月別アーカイブ / 2008年12月

 「何をいまさら」とか「どうしていま蒸し返しを」とかいいたい人もいるようですけど、一応。

鹿島、十数億円の裏金づくり キヤノンの発注工事で
http://www.asahi.com/national/update/1228/TKY200812280212.html
http://www.asahi.com/national/update/1228/images/TKY200812280226.jpg

 ついでに、なぜか赤旗。

随意契約 大分誘致巡り新疑惑
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-12-27/2007122701_02_0.html
 「国税の皆様お疲れ様です」という話ではあるが、それ以上に問題になるのは「キヤノンは被害者なんでしょうか」という点。このあたりは、週刊FLASHや月刊サイゾー、月刊選択あたりで微妙な記事が掲載されていました。

 しかし、銀のスプーンをくわえている人へ、これらの裏金の一部が還流していたという風評が事実であるならば、なぜ財界団体のトップに就任するためだけにそれだけの資金をこしらえなければならなかったのかという点は疑問に思います。ましてや、こんな関わり方をしたらこんにちのような事態になりうることぐらいは周辺にいた名古屋の人たちも分かっていたはずですから。また、こんな偽装工事のようなB勘定をやらずとも、資金を作る方法はほかにもあっただろうし、そのほうが健全でバレにくいと思うからです。

 リークのタイミングも微妙であって、置き石的な見え方を狙ったのかしらとも思いますが、この手の問題では融通のきかない共産党を使うあたりが気になります。まあ、タイミング的にも羊さんは必要であるので、辞任会見あたりを号砲にして一気にやっちまって欲しいなあと思うところではございます。

 まあ、単純に民間企業同士の金のやり取りでちょっとした数億程度の「配慮」があった、とかであればここまで問題視されなかったかなあとは思いますけどね、某お台場みたいに。

 「必死だなw」とか思ってはいけない。

タリバン情報の見返りはバイアグラ、CIAが高齢部族長に
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20081227-OYT1T00503.htm
 ここ数日は微妙報道が多くて、年越しなのに何でこんなにしんみりしているのって感じなんですが。ブッシュJr大統領は、どうも相当アレなようです。小泉さんもかなりアレなので、アレ同士仲が良かった時期に流動性バブルが来てなんとなく支持率が高かったんで戦争してみたり自民党壊したりしてみた感じなんでしょうか。

ブッシュ大統領「最悪だった」が28%…米世論調査
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20081227-OYT1T00304.htm

 中国からはほのぼのニュースが届いています。どういうシチュエーションかまったく想像がつかん… 家が十軒以上吹き飛ぶ雷管爆発ってどんなだろ。

中国・河南省の農村で雷管爆発、10軒以上倒壊15人死亡
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20081227-OYT1T00506.htm

 サイレント残留。魔将、さすがすぎる。

 ところで、銭闘力の高い選手を数多く擁し、WBCに微妙な態度を取るなどセリーグ界の風雲児たる中日ですけど、山本昌さんには複数年契約を提示ということで驚きを禁じえません。

43歳、中日・山本昌が異例の2年契約
http://www.sanspo.com/baseball/news/081226/bsc0812261307000-n1.htm

 昌さんはこれからが黄金期ということで。

 電話待ちの間に軽やかに書いてみる。

■[ネタ]今日もお酒飲まない:雑感
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20081225#p1
○ なんとなく清算主義について分かった点

 金利を考えず、火を消すコストを捻り出せれば「そんなことに注目する前にとりあえず火事を消せ、というのがここ数十年の学術面ではなくいま目の前で繰り広げられている現象面の出来事」というのは事実ですね。少なくとも、当方らの立ち位置からすると「火を消しましょう」「分かりました。で、見返りは?」という話でありまして。はい。

 ついで、「むしろ旧態依然としたところが生き残る、というのが学術的ではなく現象面での出来事でした」については、旧態依然としたところは純然たる市場のなかに存在していないか、従前の既得権益における高利益率な仕事、あるいは前時代からの資産が値上がりして得られた収益(土地など)があるため、いわゆる商業活動上の収益や経済効率とは関係なく存続するのは往々にして見られますね。

 一番分かりやすいのは毎日新聞社かと思うんですが、ボコスカの赤字で将来見通しも暗くリストラも進んでおらずどうしようもなく非効率なのに、従前から保有している不動産を切り売りしたりしながら、ゆっくり滅んでいくという。これは市場の観点からするとはっきり埒外ですけれど、金融という側面からすると保有不動産で収益が回っているのでそれを否定することにはならない。

