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 読者の中には「大沼って誰だよ」とか「大沼ばっかで何なんだ」とか「大沼の何が楽しいんだ」と思われる方もいらっしゃるかもしれない。だが、西武時代も充分面白かったが、横浜に来た大沼はいまが一番輝いていると思う。ペナントレースも楽しいが、もう大沼チェッキングが止まらない。大沼の良さ、楽しさを分かって欲しいとは思わないが、大沼について皆もっと知って欲しい。

 何が凄いって、前回(といっても一昨日だが)大沼について取り上げた。彼は一軍で打たれた。そして二軍に落ちていった。というか、帰っていった、イースタンに。しばらく大沼を一軍の試合で観ることはできない。少なくとも10日間は大沼を見ることもなかろう、そう思った。しかしである。


● 大沼、二軍戦に登板して大炎上

 そう、大沼は二軍に落ちても大沼だったのである。6失点、大炎上。これがまた見事な、ほぼ完璧な炎上であり、完全な壊滅であり、大沼の大沼たる所以であった。存在感の証明だ。

2011年4月27日 北海道日本ハム - 横浜 ( 横須賀 )
http://bis.npb.or.jp/2011/games/fs2011042700360.html

 横須賀に試合を観にいった方が、親切にも個人的な映像を少しくれたのでしばらく見物したが、凄い顛末だった。二軍とはいえ、6回まで0対0と緊迫した試合展開である。6回から登板した大沼、1イニング目は2奪三振と二軍の帝王的な完璧なピッチングを見せ付けた後の2イニング目の7回。まず、日本ハムの四番に座った故障明けの高橋信二が微妙なレフト前ヒット。山崎もあれぐらいは取ってやれよと思わないでもなかったが、まあそれはいい。

 送りバントがあって高橋信二が二進したと思ったら、続くバッターに豪快な死球。「送りやがったな、死ね」ぐらいの勢いだ。ちなみに死球を喰らった市川は当たり所が悪かったのかこの回から守備を交代している。続く大平に三塁線を美しく破る見事なツーベースを喰らって、均衡が破れる。0-1。まだ試合はこれからだ。

 だがこれで終わる大沼ではない。前の打席まで2三振といいところのなかった渡部に貫禄の四球。一死満塁のピンチである。続く谷口が前進守備の遊撃手まん前の力ないゴロで二死となったあと、西川に豪快に左中間を破られて満塁の走者が全員帰り3失点。続く杉谷にもタイムリーを浴びてこの回一挙5失点で0-5。いままでの投手戦は何だったのか。

 その後も大沼は罰ゲーム登板と思われる続投を強いられ、さらに1失点して横浜は日本ハムに完全敗北。まさに、大沼によって試合が動き、大沼によって終わった試合であった。

 大沼の凄さは、二軍での帝王ぶり、無双のような圧倒的な投球を誇り、一軍に上がってみると豪快な炎上、前の投手が出したランナーは全員帰す、誰にでも、どこからでも出る四球および死球、敗戦処理での神ピッチング、たまに先発が欠けたときに谷間で先発するときの壮絶な博打感… 西武ファンは大沼含めたふがいないブルペンを「俺達」と呼ぶが、実際の大沼の姿は少し違う。

 いまは亡き名門プリンスホテルから西武へドラフト1位で入団したプリンスのような剛速球本格派右腕、その輝ける経歴と脇谷ごときにストレートのフォアボールを出す不安定感のコントラストは、確かに大沼の強烈な個性と玄人筋が注目する儚い美の様式なのかもしれない。だが実際には、31歳を迎えてなお感じさせる凄まじいブルペンでの投球の威圧感とマウンドに上がったあとのしょんぼりした変化球、それもクソボール、まれに捕手が横っ飛びしても取れない大暴投の荒れ狂う姿とは裏腹に、何かひとつのきっかけで、大沼がすんごい化け方をするんじゃなかろうか、という万馬券狙いの野球ファンの心を掴んで離さない。

 現代野球では、31歳はまだ中堅だ。変化球ひとつ覚えたり磨かれたり、フォームが少し変わっただけで突然覚醒する投手はたくさんいる。誰がクローザーとしてシコースキーがあれだけの活躍をしたと予見できようか。あるいは、短い期間だったけど小山がメンタル改善しただけでしばらく好調であって、いまなお元気に投げている。さらには飛ぶピッチャーとして著名だったロッテの吉見、これらのピッチャーはすべてにおいて直球は誰にも負けない威力があったがコントロールがゴミすぎてキャッチャーが諦めてストライクゾーンの真ん中に構えるけど着弾はデッドボールだったりするわけである。

