月別アーカイブ / 2008年07月

 私はdankogaiではない。頂戴した献本は当ブログではあまり取り上げないようにしている、なぜなら私は本を読むペースにむらがあるし、どれかを取り上げて、どれかを取り上げないというのは、取り上げられた側が「何だ。クソな感想書きやがって。それにこんな反響しかないのかバカタレ」と思うかもしれないし、取り上げられなかった側が「何であの本を取り上げてウチのは話してくれないんだ」という結論になるからだ。

 だが、今回は違う。取り上げさせてもらおう。なんじゃこれあ…

「中国が目論む世界支配」の正体
http://www.fusosha.co.jp/book/2008/05712.php
http://benjaminfulford.typepad.com/benjaminfulford/2008/07/%E3%83%99%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%95%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%89%E6%96%B0%E5%88%8A%E7%99%BA%E5%A3%B2%E3%81%AE%E3%81%8A%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%9B-1.html
 読んでいて、頭の中の酸素が全部二酸化炭素に変わるぐらいの衝撃を感じる。要約して本を紹介しようにも、要約不能である書籍というのは初めてだ。だって何を言っているんだか分からないんだもの。咀嚼できないし頭痛がする。本自体が生物兵器なんじゃないかと思うぐらい。単なる陰謀論で片付けられないのは、陰謀の出だしと終わりで結論が違うように読めるし、それは陰謀ではなくて単なる状況説明と各種関係者が何を思っていたかの羅列にすぎないんじゃないの? というネタが次々と出てくることにある。そりゃ関係者がそれぞれの立場で飯喰ってたら、思惑の違いや達成目標に違いがあるのは当然ですって。

 その割に、カジノ方面や中国マネーが中国政府の意志にかかわらず流出が続いて秩序が保てなくなっている件についてはあまり触れられていない、というより、欧米対中国という図式で妄想が広がっているので、中国自体がどこまでも個人主義的で一枚岩ではなく、別に誰かに支持されて中国人は中国人をやっているわけではないということに気づいていないのだろう。

 それでも、この本がある種の面白みを読者に感じさせるのは、そんな馬鹿なことがあるはずないだろうという健全な猜疑心を育成できるか、この本に心から共感して電波輻輳状態となって見えない敵と戦い続ける闘士となる資質を持つかを確認できる試験紙の役割を持つことにある。これを信じる力を持てる人がいたら、それは才能だと思う。万が一この本の内容が真実だったら、と考える必要もないという点では、非常に割り切っていて個人的には好感が持てる。

 次回作は、電波行政についてベンジャミンと池田信夫氏が心逝くまで語りつくす対談本を企画して欲しいです。

 いままでどれだけジャニーズ事務所が問題を揉み消しながら芸能事業をやって利益を上げてきたのかを知っているマスコミ人を講談社はたくさん抱えているんだから、本当に戦争になったら講談社が勝つんだろう、きっと。とはいえ、週刊現代こそ講談社というわけではないので、いろんな意味で儲からなくなってきたジャニーズ関連商品の利ざやと、他のリークしてくれる人たちと組んで圧力だの裁判だのにかける労力と天秤に比べているのかしら。

 いま思うと、嵐の件のこれは講談社渾身の宣戦布告だったんだろうか。

http://shop.kodansha.jp/bc/pop/arashicalendar.html

 ただ、一番の問題はジャニーズ事務所の醜聞を講談社が報じて話が広がってしまい、スポンサーが降りて困るのはテレビ局だということと、安定して数字を取れるポスト・ジャニーズが見当たらず、業界のシステムが大混乱になってしまうことなんだろうけどね…。

 嵐の何とかに限らず、SPAMだったか、そんな名前のユニットの売れてる人がシャブシャブが好きとかいろんな噂が流れていたし、でも本当にそうだとして長年手をつけているんだとしたら麻取も警察も何でそんなのいつまでも泳がせているんだろうと不思議に思う部分もあるけど、きっと「太いパイプ」を持つリスクコンサルタント会社と昵懇だったりするんだろうな。

 まあ、このあたりは予測というか妄想にすぎませんから。私としては、面白おかしく問題が広がって、適切なところで手が打たれればそれでいいと思っております。ほんとです。

 ほんとにやったんだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080729-00000000-isd-game



 訴えた先がことごとく三国人テイスツなあたりに限りない好感と共感を覚える清々しいニュースといえるが、こんなサイトが平然と存在してるあたり、とっとと通報して閉鎖させろよとしか思わないよなあ。「ドラゴンクエストVもう修復しました」じゃねえよ。


http://www.dsgamejp.com/


 まあ、DQ5のプロテクトがああもあっさり突破されたらこぶしのひとつも振り上げずにはおられんだろうしなあ。はあこりゃこりゃ。

 豚が料理されたのは国策だとか、豚に比べれば似たような他の大手が罰金で済んでるのはおかしいとかいう議論がいっぱいあるらしく、にわかに今日取材が一杯来たので、ちょっとだけ触れておくよ。ここに書いているのは私の個人的な見解であって、組織的な誰かとか何かを代表して何とかって話じゃ当然ないのだ。


