月別アーカイブ / 2008年10月

 文春の記事はネットに転がっていないので、勝利宣言に等しいダイヤモンドの記事で代用。

http://diamond.jp/series/uesugi/10047/
 オリジナルの文春のネタ元は麻生首相の親族なのかなあと思うし、在京でいえば麻生巌氏(ドワンゴ社外取締役)とかその辺だとまたいろいろ言われるのかなとも感じる。でも、年内に選挙などないよ、たぶん。公明党にそこまで麻生首相が意を迎したとい事実関係もないし、都議選に配慮という名分も古賀さんが言っていたことにすぎない、というのは上杉氏の文意のまま。結果論でいうならば、文字通りマスコミは総選挙に打って出すための包囲網を勝手に敷いたつもりになっていた、ということなんじゃないかと思う。

 もちろん、そのようなマスコミによる解散風というものを真に受けて準備に入ってしまった議員の周辺から話を聞くならば、それこそ明日にでも解散があるんじゃないかというような話しかマスコミ的には取れないのは当然。でも、いみじくも麻生氏本人が「解散は自分が決めること」と繰り返し言ったことの反対側には、病状の悪化が予想される小沢さんに一日でも長くマスコミがぶら下がってコメントを取ろうとするプレッシャーをかけることを期待していた向きはあるんじゃなかろうか。

 アメリカのMS&GS救済法案が下院で通らなかったことを奇禍として解散に待ったがかかるという事案なんてないだろうし、これも引用した上杉氏の勝利宣言と等しく解散などハナから麻生氏は考えていなかったことから考えると、ちょうど去年の小沢・福田による大連立構想の与太話を読売新聞が捏造した事例とそれほど違いのないマスコミの煽動が失敗した件と変わらんだろうとも思う。

 それでも、マスコミが言うように10月10日前後に再び解散風が吹いてそれ相応の選挙予測報道があるかもしれないけれど、多分選挙にはならないんだろう。だとするならば、古賀さんやその周辺は何を持って解散予測をマスコミに書き立てさせているのか、そのあたりが気になる。政局を仕掛けたい、民主党とそれなりの握りができている、という見立てが具体的にあるのであればそれでいいが、実際問題として、いまの民主党に、党を割るつもりで古賀さんと意を通じて選挙に持ち込もうと取りまとめられる力のある議員が一人でもいるのだろうか。

> 9月24日、麻生首相が誕生した。

> だが、解散を打つ気配はない。それもそのはず、麻生首相はただの一度も解散日について言及したことはない。繰り返すが、ただの一度もだ。

 まあ、そりゃそうだろうねえ。ただ、麻生さん周辺が、一人でも解散について示唆したのであればそれは理由を是非聞いておきたいところでもあるし、古賀さんは何を目的としてマスコミに対して「解散させますから」みたいな証文を切ってまで解散風を吹かせようとしたのか、イマイチ分からないところではある。

 いや、本当に分からないんだよね。どっちが有利とか不利とかではなく、混乱しただけじゃないか。

 観測気球かと思いきや、本当にその方向であるようなので改めてピックアップ。

証券化商品の時価評価、米証取委が基準緩和
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20081001-OYT1T00462.htm

 じゃあいままでの金融ビッグバンは何だったのかと竹中平蔵教授には一度心逝くまで懺悔室に篭っていただきたいと言いたい人も増えてしまうんじゃないかなあと思うのですが、とりあえずは。西海岸の人はとりあえず全員吹っ飛んでいいよ俺たち無事だしと言いたげな政権狭間の豪快なスタンダードシフトの意志決定には頭が下がる思いであります。

 記事中は、不良債権処理の先送りという言い方をしていますが、まあ当然のことのように不良債権が不良であるかどうか自体が分からなくなるわけですから、当面の決済危機は回避できますよという話は牽制球としてはそれ相応の意味はあると言うことのようです。ただ、不良債権額が確定しないし良く分からないから対策は後手に回るので確実に次期政権しょっぱなの仕事に随分デカいのが回るんだなあという印象ではあります。

