月別アーカイブ / 2010年12月

 事実関係の追加確認のレベルではあるけれども、つなげてみると確かに問題ありげな一連の取引について、新たに共産党が赤旗で書いております。

小沢元代表に新たな資金疑惑
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-12-20/2010122003_01_1.html

 タイミングを狙っていたのか、たまたまいま報じたのかは分かりませんが、まあ共産党ですし、背後関係や意図はどうでもいいですね。
 とりあえず、改革フォーラム21の話が蒸し返されていて心地いいわけですが、ついでに09年の収支報告書でも不記載が指摘されていまして、政治資金が綺麗か汚いかというより、単にズボラなんじゃないかとも感じます。入れも出しも小沢さんとこの資金なんで、右から左に帳簿を付ければそれでいいはずなんですけど、誤記や勘定違いならともかく未記載にするというのはもはや伝統芸能なんではないでしょうか。

 まあ、これをもって小沢さんがまた逮捕だ聴取だ証人喚問だという話に直結するもんじゃないと思います(思いたい)が、とにかく最近の風潮として「小沢が悪い」「小沢が黒い」という軸足でのお話が凄く多くなっているので、その意味では小沢さんには国会に出てきちんと喋って欲しいですし、政党政治として雲隠れしながら実権を振るおうとするスタイルは考え直したほうがいいようには感じます。

 まさかの待ち時間がまとまってできたので、研究所の朝会カンファレンスで講演したことのダイジェストなど。

 途中かなりはしょるけど、気にしないでね。
● 日本における北朝鮮問題と、世界における北朝鮮問題

 見えるベクトルが違う。日本の北朝鮮研究は個別的だが、情勢管理という点では非常に良質で優秀。世界に誇っていいレベルの地域研究の質の高さだと思う。実際、北朝鮮専門家が述べる情勢分析を英訳してるだけで地域問題について語れるので、それ専用の人がいるぐらい。

 逆に、地政学やアジアの中のバランスオブパワーという側面で見た場合は、世界的にも北朝鮮問題に対する枠組み(フレームワーク)作りは失敗している。というか、北朝鮮という国家自体がイスラム以上に欧米圏から見て理解不能であるので、北朝鮮が瀬戸際外交するたびにアジア担当が飛び技を見てびっくりする、慣れたころには政権が代わる、の繰り返しで、北朝鮮の伝統芸能になってる。

● ハードランディングとソフトランディングの問題

 いわゆる北朝鮮解体論は日本でも良く出る。それは、東ドイツ吸収よりもはるかに影響力の大きいジレンマを生むことは皆分かっているのだが、北朝鮮がキチガイすぎて、不安定要素を許容できない、従って読みやすい後継体制を関係国協議の元で作るべきという理想論が先にたつ。

 問題は、経済問題と難民問題であって、その延長線上に金体制の後継をどこのイニシアチブで作るかというテーマが残る。経済問題は、北朝鮮国民がそこに残ってくれるかどうかで判断が大幅に分かれる。一応、北朝鮮には希少金属を含めて資源が眠っているという前提に立つならば、15年ぐらいの復興プランを実現に漕ぎ着けられる方法論は考えうるかもしれない。後継体制が15年持つ可能性を高いとすれば、だが。

 そのためには、難民問題を考えなければならない。金体制が早期に瓦解した場合、その後継を民主勢力が確保する場合は、国民の政治的な難民化を志向した場合にこれを押しとどめることはできない。当然、中国、韓国、日本、台湾といった周辺国に身寄りを頼ったりボートを漕ぐなりして辿り着くことになるが、その地域で生活していくための経済力を自前で持つことはできない。教育もなく、その地域で暮らしていく文脈を持たないためだ。

 だから、本人たちの意向とは関係なく仕事にありつくことが困難で、結果的に地下に潜って不安定化する。そのコストを考えると、周辺国は何としても難民の発生を避ける方法でしか北朝鮮を考えることはできない。

 ハードランディングとは、金体制の消極的な機能(唯一のメリットといっていい)を根底から消失させるものであって、誰も金体制北朝鮮を打倒しようとは考えていない。ナイイニシアチブ以降、北朝鮮の軍事攻撃に一貫して米政権が無関心だったのは、この合理的な理由と、北朝鮮がキチガイすぎてなんだかよく分からないという事情による。

