FRIDAY(フライデー)が、京都アニメーション放火事件で70名が被害に遭い36名もの方が亡くなられた凄惨な事件の被疑者の治療に対して、2億円近い治療費がかかっているかもしれない、と報じました。

京アニ放火事件の容疑者の治療費 税金から2億円の支出か #ldnews https://news.livedoor.com/article/detail/18410516/

 この数字は皮膚の培養など特殊な治療のコストを足し合わせたものであり、その前には東京新聞から出た報道で直接の治療費は1,000万円ほどという内容もあったので、治療費の計算方法によってはいろんな見方もあるよということかもしれません。

京アニ事件 青葉容疑者の治療費は1000万円 全額が税金から支給か
https://www.tokyo-np.co.jp/article/31725

 あまりにも悲惨な事件すぎて論考を重ねようとするだけで嫌な感情が湧き上がるのですが、本人も罪を認めてこのまま有罪になるのだとすると、命をもって償う判決が下る可能性が高いわけですよ。本人の人生が仮にどれだけ残念なものであり、責任能力の有無も含めて検討の余地があったとしても、身勝手な犯行によって失われた命、また、その先にあったであろう文化的な業績を思うと眩暈がします。

 そんな奴を税金使って治療して助けるな、という話も出やすいわけですけれども、しかし、やはりきちんと全力で治療して、税金でもしっかりと突っ込んで、必ず司法の場に被疑者を出して吟味し、判決を出してしっかりと罪を償わせる必要があるんだと私は思うんですよね。単に「そんなやつは」と言うのではなく、法的な手続き、仕組みをしっかりと遵守し、ちゃんと裁かなければならない。

 また、判決が出て、有罪となった場合、刑が執行されるその日まで、間違ってもいきり立った第三者によって私刑にされてしまうことも避けなければなりません。問われているのは、法治国家である日本の原理原則を弁えた立ち振る舞いだと思うんですよ。如何にいまの法相がアレであったとしても、また政治が無法な行為を乱発するとしても、我が国の司法は最後の砦として一線を超えず国民の請託に応えられるようにしなければならないと思います。

 そして、この事件ではそんな被疑者に対して、京都弁護士会からこんな凶悪な事件の弁護人を引き受ける弁護士がいらっしゃいます。世間からの反発も強いであろうし、そんな奴を弁護するなという声も大きいかもしれませんけれども、それでも司法の公正性を担保するためにも必要なことだと思うんですよ。この事件を最後まで見届ける国民の側も、そういう日本の公正な仕組みがあるから私たちは暴動を起こさず、路上の石をぶん投げて略奪する必要がないような安定した社会に生きているのだ、と弁えるべきなのではないかとも感じるんですよね。

 願わくば、すべての手続きが正常に履行され、きちんと判決が出て、罪が償われ、神の御許に召された犠牲者の魂に平安が訪れますよう。

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山本一郎(やまもといちろう)YouTube

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