月別アーカイブ / 2007年11月

 他人事ではあるが、ここのところの新興市場は思うように金が集まらない状況であるのか、どうもいろんなことが起きているようである。去年や今年の前半であれば、噂すら出なかっただろう結構まともな銘柄で事件性を感じさせるネタが縷々見受けられるようになってきた。
 まあ、単純に株券を印刷しても換金してくれる業者にガソリンが回らなくなってきたからなのだろうが。それでも、糸山せんせが過日こんな記事を書いていて、いま読むと確かにそれ相応の真実性を持って銘柄を選んでいたのだろうというのは分かる。


http://www.itoyama.org/contents/jp/days/2007/091201.html


 フルキャストについては、一時期資金繰りが厳しくて年内ヤバそうだという噂が流れた。本当かどうかは知らん。ただ、受け皿会社作ってもし本丸が駄目でも別働隊が生き残れるようにしようという作戦があったようだし、逆にフルキャスト自体が保有している銘柄やベンチャー協議会を含めて、平野氏が関連するファンドなどに株を握られている企業は上場審査時点でハネる方向で何事か進めているという情報も飛び交っていた。ついでに平野氏に関連する未公開企業に関するリストもちょびっと出回った。いろんな意味でベンチャー協議会絡みである。


 グッドウィルはもう少し踏み込んで問題視されていて、女の子に「いつなくなってしまうの?」と心配されかねない勢いの話が出る。大丈夫なのだろうか。もちろん決め手になっているのはコリンシアンを経由して銭が200億ちょい闇社会に流れたというコンセンサスのようなもので、当局は許さないだろうという見通しがまことしやかに語られる。まあ、いまさらグッドウィル株を堂々と触って公言する微妙外資証券の言うことを聞く投資家などいないであろうし、ポークやパチなどとは直接の接点は乏しいだろうから大きい話になる前に自然死させようとするかもしれない。


 となると、残りの2銘柄は表向きそれほどビッグな経済スキャンダルなど出ているわけでもないのに、何故糸山せんせが「バーカ」って書いてるのか気になるわけである。記事の内容から察するに、値下がりしたから怒っているようにも読めるが、その理由を「GMO熊谷くん、T&G野尻くんもなぜ市場からこのような評価を受けているのか心当たりがあると思う」としてやっちゃってるあたりは糸山せんせの糸山せんせたる所以かな。


 ある意味、GMOの場合はシンプルだ。闇社会にお金を流しちゃったとされるグッドウィルと、闇社会と結託してお金を作っていたとされるフルキャストと並列されるような問題の所在は処々確認できるかもしれない。ただ、私の履歴書とか御用新聞にのんびり書いてる場合なのか判断が悩ましい事例ではあるのだが、個人的には儲かると勘違いして問題物件を宛がっちゃった結果、買わされたGMOの株価が十分の一になったのだから、どうにかケツを拭く方法を考えていろいろ動いている点は好意的に評価すべきだと私は思う。これについては後日詳しくどっかで書く。


 T&Gについては、もうちょっと話が複雑なのかと思う。そも何故T&Gが東証一部に成り上がれたのかという本質論から考えなければ問題を理解することはできない。「問題銘柄は東証一部であってはならない」という建前でいくならほかにも問題企業は山ほどあるわけだが、どうしてT&Gが十分の一の株価になるまで叩きのめされているのか、十分の一とは言わずともフェイスだってグダグダであるし、東証一部から二部、あるいはジャスダック、ヘラクレス、マザーズって見れば似たような規模、利益の会社はゴロゴロある。たぶん糸山せんせはそういう経緯を知っているから書いているのだろう。


テレビ東京の株を糸山せんせが激しく買い増しについての雑感
http://kirik.tea-nifty.com/diary/2007/11/post_6420.html


 一番問題なのはこれな。ジャスダックのが分かりやすいので。


http://www.jasdaq.co.jp/data/public190427_3.pdf


 「暴力団関連企業は市場から排除」といっているわけだ。だが、どこまでが暴力団だという規定になるの? 証券金融やってる業者でもアウトなのか、それこそゴルフしてたら駄目なのか。そうなってしまうと、芸能事務所の社長がテレビ局の経営者と料亭で飯を喰っただけで理屈の上ではアウトになる。「上場会社関係者」が暴力団とどう「関係」したらアウトなのか、良く分からない。不当な金銭の授受があったらアウトとして、それが不当かどうか、どう判断するの。


 一方で、暴力団であったとしても、それが大株主であって、正当な株主としての権利を主張してきたらどうなってしまうの。同様に、暴力団と「関連」する人物がファンドや信託口などを使って証券会社で売買を繰り返すことを止めることは可能なの。当然、そういう人たちは発覚したら「後から知った。そのときは知らなかった」と言うよな。一種のバールのようなものと同じだ。


 まして、その地域に住んでいる人たち全員が暴力団であって、業として代々暴力を生業にしており、いちいち共生者など作らずとも日々インサイドの情報で株式を売買している、なんて状況だったとしたら、どうなってしまうのだろう。ここんとこウッドビレッジにおける木村剛みたいな事例が山ほど見つかってきているのもあるので、一罰百戒ではなく全弾命中で頑張っていただきたいが、以前だったらゼクーだのアーティストハウスだのライブドアだの特定の企業や人脈をコアにウォッチしていれば何とかなったものが、最近は仕手筋だの事件師だのという証券系事件のプロの犯行ではなく、普通の暴力団が組織的に国を出入りしながら仕事されるとどうしようもなくなってしまう。


