月別アーカイブ / 2011年07月

 夏休み中に間に合ったお!

ニンテンドー3DS値下げのご案内
http://www.nintendo.co.jp/ir/pdf/2011/110728_3.pdf

 苦戦が伝えられていた3DS、やはりVITAがローンチする前にここで仕掛けるのかあという勝負プライス。っていうか、アーキテクチャが新しくなったわけでなし、単純に任天堂が赤をかぶって本気で3DSをどうにかしていこうという強い意志の表明ということなのかもしれません。
 それにしても可哀想なのは、いままで買った人ですよねえ。バーチャルコンソールタイトルが10タイトルDLできるとかそういう救済措置があるそうですが。なんか不人気マンションを買ってローン払ってたらデベロッパーが勝手に値下げしやがった的な。

アンバサダー・プログラム
http://www.nintendo.co.jp/info110728/index.html

 というわけで、面白くなってまいりました。はい。

 国内マーケットはこれ以上伸びないだろうから、結構積極的に海外を攻めてって、売り上げに占める海外比重を上げたまでは良かったけど、なんですかこの為替は。

 国内にR&Dや利益率が高くクオリティを求められるラインを置いて、海外にブティック的な子会社や外注を揃えてコスト管理をしようと思ったら、円高が直撃して涙目じゃないですか…。

 ああ、泣き言です。愚痴ですとも。直接的には誰も悪くないし。強いて言えば私の判断ミス。すみませんすみません。

 素晴らしい解説記事があったので、脊髄反射的にピックアップしました。というのも、ゲーム業界がどんどんICT業界のルールに飲み込まれていって、概念のヒエラルキーという意味では完全にICT業界の下に位置するようになったと実感しているからなんだけれど。

Access Accepted第311回:欧米ゲーム業界に変化を及ぼすか。AppleとMicrosoftの最近の動向
http://www.4gamer.net/games/036/G003691/20110725048/

 記事中は「欧米ゲーム業界」と限定しているけれども、いま私らの目の前に広がってる業界の結構な問題はこの内容からの援用で説明できてしまう。UnityやUE3などエンジン類の攻勢、携帯ゲーム機の汎用化とか、ゲーム業界の雄であり続けた任天堂がしばらくパッとしないプロダクトを連発して業界から残念がられていること、PSN問題を含めてDLCが主要な売り上げの一角どころかDLCだけで成立するようなプロダクトを求められ始めていること、パブリッシャーとデベロッパーの分離やらコンテンツファンドやら、さまざまな問題が、この定義のはっきりしない化け物のような「エコシステム」という言葉に内包されているように思うんですね。
 通常は、ゲーム業界の慣行として、新ハードにはローンチタイトルがあり、そこでひとつのまとまった商機があって、それへ向けて大手のパブリッシャーがしのぎを削る的な、恒例行事がありました。良くも悪くも、それがゲーム業界の儀式というか、ゴールデンルールだったので、みなそれに合わせてR&D計画を組み、ラインを作って決算対策に応じて発表するタイトルを調整したり、外部からのコンテンツ引き受けやパブリッシュ業務を組み立てていた側面はありました。だからこそ、タイトルが出ないまんま5年とか引っ張ってもファーストパーティーだからいいや的な作り方も容認され続けてきたし、そのゴールデンルールから外れたスタジオは一発二発のタイトルは大手ゲームパブリッシャーに引き受けてもらった後で売り上げの如何に関わらず解散を余儀なくされたりしていたわけですね。

 でも、現状ではあらゆるものがエコシステムでありシームレスなサービス環境で提供され、デベロッパーがひとつのハードやプラットフォームに拘泥する必要がなくなっていくと、結果的にひとつのタイトルで複数ハードやプラットフォームにS-INするのが当たり前になってくる。特定のハードと一蓮托生、という業界慣例がICT的な流儀の中で魔力を失えば、必然的に呪いも解けて蛇口のひねり方や水の出方も換わってくるんですね。

 逆に、ハード選択に拘泥されないと今度は命綱がなくなることも意味するので、プラットフォームの独占を受け入れて囲い込みに乗ろうとするスタジオと、オールラウンドにコンテンツを提供するための技法に磨きをかけてパブリッシャーをまたにかけて展開するスタジオとに分かれていくだろうし、ヒットが出てある程度売れたり有利な増資したりして資金的に余裕のあるところは、顧客とのコンタクトポイント以外の部分を自社で勝手に垂直統合してもおかしくない。そういう戦略を取れる規模と品質を持っているところは少数だろうとは思いますけれども。

 日本では、大手メーカーによる囲い込みという図式はずっと前から成立していた部分もあるんですが、ある意味でゲーム業界各社が規模的に小粒すぎて逆にICT業界各社から見下ろされちゃってるわけなんですよね。ただし、コンテンツとしての完成度や顧客の満足度という観点では、ICT業界出身のアプリ屋らが作ったソーシャルゲームよりもはるかにゲーム屋出身のほうがうまくいっている(製作コストは高いけど)という点から考えても、今後の事業領域の考え方というのは慎重にやったほうがいいように思います。

 もちろん技術的に言うべきことはいろいろあるけれど、その辺はまたいずれ。

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 どうも死傷者多数とのことで、大変なことになってまいりました。

中国で高速鉄道が脱線、2両が川へ転落
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20110723-OYT1T00802.htm
China: Express train derails in Zhejiang province
http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-pacific-14262276



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 現段階では死傷者不明とのことですが、中国のネットでは「落雷で停止してた先行列車に後続列車が衝突」という噂が出回っており、そうでなくとも衝突は事実のようなので列車運行のノウハウの問題としては結構初歩的なところで起きたトラブルということのようです。

 Twitter上で、有識者による勝手に事故調査委員会が開催されていて面白いんですが、私は専門外なのでなんとも。

 「忙しい」「忙しい」というので、会って話すべくお互い無理にでも予定を調整して顔を合わせてみると、こちらからの報告をまるで読んでおらず、短い面談時間の大半がすでに報告したはずの内容の状況説明に費やされる、という惨事が増えております。

 明らかにハンドリングできてない感じですねえ。いや、自分のところがハンドリングしきれてんのか? と言われるとまた微妙なところなんですが、200字もないようなメールぐらい流し読みでいいから把握しておいてよと思います。まあうちは損してないからいいけど。
 最近になって、中国系の資本が入っているIPO銘柄に対する監視が世界的に厳しくなっているというのもあって、ダミーのビークルを作ってうんたらという話を提案してくるケースが増えたんですけど、こっちだってそんな話を聞いたらコンプライアンスの関係上当局に通達するのは当然ですから。

 あとになって、聞いてなかったとか言われても、メールでも報告してるわけだしなあ。

 まあ、チャイナパージってほどでもないけど、不利になってきているのは確かですよ。だから裏口上場のような相談が増えるし、よろしくない手口を平気で提案してくる輩が増える。木村剛の残党の皆さんも頑張っておられるようですし、親分がああなったらノーゲームでいいとは思うけど、せめて合法性の担保だけはしっかり確保してからレッドマネーを持ってきてほしいものです。

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