 一場であれ那須野であれ多田野であれ凄いと思われたのにゴミな結果しか出せない投手はたくさんいる。素材は誰もが認めるから上位に指名されてプロ野球に入ってきたはずだ。いつか、きっとプロの世界で開花するに違いない、皆がそう思ったのに芽が出ないプレイヤーこそ、出す四球のひとつひとつに一喜一憂し、連続三振を奪っても次の打者から連打を喰らって光の速さで失点するかもしれない、炎上してもああやっぱりやりやがったかと、そう思う観戦者魂が大事なのだ。

 ある意味で、血統がいいのに気性が荒くて逃げ馬になってしまう条件戦馬に似ている。ああ今日も逃げやがったか、向こう正面で並ばれたら沈むんだろうなあと思うとやっぱり沈む。だけどたまに連下に入って馬券が吹いたりする。

 だから、今夜も大沼を見ている。早く二軍で好投して、一軍でその雄姿を見せて欲しいと本当に祈っています。

● 横浜ベイスターズが最下位に転落した件について

 ペナントレースというか、横浜の行方を気にしていたら、まるでナビタイムの宣伝に出てるヒゲ親父に全然違うところへナビゲートされてしまったかのような序盤数試合の快進撃はどこへやら、単独首位からあっという間に最下位まで転落していきました。今日もなぜか武山が盗塁を刺したり小杉もまあまあ粘っていたんですが、ずるずると失点を重ねて終わってみれば6安打完封負けという始末で。

 村田が安打で無死一塁→ハーパーが安打も村田が三塁に走っていってミンチに→一死一塁から金城がサードライナーを放ってハーパーが戻れずダブルプレーで攻撃終わりとか、ギャグでやってるのかと思うわけですが。

 何がいけないんでしょうかねえ。まあ、防御率が悪いからいかんのだというのは仕方ないところですけど。戦力が足りない、といいつつ、結構頑張って補強しているようにも見えますし、あんまり焦ってもしょうがないとも感じます。

 横浜はどうするべきか。ヒントを求めてベースボールラボを見物に逝ったら、投手のところの画像データがとんどるがな!!

2011年横浜ベイスターズ主力選手成績予測
http://www.baseball-lab.jp/column_detail/&blog_id=9&id=85

● 小川ヤクルトが勝っている件

 なんでしょう、小川ヤクルト。古田さん時代からヤクルツを観てきましたが、勝ってはいるんですけど強すぎるって感じじゃないんですよね。

 例えば3番飯原。何ですか、あの弱弱しいスイングは。二軍でもそれほど打てていないのは仕方がないとして、もう少しコースを絞るとか、待球作戦に切り替えるとか、工夫の仕様はあると思うんですけれども。

 あと3番福地。まだ打率0とか。でも盗塁王です、ってギャグなんでしょうかね。さらに3番濱中。彼がスタメンしていた開幕三連戦は三連敗して、もう見なくて済むのかなと思ったらまだ一軍にいるとか層が薄すぎます。宮出の出番かと思ったら二軍でもガイエルさんと一緒にイマイチな感じなので、戦力には程遠いといったところで。

 日替わり3番と5番相川固定が不思議なほどクリンアップを弱そうに見せていて、しかも挟まっているのは畠山というのがまた、こう。畠山が覚醒したのは喜ばしいことですけど、打線は「うわ強ぇ!」って感じじゃないなあと。

 その代わり、先発がやたら豪華で覚醒しまくってて、高木様すら出番なしというのは如何なものかと思うわけですが。

 っていうか、巨人に連勝しちまったよ。スワローズ、勝てるチームになったなあ。ありがとう小川さん。

 そろそろ寝ようかと思っていたんですけど、愛する家内が私に「こんなの来てたわよ」というのでうっかり観たら… これはかなり本格的なアレでした。有名なんでしょうかね。や、驚きました。馬鹿すぎて。