● 親亀子亀論

 よりアジアの枠組みで言うならば、「族弟」として北朝鮮は中国の庇護下にあり続け、台湾と同様に実質的な中国圏の影響下にある。中国もまた、北朝鮮の生殺与奪を握っている情況ではあるが本格的に北朝鮮の改革に手を貸すことも崩壊に資することも考えていない。

 一般的には、上記の難民問題で難民の逃げ込む先の第二は中国東北部であり北京に近くてとてもだるいことに加えて、国際世論としては北朝鮮崩壊後、韓国ではなく中国が主導権をとることに対して賛同を得られるだけの自信を持てないところに課題がある。事実上、北朝鮮は韓国ではなく中国の影響下にあるのだが、韓国李政権は比較的まともな政権運営をする政府に仕上がっているものの過去の韓国の歴史から見ると長続きしないうえに反動が必ずやってきて、しかも実力の割に声が大きいのでめんどくさい。

 北朝鮮が仮に韓国の主導権の元で再建されるとなると、セットで米軍がやってきかねない。文字通り、キューバ危機同様の展開が、北京・中南海と目と鼻の先の北朝鮮北部で起きる。なので、北朝鮮問題を解決しようと思うと、中国は外交資源を使って韓国を取り込まなければならない。韓国もそれを良く分かっているので、アメリカとの経済的な結びつきを深めていかなければ北朝鮮問題でババをおしつけられてしまう。つまり、難民は引き受けさせられ、体力に見合わない経済支援を強要される割に、北朝鮮の後継政権作りでは韓国に主導権がない、という最悪の状況だ。

 理念的、思念的な部分で言うならば朝鮮半島から中国東北部に住んでいるのは朝鮮族ということになっているのだが、実際のところ50年以上の北朝鮮自体が鉄のカーテンというかすげえカーテンになってしまって、もはや韓国、北朝鮮、中国東北部の3つが同じ民族としての「文脈」を持たなくなってしまっている。国際的には一国二制度をさらに深化させつつ中国に北朝鮮を管理させながら無害化していくしかないだろうという議論になりやすいが、さて韓国はそれで納まるのかどうか。

● ロシアや日本の立ち位置について

 北朝鮮は重要な地域課題だが、ロシアや日本においては北朝鮮に本質的な意味で興味も関心もない。移民も来て欲しくないし、不安定になって欲しくないし、ミサイルとか撃ち込まれたくないし、経済支援もしたくないし、面倒なことにはとにかく巻き込まれたくないと思っている。

 同様に、北朝鮮問題を切実な問題と考えている中国や韓国に相談されたり打診されたり多数派工作されたり支援要請されたりといった一切のマルチラテラル自体がだるい。中国も韓国も支援して感謝してくれるほどナイーブな連中ではない。中国人自体は義理堅いし、信頼関係を築く力はとてもあるが、この問題に関ることを求められる中国人は、決して磐石な基盤を持ち失脚しないような人たちばかりではない。

 日本においては、拉致問題というのは重要なカードで、憲法九条や普天間問題と同じく解決せず現状維持を図る上で格好の口実である。日本国民が拉致られて政府が機能しないというのは本来まったく望ましくない失態なのだが、それを是正しようとすると55年体制以来ずっと日本政治の中枢で影響力を行使してきた旧社会党や共産党、公明党のスキャンダルに直結して、これはこれで面倒くさいことになる。

 生きているんだか死んでいるんだか分からない、北朝鮮も空気を読んで解決を引き延ばす、国民向けのショーとして拉致被害家族は泣き叫んで問題の風化を阻止しようとする、国民は北朝鮮ってなんて悪い国なんだ協力なんてしてやるなという、でも二国間問題なのだから日本に住む北朝鮮人は自分の経済力の範囲内で合法的に送金する、そのぐらいが一番現実的なのである。

● 核開発問題と日本

 核開発問題については、呼び水としてリスクもメリットもあるのでどうともいえない。もちろんリスクは官邸に向かってミサイルでも飛んできたら嫌だなという話であって、ただそれってのは東京に撃ったって北朝鮮に何の見返りもないよということで日朝関係からすると見事なまでにLOSE-LOSEな関係のため、実際はあまり現実的でない。ちょっとした騒音が煩い隣家ぐらいの程度問題である。

 ただ、抑止力の議論となると話は別だ。北朝鮮が事実上、なし崩し的に核保有国になった場合、根底からNPT問題となり、核保有国サークルの敷居は断然下がる。イランもまた同様で、本来的な議論としては核を保有しているかどうかよりも、核兵器を運用可能かどうかという性質に移り、潜水艦や貯蔵も含めた全体運用の問題に転化していく。

