月別アーカイブ / 2010年11月

 あまりにも分量が多いので、報道されているもの以上は目を通すまいと思っていたwikileaksの件なんですが、どうにも生々しすぎて面白いため気づくとついつい読み耽ってしまうわけです。

 何と言うか、クラスで騒がしくて粗暴で、バスで遠足とかだと一番後ろの長椅子に取り巻きと座るような男の子が、実は繊細な日記帳をつけてて本音を赤裸々に書いていたことがクラス会で暴露された的な。違うか。

WikiLeaks Diplomatic Cables
http://www.spiegel.de/international/world/0,1518,731794,00.html
 各国媒体がこぞって本件を取り上げるのは、面白いだけではなく本音のアメリカ外交が文書から垣間見えるからで、読み進めるほどに一喜一憂し、ユニラテラルなUSとの関係を確認しながらアラブや東欧との外交経緯と評価とが一覧できる資料はそうそうないよねえ、ということでありまして。

 逆に言うならば、アメリカの外交というものはテーゼとしての欧州関係の重視、その逆説としてのアラブ圏の手なずけ(Taming the Arabian power)というアプローチをごく自然に行っており、一体不可分のものであったということが再認識されたというお話ではないかと思うわけです。

 そのうえで、アジア外交というものは当たり前のことだが単独では存在せず、ある意味で対アラブ外交とエネルギー的にも意思決定の総量的にもトレードオフであって、イランやアフガニスタンが忙しければアジアは「暴発しなければ良い」ということで信頼できる人探しが始まるという文字通りの分割して統治せよ(Divine and Rule)の思考が貫徹されている。

 良いとか悪いとかではなく、もっとも優秀な人間が政権の中枢に入るアメリカにとって、政権運営は外交に限らず全般として最高に効率的であるべきで、アメリカの覇権、国益に直接関係を持たない事案についてはいかに省力するかということを行動原則として持ち続けているということが特質であろうということが、今回のリークで良く分かるわけです。馬鹿だけど無害であれば問題を起こさない限り積極的には足を引っ張らないという判断であるとか、情報の扱い方ひとつをとっても強弱をしっかり取っており、”ホワイトハウスに充分な意思決定能力があれば”という担保つきでとても合理的だなあと感じるところです。

 また、意外に外交情報が「間違っていそう」なのもポイントです。この辺はもう少し読み進めてからにでも。日本についてはそぞろ出始めたところではありますが、面白いですねえ今回のリークは。とても。

 トラブルにしては微妙な空気が漂っているこの一件ではありますが。

【海老蔵さん殴打事件】26歳の男に逮捕状
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/101129/crm1011292302024-n1.htm

 早くも界隈では伊藤リオン氏なる人物の名前が取り沙汰されております。

海老蔵暴行事件に捜査1課が動き出した本当の・・・w
http://blog.livedoor.jp/saenikki/archives/51625931.html
 とにかく所轄が所轄なので、サンクチュアリというか無法地帯みたいな雰囲気の言われ方をすることも多いんですけど、まさかこんなアクシデントで被害届まで出て堂々と逮捕状が出てしまう事案になるとは誰も思いも寄らなかったんじゃないでしょうか。シドメイヤーズ・アルファケンタウリで言うなら惑星保護区のようなもので、事件の舞台となったかの「雑居ビル」についてもいろんなお話がある世界の入り口でもあります。

 もっとも、こっからでっかい山に辿り着くなんてことはあんまり考えづらいんでしょうけれども(こんな状況で大口の話に繋げるほどの余裕はないだろうから)、とはいえケツ持ち(ぉ)だった筋肉質の金さんをバットで撲殺した件などの流れで別の問題の蒸し返しがあるかもしれないという人もいて微妙すぎます。

海老蔵をなぐった「暴走族」のヤバすぎる正体
http://blog.livedoor.jp/bubka/archives/1604171.html
【海老蔵先生半殺し事件外伝】祝達成!BUBKA編集部はてブ60越え
http://birthofblues.livedoor.biz/archives/51119122.html

 まあ、今回は突発的なアクシデントだと思うので、大きく発展したらみんなそれはそれで困っちゃうんでしょうけれども、とにかく私が言えることは「薬物はやめましょう」ということぐらいでしょうか。一般論ですけどね。

 基本的にはすでに係争中で発売が延期されている事案をGIGAZINEなどで公開するべきではないし、槍玉に挙がっているタムソフト側の見解を聞かずに一方的にNGX側の意見だけを読んでも正確な判断はできないよなあ、という前置きをしつつ、面白そうな騒動が巻き起こっております。

「ドリームクラブ ゼロ」発売延期の真相か、シナリオ制作費未払いの件についてTeam N.G.Xにインタビュー
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20101126_dreamclub_ngx_interviews/

 まあ、下請けやるときに良くあるトラブルだといえばそれまでなんですが。
 発注が09年11月とか書いてあって、いま売るの売らないのという話をしているってことは、ドリクラ0は10ヶ月以上も製作にかけてるってことですね。なんか納期こぼして延長分の追加開発費をディースリーパブリッシャーから貰えなかったとかそういう事例なのかと勘ぐってしまうわけですが、権利の帰属についても曖昧で、発注時点でいろいろと見えてなかったのでトラブルが発生しちゃったんでしょうかね。

