月別アーカイブ / 2009年01月

 ある意味でベンジャミン化が著しい池田信夫氏が上杉隆氏のネタで盛り上がっているのでピックアップ。原則論で言えば池田氏の言うてることが正しいはずなのに、定額給付金の政治的な意味合いを見事に勘違いして上杉隆氏のポジショントークに全力で釣られているあたりに様式美を感じずにはいられない。

上杉隆氏が理解していない簿記の基本
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo?sess=c1fe33e1a35c22142b7b07343c319d99

 上杉氏は簿記で国家財政を語るよりも定額給付金の意味と政局の具になっている現状について本来は言いたいのだろうが、上杉氏は「やらないよりマシ」という意味合いなんですよね。まあ、財政出動75兆のうち2兆しか占めない定額給付金でモメて国会が空転するより、早々に予算を含め景気対策で緊急にやらねばならない話はきちんと通してから解散総選挙すべきって話になっていくわけでしょうけど。

http://diamond.jp/series/uesugi/10063/?page=3

 しかし、スケールの違う我らが池田信夫氏は、上杉氏の「財源について〈国債の増額〉〈必ず増税〉ということはない」という部分を拡大解釈し、上杉は簿記を分かってねえクズと論点を一部すりかえておられる。まさにキングオブ水掛け論と言えよう。つか、国家財政を簿記原則で話しちゃうのも如何なものかと思うけど、原則論としては池田氏のいうことは正しいっちゃ正しい、でもそれは本件議論の主題ではなかろうに、と感じるわけです。

 で、池田氏が勝手に嵌ってる簿記の部分で問題なのは、確かに「その時点でのバランスシートでは」2兆円の財源はいずれ増税でまかなうのだからタンス預金を引っ張った損得勘定にすぎないという原則論は成立するし、それは正しいけれども、上杉氏が言っていることは「景気対策で死蔵されている埋蔵金を流用し、景気が戻ったら埋め合わせする」ということであって、国家が投じる定額給付金2兆円というのは経済を立て直して税収を回復させるための施策なんだぜ、という話なんですね。

 しかも、この手の政策をもともと主張していたのは高橋洋一氏であります。上杉氏も当然この論拠を引っ張ってきて論陣を張ってるのだから、まあ基本的には高橋氏の考え方に沿った主張をしている。つまり、高橋氏は「本当は、埋蔵金がもっとあるのですから、2兆円なんてケチなことをいわずに、20兆円くらいを定額給付金にすべきでしょう。 … 増税を考えるのではなく、経済成長に伴う「増収」を考えるべきだと思います。」と著書で主張しており、この高橋氏の従来の議論をどういう経緯か上杉氏がマイク役として述べています。

 上杉氏の主張はダイヤモンドのウェブ上では上杉氏の物言いだけれども、話の出元は高橋洋一氏が理論構築をしているのだから、池田氏は「上杉は簿記もしらねーのかバーカ」という前に、高橋氏に「お前の言ってることはおかしい」と喧嘩を吹っかけるべきなんですよねえ。

 ところが、これまたどういう経緯かその高橋洋一氏と池田信夫氏が鈴なりになって、よりによってライブドアブログで「アゴラ」とかいう言論サイトを立ち上げていたりします。おいおい、ベータ版だからってデザイン何一つされてない単なる無料ブログ一個じゃねーか何なんだこれとか言ってはいけない。これから神聖な議論のプラットフォームと進化していくのであります。しかもよく見ると我らが西和彦氏も名前連ねてるぜ… 嵐の予感がいたします。

アゴラ beta
http://agora-web.jp/

 あの上杉氏の論調を池田氏が批判するなら、孫引きした上杉氏の上流たる高橋氏ときっちりアゴラとかいうところで論争したらいいんじゃないかと思います。見世物としては議論の余地なく面白いものになるはずですけどね。普通に企業経営でバランスシートを見たら、遊休流動資産を将来の増収に充てて使途するのが悪いの? みたいな言い方はされるんでしょうが、御用学者2.0ポジションを池田氏がどうキープしようとするのか注目したいと思います。