 したがって、単純に日本の国益を考えた場合に核保有の議論を進められる素地があるのであれば、北朝鮮問題というのは必ずしもリスクだけではなくて、核保有を抑止力として国民議論に仕立て上げられる可能性を持つ。もちろん、核実験やら国防費やら自衛隊再編やらこなす議論はあるが、15年ぐらいのスパンで考えるならば、見るべき景色も変わってくるだろう。

 相互防衛体制の枠組みもビジョンとして大きく変ってくる。アメリカの議会が日本に核技術を下賜してくれるとはとても思えないからだ。結果として、日米関係も変容せざるを得ないし、とはいえより強固になるだろうが、その上でこれもなし崩し的にインドやロシアとの関係を強化していかなければならなくなるだろう。

 そのころには、確実に金体制は金正日の死去と共に何らかの変容の結果を出しているだろうし、絶好調だった中国の経済も変調してきて、シナリオも分化しているかもしれない。ただ、確実にいえることはタイミングとしては決して悪くないし、日本の立ち位置も必ずしも酷くないということだ。

● 日本の経済問題と北朝鮮

 日本の経済はいつまで持つのか、という話が必ずセットで出てくるが、国債消化の状況から考えるに、日本の民間が日本政府の発行する国債を消化できなくなるまであと6年半、それまでの間に、増税したり国債の海外消化を考えたりしながら稼げる時間は5年程度と思われる。異論は認める。金融収支も貿易収支もまだまだ大丈夫だしねえ。

 北朝鮮だけがアジアの情勢変化のトリガーとはいえないが、ただし日本が「経済力」をカードとして切る手順は間違いなく封殺される。最悪なのは、財政はカラになってるのに、積み上がった外貨準備を狙われてそれを原資に北朝鮮復興資金作りをしようと提案されることだ。実入りのない提案をされたとき、これを全力で否定し、最低でも軽減させられるような口実はたくさん用意しておかなければならない。

 というところで客が現れたので結論はまたいずれ。

 いろいろあって、年末とは関係なく多忙な毎日を送っておりました。どのくらい多忙かというと、戦国IXAも満足にできないくらい。調整ごとが多くてね。
 例によって、財務的な視点での話になるんだけど、クライアントの数字を見ている限りは、いくつかはっきりとしたゲーム業界的な兆候というのはあります。

 順不同で列挙をすると。

・ 国内はガラケー市場の急速なクランチ。各社、スマホ対応を急ぐも、モデルを確立するまでにはまだ時間がかかる。同じくAMも。

・ 国内も海外も、PS3やXboxといった据え置き機向けゲームが市場として磨耗し、収益を期待できないビジネスに。

・ パブリッシャーとデベロッパーとの関係性が変化。リスクマネーを抱えられないパブリッシャーがどんどん続編志向になり、売上を磨り減らしている。

・ 開発費におけるマーケティングコストの増大。ついでにソーシャル化。ゴールデンルールが変わり、テレビCFやファミ通依存では費用対効果が大幅減。

・ 同様に、有力IPの払底。出せば売れるシリーズのIPはより高額に。タイアップだけではリクープまでなかなか辿り着けない。

・ ユーザーのセグメント化がさらに進む。好きな人、食いつく人のクラスターが小さくなり、その分、お金をより多く払ってくれる仕組みとしての二次利用が進化。

・ ゲームはファーストメディアでなくなったが、じゃあウェブならいいのか、というとそうでもない。

・ ゲーム好きのコミュニティにウケるコンテンツが売上を保証してくれなくなった。

・ ソーシャル市場については、IT業界、web業界の流儀からゲーム業界の独壇場に。ベンチャー的な制作集団の売り上げの伸び悩み。

 ごくドメスティックに日本市場だけで言うと、もう開発費30億とか、広告宣伝費含めて70億とかっていう費用は日本人が好むゲームとしてだけリリースするのは困難になってきまして、職人芸的な日本人クリエイターがかなり本格的に海外で評価されなくなってきております。状況的には、テレビ業界のドラマの作り方とゲーム業界が相似形になってきていまして、日本人にウケるドラマはメディアパワーの強いテレビを下地にすれば作れるし、DVDも国内では売れるんだけど、海外に売っていこうとするとこれがまたさっぱりで、結果的にFOXなど海外(というか英語圏)の制作費に比べると文字通り10分の1の予算しかかけられなくなっているわけです。

