月別アーカイブ / 2010年12月

 ゆかしげな官邸関連など。

駐露大使更迭:私はロシアに詳しくない…首相、怒り爆発
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20101224k0000m010106000c.html

 先日も、丹羽宇一郎駐中国大使が「中国との関係を修復したければODAを増額すべき」という画期的で素晴らしい提案をして官邸関係者一同へそで茶が沸き放題となった事例がありましたが、今回はそれを上回る「私はロシアに詳しくない」という正直者発言が飛び出して大騒ぎとなっております。
 いろいろと問題が重なった側面もあり、微妙なところではあるんですが、そのあとを受け持つ外相が前原さんですので、仮にロシアンスクールを登用し直したとしても全体が立て直せるのかといわれると、どうなんでしょうね。

【公安資料流出】警視庁、公安データの内部流出認める 「極めて遺憾」と謝罪
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/101224/crm1012241020007-n1.htm

 国内ネタですが、こちらは流出ネタをいまごろになって認めてしまってどうするんだろうというお話になっております。もちろん対応は進めるのでしょうけれども、どうせならもう少し早く認めて事態収拾を図っていればせめてダメージも小さくできたのかなあと感じる次第です。

 一応、全部が真正ということではなくて、流出したデータが「含まれる」ということで退路は確保してあるところが小憎い演出を醸していると思いますので、事後はいろんな意味で遺漏なきよう願われるんじゃないでしょうか、各所から。

 バチカンといっても、中国におけるカソリックのモグリ神父任命に関する抗争が原因であり、宗教戦争というか正統性の問題になっているのが気になるのだが、中国政府もバチカンに対して正式に非難声明を出し、着々と騒ぎが拡大しております。

 ある意味で、キリスト教対中華思想という現代の宗教戦になってて、どちらもご本尊組織のご事情というものが下敷きにある分だけ、どうもお互い折り合う気がまったくないのが清々しいわけです。

中国、バチカンを非難 カトリック会議開催めぐり
http://sankei.jp.msn.com/world/china/101222/chn1012222003002-n1.htm
 純粋に政治的な観点からしますと、ソ連時代のキリスト教の扱いや、古くは国教会など、カソリック側も時代に合わせて結構なご都合主義を通している部分もありますが、現代という枠内で言うと国家ぐるみで正面切ってバチカンの正統性に立ち向かっているのは中国ぐらいのもんで、しかも対立の根底に国内での宗派の文脈もなければ中国の規定するキリスト教が結構なアレであることを考えるとキリスト教圏の不快感ではすまない何かがあるように感じます。

 何より、中国ではキリスト教の布教や団体活動そのものが禁じられていますので、中国が特定の理由をもって独自の解釈によるカソリックの神父任免を行っている背景は極めて重要です。一義的には、地下教会にもぐったキリスト教徒を文字通り弾圧した場合には、法輪功やチベット仏教への攻撃よりもはるかに深刻な人権問題による反撃を国際社会から喰らうので、形だけでも統制の効くキリスト教団を中国政府の暗黙の元で作ってしまいたいという中国共産党の考え方があるのでしょう。

 一方で、過去の宗教弾圧でいうと、まさにソビエト連邦がギリシャ正教会(東方正教会)との係わり合いの中でロシア正教会を統制しようとし、最近ロシア正教が復権するにあたって次々と出てきた不思議な取り扱いの数々を見るに、宗教組織に対する統制と弾圧はベクトルとして直接の対立関係だけで考えるべきではないのかと考える部分でもあります。

 中国ではあくまで建前としての信教の自由があるものの、中国政府公認の聖職者でなければ正当な指導者と認めないという方針を貫いており、その是非はともかく中国国内の経済発展に伴うキリスト教徒の急激な増加はどこまで黙認できるのか、その統制をどう考えるのかは結構重要な部分です。