 G7以上に中身が多国間プロパガンダになってて、新自由主義後退後の荒涼とした景色が非常に見てて諸行無常な感じがするんですけど。
 まず、お決まりの中国。

温首相「中国経済、昨年末から回復の兆し」 ダボス会議
http://www.asahi.com/business/update/0129/TKY200901290282.html

 動画で見てるとちょっと内容が不鮮明ながら「中国経済大丈夫ですよアピール」が中心で、世界経済の中枢としての中国経済に死角なし風の発言が続いて自画自賛状態であります。

中国首相、8%成長を公約 ダボス会議で
http://www.47news.jp/CN/200901/CN2009012901000091.html

 いや、だからその毎年適当に鉛筆舐めて伸びたり縮んだりする経済成長を公約に掲げないで欲しいというのが正直なところなんですが。他にも、ロシア同様経済危機が中国に打撃というような話もしていますが、うち発の危機じゃないもんねという雰囲気ですね。

中国の温首相:米中対立なら両国とも「敗者」に-ダボス会議で講演
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003011&sid=aMOrX5uLA_Co&refer=jp_asia

 中身は「早くオバマとの会談をセットしろ」という話なんですが、なんか恫喝っぽくて可愛いです。元調整を見送れば米国債買うよ的なポジションって、いままでのアメリカ政府の運営からすると駆け引きというより感情的な反発を招くように思うんですけど、オバマ政権は違うのかな。

ロシアと中国の首相、ダボス会議で講演
http://www.cnn.co.jp/business/CNN200901290003.html

 次いでロシア。英字配信の記事ではウクライナのことにも触れてたようですが、米経済発の金融危機は全部ブッシュJrが悪いのでオバマは適当に経済再建して頑張ってねの社交辞令と、要するにお前らの危機のお陰でロシア経済は混乱をきたしたんだからどうにかしろ的なニュアンスが印象的です。

「もう戻ってこない」=ダボス会議で途中退席-トルコ首相
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2009013000088

 ところで、イスラエルのガザ攻撃でイスラエルのペレス大統領が正当性を主張する演説をかましたところ、それを横で聞いていたトルコのエルドアン首相が激怒してキレ落ちするという事態が。映像観たら、凄い不思議な間合いで突風が一発吹いたような具合だったので、あれがイスラムの間というものかと妙なところで感心した。

 うちの首相の出番が明日31日だそうですが、存在感がないというよりは、特に展望なく予算案採決引き延ばした野党に日程を取られたのかしらとか思います。でもいま野党は必死ですからねえ。しょうがないんでしょうが、予算ぐらいはとっとと通して欲しいと。

麻生首相のダボス会議出席を発表 英首相とも会談へ
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20090129AT3S2900H29012009.html

 日経には日英会談するよとか掲載されてます。関係ないけどイギリスいま大変ですからね。少なくとも先進国に相応しい経済力じゃなくなってきている感じです。折角予定とったので首脳会談ぐらいはやっておかないと格好がつかないが、麻生さんが駆けつけるまで現地に残ってる首脳はそのぐらいしかいなかったためとりあえずセットしてみた感じでしょうか。普通はいまイギリスと話しても「こっち見んな」って感じだと思うんですけどね。Civ4のやりすぎでしょうか。

 まあ、過去のダボス会議ってのは膨らみ続ける世界経済を牽引するアメリカのご意向も強く反映される仲良し会みたいなもんだったのが、いつの間にか紛争の処理や緊張する外交関係を確認、整理する多国間外交の場が剥き出しに提示される状況になってて笑うわけです。

 綺麗にいえば、投資家なんですけどね。相場を張って、それを生業のひとつにしていれば山師だの勝負師だの言われるのは仕方がないわけですよ、己の眼力と博才で暮らしているわけですから。卑下しているわけでも開き直っているのでもない。投資の界隈は虚業とはいえ、きちんと自分が取れるリスクの範囲内で誰の力も借りずにチップを置く度胸が必要です。
 でも、相場というのは自分で独学でやるしかないので、誰かに教えられてどうにかなるとか、そういうもんじゃないんですね。前に学校で市場原理についての授業があるんだとか、大学で金融工学が人気とかあったけれども、学があっても相場勘のない奴はどうしようもないし、高校中退でも種銭貯める地力があって相場を見極める力があれば必然的に浮いてきます。