 なので、どうしても実績のある俳優、いま人気の女優を食い潰しながら、シリーズものやリメイクを乱発しないと編成ができないというジレンマに陥って、いつまでも同じような顔ぶれで役や原作だけが変わっているという閉塞感のある制作志向になってしまう。だから、スターを引き上げるのも芸能事務所との力関係で、また、脚本力で勝負するコンテンツは予算がつかないのでいつまで経っても新しい脚本家が大きい仕事を任せてもらえないというジレンマを持ちます。

 ゲーム業界も結局リスクを負うだけの調達を進められないパブリッシャーがどんどん内向きになり、国内比重の高いところはむしろ海外の売り上げを捨てて国内で均衡しようとする悪弊に陥っております。

バンナムが海外病になるきっかけとなった一言
http://blog.esuteru.com/archives/1939646.html

 この辺の記事を読んでいると、別にBNGIだけの問題ではないんですが、戦略がどうという以前に海外に売れると思って調達したコンテンツがクソであって結果が出なかったのは単純に鵜之澤さんの選球眼の問題だったと外部からは思います。一時期だけとはいえ、助かったの岡本さんだけじゃん。いま何してるんだろ。

 じゃあ、海外のパブリッシャーは日本と比べていいのかというと、やっぱり益出しには苦労しており、資本が薄い分だけ日本よりよろしくないことになっております。PS3は堅調に伸びてきたので、まだ救われている部分はあるのだけど、800万本売れるタイトルがあるので大丈夫かというとそれ以外が… とか、シリーズ追うごとにコンセプトの陳腐化に見舞われて販売苦戦という例を考えるに、市場全体の活性度の問題が大きいのだろうと思います。

 結局、ゲーム業界は市場を成長しているところへ寄せざるを得ず、ソーシャルとスマホに雪崩れ込んでいくしか方法がないのであります。また、市場の九割が海外であることを考えると、でかいタイトルをどーんと海外スタジオ使って作っていくという方法論ではなく、フレームワークだけまずは作って、ガワやけれん味の部分だけ地域ごとのローカライズして総体の売上を作っていくという方法論にならざるを得ないのでしょう。

 なので、日本市場で日本人向けに作っているパブリッシャーが700人だの900人だの開発を抱えていると採算に合うはずがないので、分社化して切り離すなりリストラして特損出すなりして、組織をスリム化しつつパブリッシャーとデベロッパーとで機能をわけていくしか合理的な戦略はないのであります。

 財務は、というと、どこの会社も戦略的に進めているところですけど、シニアローンが占める経営への圧迫度合いがどんどん高くなってきて、パブリッシャーとデベロッパーが一体化しているところはメザニンファイナンスを組みつつ一部リスクマネーを中に取り込む戦略と、デベロッパー機能を分社化するなどして切り離してそこにIP開発をさせて二次利用ドリブンでリスクマネーを取りに逝こうとする戦略と、二つに分かれつつあります。

 業界の体質的には製薬業界に近いんですけど、販売戦略の不振でタイトル数を絞り込もうとする、なので開発ラインを削ると社内の開発体制にアイドリングが出る、手を動かしていないクリエイターはクビにしつつ均衡を図ろうとするという行動原理になりがちで、結果的に事業全体がシュリンクして縮小均衡しようとするんだけど、収穫逓減の効く業界ということは利益を出すための売上絶対額が高くていつまで経っても均衡しないというジレンマに陥るわけです。

 なので、成長戦略が大事になるのですが、某社では英語の喋れないCEOが海外戦略を豪語してみたり、海外から撤退含みなのに海外比率を上げますとか中間決算で言ってみたり、とにかく不思議な状況になっています。もうしょうがないんだけどさ。

 結果的に内向きになるのは仕方ないんですが、尊皇攘夷と一緒で、日本的なコンテンツ制作のあり方にこだわった結果、開発の基礎体力が海外のデベロッパー、下手するとブラジルやアルゼンチンにすら負け始めている現状というのをきちんと認識してから考えるべきだと思います。

 警鐘を鳴らしているとか感傷的な話じゃなくて、本当の意味で競争力が劣化して挽回できる余地が乏しくなってきているということを、良く考える必要があるのではないでしょうか。