 だから、以前のようにどこそこの勉強会やベンチャー関連の会合で居た人のリストを元に… というようなことでは駄目で、もっと前から○×を上がりとして誰々が徒弟として市場で金を作ろうとしているというようなところから網をかけていかないと、結果として投資家を護る仕組みというのはできないのではないかと思うわけだ。


 しかも、上記四銘柄はたまたま糸山せんせが羅列したら全部そういう感じであるというだけで、それ以外にもかなりの銘柄が「上場でゴール」であって、ちょっと前の奴になると上場時点での株主名簿を見ても実在が把握できない会社なんてのがゴロゴロしている。そうなると、証券会社や監査法人の側も、誰が正しくて誰が間違っているかではなく、どこを上場させると上場の時点までそういう不都合な事実がバレないのかというあたりが審査の線引きになってしまうことを意味する。


 勿論、悪い話ばかりではなく、そういうヘンなのも含めて社会なのだから、ヘンなもののなかから一定の割合で本物が出てくることを期待して新興市場を作ったのだという議論も成り立つ。だから、新興市場でヘンな銘柄があるねといっていきり立つよりは、投資家が投資判断として新興市場とはそもそもそういうものという割り切りを見知っておかなければならないと言える。


 一方で、制度として新興市場という本物とパチモンを見極めるフィルターを用意しておきながら、上場後の数年間しかスクリーニング期間を設けず、幹事証券会社の欲得も絡んで適当に売上つけて上位互換で一部二部に鞍替えさせちまえというような事例が続出する。恐らく、そういう例がアレであったりヘンな銘柄が一部上場になったりする契機となるのだろう。


 従来のやり方が機能しなかったというのは仕方がないとして、では今後”正常な状態”にするためにはどうすればよいのかという議論においては… 何をもって”正常な状態”ということにするの? 「株式投資は自己責任です」というのは国民のコンセンサスになったから良いとして、”どこ”を目指して”どう”監視するのか分からないことには話が進まないと思うんですよね。


 「いや、実は一部上場企業にヤバい銘柄が結構紛れ込んでたんスよ」という話を、”市場が下落するリスクがあるからできない”とするのか、”問題が大きくなる前に、早めの処置を”とするのか、悩ましいところではありんす。現状、どうやら前者らしいけどね。

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20071115dde007010033000c.html

ゴルフ接待問題について
町村「公務員の倫理、モラル(の点で)誠に許し難い。国防という崇高なる任務を背負っている省の事務方のトップとして、誠にあるまじき振る舞いだ」
と批判



http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009516820071121005.htm

守屋さんの参議院での証人喚問で、会食の場にいた政治家はだれですかという質問に対して、額賀先生と久間先生であったと思いますというふうに守屋さんが証言


http://jp.reuters.com/article/domesticEquities/idJPnTK005363820071115


町村「いろいろな会合に出席する方がいても、それがどうかしたのか」


 いやいやいやいや。


 ところで、守屋氏から直接ネタをひいたとされる民主党、どうも永田メールみたいな展開になりそうで面白いです。どうなってしまうのでありましょうか。

 損を出したから現金化しなきゃヤバいオケラ街道を一部の外人が走ってるだけなんだから、大目に見てやるべきだ。日本パッシングなんて喚く前に、その外人投資家に低金利で資金を供給してきた連中をどう思っておるのかね?

 曰く、経済悪化を直視せよ。まあそれはそうなんですけど…


http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/071119/plc0711191006003-n1.htm


 産経MSNのPV稼ぎのための短い記事三分割パぅワーには驚きを禁じ得ません。
 もちろん、小泉政権下で経済分野を担当してきた竹中氏のことですから、立場上「いや、小泉経済改革は間違ってたけど状況的にしょうがなかったんだよね」とも言えないわけで、といって、福田政権に移ってから竹中氏が携わってきた領域では彼の目から見て明らかな後退をしているわけですから、とりあえずはそのように言っておかねばなるまい、というのは理解できます。


 じゃあ、福田政権が経済政策の運営に失敗して、紆余曲折を経て竹中氏再登板の流れがあるのかどうか、あるとして、その布石を竹中氏が打とうとしているのかという件については、まあ微妙でしょう。現在、一生懸命になって小池新党とかブチ上げて万馬券狙いをしているグループからすれば、多少は色気も出すかもしれませんが… 正直、これってどうなるのかさっぱり読めませんな。


 またどっかの媒体でヤケクソのような政治スキャンダルを出してくることを期待しています。

 読みましょう。


http://www.amazon.com/Israel-Lobby-U-S-Foreign-Policy/dp/0374177724/


 ただ、むしろこっちのほうを先に読むのをお奨め…


http://www.amazon.co.jp/Taming-American-Power-Response-Primacy/dp/0393329194
 邦訳は、副島隆彦氏であります… 元の論文の短さからすると上下巻っつーのもどう何だという気もしますが。私はまだ上巻しか目を通していません。


元の論文
http://ksgnotes1.harvard.edu/Research/wpaper.nsf/rwp/RWP06-011/$File/rwp_06_011_walt.pdf
http://www.boston.com/news/local/massachusetts/articles/2006/04/05/academics_paper_on_israel_lobby_brings_scholarly_heat/


 クルディスタンの問題についてもう少し聞きたいなあというのはありましたが、流れとして共和党が負けた後のアメリカ外交政策の地ならしという意味においては非常に先駆的です。もろに”911テロ以降、アメリカ外交は正気を失った”=ブッシュJr.とその取り巻きはキチガイという構造的論理を、イスラエルロビーという機能の延長線上で展開してるようにも読める点は「へぇ」と思います。


 「じゃあ正気に返ったアメリカ外交ってのはどんな景色だ」という問題意識でアジア情勢を見ると、ネタのついでにグリーンスパン回顧録も読み返したくなる状況ですか。

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