月別アーカイブ / 2010年09月

 自戒でもあるわけですけれども、自分の価値や評価、能力がどのような状況にあるのか、正確に知る努力を払わないと人間どんどん独りよがりになっていくことになります。

 「お前、いまこうだよ」と冷静に話してくれる人が周りにいなければ知る機会もないし、権力を持てば持つほどに、周囲に意に副う話しかしない茶坊主が増えるのもまた道理なんだろうと思います。
 アクセルを地べたまで踏んでいる状態でうまくいっている人や会社は、それほど細かいことを考えなくても前を向いて頑張っていればそこそこの成果がついてきて、成功体験になります。そこまではいいんですが。

 でも、何事にも潮流の変化というのがあって、その時期にその人の才能や会社が手がけていた事業が時流に乗っておおいに成長し持て囃され利益が出ていたとしても、一度変化が始まってしまうと同じように努力してもなかなか成果が得られなくなる、停滞する、赤字に転落するといったことは容易に起きるわけで。

 当たり前のことなんですけどね。環境の変化に適応する、と簡単に言葉で言っても、実現するには相当な努力が要る。周辺の人間にも恵まれていなければならないし、アンテナが低ければ簡単に取り残されて過去の人になってしまう。

 「私は自分を客観視することができるんです」と言い残して辞めた人もおられましたが、物事に取り組むにあたって、辞表を出す、地位や立場をかなぐり捨ててでも次の流れを目指して力強く泳ぎ続けられる人は素晴らしいと思っています。

 また、同様に、自分自身に対してもそうですが、他人に対しても率直に「客観的には、あなたはこうなっています」と言えるようにしていきたいです。まあ、言い過ぎて面倒くさがられることも多いわけですけれども。

 アホじゃないかと思うんだが、どうやら目玉商品の3DS発売が年内ではなく2月26日だったということでの失望売りという話になっているらしい。

【3DS】任天堂の株価急落しすぎwww
http://blog.esuteru.com/archives/1123877.html
ちょwwww3DS発表後、任天堂の株価が急落wwwwwwww
http://jin115.com/archives/51714237.html
 それにしても、9月末発表で年内発売なわけねえだろ…。とはいえ、Twitterで11月下旬に発売というネタふりをした奴がいて、それが広く信じられていたのも背景にあるかと思うので、つくづくアレだなと。

 まあ、みんな頑張れ。

 Twitterの新しいUIが話題になってるが… 個人的な使用感でいうと、何か凄く使いづらい。

 新着のメッセージやメンションがあれば表示して欲しいし、ツイートしようとするとポップアップが出て後ろ側の記事が隠れて観にくいし、なんかバグっててたまに文字が入力できなくなるし、下記途上のテキストがポップアップの消滅と共に葬り去られる。

 そんならツール使え! と言われるのかもしれないけど… 私はchromeしか使いたくないんだっ。
 Twitterを使うようになってから、mixiやはてなをまったく見なくなったのと、iPhoneの使用頻度が増えてソフトバンクモバイルの電波状況により強い関心を示すようになったのが最近のウェブライフの変更点だろうか。

 リストとか使いこなせばいいんだろうけど、のめりこむと絶対に仕事が手につかなくなるので、自分なりにフォロー数を制限したりアクセス時間を決めるなどして対応しているんだが、情報入手の経路でTwitterのシェアが随分上がってきたのでヤバいと思っている。

 10分20分とか簡単に時間潰れちゃうしなあ。ヤバいぞ、これは。

 ちと諸事多忙につき、簡潔な反応など。

 セラーテムやチャイナボーチーについては、もう半年前ぐらいから資源・エネルギー関係や中間処理事業で中国との取引のある日本や欧州のベンダーの間で問題になっていて、東証にも上がっているのでお話的に微妙すぎることになるのは時間の問題でした。

 とはいえ、実態がまるでないのは衆知の事実なので、問題のない範囲内でブログにも書き、関係省庁にもお話を申し入れて、確認された事実については相応の開示と手続を取りました。さっき視認したら、光栄にもFACTAでご指名をいただいていたのでソナー反応するわけですが。

セラーテムテクノロジーの提携先とされる中国法人の営業実態が確認できない件
http://kirik.tea-nifty.com/diary/2010/08/post-a23d.html
FACTAleaks――対セラーテム戦争13  于文革への6項目質問状と悪徳雑誌呼ばわり
http://facta.co.jp/blog/archives/20100928000965.html
 本件は他にも外務省が何か恥じ入っている変な随意契約の件とか、仲間内での迂回出資・裏口上場の経緯とか、連絡先と書いてあるのに連絡が取れない不思議な広報とか、なかなか愉快な情勢になっているのでしばらくしたらもう少し大手のメディアから続報があるのではないかと思います。