 最後に、クリエイターがネット時代になってユーザーからの評価を気にしすぎ、媚びた結果、必ずしもコンテンツにカネを落とすわけではない、でもネットで声の大きいユーザーの意向を阿る傾向が強くなっている点については、やはりリストラで優秀な人が去ってアホがPに就任するようになったという点が大きいと思います。とりわけ、広報プロデューサーに本格的な馬鹿が集うようになったのは、偶然ではなくて、制作する能力が乏しいけど席次からしてP枠が空いたので消化試合的に繰り上げ人事が行われてPになるという事例が各社で起きていることが背景だろうと思うわけです。

「コンテンツはメディアを選ぶ。」 ― 須田和博
http://tbs-blog.com/mri/14121/

 まさにコンテンツがメディアを選んだ結果としてゲームになっているわけで、それに関する広報戦略というものは文字通りマーケティングの最前線になるはずなんですが、イベントの仕切りから媒体社周りという比較的外のことを触る機会が多くなるはずの広報Pが無能だと大量の広告宣伝費を落としているのにちっとも注目が集まらないというどうしようもない結果になりかねません。

 財務が事業ポートフォリオを見るとき「またこいつか」と思うのは、”売り方”を分からないPがPとしての役割を果たせそうにない場合がどうしても多いので、私もクライアントに対して「この人は適任ではないと思うので外して下さい」ときちんと言うようにはしているんですが人事のしがらみで強行して、結果やっぱり駄目だったということの繰り返しが酷すぎるように思います。

 そうなると、敗戦処理を押し付けられるのは私ら傭兵になるわけなので、敏感にならざるを得ないんですが。
 さてさて。

 公正取引委員会がDeNAに激しく突入、オーディエンスから「いや、GREEもやってるだろ」などと生暖かい声援が飛び交うなか、スマホ対応しますというIRが出てたりします。

DeNA、全世界に向けたスマートフォン展開を開始
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=268997&lindID=1

 モバゲーをご丁寧に"mobage"にしており、どう読んでもモブエイジであり、禁酒法時代のシカゴのような殺伐としたイメージを英語圏で売りにしたいのかと思うところであります。しかし、ngCoreですか…。
 岡田有花女史はこんなツイートを。そうですか。

http://twitter.com/yukatan/status/14941648039444480
[引用]南場社長「公取の件はたいへんお騒がせした。法令違反の事実があったとは考えていないが、捜査に全面的に協力し、公取の判断を待つ。このような疑義が二度とかからないよう、すでに必要な措置を講じている」とモバゲー開発者イベントでコメント

 外野としては変に白旗揚げたりせず、最後の最後まで突っ張り相撲に打って出て欲しいところなんですけど、どうも公取に駆け込んだ業者や内部の情報提供者のお話を総合するに税務上問題を感じさせる取引が一部にあるらしく、ちょっとした噂になっております。

 まあ、この手のベンチャー企業ではよくある話ではあるんですけれども、一般論として創業者やボードメンバーが個人的に出資している企業に有利な取引を取らせて利益を上げさせ、配当で出したりその会社を買収するなどして蓄財してしまうであるとか、大型買収でM&A仲介したところに多額の手数料を払うなどして太らせ、自分は別の会社の顧問に就任してキックバックを貰うという事例は往々にしてあります。DeNAはそういうことはやらないんだろうけど、収益性の高い会社が事業拡張でいろんな手を広げようとすると、いろんな思惑が出て無責任な話がいろいろ出てくるのでしょう。

 とはいえ、「囲い込み」というと聞こえはいいけれども、この辺の税務の取り扱いは明確なルールがあるようでないので難しいところではありますね。是非ともGREEやmixiも泥仕合のチキンレースに巻き込まれて消耗戦の末に共倒れを希望する次第でございます。

 木村剛が先日保釈になったそうで。おめでとうございます。

 まさに金融界のTK、素晴らしいです。日本社会の躍進と改革を目指して、また新たなる戦いに身を委ねようということなのでしょうか。腰ががくがくします。

 ところで、良く分からないんですが何故かとばっちりで竹中平蔵氏のところへ不思議な言いがかりが跋扈しているようで、気になるわけです。まあ、微妙な話といえ逮捕されたわけですから、堂々と顔写真を使うわけにもいかんだろうなあというネタを見つつ。