 陳日君枢機卿のような、中国(香港)発のキリスト教コミュニティで世界に認められた重要人物がことごとく中国の宗教政策を批判している現状もあるため、レトリックとして中国政府はキリスト教の正統な代弁者に対して「反中」「反共産党」のレッテルを貼ることで対抗するパターンが物凄く多い。そもそも、バチカンが中国政府と本来的な意味で迎合するには信教の自由の確保だけでなく、神学的な意味での無神論の放棄と現実での台湾との国交を中国側が無条件で認めるという荒唐無稽な落としどころしか考えられないわけです。

 なので、中国としてはキリスト教が国内で無原則に浸透して地下活動化し、それがバチカンと結びついてしまう状況というのは法輪功以上に悪夢なので、非難はしつつも現実的なところで折り合おうとするも、バチカンは中国のお家事情などまったく関心がなく、また弾圧の歴史などいまに始まったことでもないので言いたい放題言えるという状況にあります。

 YOU信教の自由認めちゃえよと言いたいところなんでしょうが、実際には共産党自体がイデオロギーであると同時に価値観、宗教的な側面もあるため、厳密な意味では違うんだろうけど現象としては先にも述べたようなカソリック対中華思想の落としどころなき対立、って奴なんでしょうね。

 そして、無神論者の束となっている大多数の中国人は、本件に何の興味もない、と。

 個人的には、バチカンに次々と異端指定を中国政府公認神父に下してもらって、ポーランドばりの正統論争を繰り広げて欲しいものです。

 たぶん、中国は国内での統制はある程度できるでしょうが、世界的にはキリスト教というシステム自体が持つ正統に挑んでも誰も支持しないことでしょう。ダヴィンチ・コードにおけるナグ・ハマディ文書が、正統性を脅かすよりもキリスト教はその起こりからいろんな解釈をされ吟味されて神学の土台の多様性という肥やしとなってましたね的な方向へ落着していったのと同様、中国が国家として宗教を文字通り弾圧する姿勢が続く限りは、バチカンの側から現状を追認して折れるということは考えられませんので。

 仕事の合間の友として、しばらくプレイしていた戦国IXAであるが、鳴り物入りで投入された割にゲームバランスが崩壊というか詰め不足で離脱者引退者が続出、緩み切った状況を立て直すための切り札として待ちに待った大型アップデートがついに今日解禁!

 …と思ったら、なんですかこのクソのようなアップデートは。 
 使途不明、能力中途半端な上級兵、それを研究するためには生産設備を潰して17個もMAX蔵を建てなければならないという残念仕様。ゲームのメインに置かれた合戦仕様はまったく改善されず、これ本当にどうするのだろう。

 小説本編よりも周辺事態のほうが格段に面白い本件でありますが、表題週刊ポストの記事に抗議し拳を振り上げたはずのポプラ社で社員の民忠が下がって叛乱、受賞レースでっち上げ&八百長のネタを各所に持ち込んで炎上という二次災害に発展しております。

 本件の何が面白いのかというと、まず小説がどうしようもないほど面白くないこと、その割に舞台装置が豪華で、しかも本がしっかり売れてしまったので、貧乏純文業界の声のでかい人たちが激怒して騒ぎが拡散しているという状況そのものがコメディであり、まさに時事アートだともいえるクオリティの高さにあります。
Hoichoi
 純粋に商売で言うと、ポプラ社は騒ぎがここまで大きくなるとは思わなかっただろうけど売るための仕掛けとしては非常に効果あったというところでありまして、本屋にモノを押し込む経緯といい美談のでっち上げ方といい、巧さを感じさせる素晴らしいビジネスモデルだったと思います。

 売れればいいのかという批判が一杯出てますけど、売れればいいんですと言われたらそこで終わりであり、ディスカヴァーだろうがハリーポッターだろうがケータイ小説だろうが”「パッケージ」や「メディア」としての本というマテリアル”と”「知識」や「格式」としての本のあり方”とは違う以上、別にいいじゃねえかそういう世界で生きてるんじゃないんだからという話であります。