 話によると「すべて事実無根」なんだそうですが、質問状にも当局照会にも限定的な対応しかできないのでは、嫌疑はまったく晴れないと思いますがね。

 なお、タイミング的には重なりましたけれども、セラーテム某を取り上げたのは私のほうが少し先であって、発売された雑誌の内容を引用してブログに書いたわけではありませんし、FACTAが書いた記事とはまったく連動していません。その後、ささやかな情報交換を本件でしましたけれど、こちらは取引先や中国での投資先からのアラートがベースになっているのでFACTAとはそもそも無関係です。というか、逝けば問題が視認できる話なので、内容が被るのは当然かなあと思うんですけどねえ。

 これらの不可思議な銘柄に投資をしてしまった投資家は、出されているIRや関連資料は市場の信頼を前提に信用して投資を行っているわけですから、彼らが今後蒙る被害は自己責任ではなく市場に帰すべき責任も一部にあろうかと思います。もう少しちゃんと調べてから投資しろよとも感じますが。

 個人的には、日本で上場して得たキャピタルゲインなどの所得がどういう方面に流れ出て逝ったのか、強い関心があります。こちらはFIUネタだと思いますので、市場の信頼性確保のためにも然るべき対応を取っていただきたいと強く祈念いたします。

 まあ簡単に。

 極東ブログでも多少解説があったが、少し動きがあったので補足など。一応、本来日本が目指すべき解決方法は、現代型アジア版ウィーン体制らしきもの(長い)を構築することです。リーダーシップがないとかいろいろ言われるけれど、利害はよそ様と一致していることもあり、まずは今後10年ぐらいの安寧を図っていこうとするならば、この方法ぐらいしかないでしょう。

 で、この方策、言い方を間違えると麻生元首相が在任中に提唱していた「自由と繁栄の弧」に酷似しています。知らない奴はぐぐれ。普遍的価値を軸とした緩やかな協調関係を作るドクトリンなのであるが、いまの日本政府にそんなリーダーシップは取れるの? と言われる向きもあるものの、実際には中国政府との腹芸がある程度できれば、紛争の槍玉に挙がるのはまず日本、という図式を作ることで結構なもんは回避できたりするんですよね。
 この辺のブレーンは谷内正太郎さんですが、三顧の礼とかしても戻ってこんでしょう、いまの政権のコミット力では…。とはいえ、結構決定的な事案が起き始めていて、もういろんな人が指摘している通り「どうやら中国軍閥は、中南海の意向を聴かなくなっているようだ」という話でありまして、これは少々ヤバイ。

尖閣、ガス田周辺に中国調査船続々 10隻以上が示威活動か
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100928/plc1009280101000-n1.htm

 ソースが産経で、追随情報が関係機関からあまり出ないことを考えると、ガセなのかフライングなのかといったところです。ただ、中国国内の報道ではエスカレートした民衆向けに強化した船団を送る決定を下したというような話がちらほら出ているのを見るに、あれだけ掛け金を上げておいて、しかもクリントン国務長官が日米安保の対象の範囲内と明言したことの意味も踏まえず勇躍船団を出すよと語るのは、発言上は外交圧力を減じてきている中国政府のコントロールが効きづらくなっているか、和戦両様で領土問題については攻勢に出ているかの二択でありましょう。

 その場合、「軍閥を引っ込める方向で努力するから、信頼関係維持のためにも日本政府も譲歩を」という飼い犬理論で外交をして来るのかなあと思うわけですが、日中政府が本件事案収拾のために話し合っている内容が漏れたりするとお互いの国内威信が傷つきます。

 たぶん、中国の中でも比較的まともな知識人層は頭を抱えているように見えるので、状況が有利な方向に転んだとしても掛け金が返って来ないことを知ったうえで落としどころを申し入れてくるのでしょう。それのカウンターパートになる前原外相がどういう受け取り方をするかは分かりません。ただ、中国の膨張志向がたいした問題でもないレアアース禁輸問題も含めて風評拡大、喧伝されたというのは非常に大きく、日本はいつもの調子なので、敵失で勝手に日本の安心感が世界的に向上したという感じなのでしょう。

 願わくば、100点の外交を志向しなくても良いので、今後も中国が冒険的で挑発的な外交を進めてくるのは当然と考え、我が国がかかる事態に再び遭遇したとき「どこまで譲歩するのか」「何を主張するのか」の下限線と上限を用意しておくことだろうと思います。

 今回、日本政府の失態だ、と主張するのもまあ一理あるし、感情では「弱腰とか以前に政府交渉になってねーじゃねえか」とも思うんですけど、何よりも大きいのは、繰り返しますがクリントン国務長官の尖閣諸島は日米安保の範囲内と明言され、日本国内の安全保障の枠組みにおいて普天間移転問題などで揺らぎがちだった日米安保の存在価値を否定する向きがいなくなり、満を持してアジア外交で「中国の危険」を公言できるようになったというところじゃないかと。

 あとは、ちゃんと仕事をする政府をどう組成するかなんですけどねえ。本件ではもう遅いので論じても仕方がないんですけれども。

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