 結論を言えば、他にも豚のような犯罪は大量にあるけど、全部を摘発・検挙して数珠繋ぎに投獄なんて真似は事実上不可能だし、摘発のためのコストと社会的リスクは下のように最適部分でクロスする必要がある以上、どこをどう摘発するかは捜査当局の恣意的な選別の結果にならざるを得ない、ってことなんだよね。


 そういう意味では、法務省や警察庁に限らず、麻取だって公安だって告発や摘発の対象は選ぶという点で、すべて国策ということになる。例えば、横に豚とミキティとダーク欽ちゃんが並んでてどういう順番で誰を摘発して誰を摘発しないか、というのは、材料がどれだけ集まっているかに加えて、引っ張った後、公判を維持できるんだろうか、とか、株価やら政権やら他への影響は、と考えて、まあこのあたりにしておこうか、という綱引きの結果、お前らやっちまえということでゴーになるんだということぐらいは分かっていると思う。


Buta080725


 豚の場合は、豚だから逮捕、というだけでなく、豚だから有罪、しかも執行猶予もつかねえ、という決着になったのは、みんな意外だったと思うんだよね。そもそも論で言うなら、あれは本当に有罪に持ち込めるんだろうか、と周辺もそわそわするぐらい微妙な感じだったと思うんだが、蓋を開けてみると満額回答だったというのは驚きだ。判決文にもいろいろ書いてあったけど、まあそういうことなんだろうと思う。舞い上がって、社会に対する挑戦をしちゃったので、馬鹿であるがゆえに執行猶予がつかず、という。


 もちろん結果論であって、進行途上からすれば微妙な話ではあったけれども、豚側が法廷で「何も知らされていなかった」無能経営者主張を繰り返し、馬鹿でーすというのをやったのは、最終的には逆効果もいいところだったのかもしれない。こんな馬鹿に世間は踊らされたのかよおい、ちょっと符ハネしておくか、といった心境なのかも知れぬ。知らんが。


 個人的には、オウム真理教を裁いたのと同じ理屈だろうと思う。人も死んでないし、テロのような犯罪組織では当然ないけれども、煽動を行い社会の秩序を乱す思想犯に対する裁判と見るほうが、単純な粉飾決算による証券詐欺と考えるより合理的なんじゃないかなあ。


 そういう意味では、拝金主義そのものはともかく、豚が金があれば何でも買える的な言動を独特なキャラクターで吹聴した風潮そのものに歯止めをどうかけるのか、国として、みたいなところはあったであろうし、悪く言えば目立ったから摘発だし、政治に手をかけようとしたから危険視されたというのはまあ分からんでもない。


 そのうえで、豚よりもはるかに悪質だし、被害額も大きい某大手証券のアレとか、某銀行のナニとかはなぜ摘発されないのかという話になるだろうが、これには二つ解があって、第一に、当時ブイブイ言わせてたこいつらはもうとっくに社会的に死んだことになっているし、第二に、わざわざ告発して起訴して法廷転がして判決待つよりも、押し入って黙らせて土下座させて二度と逆らわないようにさせたほうが安く上がるというのはある。ましてや、上記グラフがクロスしているところにあるようなボーダーラインの連中は、見逃されているのではなくて選別された結果、それほど害がないとして後回しにされているに過ぎない場合のほうが圧倒的に多かろう。だって本当に有罪になるかどうかは、外部からは誰にも分からないんだもの。


 摘発できる数なんて限りはあるのだから、面倒くさくて悪い奴から順番に摘発していったのではコストがかかりすぎるというのは、考えのうちにあるんじゃないだろうか。もちろん摘発の難易度というか、尻尾の出ている出てないという要素も圧倒的に大きいとは思うけど。


 某銀行と某証券と豚、誰か一人を逮捕しろという話になったら、みんな豚を逮捕するんだよ。残りはマズいことやったと悟って、どうにか逃れようと高い銭使ってヤメ検雇ったりリスクコンサルタントを通じて回避しようとする、その時点でもうそいつらはまともでないのだから、まともな商売人は近づかない。それ以上、悪いことをしようと思ったら、本当にその方面に逝くしかない。動きは止まる。そういう機微を知らずに最後まで突っ張った奴は逮捕されるということなんだろうなあ。それが裁判になって、有罪になるかどうかは知らん。でも一度パクられた奴がうろうろしている企業やファンドとまともに付き合う大手企業はないだろうし、それもひとつの制裁ではないだろうか。


 まあ、どうでもいいんだけどね。

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