 当面三ヶ月間の決算ほかは飛べればいいやということであれば、これほど絶妙な話はないかなと思ってたんですが、ガチで時価見直しとかって話だとアメリカ資本主義自体が修正資本主義化するんじゃないでしょうかね。

 火の玉になった中山成彬前国土交通相。

 ポスト町村の期待を背負い、任期終わるまで放言の数々を繰り出して政界のエンターテイナーとしての盛り上げ役を一身に請けるかと思いきや、いきなり辞任。やはり町村級の微妙なさじ加減には程遠かったようです。
 ところが、数々の放言のなかから日教組批判だけがクローズアップされ、大分の教職員縁故賄賂採用の話と紐づいてネットを中心に中山さんの人気が爆発。成田空港のゴネ得発言や単一民族発言は忘れ去られて見事一人歩きであります。

日教組批判は「確信犯」=辞任会見で自画自賛-中山氏
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol&k=2008092800082&j1
「日教組批判は取り消すわけにいかない」中山前国交相インタビュー(上)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/182847/
「麻生総理・中山前国交相を若者が支持したり、秋葉原で人気出たり戦前のドイツ・日本のようで極めて危険」民主・山岡氏
http://jp.youtube.com/watch?v=NfCFds7F-PA

 ちなみに、民主党の山岡賢次氏が盛んに何か言っていますが、この人も放言系の逸材であり、恐らくポジション争いなのでありましょう。勢い余って秋葉原人差別をしており、アイヌ民族より人数が多く戦闘的な秋葉原人を敵に回しております。

 しかし、中山さんが余計な日教組批判をした結果、ネットで支持が集まって中山事務所に支持や激励の逆電凸が行われ、それに気をよくした中山さんがさらなる放言を繰り出すという一連の流れは、ネットで日常的に見る炎上の風景とメカニズムは一緒でも結果的には逆の効果を表したという点で興味深いものがあります。

 冷静に考えるならば、日教組組織率と学力低下の問題は必ずしも中山さんの発言が正しいとは言い切れず、成田空港のゴネ得発言も空港建設計画のマズさもあって一面的で、単一民族に至っては「政治家がそれを言うな」というレベルの発言だろうと思います。何より、政権発足直後に選挙観測のあるなかで閣僚や三役になった人間が物議を醸す不確かな発言をすべきではないだろうと。

 そんな話を、日教組批判の一部だけ切り取って中山支持に回って煽りまくる現状というのも、何か凄まじい勢いのネットによる衆愚政治の帰着点なのかしらと勝手に思います。自民党にはもっとしぶとく問題発言を繰り出す人材の発掘と登用に力を注いで欲しいです。


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日教組批判は「確信犯」=辞任会見で自画自賛-中山氏
 「失言とは思っていない」「宮崎での発言は確信犯」-。中山成彬国土交通相は辞表提出後の午前10時半から、国土交通省で記者会見。日教組批判については最後まで撤回しなかった。
 冒頭、中山氏は「(発言後)たくさんの方から『よく言ってくれた』といった山のようなメール、電話が深夜まで鳴り続けていた」と、自身の発言を自画自賛。その上で、「(臨時国会の)審議にいささかの支障があるとすれば私の本意とすることではない」と、辞任の理由を説明した。
 「日教組はがん」などとした発言について、「失言と思っていないのか」との質問には「はい」ときっぱり。いったん落ち着いた問題を地元の宮崎で蒸し返したことについては「確信的に申し上げた」と語った。 
 「総選挙に向けて国民の関心を引きたかったのか」との問いには「それもありますね」。麻生政権に対する悪影響を問われると、「そういうことがあれば万死に値する」と述べた。「大臣という職は受けるべきではなかったのでは」とする質問に対しては、しばらく沈黙した後、「やっぱり受けるべきだったと思う」とつぶやくように答えた。
 大臣として地元の期待を無にしたことなどを指摘されると、時折目を潤ませたような表情を見せ、1時間にわたった会見を「短い間でしたが、ご迷惑をお掛けしました」と締めくくった。(了)
(2008/09/28-12:59)

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