Valiant_110426

 もうチラシからしてガセネタなんですが、なんでも「『放射能』は体内に 累積する性質 があるため、早めの対処が必要です!」とか鬼のように煽るんです。もうね、どこの馬鹿なんだと。こいつらは何なんだと。そう思ったわけですよ。で、もちろんサイトを見物に逝きました。そしたらガチで絶望的な最高学府が、まだ見ぬめくるめくマジキチの世界がそこには拡がっていたんですよね。知りませんでした。


【閲覧注意】Valiant Univ.
http://www.valiantuniv.jp/

 いやー、やべぇっす。何がヤバいって、「ホモサピエンスを超越したパワフルなリーダーたちを育成する―。」とか書いてあるんすよ。人として生まれたからにはホモサピエンスを超越なんてできないって。っていうか、ホモサピエンスを超越って時点で、もうすでにイマジネーションを超えてます。どういう状態を指すのだろう。

 学舎紹介とかいって、なんか室内のピンナップだし。VIP用個室とかいってビジネスホテル級だし。よく観ると「ヴァリアントユニバーシティーの経営学部では、L.ロン ハバード氏の研究した経営学を基本としております。 」とか書いてある。これってサイエントロジーだよね。なんつーか、アレな感じの。詳しくは知らないんですが。いや、詳しく知りたくないんですが。

 人外な世界を心逝くまで楽しみたい方は、右カラムの各学部を閲覧していただければぐっと来るものを感じていただけると思います。私のお勧めは「医学学科」のリンクです。問答無用な感じがいい。っていうか、何かかわいいです。大丈夫なのか、医学学科。

 で、堂々と出てる女性の名前でぐぐってみると、まあいろいろ出てきてこれがまた眩暈がします。人によっては「不安につけこんで煽りやがって」と思うかもしれませんが、でも考えようによっては「世の中一定の割合でガイキチがいるので、変に社会に散らばっているよりはゴミ箱の中に納まっているほうがいい」とも言えます。もちろん、科学万能の科学信仰こそ唾棄すべきという意見もまあないわけではないので、別にそれをどうこう議論するつもりもありませんが。

 ただ何というか、気持ち悪いですね。お陰で寝られなかったです。私の睡眠時間30分ぐらいを返してください。

 残念なことに、大沼幸二投手が二軍に落ちてしまいました。起用法を見るに、どうやら相対的に信頼されすぎてしまっており、勝ち試合や僅差での登板が続いて日々炎上してしまったことが理由ではないかと思うのですが、ここまでの大沼選手の登板を振り返ってみましょう。

4月12日 開幕戦。大沼がなんと4-4の同点の7回表に登板。いきなり谷繁に貫禄の四球。送りバントされて荒木にも四球。井端にこすったようなフライを打ち上げさせるも、ここで森野を迎えて左腕佐藤にスイッチ。何のために出てきたのか。2/3、失点0。




4月15日 ヤクルト戦に登板。番長三浦が微妙な投球をして5回で降板後、6-3でリードしている7回に三番手として大沼が登板。宮本をピッチャーゴロにねじ伏せ、川端を速球でキャッチャーへのファールフライに仕留めて無難に終わるかと思いきや何故かユウイチに被弾。さらに青木にもヒットを浴びて、ここで急遽加賀に交代。恐らくこの次の回での登板を予定していたはずのこの加賀が大沼の誘爆をもろに喰らって大炎上、チームはいったん逆転されてしまい、番長三浦の勝ち星消失。大沼、2/3、失点2。

4月16日 大沼連投。2-4の僅差負け局面で、7回裏、佐藤が青木に四球を出したところでマシンガン継投で大沼に。いきなり田中浩康に犠打を決められる。代打ユウイチは昨日のリベンジで抑えたものの、ホワイトセルを敬遠。続く相川に勝負もきっちりと二塁打を打たれてしまい、佐藤の出したランナーをしっかり帰し、ついでにホワイトセルの代走福地も帰ってきて2点を失い、役割を果たす。1イニング、失点1。

4月19日 広島戦。3-5の僅差負け局面の8回に登板、栗原一人を討ち取ってお役御免。なお、このイニングは大沼佐藤加賀が1/3づつ投げるという負け試合なのにマシンガン継投を披露し、尾花監督の左右病悪化が懸念される。もちろん試合はそのまま敗戦。1/3投げて無失点。