 とはいえ、片方からの情報しかないんで、判断するのも早計でしょうけどね。実際、あれをやりましょうこれをやりましょうで勝手に下請けが納品持ってきて「そんな仕様、企画時点では考えてたけどやるとは決まってねえよ」というオチならNGXは敗訴でしょうし、実際の品質については検収時点で判断するのは当然ですんでねえ。あー、でもテキスト納品とかだと都度QAやんのかな。

 というわけで、こういう話があったらしいよという糞エントリーでございました。

 海外の事情は分からんけど、飲食店やホテルなど向けの安売りクーポンをウェブでばら撒くビジネスが日本で突然流行り、やることのないIT系が「ソーシャルの次は!」と生き残り挑戦権をかけて次々と参入、芋を洗うような流れるプール状態となり超絶過当競争となっておりました。

 ところが、割引チケットを出す店舗側のニーズからすると、そこそこの集客コストで納まり凄くマッチする店と、一見のクソ客ラッシュに見舞われて二度と使うかバーカという店とに分かれてブームがひと段落、お陰で早くも伸び悩み始めたようで。
 IT系の投資界隈ではウェブサービスを含む成長分野が枯渇してきて、ちょっとしたブームになるとみんな殺到するわけですね。昔トラコス今GMOという感じでしょうか。

 それにしても、流行り廃りが速すぎて、一芸上場も門が狭くなったいま、国内でどうやってエクジットを志向するんでしょうね。海外勢が進出してきたときに露払い的なバイアウトか、顧客名簿欲しさに隣に本業のあるレガシーIT系に身売りするぐらいしか方法が見当たらないと思うんですが。それにしても長続きしないなあ。

 まあ、何でそんなことを言うかというと、ちょっとだけ小銭入れてたんで、出てきた決算書見たら計画を早くも下回っていたからなんですけどね。もう少し拡大期間が取れると思っていたんだけど。また成長したりするのかな。ねえ。

 北朝鮮で世代交代がつつがなく進んでいるらしく、祝福の火砲が韓国人の住む島にたくさん着弾、文字通りアジアの火薬庫のような感じで面白い具合に国際世論が右往左往しており興味深いわけです。

 支持率が下がって中間選挙もアレだったオバマ政権も、これ幸いとお話に強い介入の意向を示し、まああらゆるオプションを取るつもりはないのだろうけれどもこれはこれで面白事態に。

「非道な行為」オバマ大統領が激怒…北朝鮮砲撃
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20101124-OYT1T00245.htm

 ついでだから懸案になっていた朝鮮学校の支援もサスペンデッドにしておこうという日本ならではの羹膾芸が炸裂しており、こちらも要チェックですね。

仙谷長官、朝鮮学校の無償化「停止の方向」
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20101124-OYT1T00452.htm
 その間に、某トミ子女史が何か言っています。

北朝鮮関連団体の動向把握、公安委員長が指示
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20101124-OYT1T00593.htm

 いま北朝鮮は国内調整に手一杯で、出先機関にそれほど重要な指示や情報を流しているとは考えづらいところではあるんですが、あの岡崎トミ子女史がねえ。本人が直接総連に出向くとお土産ついでにいろいろ教えてくれそうな気がしますけれども。

 本来であれば、こういう有事のときに左翼・反日繋がりで情報が取れると大変有用なはずなのですが、逆に組織からうっかり情報を上げてしまうとトミ子女史を通じて漏れてしまう可能性も否定できないわけで、先般のテロ関連情報流失事件と併せてつばぜり合いについてはしっかりチェックしておきたいところではあります。

 それにしても、最近関係が微妙だったとはいえセレモニーの具として砲弾を撃ち込まれる韓国ってかっこいいです。尖閣諸島の比ではありません。李大統領、本気で怒ってるし。中国やらASEANやらの動きもそぞろ気になるところですが、もともと安全保障の観点から言うならば朝鮮有事のシナリオはどこも想定しているわけで、そのうちのひとつが発動ということに過ぎないのかなあと。その割に、日本は結構上から下まですったもんだして、何か陸幕の人が越権してたり首相に二時間も情報(それも攻撃の第一報)が上がらなかったり官邸・補佐官と外務で統制が違ったりと訳が分からないです。

 日本固有の安全保障として、誰が責任を取って物事を進めているか分からないので、誰に影響力を行使すれば問題に作用できるのか外側から理解できないという「肉のカーテン」みたいなのができているのかもしれませんけどねえ。常識的に考えれば今回は本格的な軍事活動ではなく、襲名記念砲撃であって、継戦を考えての作戦ではないよなあという雰囲気なのですが、韓国が大統領以下マジ切れして面白対応することだって考えられるわけで、下手に韓国にうまく立ち回られると米韓協調が深まって日本としては楽しくありません。

 むしろ、北朝鮮が限定的な作戦しか実行する能力がない割に、やたら騒いで目立つために、かえって中国の問題やアジアのマルチラテラルな外交が混乱して事実上中国アジア外交の駒になりかねないし、日本にとってはいいことひとつもないですね。

 お口直しにこちらもどうぞ。

http://moech.net/imgboard777/redirecthtm/1290509785754.htm

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