーってのは出てこないだろうし、もしそういうチャレンジャーがいたとしても、ジョブズさんを目指してとか、そういう気持ちを微塵も持たない、もっとも不遜で不逞なタイプの人間じゃないとならない。

 偉大な預言者ってのは貴重だからどんな振る舞いでも容認する人々が出てくるが、取替えの聞く普通の人たちがちょっとした感動の延長線上でその預言者の言葉を持ち上げて何の意味があるというのか。おそらくほとんどの人の人生にアップルの製品の意味をもっても、ジョブズさんの言葉そのものが為す価値は乏しい。

 好きだったから喪に服すのは全く構わないが、何日も経ってまだジョブズジョブズ言ってるやつはご遺族か誰かか。いい加減、他人のことは放っておいて、自分自身の目の前にある道をちゃんと歩けと言いたい。

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