4月21日 先発清水がKOされた広島戦。5-8の負け局面の8回に登板、代打で出てきた嶋にいきなり四球。続く梵にもやっぱり四球。東出がピッチャー前に転がしたバントを大沼がファーストへ堂々たる暴投。何もしないうちから無死満塁の大ピンチ到来で、そして難なく廣瀬に犠牲フライ、続くトレーシーに二塁打を浴びて順調に3失点、出したランナー全員帰ってきてゲームを完全破壊することに成功。1イニング、失点3。

 防御率は貫禄の12.273、出した5四球は、今現在もちろんチームトップ。たった3回2/3しか投げてないんですが…。大沼すぎます。一刻も早く一軍に戻ってきて欲しいところですね。

● ホフパワー

 日本ハムの新外国人、ホフパワー。まだちょっとしか観てないんですが、左投手のボールゾーンからボールゾーンへ逃げていくクソボールを追いかけていって空振りしてたり、緩いど真ん中の変化球を悠然と見送ってストライクコールした球審に文句を言うなど、知力低めの微妙外人の雰囲気が醸し出されており好感が持てます。

 一塁守備はまあまあなようですが、たまにチラ映りしたときマウスピースを出したり入れたりしてるんですが、汚いのでやめてください。

● 魔将ガイエル

 ついに二軍戦に出陣!! 3番魔将ガイエル、4番置物宮出、5番不振飯原と結構ゴージャスなクリンアップ。そんな中ガイエルさん、一打席目は何か詰まってサードファールフライを元気に打ち上げており、安心してたら二打席目は会心のタイムリー二塁打、三打席目は豪快にソロホームラン! いきなりフルスロットルでかっこいいです。守備でもいい肩を見せて本塁に帰さない好守備を見せておられ、早いところ神宮でその勇姿を観たいところであります。

http://www.yakult-swallows.co.jp/game/farm/201104/20110424/

 なお、我らが自粛打線、通称・働け山こと畠山さんが岩手出身被災地パワーを見せて大活躍しておられ、今日もホームランに3四球とチームを勝ちに導いておられます。一方で、相変わらず5番が相川だったり3番レフトが日替わりゲストだったり、もう少しどうにかならんのかと思うところであります。宮本が気持ち悪いぐらいに好調ですが。

● トレーシー

 ホフパワー同様、かなり微妙な感じのトレーシー、守備はクソだわ打撃は粗いわ全般的に丁寧さのかけらも感じないんですが、ランス級の長打力でもあれば化けるのかしらと。昔、ロッテにいたワトソンみたいな雰囲気なんdすよね。野村監督もよく我慢して使ってるなあ。それでも、広島は若い先発陣がしっかりローテを回しそうで、昨日まで単独首位だったのも分かる気がします。

● 金本

 金本が想像以上に終わってる感じがするんですけど… 本当の意味で「お疲れ様でした」と言いたい状況です。状態が上がってくれば、もっとやってくれるんでしょうか。3戦ノーヒットで、ついに打率も.103とか。置物にするにしても成仏のさせ方考えないとなあ、といったところですけど、城島も一緒にクソなだけに、調整が大変なのかなとも思います。こんな左右の良く効くブレーキは久しぶりに見ました。

● バーネット

 まさかバーネットに中継ぎ適性があるとは思わなかったんですが、いまのところブルペンではなかなかいい働きをしているバーネット、いまは押本がもうひとつなだけに凄く助かっておりますね。まだ5イニングだけど6三振は立派です。増渕が先発に回ってそこそこ以上の安定感を出しているだけに、しばらくヤクルトのブルペンはバーネットのお世話になりそうです。

 今日始めてみたんですが、久古がなんかよさげですね。勝っちゃいましたし。スワローズの弱点であり続けたブルペン左腕が充実するとなおいいんですけれども。

● 高市

 今日は高市の引退試合だったんですかね? 二軍戦でももう少し活躍しているピッチャーいるので、何故高市だったのか不思議でしょうがなかったです。贔屓とも思えないしなあ。松井光介も、出てきていきなり廣瀬の頭にデッドボールとか… 広島には毎度引退試合でお世話になっているし、やはりセリーグのBクラス仲間としては隅に置けない情感ある球団なので、仲良くしていきたいです。

