月別アーカイブ / 2010年04月

 二回目の仕分けが始まった、とのことで、仕事合間に生放送の議論とかもチラ見したりした。やっぱりああいうのはお互い切実という点で、ショー的観点を超えて面白いなあと思う。

 いや、面白いとか言っていちゃいけないのだが。

 ああいう冗費とは何かというコンセンサスを政治と国民がある程度持つというのは、行政の効率化を進める上で本来は不可欠だったんだなあとか考えた。だって、いままで私らが「優秀な政治家」と考えた対象は、行政の効率化を行い予算を削減する人ではなく、重要な政策により多くを配分しようとする人であったり、新しい政策課題に前向きに取り組もうとする人だったり、中身はともかくリーダーシップを発揮できそうな声の大きい人だったりした。
http://twitter.com/HYamaguchi/status/12708682137
[引用]RT @clione: RT @K_Onishi: 国の事業、外郭団体の無駄と実態は、実は結構地方自治体の職員が知っているはず。自治体職員から匿名でいいからヒアリングしたらいいのに。

 たぶん、いまの仕分け議論というのは過渡期のもんなんだろうと思う。本来なら、ほぼ常駐的に、政治家が行政の効率化を監視「し続ける」というシステムをしっかり築くという目線でやっていかなければいけないことなんだろう。

 一方で、国家公務員の民間以上に歪な給与体系や人事体制という問題は孕んでいる。というのも、民間のカーブよりもはるかに国家公務員はゆっくりと昇給する。最終的な賃金は、天下りをしなければ普通の一部上場に就職するより安く抑えられている。しかも激務であって、途中で解雇されるリスクが少ないというのは差し引いても、必ずしも魅力的な仕事と捉えられなくなってきている。

 同じ問題として、なかなか官民の人事交流が進まず、政策課題ごとに登用される人員の質も量も異なるのは、一重に役人になることそのものには魅力がないというところにあるんじゃないだろうか。だから、官僚組織の自己防衛手段として、外部を活用する場合はそれこそ海外に出て逝って情報収集や政策分析、他国比較の一翼を担うか、大学やシンクタンクに一時的に退避するように転出をして、優秀な人材をプールしておこうとする。

 確かに、いまの仕分け作業自体は、政治ショーに過ぎず、財務省など有力官庁から出た情報を元に「切ってもいい予算」を政治が切らせてもらっている雰囲気はある。でも、これを毎年しっかり続けていって、政権が移ったり与党が割れても継続していくことで、来年より再来年、あるいは五年後、十年後にはもっと違う景色が見えるようになるんだろうか。誰が良いとか悪いとかではなく、それが国益であり国民の利益に適うのであれば、どういう顛末になるのかしっかり見ておきたい気はする。

 それ以上に、暇人が200人以上傍聴に逝った、という時点で「お前ら働けよ」と思ったんだけどね。

 電子出版の衝撃は、書き手も出版社も(少なくともしばらくは)儲からない、ってことに尽きると思うんだ。

 この前、自称三流ライターのおじさんが、大手ニュースサイトで手の込んだ記事が一本3,000円と言っていた。それで喰えるの? で、喰うために、取材のない日は10本とか書くんだと。別のおっさんも同じようなことを言っていたので、原稿用紙一枚の原稿料という観点でいえば、明らかにSF作家を下回る。
 野良でも自分で餌場を探しにいける犬よりもライターは劣る状況なのは間違いない。

 で、衝撃なのは電子出版。電子書籍アプリとかの動向を見ていると、売上的にはゴミ。数百円のアプリが数百個売れておしまいって例が続出していて、アプリ化のための費用とか考えると普通に赤字。iPadとかkindleとか騒いでる必要性すら感じないぐらいの状況であって、こっちが衝撃受けるわ。

 だから、電子出版というプラットフォームが出てきたから即書き手が流出すると考えるのは間違いだし、いま盛り上がっているからといって、取り急ぎ飛びつくのも良くないことだと思う。熱くなりすぎず、冷めすぎてもいない、微妙なところを小脇に算盤抱えて観察するのが一番いいのかなあと。

 ついでにいうと、電子出版で某大手広告代理店と、某電子書籍関連ソフトのベンチャーとがやってるあれ、機能だけなら500万で作れます。なんで売上ロイヤリティの話が出たり、導入に何千万もかかったりするのか私には理解できない。むしろ、いろんなプラットフォームに対応しようとか、出版社インハウスでアプリ立ち上げまでやれるようにしようとか、既に大量に資産化しているPDFがあるのでDTPから直接アプリ化させようとか、ユーザーにかっちょいいGUI提供しようとか、そっちにコストがかかってきてる感じ。

 結局、顧客目線でいいものをタイムリーに出すしか成功する方法はないんだってことだと思うんですよ。
 ただ、その顧客目線てのはiPadをいち早く手に入れようとしたり、iPhoneを毎日触ってtwitterでなうなう言ってる人を基準にしちゃ駄目で、毎月デジタルコンテンツに数千円以上使って自室で楽しんでるような人とか、限定的な機能でも友達とあれこれしたい人とかがメイン層だってことは、IT業界が忘れがちなところでね。

 あとは、先行者利益をどこが得るのか、という話です。もちろん、遅れたってたいした影響ないですよ、エロ漫画でアホほど儲けてるって会社でもない限り。

 前回書評がとても好評であったので、調子に乗ってもっと書評を書いてみます。分野に偏りがあるのはご容赦を。

● 『溜池通信 いかにもこれが経済』(吉崎達彦・著)


 通称「かんべえ先生」こと吉崎先生の経済エッセイ本。もともとは溜池通信で書き綴られた独特な一人称定点観測ホームページからの寄り抜きで、後日談も踏まえて面白エピソードがあれこれ。