竹中平蔵さん木村剛を切り捨てる
http://zarutoro.livedoor.biz/archives/51490117.html
振興銀破綻、金融庁が検証委設置 竹中元金融相の責任追求へ
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/101210/fnc1012101238012-n1.htm

 問題のこれなんですが、比較的この手の人に対しては厳しい見方を自認するこの私ですら、そのまんま検証したら白判定が出て沙汰止みまっしぐらになりそうな物件になっております。この辺は大変難しくて、政官財の癒着がどうのという理想論とは別に、政界と金融界、官僚とアカデミズムの世界の垣根を取り払おうとすると必ずリボルビングドアはどこまで利用者に融通が効くべきかという「べき論」になりがちな部分があります。

 竹中さんの腰巾着で査読論文ひとつまともにないのに社会人大学院で准教授職を得て能書きを垂れている無能もいるのでその辺は早めに処置をお願いするにしても、小泉改革の終着点でもない日本振興銀行の案件ひとつで配慮したといって責任を追求するというのは本来的な意味では無理筋なのかなあと。

 一方で、類似の案件はやはり多く、有力な政治家が特定の銀行の事情などにどのように配慮するべきか、行政としていかな対墺を行うべきかという点については、もう少しシステム論の観点で考えないといけないよねえという話になるわけでもあります。

 要は、個別の問題案件については発生とその経過について詳らかにしたうえで例外処理として粛々と対応を進める、道中、格別の「配慮」があった場合にはこれをどこかの段取りできちんと公表する、例外を認めない行動原則については金融庁の検査のあり方を見直してレベリングする、といったところが具体案になるのかしらと海外の例を見ていると思います。

 同じく産経引用ですけどこんな記事が。

振興銀の木村剛前会長、会見で起訴事実認める方針 グループ内融資「違法性認識せず」 
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/101210/fnc1012101238012-n1.htm

 一応、見出し的には穏当にグループ内融資という建て付けになっておりますが、一昔前の街金の流儀で言うところの融通手形も同様であって、このあたりの見立ては警察ではなかなか困難だったのではないかと同情する次第です。摘発の方法によっては検査忌避以外の部分の追及もされうるのかと予想していたものの、他の要因もあって早々の手打ちになるのは致し方のないところでもあります。木村も起訴事実を認めるわけですしね。

 記事中は助け合いの精神という書き方であるものの、スリープロでは面白報告書が上がっており、これはこれで一見の価値のある文学的な第三者機関報告書になっています。

第三者調査委員会の調査報告書の公表と社内対策委員会(仮称)の設置について
http://g2s.skr.jp/140120101214086704/1

 一読すると「ああ、高野研がやりやがったんだな」という話に終わってしまいますが、読み進めるほどに彼がそのような座組みや仕組みを作り上げハンドリングなどできるはずもなく、金融庁的にも国税的にも興味津々な内容が盛りだくさんになっています。何と言うか、上場企業を使った裏金みたいなのの作り方講座みたいなもんで、堀江さんの時代から随分進歩したんだねえ間接金融も組み合わせて所得積み上げるなんてという話です。

 言いたいことはたくさんあるんですが、おそらく似たようなグルグルを日本振興銀行母体とした振興ネットワークで組み上げており、仕組みは迂回融資と融通手形と第三者出資による精巧な支援システムであって、それを支えていたのは高金利に釣られて預金したカネ、それも1,000万以下ならペイオフ可能でござんすよといって制度の穴をついた代物だということです。

 なので、木村を有罪に仕立て上げようとしても警察ではなかなか罪状を捻り出すことができなかっただろうことは外部から経緯を見ていても明白であったし、木村側も無罪を信じていたことでしょう。弁護士はどう思っていたか分からないけど。

 そうなると、たまらんのは木村が代表を退いて会長に棚上がったあとを引き受けた取締役たちであって、社会的には文字通り終わりかねないのですからきっとお怒りでありましょう。

 今回の責任追及にあたっては、竹中さんが顧問に木村を置き、この手のコンプライアンスの整備状況が木村に丸分かりだったにも関わらず、フタをしないまま日本振興銀行がまんまとこれを利用したという点であって、文字通り竹中さんの「人を見る目」の問題だったのかなあという気がします。判決が出るまでは推定無罪ですから、当然いろんな経緯や報道を見る中で金融庁がどうリカバリーをかけて逝くのか、良く見ておきたいところでございます。

 検察が捏造とかやらかさなければ、もう少し違った展開もあったんでしょうけどねえ…。

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