 最近あんまりしっかりと見てないのでアレだが。

ホットココアのアキレス腱が切れる音
http://anond.hatelabo.jp/20110310005802

 これを見て、ホットココア側が発信者情報開示の請求を出すということらしく。

ホットココアから発信者情報開示請求が来た!
http://togetter.com/li/126939

 もう、何が何やら分からんな。
 で、こちらは謝罪関連。

炎上ツイート・ダダ漏れ事件に関するホットココア代表永上裕之氏(@egachan)の釈明
http://togetter.com/li/126700

 大元のksoranoはこのようなお話に。

http://twitter.com/ksorano/status/54508628564127744
[引用]@francesco3 お互いが代理人をたてての協議になったので、それぞれの意見交換は代理人を通してとさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 初めから、そういう発言をしていればこういう感じにはなりにくかったのかなあという妄想はあるんですけれども。そして、東浩紀せんせの方面まで軽く延焼。

http://twitter.com/hazuma/status/57597272791334912
[引用]そらのーと問題のひとは今度はぼくのustで @tsuda に絡もうとしているようだけど、それは彼には飛ばっちりというもの。批判するならぼくに直接どうぞ。ぼくが発言したのは「慰謝料噂で聞こえてきたけど、あれは高いと思った。でもあの問題に関心はない」ということだけです。

 関心はないのに絡まれる東せんせは流石です。

http://twitter.com/#!/francesco3/status/57617117335396352
[引用]ソラノート周りの下衆な人々に絡む気ないんで。アーカイブあるなら保存したいだけです↓

 まあ、あれだ、みんな落ち着け。

 最近、海外メディアの日本関連記事で「そう見られているのかw」と思うような内容がとても多い。確かに、日本社会や日本人は特殊なのかも知れん。海外の連中に言わせると「うちの国なら、とっくに暴動が起きてる」ということのようなのだが。

Silenced by gaman
The world has admired Japan’s stoic spirit. But there is a worrying side to it
http://www.economist.com/node/18587325?story_id=18587325

 暴動が起きない理由は、日本人の特殊性に加えて、若い人が少ないからというのもあるかなあと思いつつ。
 twitterでも指摘されたけれども、福島の原発問題と、沖縄の在日米軍基地問題というのは、ある種の過疎問題というか、僻地や前線を機能的に選んだ結果、なし崩しに決まってしまったものがもう動かせなくなっている、という表面張力のような緊張感を持っているのかなあと思う。都市部より遠いところに原発があって欲しいし、首都より遠いところに前線があって欲しい。だから、最終的に国民の総意ではなくとも何となく合理的に考えた結果、青森には核のゴミ箱ができたり、沖縄には米軍基地が居座ったりする。

 これをうっかりどかそうとすると大変なことになる。ある種の慣性が働いているといっていい。軌道修正が出来ない。これ、施設とか目に見えるものばかりではなくて、憲法9条にしても、護憲だ改憲だと騒いでわあわあ言って、いまだに一文字も変わらない現状があったりする。どうなんだろう。

 大企業の昇進システムやら企業風土やらも同じ、プロ野球の体質も地方自治の現状も、どうも「なんとなく」の空気感で、同調圧力があり、それに背くとKYと呼ばれ、うっかり出過ぎると叩かれる。真面目に議論をしないので、制度を変えないための先例主義みたいなのが跋扈してしまう。

 いや、先例がいけないって言ってるわけじゃないよ。でも、その先例が不合理だったら修正をかけましょう、というのが進歩だと思うので、そこに何らか議論が挟まって然るべきだと考えるのだ。だけど、東電にせよ他のあらゆる行政改革にせよ結構似たメカニズムで改革の機運が萎え、合理化の芽が摘まれてきた事実はみんな良く知ってる。

 しかも、これって既得権益とかそういう文脈だけの話じゃない。片田舎の役所でも都会の企業組織でも役職に権限がついて稟議がある限り必ずついて回る問題だ。意志決定における、非合理性の問題、それが日本が伝統的に抱える病理なのかも知れん。

 それが外人からすると我慢に見えるのだろう。我慢なんかしてないんだけどね。何か余計なことをすると叩かれるだろうから、なるだけ目立たないようにしている人が多いというだけで。マナーもそうだが、何か目立つことをして顔バレして親に泣かれたり村八分になって生活が出来なくなるリスクを考えると”普段どおり”行動したほうがいいと考えるだけであって。

 まあ、それを外人は気にしないからデモや暴動が起きるんだろうけどね。

 「お前はブログなど更新している場合か」と突っ込みをいただきそうな状況なので、ひとまずはこの辺で。

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