 旧態依然が政治的な理由で不況下で残るのは、まあいろいろあります。商工中金とかもね(笑)。

○ それは単に不景気だからでは? と思う点

 で、「これ裏を返せば、新しいことやるところが中々現れない、ということでもあります。つまり経済全体としてだんだんヘタって行く(非効率になる)ということなんですね」というのは、不景気だからしょうがないんじゃないの、市場からすれば金利つけられてもリスク取れない場合ってたくさんあるもんで、なんか好況が来るまでは開業率自体は上がらないだろうなあという感じはします。それが来年なのか10年後なのかは誰も分からんけど、意見が違うから相場が成り立つということで…。

 ついでに、単純に企業サイドから見るならば、事業をスリム化して、資産を売ったり人員を整理したり会社を分割したり、撤退のための投資を行うことで見た目上の創業率を不況下でもキープし下支えする方法ってのはあるんじゃないかなとは思います。

 「赤字で非効率なものだけどんどん倒れればいいのですが、そうなっていないというのが多くの実証(=現象の証明)が示すところでした」というのは、たぶん、ある時点での企業の効率を見ているのであって、その企業集団が過去に蓄積してきた資本についてを考えていないからだろうと感じます。株価とEBITDAを見て考えれば田中先生の論法は成立しますが、上場各企業の時価総額ではなく総資産額とROAで見れば多少は風景も違うんじゃないでしょうか。

○ 悪あがきは非効率か? という点

 「すると社会全体のリソースがただでさえ縮小しているのに、そういう悪あがき?にリソースが利用されることで、新規参入者や既存の黒字で効率的な企業が利用できるはずのリソースも食われる」って件ですが、例えば今後農林中金が2兆円やられたりイオンとか破綻してみずほCBがやられたりオリックスが何かで躓いてひっくり返ったりすると悪あがきがいろいろ起きるはずです。

 で、悪あがきというのは悪あがきしている当事者やその周辺にとっては非効率だけど、あがかないで潰れる奴ってどれだけいんのという話で、これを救済するために税金を投入して問題を先送りする、という論法って本来は田中先生が主張された「まず火を消せ」というのとあんまり理屈上は変わらんのかなとも思います。

 いや、反対してるわけじゃなくて。

 つまりは、銀行が潰れそうだ、悪あがきしている、それは非効率だがレガシーなので資産もあり信用もある、国が助けなければ火が広がる、という状況で、とりあえず「火を消しましょう」というのはマクロ的にはそうなんでしょうが、もう少し方法があるんではないの、統合したり間引く方向に向けられないものか? と感じるわけです。

 問題意識としては、田中先生の書いてらっしゃる「悪あがきゲーム」というのは私たちにおける「投資環境」以外の何者でもないので、その環境下で適応した企業が強い企業よりも優勢であるというのは(私らからすれば)論を俟たないところです。ただ、民間でそれを回避する方法がご指摘のようにあったとして、それを誰がやるんだというのはございます(笑)。というか、処方箋としては、具体的にはどういう内容になるんでありましょう? 概念は分かるんですけどねえ…。

 ついでですけど、理性面ではこれはまったく共感。

■[経済]朝日新聞朝刊「昭和恐慌に学べ」
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20081225#p2

 たぶん、分かっている人は全て見えて論じていて、明確にそうと書いてあるけれども、その影響力を行使して企業や偉い人を「転向」させることがなかなかできなくて、そのまま長期不況に入っていくことでしょう。目先の利益を重視する実益的な人々の行動を制御できずに円高に触れまくって保護主義が台頭しまくってファッショになりまくってブロック経済になっていくんだろうなあ。イデオロギーに染まって母集団が理性を失って個々が利害得失を見失うのは危険だ、と分かりつつも、個としてそこから離脱するコストとリスクを考えるとそれもできずに結局わーわー叫びながら全員一緒にジェットコースターに乗りながら恐慌突入、みたいな。

 これはまずかろう。

ビックカメラ架空利益49億計上、監視委が調査・訂正へ
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081225-OYT1T00413.htm
 記事中、多少からくりについて解説は書いてあるけれども、常識的に考えてそもそも匿名の投資組合使ってあんな物件出し入れしてたら、それは期間や方法はどうあれ借入金じゃないかな…。

 そういう方法論で考えると、まあ相談を受けた弁護士も厳密な解釈はしなかったのだろうし、堀江裁判の内容でもそうだけどもう創業者の株担保の金出し入れで売上作って増資かけて、というのは許されないんだろね。

 ついでに、これは良かったね。

東証、第三者割当増資に規制 来夏メド、悪質なら制裁も
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20081225AT2C2200Z24122008.html

 もっとも、直前に微妙な駆け込み増資みたいなのが続発するかもしれないけどさ。

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