 最初は、エッセイ本ということなので寝酒を飲んで半分寝ながら読んでたりしたんですが、改めて読むとこれがまた面白い。近所で店をやってるババアが娘のボウリングで一山当てて完済した話とか、クソどうでもいい話ながら、年代を遡って読んでみると必ずその当時その当時の経済事情とリンクしている。思わず最後は起きて正座して読んだりしてました。「そういえば、これはどういう時期だったっけね」とウェブでその年起きた事件や経済ニュースなんかを読み返しながら、11年以上の歳月の重みを感じるのであります。

 お奨めです。

● 亜玖夢博士のマインドサイエンス入門(橘 玲・著)



 投資啓発本で名を馳せた橘せんせが新たなる地平線を目指して進んでいった先の作品がこちら。私の家内が口腔外科医ということもあり、医学や脳科学のようなものについては普通の読み手よりも専門的な知識を得やすいという点を割り引いても、難解になりやすい事象も極力平易に説明しようと腐心されているあたりはさすがです。

 科学的な読み物、入門、というよりも、そっちの方向に読み手がどれだけ耐性あるのか試されてるのかなあとも思えるぐらい、敢えて話題性の強くなりそうなモチーフを選んでいる感じはしました。

● The Scientific Way of Warfare,: Order and Chaos on the Battlefields of Modernity (Antoine Bousquet・著)



 科学技術はどのようにして戦争に活かされてきたのか、を体系的に説明している内容。ちょうど一年前の本なんですけれども、戦争という不確実な博打の世界で、1%でも確率を上げることや、ここまでは計算が立つという作戦上のジレンマを解消するためにも戦場の霧を晴れさせる手段としての科学技術、という考え方です。

 ドクトリンとしてはもうこれ以上ないぐらい明確なんですけれども、同じ戦力であれば、より有効な装備を持っているほうが勝る、というテーマが縦串に、作戦活動における集中と分散の効果はより確固とした戦術とそれを支える情報および技術に立脚するという思想が横串にあって、非常に興味深い内容ですね。

 じゃあ、何を持って有効な技術とするか、という点は… この本の読者の宿題ということで。

● ペットキレイ ニオイをとる砂 5L



 これいいよ。匂い取れるし、固まるし。最高。クソ飛び散らない。

● ゲロルシュタイナー 1リットル



 まずい炭酸水。硬度が凄い。てか硬度高すぎ。でも安い。超お奨め。薬と思って飲め。これでハイボールとか作って飲んでも驚きのまずさ。おいしくない。だがそれがいい。

● そば茶 2リットル (伊藤園)



 そば茶。嫌いな人は凄い嫌い。麦茶と思って口にすると驚きのまずさ。私は大好きなんだけれども、飲んでると嫌いな人からは人間と思ってもらえない。でもルチンがたくさん入ってて、私のように脳血管に問題のある人にとっては気休め的安心材料。お奨め。

 途中から本関係なくなっちゃった… まあいいか。

 告知を忘れておりました… ただ、普通の人にはあんまり関係のない話だし、つまらないでしょとも思いますが。

【切込隊長】オンラインゲーム会社(とユーザー)に影響がある(かもしれない)「資金決済法」
http://www.4gamer.net/games/000/G000000/20100419001/

 そろそろオンラインゲーム会社の乱立にも歯止めを掛けないと市場がよりつまんなくなるよなあ、という意味合いもあります。
 幾つか、記事を読んだオンゲ会社の中の人からメールも頂戴したりしたのですが、例えばトラビアンとかドイツの会社が海外に鯖を置いていたとしても、供託金義務は発生すると思います。というか、元々そういう趣旨の法律なんで、迂回も何もないよなあというのが正直な印象。

 韓国のメーカー狙い撃ちの政策ではないです、と思います。議事録を読んでも別にどこの業者とかいう話でもありませんし。また、どこの国のサービスであろうと、我が国でビジネスをするからには、等しく規制されている内容であって、韓国がいいとか悪いとかではないです。

 電子マネーの普及で、海外に自在にお金が出て行ってしまったり、EVEのように国家経済を発行済み信用が上回ってしまったり、結構根幹なところで対応しようという話なので、文句言っても始まらないですし、事業主体が韓国や中国だからスルーしていいという性質の法律でもないです。日本でサービスを行う限り、日本人の消費者を守るために日本政府が制度を作った、ただそれだけのことです。

 別に私は金融庁の回し者でもなく、立法責任者ですらなく、私に文句をつけられてもブログで文句をつけた業者を馬鹿にするだけですので、よろしくお願いします。

 なぜこういうときだけ、正直にそういうことを公に喋っちゃうのか…。

【党首討論速報】鳩山首相「私は愚かかもしれない」
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100421/plc1004211559006-n1.htm
 先週、何故だか安全保障の会合に顔を出して末席に座ってたら、「鳩山首相は首相としての地位に拘らなくなっている」(=辞任を考えている)という情報が普通に各国の機関で飛び交ってるようで、本来ならば国家の安定度に関わる重大問題にもかかわらず、みんな平気な顔をしておられました。日本に関わる人たちって、日本人か欧米人かを問わずもうこの辺の感覚が麻痺しちゃってるんだと思うんですよね。

 だから、平然とこの問題を真正面から受け取った外字メディアも知日派も「鳩山、小沢ダブル辞任で衆参同時選挙観測」とか普通に打ち上げて誰もたしなめないという、完全に舐められた状態になっておるわけで、日本政府自体が日本における安全保障上のリスクという形容矛盾なんだけど現実描写としてはまことに正しい状況であるという話です。

 さて、どうしたもんだか。

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