 相場を張らない人からすれば、ギャンブルの世界に身を投じて実業とは程遠いということで理解できない世界なのは良く分かるけれども、手に職をつけたところで先は分からないし安定しないというのがいまの世の中ですからね。サラリーマンが「将来は不安だ」とか言うのを聞いて、私らからすれば「そもそも安定している状況なんて、生れ落ちたその瞬間から存在しないんだよ」と思ってしまう。

 相場を張っている人が、私のように自分の銭で博打を打っているのなら、それは自分で自分の取れる範囲のリスクを取って、自分の才能で飯を喰っていると思って欲しいです。それは、証券や先物、為替で喰ってる人もそうだし、事業家として人を使いながら事業を切り盛りしている人だって自分の家屋敷を担保に金借りながら仕事転がして利益を出しているんです。基本的に、自分の足で立ってる人たちなんですよ。

 資金調達の仕事をしていると、なんか私らが何の苦労も努力もなしにあぶく銭動かして良い飯喰ってるように誤解されるんですけど、まあ私の風体が山師気質なところがあるからというのもあるけれども、こっちも20歳から16年相場やってて山谷あっても生き残ってきているわけで、そこのあたりは理解して欲しいなあとは思います。

(追記 12:34)

 論争になったご本人がこのエントリーをお読みになられ、趣旨のご説明と撤回のお言葉を頂戴しました。ただ、当方の真意も論争相手を貶めようという意志のないことは読み取っていただけると信じていますので、当エントリーについては削除せずそのまま残しておきます。また、関係諸氏のお心遣いには改めて感謝申し上げます。

 時間はかかったけど本格的に来たっぽいので。タイミング的にもよろしいんですかね。よく分かりませんが。

グッドウィル欺き380億円、買収仲介の会計士ら中抜き
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090126-OYT1T00013.htm
 もうUnited Asiaグループ緋田将士繋がりで空手の松井章圭氏の名前が出ていた。

 中澤秀夫さんについては去年10月だったかに脱税の疑いで査察が入ってカウントダウンだったのを考えると、まあ汐としてはこんなもんでしょう。畑崎さんのルートでは小林達也さんに一度だけ紹介されたぐらいしか知らないけれども… 千年の杜では鬼頭和孝さんの話も出ているようだから、そっち方面の摘発をしましょうという流れだろうか。トランスデジタルとかな。報じられてはいないけれど、旧三和系の人物を通じてパチンコ業界から資金を一時的に借り受けたなんていう話も出る始末で、まあ困ったものです。

 折口さんに関して言うなら、すでに赤ちゃんプレイの元締めが当局側に落ちているのもあって、逃げるように結婚した沢尻エリカや露出を減らす方向になるかもしれないほしのあきとか、報じられた名前度忘れしたグラビア女とか折口さんの金で飲み食いしていた方面でお金をむしってたフルーツ屋というか女衒の人々も何事かあるのかもしれない。

 よりエスタブリッシュ方面に伸びるのであれば、紺綬褒章を折口さんに取らせる際、ある意味保険というか後ろ盾をやった人たちがやはりお金をむしってた話はあるでしょう。05年だったかに受賞していることを考えると、日本赤十字社が折口さんから寄せられた浄財は本当に浄財だったんかねという話にもなるだろうし、さらに遡れば04年に経団連理事にもなっているわけでね。

 もちろん、現在の見立てでは「グッドウィルは欺かれた」という若干被害に遭った風の書き方にならざるを得ないんでしょう。さて、何で立件するんだろうという興味もある。別に誰かが誰かを刑事告発しているわけでも裁判沙汰になっているわけでもないですからね。

 全然関係ないけど、三木谷さんの記事で新潮が訴えられてて新潮が負けた件も気になりました。これ、新潮にネタ持ち込んだ全国紙記者とかどうなっちゃうんでしょうか… 人権蹂躙雑誌が可哀想です。

「楽天・三木谷社長“Xデー”報道は軽率」新潮社に990万円賠償命令 
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090126/trl0901261839026-n1.htm

 まあ、ゆるゆると二年ぐらいかけて高裁で頑張れば事態はいろいろ変わるかもしれませんけどね。いろんな人の面子も潰れたようだし。

↑このページのトップへ