 基本的には、本を売りたいのであり、その本の中身がいかにクズであろうともマーケティングさえしっかり立っていればモノは売れるという覇道を突き進んでいるという点で、売れない本を出している凡百の出版社や著者は遠吠えに過ぎないよねえという。

 問題は、この手のマーケティングを「騙し」と感じて不快に思った人がどれだけ多く、その後のポプラ社のビジネスにどれだけ響くのかということでありましょう。水嶋ヒロが類似の小説を書き続けて大作家になるという可能性がミニマムであることは、一発屋の人生という点でもしドラ級の成長曲線に思いを馳せざるを得ないんですが、ポプラ社としては商売を続けていくわけで、むしろそっちに興味あります。

 普通、あのレベルのものを純文として出して、仮にも大賞の本として世に出すのは抵抗あるでしょう。常識的に考えて、編集者が思い切り赤を入れるなりゴーストを立てるなりして、最低限の品質を担保しようという行動に出るのが出版社本来の流儀だろうと思います。今回の騒ぎだって、そこそこの品質で、賛否両論が出るレベルの作品であったならば、ここまで叩かれることもなかったでしょう。

 しかし、現実にはトイレットペーパーにもならんような壊滅的クオリティを隠すことなく盛大に露呈し、残念を通り越して途方に暮れるほどの破壊力を持つ呆然コンテンツをありのまま世に出したという偉大な判断が行われ、しかも忠実にそれは実行されたということを考えると、むしろポプラ社は水嶋ヒロという素材に対して実は誠実だったんじゃないかという感想さえ抱かせます。だって、普通は書き換えちゃうよ。

 ネタとして、最高級だったからみんな満足しているんじゃないですか。楽しかったですよ。まだいろいろ起きて欲しいし、騒動はもっともっと広がって、mixiやDeNAを巻き込んでみんな共倒れして欲しいと願っています。

 疲れているけど酒を飲んだので少し書く。

 書くといっても近況なんだが、余事あって、逡巡したけどずっとホールドしてたカプコン株などコンテンツ系の株式を全部処分したり、新会社の設立などを慌しく進めておりました。

 それにしても思うのは、運の強い人というのはどこまでも強いものなのだなあというか、私もどちらかというといろんな種類の運の強いほうではあるのだけれども、異質な感じの運をもっている人というのがいて、もちろんそれを取り巻く本人の環境や、資質のようなものもあるんだろうけれども、徹頭徹尾、ついている人というのがいます。
 ここ最近で言うと、こんな感じ。

・ やけになって起こした行動が、最終的に最適解となって本人が一番利得を得て、丸く収まった。

・ 「どうせこれは捨て案件だから」と誰かが放置した敗戦処理の仕事を引き受けたら主力事業に。

・ 力量や資力はあるけど人間的に微妙すぎて近寄りがたかった大御所が窮地になってて一躍救世主に。

・ 持って逝った案件が、たまたまその週の先方の経営会議で「すぐにやりたいこと」に挙がっていた。

・ 水先案内に必要だった優秀な人が、人事異動で比較的行動が自由になる子会社の社長にスピンアウトしてた。

・ 「もうあそことは話せえへんわ」と言ったので売った会社の株式がストップ安連発。

 すげえ… まあ、事細かに言うと差し障りあるので丸めて書いてるけど、本人は何も計算していないし、決断を気後れせずやっているだけなんだろうけど、何事も準備したり用意して、逃げ道も考えて、詰めて詰めて、根回ししてから博打を打つ私からすると、結構な晴天の霹靂です。

 ここ数ヶ月冴えているとかではなく、もう7年近くずっと当ててるので文句も言えない。差し引きがプラス、とかそういう話じゃなくて、そのネタが例えば外れたとしても、その外れが回り回って人を呼び込んで結果的に成功の礎になってたりして、塞翁が馬ってレベルじゃないように思います。

 まあ、流れを作る人と流れに乗る人の流儀の差というのもありますので、比較してどうとかってお話ではないんですけれども、何と言うか、世の中広いなあと。

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